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城戸朱理のブログ

2015年10月23日

ごだん宮ざわで、その3

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ごだん宮ざわは、夜だと料理の品数が多すぎて、御飯が出るころには、すでにお腹がいっぱいになっているが、お昼ならば、それほどでもない。

京都で、御飯を主菜に位置づけたのは、百万遍の草喰なかひがしだが、ごだん宮ざわの御飯も絶品なので、御飯を味わうにはランチのほうがいいかも知れない。

まずは、軽く煮えばなを。

自家製の漬物は、キュウリに大根、オクラと割干し大根、そして白菜。

白味噌で炊いたじゃこも出る。

味噌汁が出て、二膳目は、お米が艶を帯びて、御飯に変わっている。

三膳目は、じゃこでいただいたが、もう限界。

珍しく、バンビも三膳目をおかわりしていたが、これは作戦勝ちか。

井上春生監督は、六膳おかわりしたことがあるが、さすがとしか言いようがない。


まるでゼリーのような奈良の熟柿に最中が出て、抹茶をいただく。

こうして、空海の「風信帖」のことを語り合ったり、宮澤政人さんと今後の打ち合わせをしながらの昼食は、終わったのだった。
posted by 城戸朱理 at 07:52| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ごだん宮ざわで、その2

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お造りは、金目鯛に天草産の赤うに、湿り海苔が添えられている。

金目鯛は皮目を焙ることで旨みが増し、見事だったし、赤うには、いっさい癖がなく、口にすると淡雪のように溶けて、甘みだけが広がっていく。

器は、井上春生監督が古染付、バンビことパンクな彼女が江戸初期の織部だったが、私には桃山の古唐津、皮鯨茶碗。

これは、私の唐津好きを知っての配慮だろう。


名物、焼き胡麻豆腐は、銀杏を練り込み、銀杏と胡麻の風味の二重奏が楽しめる。


本来ならば、続くおかしのぎは、手打ち蕎麦に自家製カラスミをすり下ろしたものになるのだが、井上監督がまだ未経験だからと、前日にお願いしておいた餅米カラスミを出してくれた。

ふだんなら、「美味しい!」とすぐに反応する井上監督が、感極まって、沈黙。

本当に美味しいものには、人を黙らせる力があるらしい。


最後の料理は、カマスとぶなしめじに水菜の小鍋立てだった。
posted by 城戸朱理 at 07:50| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ごたん宮ざわで、その1

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井上春生監督は、私の勧めで、東寺に空海「風信帖」を見に行き、バンビことパンクな彼女は、散歩に出かけた。

私は、ホテルの部屋で「抒情文芸」に渡す詩篇を、メモを取りながら考える。


昼食は、12時に「ごだん宮ざわ」集合ということにしておいた。


最初に着いたのは、私で、本阿弥光悦のお軸を、ゆっくり拝見する。

次いで、井上監督、そして、朝食抜きのうえに散歩して、お腹を空かす作戦のバンビが到着した。


煎米茶を出された茶碗をじっくり見せていただいたのだが、楽九代、了入の作。

楽焼きの初代、長次郎が千利休の指導で楽茶碗を焼き始めたのは、天正年間のこと。

その茶碗は、織田信長に、さらには豊臣秀吉に献上され、「天下一」の称号を得て、楽茶碗は、茶の湯の茶碗の首座を占めることになる。


三代道入は、「のんこう」というあだ名でも知られ、本阿弥光悦から「今の吉兵衛は至って楽の妙手なり」と称えられたほどの名人だったが、暮らし向きは楽ではなかったらしい。

光悦は道入に関して「しかれども当時は先代より不如意の様子なり、すべて名人は皆貧なるものぞかし」と『本阿弥行状記』で語っている。

江戸時代後期を生きた九代了入は、「のんこうの再来」と言われるほどの名手で、「楽中興の祖」とも呼ばれるが、六十余年も作陶を続け、印も、三種類を使っている。

煎米茶が供された茶碗の印は、了入が56歳で隠居して、79歳で没するまで使った草楽印だった。

了入の作は手取りが軽く、赤楽は淡紅を帯びて、実に美しい。


まずは、今年の日本酒鑑評会で1位になった宮城の「勝山 献」を一献。

先付は、雲子の蓮蒸し。

京都では、鱈の白子を雲子と呼ぶ。

白子にすりおろしたら蓮根をかけて蒸しあげたものである。

餡かけで、出汁が素晴らしく、滋味あふれる先付だった。

初見の絵唐津は、中里重利の作だという。


続いて、日月椀で供されたのが、甘鯛とつるむらさき。

つるむらさきの花も添えて。

つるむらさきの青くささは、花のほうが強いほどで、それが、品のいい出汁と甘鯛と衝突しながら、別の味覚になっていく、インパクトのあるお椀だった。
posted by 城戸朱理 at 07:45| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

糸やホテルの朝食、その3

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糸やホテル、3日目の朝食。

味噌汁の具は、茄子と里芋、九条ネギだった。

魚は脂の乗ったかれいの煮付け。

小鉢は、ピーマンの煮びたし。


出汁で炊いた飛龍頭を見て、私が「がんもどきですね」と言ったら、「ひろうすです。関東では、がんもどきですね」とスタッフ。

飛龍頭も「ひろうす」も、語源はポルトガル語の「フィリョース」の音写だと言われている。

フィリョースは、小麦粉と玉子を混ぜて揚げたお菓子だが、「ひろうす」は、つぶした豆腐を野菜と混ぜて揚げたものだから、共通しているのは「油で揚げる」という調理法だけなのだが。

朝食の飛龍頭は、出汁の加減が絶妙で、ひじきがたっぷりと入り、いいものだった。


「この出汁巻き玉子、美味しい!」と佐藤文香さん。

さらに、「毎日、このホテルの朝食を食べたい」。

隣でうなずく榮猿丸さん。

料理じたいは、家庭でも作れるものばかりだが、これだけの品目を作るのは時間的に無理というもの。

それだけに、ホテルや旅館の朝食は、「きちんとした朝食」という感じがするのだろう。
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