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城戸朱理のブログ

2016年04月10日

着やすい、軽い、楽なジャケット

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東日本大震災のあと、被災地にさまざまな物資が寄せられたが、羽毛布団は寒冷地では喜ばれないという話を聞いた。

羽毛布団は、たしかに軽くて暖かい。

だが、東北から北海道にかけての北国では、重い真綿の布団でないと、寒さをしのげないのだとか。


高村光太郎は、戦後、岩手県の花巻郊外で暮らしていた。

その住まい、高村山荘は今でも保存され残っているが、山荘と言っても掘っ立て小屋のような代物で、光太郎は吹雪の翌朝など、小屋のなかまで雪が積もっていたことを書いている。

そんな土地では、真綿の布団でなければ、冬を越せなかったのだろう。


これはコートも同じで、私の父は冬場、オーダーした、ずしりと重いホームスパンのコートを着ていたことを思い出す。

だが、還暦前に父が仕立てたのは、軽いカシミアのコートだった。

やはり、歳を重ねると重い服は、肩が凝るようになるのは仕方がない。


そのころの父の年齢に近づくにつれ、私も次第に重い服を避けるようになってきた。

軽くて楽な服といえば、アンコン・ジャケットかニット・ジャケットだ。


アンコン・ジャケットは、アンコンストラクテッド・ジャケットの略で、肩パッドや芯地、裏地など副資材を省略した一枚仕立ての上着である。

テーラーなら副資材を省くなどとは考えられないだろうが、肩パッドや芯地がないだけに、高度なカッティング技術が要求される。

見た目はジャケットなのに、着心地はカーディガンをはおっているようで、楽なこと、このうえない。


一方、ニット・ジャケットは、その名の通り、カーディガンがジャケット丈になったものだから、保温性もカーディガンより高く、これも楽な服である。


そんなわけで、気づくとアンコン・ジャケットとニット・ジャケットを愛用するようになったのだが、どちらも旅行のときにも重宝する。


最初の写真は、ジョルジオ・アルマーニのコレクション・ライン、ブラック・レーベルのカシミアのアンコン・ジャケット。

もう7年ほど着ているが、カシミアの保温力はウールの3倍だから、軽くて暖かい。


スタンドカラーのニット・ジャケットは、アルマーニ・コレツィオーニで、ヴァージンウール製。

いちばん上までボタンを留めると、タートルネックのように首をすっぽり覆えるので、厳寒時に助かる。


黒のニット・ジャケットは、エルメス。

バランタインと並ぶ世界最高のニッター、イタリアのマーロが手がけたもので、これは旅先で愛用した。


最後の写真が、イタリアのコロンボ製のカシミア・ジャケット。

起毛してあるので、一見すると普通のジャケットに見えるがニット・ジャケットである。

コロンボはイタリアきっての高級服地メーカーで、自社製品もきわめて質が高い。

このジャケットも12〜14ミクロンの特級カシミアが使われている。


順次、クリーニングして収納しているところだが、秋になったら、また愛用することになるのだろう。

軽くて楽なジャケットと重くて頑丈な靴と言えば、旅に出るときの出で立ちだが、旅に適した服は、普段でも着やすく動きやすい。
posted by 城戸朱理 at 13:05| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする