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城戸朱理のブログ

2017年04月14日

水原紫苑さんのノート

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桜の季節の京都を舞台に、水原紫苑さんが歌を詠むドキュメンタリー「H(アッシュ)」は、今年で3本目になる。

水原さんは、毎回、新しいノートを用意して吟行に臨むが、今回は着物によく映える桜色のノートだった。

ロケの2日間に生まれた短歌は、なんと50首近い。

これから取捨選択して、推敲もされるわけだから、最終的には30首ほどになるのかも知れないが、短歌を書き始める、まさにその瞬間、水原さんは中空を見つめ静止する。

それから、おもむろに筆を取り、短歌を書き始めるのだが、その姿は、憑代(よりしろ)のようでもある。


磐座(いわくら)や神籬(ひもろぎ)に降り立ちながらも、すぐさま世界の背後に退く神が、水原さんの身体を借りて残したものが、水原紫苑の短歌なのかも知れない。
posted by 城戸朱理 at 12:36| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大原、三千院

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京都、北東山の大原にある三千院は、青蓮院、妙法院と並ぶ天台宗の三門跡寺院。

門跡とは皇族や公家が住職をつとめた寺院で、その住職や寺格も指す。

開基は伝教大師・最澄、本尊は薬師如来。


水原紫苑さんは、お母様が亡くなられる前に、三千院の極楽往生院の阿弥陀三尊像を、桜が散るころに訪れ、お堂のなかに散り敷く桜の花びらを見て、母の死の予兆としか思えない歌を詠んだことがあるそうだ。


三千院では、まずお抹茶をいただきながら、庭を見る水原さんを撮影し、さらに極楽往生院で作歌する水原さん、さらにインタビューを撮影した。


思い出深い場所に立って、水原さんが詠んだ歌は、透明でありながら、異界に誘われるかのような怖さもあって、私は、ひどく遠いところに来てしまったように思った。

それは、この世に生をうけたならば、必ずや、いつか至る場所でもあるのだが。
posted by 城戸朱理 at 12:36| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

井上春生監督の誤算、その1

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大原の三千院では、水原紫苑さんが、山門をくぐるまでの道行きを撮影し、昼食の時間になった。


ロケの前に、井上春生監督が、「紫苑さんのために、よさそうな店を予約しました!
古民家で京野菜の料理を出してくれるんです!」と熱く語っていたのだが、それが「わっぱ堂」。

大原の寂光院の近く、山あいに建つ築130年の古民家で、無農薬の有機野菜とお米を使った料理を供してくれるのだという。

店主自ら、野菜を生産・販売しているそうだから、農業とレストランが直結していることになる。


あまり改装が入っていない店内は、まさに古民家。


まずは、前菜に5種類の野菜料理が出た。

聖護院大根と金時人参にお揚げを炊いたものなど、出汁も見事で、「美味しい」という声が女性陣から挙がる。

続いて、春キャベツのグラタン。

白味噌を使った和風のグラタンで、これも春キャベツの美味しさが際立つ。

ここまでは、よかった。

続いて、岩魚のカルパッチョ。

岩魚のお造りは、私も初めてだが、癖がなく、もっちりした身は、絶品。

たっぷり添えられた野菜と梅酢の酸味が効いたソースも素晴らしかった。

しかし、時間の制約があるロケの昼食にしては、品数が多すぎないか?
posted by 城戸朱理 at 08:05| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

井上春生監督の誤算、その2

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それが次のひと品で決定的になった。

石窯で焼いた高菜と九条ネギのピザである。

薄手のクリスピーな生地で、これも美味しかったが、終わりが見えない。

さすがに井上春生監督も焦り始め、厨房に早く出してくれるよう、お願いしに行った。


そして、ひと抱えもあるような尺皿で供されたのが、炭火で、じっくりと焼き上げた地鶏と芹の入っただし巻き玉子に春野菜の天ぷら。

素材も料理も素晴らしいが、ほとんど和食のフルコースである。

本来なら、白ワインをボトルでもらって(?)、2時間ほどかけて、ゆっくりといただく料理だろう。

早め早めに出してもらったが、当然、時間は押してくる。


ようやく、御飯になったのだが、これが焼きお握りの野菜餡かけで、時間がないのを忘れてしまうほど美味しい。

完全に井上監督の誤算である。

しかし、御飯で終わりではなかった。

デザートは、アイスクリームにショウガで香りをつけたカラメルをかけたもの。

アイスクリームも自家製なのだろうか、実に濃厚で、ショウガのカラメルも効いている。

「お腹がいっぱいで、眠くなってきたよ!
これで、お昼寝できたら最高だね!」とバンビことパンクな彼女。


たしかに、美味しかったが、ロケ途中の昼食がこれで、いいのだろうか?
posted by 城戸朱理 at 08:05| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

留守番犬???

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鴨川べりで撮影したあとは、大原の三千院に向かった。

この日は、カメラ2台、カメラマン2人の2カメ。

井上監督とカメラの安田さん、おおしまさんがロケハンする間、水原紫苑さんには駐車場で待機してもらった。

三千院の駐車場にいたのが、留守番の芝犬。

愛犬家の水原紫苑さんが喜んでいたが、張り紙が、あまりに面白かった。
posted by 城戸朱理 at 07:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

目立ちすぎる男

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この日の井上春生監督の出で立ちは、フランスのル・マンで買った赤のブルゾンと台湾ロケのときに買ったフランスはパラディウムの赤のスニーカー。

日本人離れした風貌と相まって、とにかく目立つ。


「監督、日本人に見えないなあ」と水原紫苑さんは笑う。

たしかに、イタリア人と言っても通りそうだ。


バンビことパンクな彼女は「このチームは男のほうが派手で目立つね!」と面白がっている。


私は、ごく当たり前にネイビーのジャケットだったのだが、イエローのビタミンカラーのトレンチコートを羽織っていたからだ。

アルマーニのものだが、光沢のあるナイロンだから、余計に目立つ。


ロケのときは、井上監督とカメラの安田さん、制作の赤塚さんがトランシーバーで連絡を取りながら進めるのだが、誰がどこにいるか、ひと目で分かるように目立つ格好のほうが、便利だったりする。
posted by 城戸朱理 at 07:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

満開の桜の下で

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撮影は、いつも朝早くから始まる。

とくに女性が出演者の場合は、ヘアメイクに一時間はかかるし、水原紫苑さんの場合は、着物だから、着付けの先生に出張してもらって、メイクのあとに着付けをしてもらうため、出版の2時間前から、準備をしなければならないからだ。


4月8日(土)に、準備が整って、最初に向かったのは、鴨川べり。

桜は満開だった。


この日の水原さんは、結城紬。

帯は昨日と同じ龍村美術織物のものだが、まったく違って見える。

傘は、宮内庁御用達の前原光榮商店のものだが、これは一昨年のロケのとき、雨に備えて井上春生監督が選んで、水原さんに贈ったもので、着物によく合っている。


ここでも、次々と短歌が生まれた。

「戀」という言葉が、たびたび詠み込まれているのが特徴で、それは現身(うつしみ)の恋であることを超えて、現世と幽世(かくりょ)を結ぶものであるようにも思われた。


それは、今までの水原さんの短歌にはなかった、新しいフェーズを示すものではないだろうか。
posted by 城戸朱理 at 06:58| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする