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城戸朱理のブログ

2017年06月16日

変わらないことの凄さ



かつて、オーソン・ウェルズは、好きな映画監督を3人あげてくれという質問に対して、次のように答えたという。


「ジョン・フォード、ジョン・フォード、ジョン・フォード」


私はオーソン・ウェルズも、ジョン・フォードも好きなので、この答えには痺れたが、奇妙なことを連想した。

それは、白洲次郎の英国留学以来の親友、ロビンのことである。

彼は、後に七世ストラッフォード伯爵になるのだが、いつも同じ服を着ていたことを白洲正子さんが書いている。

同じと言っても着替えなかったわけではない。

ロンドンのサヴィル・ロウのテーラーで、同じ生地、同じ型で一週間分のスーツを仕立てていたのだという。

「ジョン・フォード」と繰り返すように、毎日、同じスタイルだったことになるが、おそらくは、白洲次郎も顧客だったヘンリー・プールで仕立てたスーツではないだろうか。

同じスーツ、同じシャツとネクタイを揃え、いつも同じ格好をしていたというのだから、それが英国貴族流なのかと驚いたことがあった。

着回しなどという庶民的な発想とは無縁のあたりが、やはり貴族的だが、ロンドンではラウンジ・スーツはベーシックでも、シャツは派手なストライプが好まれる傾向がある。

サヴィル・ロウ仕立てのスーツなら、シャツはジャーミン・ストリートのターンブル&アッサーを合わせたのだろうが、七世ストラッフォード伯爵は、どんなシャツとネクタイを選んでいたのだろうか。


オーソン・ウェルズとジョン・フォードから話が飛んでしまったが、ストラッフォード伯爵のスタイルには、変わらないことの凄みを感じたし、「保守」とは、そういう姿勢なのだと思う。
posted by 城戸朱理 at 18:59| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする