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城戸朱理のブログ

2017年01月15日

及川俊哉氏の「詩と思想 新人賞」贈呈式へ

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及川俊哉氏による現代祝詞「水蛭子(ひるこ)の神に戦を防ぐ為に戻り出でますことを請ひ願ふ詞」の朗読は、会場の空気を一変させた。

憲法九条を含むこの詩は、まさに現在への祈念として響きわたったと言ってもいい。


それにしても、及川俊哉氏の第25回「詩と思想 新人賞」受賞の知らせには意表を突かれた。

この賞は、刊行詩集2冊までの新人を対象とするもので、公募制。

受賞者は、「詩と思想」の版元である土曜美術社出版販売から、3年以内に詩集を刊行してもらえるそうだ。


贈呈式は1月9日(月)の「詩と思想 新年会」の最初に行われた。

会場は、九段のホテル・グランドパレス。

私は初めて参加させていただいたが、一色真理さんの開会の言葉で新年会が始まり、来賓挨拶のあと「詩と思想 新人賞」贈呈式。

選考経過は実に面白く、最初、及川作品を押した選考委員は高良留美子さんひとりだけだったが、論議を重ねるにつれて評価が高まり、最終的に授賞作に選ばれたとのことだった。


及川さんが編集長をつとめる「ウルトラ」同人の渡辺めぐみさんが、受賞者紹介のスピーチをされたのだが、これが第一詩集『ハワイアン弁財天』から近作の現代祝詞まで、及川さんの作品世界を読み解く素晴らしいものだった。

そして、及川俊哉氏による朗読となったのだが、会場を圧する朗読と、そのあとの、あまりに控え目な受賞者挨拶のギャップに、腰がくだけそうになる。


及川さんの恩師である澤正宏福島大学名誉教授(写真2枚目)ともお会いできたが、澤先生は和合亮一氏の恩師でもある。

和合さんによると、澤先生の指導によって、西脇順三郎や吉岡実の詩と出会ったそうだが、澤先生によると、和合さんは、詩人になりたいと言って訪ねてきた初めての学生だったそうだ。

さらに、及川さんは、三島由紀夫を読んでいると寝食を忘れるような青年だったのだとか。

和合亮一氏も駆けつけ、「ウルトラ」の初代編集長と二代編集長が揃ったが、福島ならともかく、東京でふたりが並んでいるのは珍しいのではないだろうか。


バンビことパンクな彼女は、愛機オリンパスOM-Dで、記念撮影していたのだが、会場で「バンビさんですか?」と声をかけられたと言っていたっけ。


私が選者をしている「岩手日報」投稿欄の常連で、甲府からいらした佐々木貴子さんともお会いできた。


会場はなごやかな雰囲気だったが、福島第一原発事故以降、頻発している天災・人災と、世界的に揺らぎ始めた状勢を反映して、危機感をたたえたスピーチが多かったのが印象深い。

及川俊哉氏の受賞作もまた、そうした危機の時代に向けた詩だったと思う。

現代祝詞が、詩集になる日が待ち遠しい。
posted by 城戸朱理 at 13:05| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする