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城戸朱理のブログ

2015年11月27日

吉増さん行きつけのイタリアンで

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京都ロケに先立つ吉増剛造さんの書斎での撮影は、カメラ2台を使い、2時間半ほどで終了した。


6時に吉増さんが予約してくれたイタリアンに席を移す。

まずは、「ここのしらすピザは美味しいよ」と吉増さんが石窯で焼き上げるピザをオーダー。

江戸時代、大川と呼ばれた隅田川は白魚の産地として知られた。

徳川家康も白魚を好み、白魚は佃島の漁師だけが捕ることを許された「御止魚(おとめうお)」で、江戸城に献上された。

家康の死後、解禁になったものの高価だったという。


白魚としらすは厳密には違うものだが、隅田川のそばのイタリアンが、しらすピザを出すのは、いかにもという気がしないでもない。


ワインは私がセレクトを任されたので、タンニンがしっかりしたフルボディの赤をボトルでもらう。


バーニャカウダ、パルマ産生ハム、じゃがいものアンチョビソース、鶏白レバーのパテ、海老とマッシュルームのアヒージョなどを頼んで、ローライフレックスなどカメラを話題に、ワイングラスを傾けた。


吉増さんのお宅でハーフボトルのシャンパン2本と赤ワイン1本を開け、さらにお店で2本目の赤ワインまで頼んだのだから、しこたま飲んだことになる。
しかも、井上春生監督は車の運転があるので飲まなかったのだから、ほとんど吉増さんと私が飲んだことになるが、愉快な夜だった。
posted by 城戸朱理 at 13:35| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

吉増剛造さんの書斎

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吉増剛造さんの書斎は、フローリングのリビングの一角から和室まで。


「昔から川のほとりで、和室にライティングビューロー、それも座り机のライティングビューローを置いた書斎が夢だったから、夢がかなったんだね」と吉増さん。


洋室のデスクは、インク瓶がずらりと並び、アトリエの様相を呈している。

和室の壁面には、進行中の「詩の傍らで」が一面に貼られていたが、一枚の紙が時間をたたえた厚みのあるタブローに変わって波打つかのようで、圧倒的だった。


「詩の傍らで」の壁面の鴨居の上の扁額には思いがけない人の書が。

これは吉増さんのお父さまが所持していたもので、吉増さんが子供のころから見て育った書なのだという。


和室のデスクの前の障子には、フィルムやメモが貼られ、交錯するスクリーンのようでもある。

写真を見れば分かるように、芥川龍之介、ジョナス・メカス、萩原朔太郎、エミリー・ディキンソンらのポートレイトと吉増さんの手書きのメモが二重露光のように重なり合う前で、吉増さんは川端康也について語った。


座り机の上にはスチーム式のアロマポットが蒸気を上げ、お香が焚かれている。


「蒸気と煙と、ふたつあるのがいいんだなあ」


吉増さんは煙草を止めてから、火と遊ぶことがなくなったが、お香を焚くようになって、火の感覚が戻ってきたと語っていた。


エレメンタリーな要素が重なって揺らぎ合う、それが吉増剛造の書斎なのだろう。
posted by 城戸朱理 at 12:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

吉増剛造さんの撮影へ

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「表現者」の特集座談会のテープ起こしに手を入れてFAXしてから、「岩手日報」の選評2回分を執筆した翌日、25日は、午後3時から吉増剛造さんのお宅で撮影があった。


アシスタント・プロデューサーのバンビことパンクな彼女と鎌倉駅のホームで待ち合わせて、横須賀線で東京へ。

資料を持参し、車中で、さらに原稿を一本、書き上げることができた。


タクシーで吉増さんのお宅に向かったのだが、約束の時間にお訪ねしたところ、井上春生監督はすでに撮影を始めているではないか。


吉増さんは、なんとシャンパンを用意して歓待してくれた。

さらにマリリアさんがカナッペを作って下さる。

おふたりのお心使いには感謝するしかない。

バンビはマリリアさんとお会いするのは初めてなので、喜んで記念撮影をお願いしていた。


吉増さんはシャンパンを音を立てて開けるのがお好きで、マリリアさんが眉をひそめると、


「開けるときの音はシャンパンの声なんだから」と吉増さん。


世界の万象の「声」を聞くこと、それは吉増さんの詩学なのだろう。

まずは、ヴーヴクリコで乾杯し、さらにモエ・エ・シャンドンを開けて下さる。

このシャンパンは、私たちのために、わざわざマリリアさんと買いに行ったと聞いて、恐縮した。
posted by 城戸朱理 at 11:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする