




尾形乾山の銹絵長皿で出された焼物は、エシャレットを添えた本田がれいの幽庵焼き。
本田がれいは、三陸での呼び名で、正しくは鮫がれいと言う。
煮付けにしても美味しい魚だが、宮澤さんの幽庵焼きは、さらに素晴らしかった。
定番の胡麻豆腐をひと口食べた未祐さんは「腰が砕けそう〜」と感嘆の声を挙げ、瑞穂くんは、赤塚さん、安田さんと話しながら、悠々と杯を傾けている。
続いて、自家製カラスミをたっぷりとすりおろした手打ち蕎麦。
李朝初期の白磁皿に、カラスミが映える。
揚げ物は、金目鯛と松椎茸の天ぷら。
松椎茸は、松茸のような見かけの椎茸で、甘みが強い。
金目鯛の天ぷらの美味しさは、言うまでもないだろう。
器は、尾張藩の藩窯だった御深井焼きである。
次は、フルーツトマトとグリーンアスパラの黄味噌和えで、初見の黄瀬戸の角鉢は、星岡茶寮時代の北大路魯山人だった。