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城戸朱理のブログ

2017年07月27日

大沢温泉・豊沢の湯

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山水閣にある男女別の半露天風呂が、豊沢の湯。

ここは、いちばん広いだけではなく、深さもあり、バンビことパンクな彼女は、もっぱら豊沢の湯ばかり入っていたようだ。


洗い場も六つあり、混み合うことがなかったので、私もよく利用した。


かたわらを豊沢川が流れ、風が心地よい。


豪雨のあとなど、豊沢川も濁流となり、自然の表情も刻々と変わる。

ほかに変化といえば、日の光。

午後の傾いた光は、あらゆるものを、甦らせるようだった。
posted by 城戸朱理 at 08:32| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大沢温泉、御食事処やはぎの朝食

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自炊部・湯治屋でも、前もって予約しておくと、御食事処やはぎで朝食を食べることができる。


朝定食は、620円(外税)。

御飯はおかわり自由で、温泉玉子、納豆などは別料金。

朝定食に温泉玉子をつけると、720円になる。


内容は、焼魚が鮭かほっけ、タラコか筋子が付き、小鉢はきんぴらごぼうか干し大根が交互に出るだけなのだが、素朴なだけに食べ飽きしない。

個人的には、焼魚に、鯵の干物や鰯の丸干し、鯖などのバリエーションがあればと思ったが、岩手のブランド米「ひとめぼれ」の御飯の美味しさは、目を見張るほどで、バンビことパンクな彼女は、


「んふ!
御飯が美味しくて、つい食べちゃうなあ!
温泉でダイエットするつもりだったのに、
ぽっちゃりしちゃったらどうしよう!?」


と困惑しながらも、美味しそうにパクパク食べている。


以前、柳美里さんと日本現代詩歌文学館でトークしたときも、柳さんの希望で大沢温泉に泊まったが、やはり、やはぎの御飯の美味しさに柳さんが驚いていたっけ。


目覚めたら、まず露天風呂に浸かり、それから素朴な朝食。

温泉宿に泊まると、自然と生活のリズムが出来ていく。
posted by 城戸朱理 at 08:27| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月26日

大沢温泉・大沢の湯

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毎朝、目覚めると、まず大沢の湯に入った。

自炊部・湯治屋の突き当たりにある大沢の湯は、混浴の露天風呂で、夜間2時間だけは女性専用となるのだが、豊沢川べりにあり、川風に吹かれながら浸かっていると、我を忘れて、石か木になったような気分になってくる。


混浴だから、まれに女性が入ってくることもあるが、誰も気にしない。
posted by 城戸朱理 at 14:56| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プロジェクト・バンビ???

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泊まるのが、自炊部・湯治屋だから、バンビことパンクな彼女が、前もって、あれこれ手配していたのは知っていたが、いざ部屋に入って冷蔵庫を開けたときには、驚いた。

バンビが手配したのは、なんとシャンパン、モエ・エ・シャンドンが2本に、エビス・ビールのロング缶が1ケース、
北海道は稚内産の毛蟹に、佐助豚のしゃぶしゃぶセット、佐助豚のソーセージやスモーク・レバーにレバーケーゼと盛りだくさん。

自分の好きなものを、あれこれ頼んで、温泉で宴会をしようと企んでいたのである!

バンビのことだから、「んふ。しゅんわり♪(バンビ語でシャンパンのこと)」、「にゃふ。しゃぶしゃぶ♫」とか言いながら、内緒で注文していたに違いない。

出発前に「美味しいものをたくさん食べるんだよ! 名づけて、プロジェクト・バンビ!」と気勢を挙げていたが、こういう意味だったのか――


これに盛岡で手配した日本酒、七福神の一升瓶が2本、盛岡駅のフェザンで購入したイクラの醤油漬けと塩ウニ、佐助豚のコンフィまであるので、毎晩、宴会ができそうなレベル。

もうひとつ、驚いたのは、大沢温泉のスタッフが、届いたビールやシャンパンを、たんに部屋に入れるのではなく、冷蔵庫に入れて冷やしておいてくれたこと。

温泉宿ならではの気配りと言えそうだ。
posted by 城戸朱理 at 14:07| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月25日

大沢温泉

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花巻駅からタクシーで大沢温泉へ。

ひと足早い夏休みと執筆を兼ねた滞在である。


豊沢川ぞいに建つ大沢温泉は、モダンな山水閣と江戸時代に建てられた木造の自炊部・湯治屋、そして、豊沢川を渡った対岸に建つ茅葺きの菊水館から成る。

予約したのは、自炊部・湯治屋である。


2009年に、柳美里さんとバンビことパンクな彼女が、コーチとともに遠野じんぎすかんマラソンにエントリーしたときのこと。

3人は、まず大沢温泉の菊水館に一泊して、温泉卓球をやらかし、遠野に移動して一泊。

翌日、約21kmのハーフマラソンを完走すると、今度は鉛温泉に一泊して疲れを癒したのだが、バンビが大沢温泉で自炊部を見つけた。

丈陽(たけはる)くんが生まれる前は、温泉宿に長期滞在して執筆をしていた柳美里さんは、この自炊部が気に入り、
2015年に北上の日本現代詩歌文学館でトークをしたとき、柳さんの希望で、自炊部に泊まることに。

雪景色を見ながら浸かる露天風呂は最高で、いずれ再訪したいと思っていたのだ。


近所には何もない山あいの宿で、対岸では水車がゆっくり回っている。


自炊部・湯治屋は、200年前、江戸時代の木造建築。

古いが、掃除が行き届き、実に快適である。

料金も一泊、2700円と破格で、これに蒲団や浴衣、扇風機などのレンタル料を入れても、3000円強。

自炊部だけに共同炊事場で料理してもいいが、「御食事処やはぎ」があるので、食事には困らない。


自炊部・湯治屋に泊まって、入浴できるのは、江戸時代の風情を残す露天風呂「大沢の湯」、山水閣の半露天風呂「豊沢の湯」、菊水館の「南部の湯」、それに湯治屋の内風呂「薬師の湯」。

女性専用の露天風呂「かわべの湯」もあり、温泉三昧。


宮澤賢治や高村光太郎ゆかりの温泉宿だが、獨協大教授の原成吉教授と話していたら、ゲーリー・スナイダーを大沢温泉に連れていったことがあるそうだ。

現代アメリカを代表する詩人、ゲーリー・スナイダーは、第一詩集『奥の国』で、宮澤賢治を翻訳し、初めて賢治を英語圏に紹介した詩人だから、大沢温泉を訪ねたのも分かるが、それでも意外だったのは否めない。


今回の私の滞在は、一週間。

思いがけない詩想を得ることになった。
posted by 城戸朱理 at 07:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月24日

Edge公式ホームページ、全91作品アップ完了!



アート・ドキュメンタリー「Edge」公式ホームページは、最新作、杉本真維子篇を含む全91作品のアップが完了した。

杉本真維子篇のレビューは、田野倉康一氏が担当。


一時間に枠を拡大した「Edge Special 怪物君〜吉増剛造と震災」(2016)や「LIVE! Edge 鯨井謙太郎(正しくは良扁に邑) 毒と剱」(2015)なども、私がレビューを担当してアップされた。


ほかにも、言語哲学者にして新陰流剣術の使い手、前田英樹(立教大学教授)が、宮本武蔵の『五輪書』を語り、武蔵が考案した二天一流の演武を見せるユニークなコンテンツも。


公式ホームページは下記から。


http://edgeofart.jp/


16年間で制作された91本がアップされたわけだが、現在のところ、番組のトレーラーとレビューで構成されている公式ホームページは、番組のために書かれた作品やディレクターのコメントなど、さらなる拡充をはかっていきたいと考えている。
posted by 城戸朱理 at 10:24| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

旅の必需品

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年に10回以上、旅に出るような暮らしを続けてきたので、洗面道具に、ハサミや栓抜き、ワインオープナーなどがセットになったスイス・アーミーナイフやミニ・マグライトなど、旅の必需品は、いつもポーチにまとめてあるが、去年から新たに加えたのが、プラスチック製のシューキーパーだ。


今回の旅は、8泊9日。

授賞式とパーティーがあるし、そのあとは山奥の大沢温泉に行くので、靴も一足では済まない。

ちなみに、持参したのは、授賞式&パーティーのスーツに合わせるルイ・ヴィトンのガラスレザーのキャップトウ(ストレートチップ)、
グリップのいいラバーソールで、油分を多く含み、雨天にも強いリス・レザー、登山靴と同じ頑丈なノルウィージャン製法で名高いフランスのパラブーツのアイコンたるUチップ「シャンボード」、
それにスニーカーが、アディダスのスタン・スミスの3足。


移動時にはジャケット&パンツにパラブーツ、大沢温泉周辺ではスタン・スミスを履こうと考えたのだが、革靴には、シューキーパーがあったほうがいい。

ただし、自宅で使っている木製のシューツリーだと荷物があまりに重くなるので、軽いプラスチック製のシューキーパーをひとつだけ持って、その日、履いた靴に入れるようにするわけである。


このやり方だと、靴をトランクに詰め込んでも型崩れしないし、旅先でもコンディションを保つことが出来る。

もっと長期の滞在だと、アニリン・カーフクリームや靴ブラシも持参するが、とりあえず、プラスチックのシューキーパーが、旅の必需品の仲間入りをしたのだった。
posted by 城戸朱理 at 10:12| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月23日

地ビール、ベアレン

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合評会を終えて、グランドホテル・アネックスでバンビことパンクな彼女と合流。

盛岡駅に着いてみたら、少し余裕があったので、フェザンの「ビア&ヴルスト ベアレン」で、地ビールを飲むことにした。


最初は、夏のヴァィツェンを頼み、バンビのリクエストで白金豚の冷静しゃぶしゃぶを。

これが、サラダ仕立てになっており、美味しかったので、青森県は陸奥湾産帆立のカルパッチョも追加。

新鮮な帆立は、甘く、これまた驚くほど美味しい。

すっかり、調子が上がり、さらに馬肉とアボカドのタルタルを追加して、ビールをおかわりする。


バンビは、お気に入りのヴィヴィアン・ウエストウッドのパグ柄ワンピで、くつろいでいた。
posted by 城戸朱理 at 10:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月22日

第12回「 啄木・賢治のふるさと 岩手日報随筆賞」授賞式

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7月15日は、岩手日報随筆賞授賞式。

ホテルで朝食を取ってから、10時にバンビことパンクな彼女とグランドホテルに向かう。


11時からの授賞式は、岩手日報取締役編集局長の川村公司さんによる選考経過報告から始まった。

その後、代表取締役社長、東根千万億(あずまね・ちまお)さんから、最優秀賞の石川啓子さんを始めとして、優秀賞、佳作、奨励賞のみなさんに賞状が手渡される。

最優秀賞の受賞者に贈られる正賞は、第7回まで船越保武作のブロンズ「エリカ像」だったが、第8回から、照井栄作「星の雫」に変わった。


そして、東根社長による主催者挨拶。

東根社長、まるで「X-MEN」といったハリウッド映画に出演していてもおかしくない俳優のような風貌で、バンビが喜んでいる。



祝辞は、岩手県教育委員会教育長、高橋嘉行さん、I BC岩手放送社長、鎌田英樹さん、そして私。


無事に授賞式は終わり、祝賀パーティーは、会場を移して、12時から。

グランドホテルは、かつて昭和天皇が泊まられたこともあるほどの、格式を誇るだけに、料理も素晴らしい。

殻付きウニのゼリー寄せを始めとして、岩手県産の食材を使った料理が並ぶ。


作家の平谷美樹(ひらや・よしき)さん、エッセイストの千葉万美子さん、ふたりの選考委員もスピーチ。


これまで、80冊もの小説を上梓してきた平谷さんは、作家生活10年目の小説のゲラを持参し、おびただしい編集者のチェックが入った付箋紙を示して、プロとして書くことの厳しさを語った。

それにしても、平谷さんの筆力は尋常ではない。

盛岡在住の直木賞作家、高橋克彦さんも平谷さんは筆が早いと感心されていたが、現在、「岩手日報」に連載中の小説「柳は萌ゆる」――これは幕末の南部藩の家老、楢山佐渡を主人公とする歴史小説なのだが――なんと1400枚を書き上げてから、連載が始まったそうだ。

そんな新聞連載など聞いたことがない。


千葉万美子さんは、いつもお洒落なので、バンビが「千葉さんのファッション・チェックをしなくっちゃ!」と楽しみにしていたのだが、シルク・リネンとおぼしき上品なドレスで、アクセサリーも素敵だった。

辛口ながら愛のあるスピーチに会場が沸く。

私は、千葉さんの書かれたエッセイをまとめて読んだことがないので、機会を得たいものだ。


このパーティーでは、毎年、澤口たまみさんとお会いできるのも楽しみのひとつ。

澤口さんは、盛岡一高の同窓生で、大学では応用昆虫学を専攻、1990年に『虫のつぶやき聞こえたよ』で日本エッセイストクラブ賞を受賞し、エッセイストとして活躍されていたが、近年は絵本作家としての仕事が多く、今年、『わたしのこねこ』で、産経児童出版文化賞美術賞を受賞された。

澤口さん、おめでとうございます!


最後の写真は、東根社長と談笑する工藤玲音さん。

工藤玲音さんは、高校3年生のとき、第7回の最優秀賞を受賞、最後の「エリカ像」を獲得、その後、短歌と俳句で積極的な活動を展開している俊英である。

また、一昨年に岩手日報随筆賞優秀賞を受賞された武田穂佳さんは、昨年、第59回短歌研究新人賞を受賞、気鋭の歌人として活躍されており、工藤玲音さんとともに今後が楽しみだ。


パーティーのあとは、カフェに席を移し、今回の受賞者とこれまでの最優秀賞受賞者に選考委員が集って、合評会となる。

これは、直木賞作家の三好京三さんが選考委員長だったときに始まったそうだが、辛口の批評が飛び交うので面白い。

私が感心するのは、農業のかたわらで随筆を書かれている方が少なからずいらっしゃることで、そういう方が書くものは、何か動かしがたいリアリティがあるように思う。
posted by 城戸朱理 at 07:24| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月21日

食道園でカルビ&冷麺

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それから、食道園に移動して、いよいよバンビ期待のカルビ&冷麺。

食道園のカルビは、やや甘めのタレに漬け込んであり、すき焼きのように、溶き玉子につけて食べる。


先日、バンビが柳美里さんの引越しに立ち会ったときのこと。

なんと高校3年生になった柳丈陽くんが、お小遣いを貯めて、ひとりで盛岡に来ては、食道園でカルビ&冷麺をしているのが判明。

丈陽くんは、カルビ3、4皿に冷麺を食べ、川べりを散歩して、お腹が空いたら、またカルビ&冷麺。

なんと三食ともカルビ&冷麺を食べるほど気に入っているらしい。


「桂子さん、食道園のカルビは溶き玉子につけて食べるんですけど、美味しいんですよ!」と力説していたそうだ。

それを柳さんが「タケ! 桂子に教わったんだから、桂子は知ってるよ!」とたしなめていたというのだから、面白い。


マッコリで乾杯して、カルビと上カルビを焼いたのだが、「やっぱり、美味しい!」とバンビは御満悦。


盛岡冷麺の元祖、食道園の平壌冷麺は、牛骨で取ったスープも絶品で、丈陽くんはスープまで飲み干すそうだ。


「お腹が、ぽんぽんだよ〜」


かくして、盛岡の夕食は終わったのだった。
posted by 城戸朱理 at 07:18| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヌッフ・デュ・パプで前菜を

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買い物した荷物をホテルに置いて、夕食に出かけることにした。

バンビことパンクな彼女は、「夕食は、食道園でカルビ&冷麺だよ!」と楽しみにしていたのだが、突然、「食道園の前に、ヌッフ・デュ・パプで、ベアレンを飲んで、生牡蠣をちゅるっと食べるのはどうかな?」と言い出した。

どちらの店も、ホテルから徒歩1分圏内だから、ヌッフ・デュ・パプで前菜、食道園で主菜というのは、名案かも知れない。


というわけで、映画館通りのヌッフ・デュ・パプへ。

まずは、地ビール、ベアレンの「夏のヴァィツェン」で乾杯。

白ビールを思わせる香りと軽さが、夏にふさわしい。

そして、バンビの狙い通り、生牡蠣があった。

陸前高田、広田湾産の生牡蠣は、日本屈指の大きさと味を誇るだけあって、通常の牡蠣の3〜4倍の大きさがあり、クリーミィで、なんとも言えない甘みがある。


「ニューヨークで食べたクマモトに似ているけど、海の香りが炸裂しているね!」とバンビ。


「クマモト」は、その名の通り、熊本原産だが、GHQの指令官だったマッカーサーが気に入ってアメリカで養殖を始めたおかげで、アメリカでは定着したが、熊本では絶えてしまった、小粒で濃厚な牡蠣である。

広田湾産の牡蠣は、たしかにクマモトに似ているが、大粒で磯の香りが強い。


さらに、旬のほや刺しを頼もうとしたら、バンビが「エグくないのかな?」と難色を示す。

ほやは鮮度が命で、新鮮ならばエグ味はなく、フルーツのようなさわやかさがあり、「海のパイナップル」と呼ばれるのが納得できるはずなので、とりあえず注文する。

種市の洋野町で100年を超える伝統のヘルメット式「南部潜り」で獲ったという天然のほやは、まさに「海のパイナップル」で、バンビが目を丸くしていた。


もう一品は、雫石チーズ工房のリコッタチーズと生ハムのコロッケを。

コロッケといってもジャガイモは使っておらず、割ると、生ハムの風味のチーズがとろりと溶ける。

これも、ベアレンによく合った。


ここまでが、前菜である。
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機屋でコーヒーを調達して

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盛岡に到着し、映画館通りのグランドホテル・アネックスにチェックイン。

荷物を置くと、さっそくCUBEの機屋に行った。

コーヒーを調達するためである。


まずは自宅用にグァテマラ・カルメン農園の80年古木のティピカ種を200g。

古木のティピカ種は品種改良されていないコーヒーで、フルーティーな香りが特徴。

ほかに、今後の一週間の滞在で、500g弱が必要となるので、盛岡ブレンド、スマトラ・マンデリン、エルサルバドル・パカマラ各200gを購入し、こちらは挽いてもらう。

コーヒー豆が挽き終わるのを待ちながら、お店で頼んだのは、私がバリ・アラビカ神山1995年物のオールドコーヒー、バンビはハワイアン・コナ・プライム。

コナは、豆が100gで3000円もするプライムコーヒーだが、コナのイメージが崩壊するようなコクと華やかさ。

これまで、感心するコナ・コーヒーに出会ったことがないので、最近、コーヒーに凝っているバンビも喜んでいた。

アラビカのオールドコーヒーは、苦みと甘みがまったりと絡みつくようで、こちらも素晴らしい。

コーヒーゼリーも頼んでみたのだが、生クリームとコーヒー・リキュールが添えられ、ゼリーもしっかりとしたコーヒーの味がある。


美味しいコーヒーを堪能してから、カワトク・デパートの地下で必要な品を買い込んだ。
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2017年07月20日

東京駅で買える鰻弁当

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東京駅には、全国の駅弁を扱う売り場があるので、旅の気分が高まるが、だからと言って、東北に向かうのに、北陸や信州のお弁当を買うのは、何か違う気がする。

結局、最近は、吉増剛造さんもお気に入りの「深川飯」か、東京駅限定「老舗の味 東京弁当」、そうでなければ、鰻弁当のどれかを選ぶようになった。


6月に盛岡に行くときは、「宮川本廛 うなぎ」弁当、今回は、小田原は東華軒の「うな重」にしたのだが、どちらも鰻一匹を使ったお弁当である。

もちろん、お店で焼きたてを食べるのに勝るものはないが、どちらも明治から続く老舗だけに、旅の伴にはうってつけ。

鰻弁当は、ビールや日本酒にも合うところがいい。


鰻は、世界中に棲息しているが、日本人になじみが深いニホンウナギは、いまだに生態がよく分かっていない。

5〜15年を河川で過ごしてから、海に下り、日本から2000km離れたマリワナ諸島近海で産卵するのが分かったのも、近年のこと。

鰻は、海で孵化し、川に登って淡水で過ごし、再び海に戻って産卵するわけだが、こんな謎めいた魚を、当たり前に食べていることを考えると、不思議な気分になる。


ちなみに、『万葉集』の大伴家持の和歌にも、鰻は夏痩せに効果のある滋養食として登場するが、縄文時代の遺跡からも骨が出土しており、古くから食されていたことが分かっている。

ただし、鰻が高級料理となったのは、江戸時代後期に、蒸してから焼き上げる調理法が考案されてからで、それまでは、屋台で、ぶつ切りにした鰻を串焼きにし、たまり醤油や味噌で食べていたというが、これは、人足などの労働者しか口にしない下魚だったそうだ。

もっとも、今では高級魚のマグロも、江戸時代には庶民でさえ、買ったことを隣近所に知られたくないほど安価きわまりない下魚で、塩マグロの塊を鉈でぶち切って売っていたというのだから、食材の価値というものも、時代と調理法によって変化することになる。


私などの世代なら、鯨がその好例だろう。

昭和もなかばまでは、小学校の給食でも定番メニュー、定食屋でいちばん安いメニューといえば鯨カツで、貧しい学生の食欲を満たしたものだったそうだ。

全共闘世代の老人がたによると、若いとき、食べるのは鯨カツ、夢に見るのがトンカツだったそうだから、鯨が高級食材となった今では、考えられないことではある。

ちなみに、鯨でもっとも珍重されるのは尾の身で、獣肉としてはもっとも癖がなく、寿司ネタでも高級食材とされている。
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2017年07月19日

原稿を一気に仕上げて



鎌倉ペンクラブが、来年の明治150年を前に、今秋、鎌倉と縁のあった明治時代の文学者をめぐる講演会を企画、私に島崎藤村についての講演依頼があったので、お引き受けすることにした。

「詩と思想」からも、11月号の特集座談会への出席の依頼があったが、こちらは夏のうちに収録することになっている。


吉増剛造さんのドキュメンタリー映画のことで、ニューヨークのジョナス・メカスと連絡を取ることになったのだが、こちらは順調に運んでいる旨、井上春生監督から連絡があった。


あれこれ、日程調整をしつつ、岩手日報随筆賞授賞式のために盛岡入りする前に、急ぎの原稿を仕上げねばならなくなり、7月13日は、まず「映画芸術」誌のためのジム・ジャームッシュ「パターソン」評を執筆。

今年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された「パターソン」は、アメリカ、ニュージャージー州の小都市パターソンを舞台に、詩を書くバス運転手、パターソンを主人公とする詩へのオマージュ。

この映画については、いずれ、別にアップしたい。


午後は、Edge公式ホームページのために、吉増剛造、前田英樹、鯨井謙太郎(正しくは良扁に邑)など5本の番組を見直し、紹介文を書く。

夕方、5本の原稿を書き上げ、ひと息ついたのだが――

「映画芸術」から夕方、ゲラが来たところ、規定の文字量を大幅に超過し、約三分の一を削らなければならないのが判明。

とりあえず、削れるだけ削って、夜には再校が出たのだが、まだ14行のはみ出しが。

途方に暮れていたら、バンビことパンクな彼女が、いつの間にか手を入れ、見事に14行分を削ってくれた。

このあたりは、さすが編集歴20年のプロフェッショナルである。

それにしても、私が文字量を間違えることなんて、滅多にないので、ジャームッシュの映画に、それだけ書くことを促す力があったということだろうか。

いや、そうではなくて、たんに私の不注意なのだが。


翌朝は、Edge公式ホームページの紹介文5本を見直してから、テレコムスタッフの平田潤子ディレクターにメールで送り、着替えをトランクにパッキングして宅急便で送り出す。

あわただしく10時半にタクシーで鎌倉駅に向かったのだが、猛暑のせいもあって、新幹線に乗る前に、私もバンビも疲れはてていた。
posted by 城戸朱理 at 07:39| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

東京駅構内で和んでみたら

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「桃」の公演が終わった翌日、10日(月)。

この日は鎌倉に帰るだけなので、神田古書店街に寄ろうかと思ったのだが、あまりに暑さに断念、昼食を取って、真っ直ぐ鎌倉に戻ることにした。


バンビことパンクな彼女が、「美味しいものをたくさん食べたから、お昼は駅ナカで済ますといいんじゃない」と言うので、東京駅構内で、食事をすることに。

と言っても選択肢が多すぎて、目移りするほど。


近年の日本の駅構内の飲食店の充実ぶりは、本当に凄いと思う。


結局、日本酒でくつろぐべく、「築地すし好―和(なごみ)―」へ。


バンビは、東京の地酒、澤乃井の利き酒セット、私は、生ビールと獺祭をもらう。

撮影中は黒子に徹するため、バンビはヴィヴィアン・ウエストウッドの黒のワンピースを着ていたが、撮影の仕事を終えたので、ヴィヴィアンのパグ柄ワンピースに着替え、表情も明るい。


「さあ、じんわりするぞう!」


私が10貫の握りと、ふたりでつまむ鉄火巻きを頼んだら、なんとバンビは、私より4貫多い握りの「おまかせ」を注文。

日本酒を飲みつつ、楽しげにお寿司をつまんでいる。

マグロは天然の本マグロで、日本酒の品揃えも悪くない。


ニューヨーク在住の友人が、日本の駅ナカは神と言っていたが、海外と比較したら、そう言いたくなるのも分かる。


結局、ランチタイムを過ぎて、お客さんがいなくなってからも、飲み続け、2時間以上、のんびりしていた。


あとは帰るだけとなると、気分も楽である。
posted by 城戸朱理 at 06:30| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月17日

新作コレオグラフ「桃」〜舞踏への切線

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鯨井謙太郎(正しくは良扁に邑)による新作コレオグラフ「桃」は、全公演完売、立ち見まで出る盛況だったが、それ以上に、鯨井氏が未踏の地平に立ったことを感じさせるものとなった。


なんと、土方巽による舞踏創草期から、舞踏評論を担ってきた大御所、97歳の合田成男さんも来場されたが、何か予感されるものがあったのだろう。

合田さんは、これが自分が会場に足を運んで見る最後の公演になるだろうとおっしゃったそうだが、鯨井氏の踊りに、土方巽的身体と舞踏を感得されたそうだ。

それはオイリュトミーによって形成された鯨井氏の肉体が、舞踏への回帰を意識したことを言うものなのだろうか。


今回、鯨井氏とユニット「CORVUS」を組む定方まこと氏は、踊りだけではなく、ピアノも担当したが、テーマを尋ねられた鯨井氏は「舞踏」と答えたそうだ。

ただし、その「舞踏」とは、かつてあったものではなく、いまだ見たことのない領域に開かれようとしているのだろうし、また、そうでなければ意味がない。


「桃」は、大倉摩矢子(舞踏家)、四戸由香(ダンサー)、桃澤ソノコ(オイリュトミスト)、定方まこと(オイリュトミスト・ダンサー)が、無造作に歩き、すれ違い、たたずむところから始まる。


大倉摩矢子の幽明境に歩み入るかのような動き。

四戸由香のグランギニョルな、壊れた人間=機械仕掛けのマネキンの踊りも圧巻なら、ナイフを持った定方まことの狂気と正気の狭間のような姿も目に焼きつく。

そして、ときにイザナミと化す桃澤ソノコの圧倒的な存在感。


そこを不具の乞食に身をやつした鯨井謙太郎が横切っていく。

その姿は、たしかに土方巽を想起させるところがあるが、そのように了解してしまうのであれば、この公演は、たやすい納得で終わってしまうのではないか。

むしろ、私は鯨井氏が舞踏家とダンサー、それにオイリュトミストと、異なるコンテクストの身体と踊りを異質なまま、ひとつの舞台に投げ込み、自らはオイリュトミーで作られた肉体で、舞踏を踊ろうとしたことに注目すべきだと思う。


また、この公演を、たとえば、無関係のまますれ違い、ときに衝突する現代人と、現代社会を襲うテロルを、乞食という低い地平すれすれの視点と、鳥の俯瞰的な視点の境に出現させたものと読み解くことも出来るかも知れない。

だが、そうした演劇的なドラマトゥルギーによって、解釈されるべきものではない気がする。


吉岡実の詩篇の朗読が流れるパートもあり、鯨井氏が吉岡実『薬玉』の詩句を呟く場面もあったが、日本神話におけるイザナミや昔話の桃太郎を重層化させながら、
踊りが言語による解釈を導くのでもなければ、物語性が肉体を動かすわけでもなく、あたかも肉体がそのまま言語であり、言語がそのまま肉体である世界を、鯨井氏は開示しようとしたのではないだろうか。

その言葉と肉体のはざまを、一個の桃が転がっていく。


乞食として横切るだけではなく、いざ踊り出すと天地をしたがえるようなダイナミズムを現前させる鯨井謙太郎も健在だったが、観客として座っているだけでも、何かと対決させられているような踊りを見たとしか言いようがない。

未踏の舞踏へ、肉体=言語の新たな地平へ。

何かが起こり、さらにそこから新たな何かが、立ち上がりつつある。



(撮影=小野田桂子)
posted by 城戸朱理 at 17:04| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月16日

夏のシルクジャケット

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鎌倉でも、最高気温が30℃に達する夏日が到来。

今年の梅雨は、降雨量こそ少ないが、やはり湿度は高く、不快な日が続く。


これだけ暑くなると、さすがにスーツを着るのは特別な日だけになるが、外出するときは、最低、ジャケットだけは手放さないようにしている。

これは、私が自分で作ったルールなのだが、白洲次郎も、男は、ノータイでもジャケットを持つべきと語っていた。

だが、ジャケットを羽織ったら、どうしても汗をかいてしまうのが、日本の夏。

かなりの頻度で、クリーニングに出すことになるので、一週間分くらいは用意しておかなければならない。


夏の衣類と言えば、何よりも麻だが、最近はシルクのジャケットも愛用するようになった。

シルクは繊細なイメージがあるし、夏には向かないように思っていたのだが、実は丈夫で通気性がよく、綿の1.3〜1.5倍の吸湿性と放湿性を持ち、夏でも涼しい。

問題は、皺になったときの復元力が弱く、水に濡れると色落ちしやすいことだが、最近は、シルクの長所を生かし、欠点をおぎなうシルク・ウールやシルク・リネンの生地もよく見かけるようになった。


去年、購入したのが最初の写真のシアサッカーのジャケット。

シアサッカーは、生地に縞状の凹凸があるため、見た目にも清涼感があるが、肌に触れる面積が少ないため、さらりとした着心地で、夏にうってつけ。

通常はコットンだが、このジャケットは、シルク50%、ウール47%、エラスタン3%と、いかにもアルマーニらしい素材使いで、コットンのものより張りがある。

このジャケットは、銀座、松屋のアルマーニ・コレツィオーニで求めたものだが、試着したとき、直しの必要がないので、ショップスタッフが驚いていた。

たいていの人が袖を詰めるなど、何らかの補正が必要になるそうだが、私にはジャストサイズなのがありがたい。


次の写真は、シルク100%のショールカラージャケット。

ショールカラーは、タキシードなどによくあるデザインだが、ジャケットでも、シルクだとフォーマルな印象がある。

ところがシルクだけに軽いので気楽に羽織れるし、好きなデザインだ。


3枚目の写真も、シルク100%のジャケット。

シャツなみの軽さで、まさに夏向き。

すべてパッチポケットなため、カジュアルな印象になる。


最後の写真は、リネン84%、シルク16%なので、質感はリネン。

ショールカラーだが、胸ポケットを省略し、腰はパッチポケットのため、カジュアル感が強くなるので、カーディガンを羽織るような感覚である。


以上の3着は、いずれもアルマーニのコレクションラインのGIORGIO ARMANI。

アルマーニは、現在、ジョルジオ・アルマーニ、セカンドラインのエンポリオ・アルマーニ、ビジネスラインのアルマーニ・コレツィオーニ、カジュアルラインのアルマーニ・ジーンズとファスト・ファッションのアルマーニ・エクスチェンジで構成されているが、
来年から、アルマーニ・コレツィオーニとアルマーニ・ジーンズをエンポリオ・アルマーニに統合し、3ラインに整理されるそうだ。

そうなると、現在のアルマーニ・コレツィオーニとアルマーニ・ジーンズの売り場は、すべてエンポリオ・アルマーニに変わることになるのだろうが、
整理したいという欲求は、マーケティング戦略以上に、「モードの帝王」「マエストロ・ディ・マエストロ(巨匠のなかの巨匠)」と呼ばれるアルマーニも、老いのなかで、心境の変化があったということなのだろう。

動物愛護の視点から、アルマーニは、昨年、毛皮を一切使わないノーファーを宣言したが、アパレルをめぐる状況も変化しつつあるようだ。
posted by 城戸朱理 at 11:44| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月15日

水原紫苑さん、第53回短歌研究賞受賞!

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水原紫苑さんが、第53回短歌研究賞を受賞された。

短歌研究賞は、歌集ではなく、「短歌」「歌壇」「短歌研究」などの短歌総合誌に発表された20首以上の作品と、それまでの実績を対象として選考される。

水原さんは「極光」30首詠(「歌壇」2016年7月号)での受賞。


「東京新聞」6月24日「詩歌への招待」欄に発表された「ヘブンリーブルー」連作も素晴らしかった。

そのうちの一首。



詩を織るは永遠の問ひ
たましひの殺人消えずわれこそあなた



同欄のエッセイで、水原さんは「世界はまず言葉から壊れてゆく。言葉が死ぬ時、世界も死ぬのだ」と書かれているが、これだけ端的に今日の危機を語ることができるのも、「永遠の問ひ」のさなかに生きているからなのだろう。


水原さん、おめでとうございます!
posted by 城戸朱理 at 09:28| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月14日

ゴーストタウン化する日本

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鎌倉市の「広報かまくら」7月15日号では「空き家を増やさないために」という特集が組まれている。

鎌倉市の調査によると、鎌倉の空き家と考えられる戸建て住宅は、1108戸。

空き家が放置され、老朽化すると、倒壊などの危険を伴うことになる。

今や、空き家対策は、地方公共団体の急務となりつつあると言ってよい。


実際、日本では、住む人がいない空き家が増え続けている。

2016年6月の段階で、すでに空き家は820万戸、総住宅数に占める空き家率は、13.5%。

野村総研は、空き家の有効活用が進まなかった場合、2023年には、空き家が1400万戸(空き家率21.1%)となり、
2033年には2170万戸(空き家率30.4%)、なんと住宅の3戸に1戸が空き家になると予測している。


しかも、日本は人口減少期に入ったわけだから、現実を直視するなら、もう家を建てる必要はないわけであり、物の価格は需要と供給の関係で決まるわけだから、今後は、地価も家の価値も下落するだけなのは、火を見るよりも明らかだろう。


実際、東京を始めとする大都市の一等地を除けば、地値は下がり続けており、作家の佐藤洋二郎さんは、ネットで、地方都市の中古マンションの価格を調べるのが趣味だとおっしゃっていたが、今や100万を切る物件さえ珍しくないそうだ。

暮らす場所によっては、住まいが新車より安く買える時代が到来したわけだから、驚かざるをえない。



そうした状況に、いち早く気づいた坂口恭平は『0円ハウス』(2004)を上梓、「建てない建築家」として出発することになったわけだが、『0円ハウス』は、とあるホームレスに取材し、ホームレスを、狩猟と採集によって生きる現代の縄文人としてとらえたところが新鮮だった。

坂口恭平的な発想だと、家はもはや「0円」なのである。


たしかに東京の銀座など、一等地の地価はバブル期以上に高騰しているが、それ以外のエリアでは、土地や家が、資産たりえない時代が来ようとしている。


昭和という時代は、右肩上がりの成長期で、人口も増え続けたため、親が持ち家であっても、子供は親との同居を望まず、何十年ものローンを組んで、家を購入したわけだが、そうした核家族化の結果、家余りの現状が到来したのは当然のことでしかなく、今や昭和的な価値観は、完全に過去のものとなった。


空き家が増えた地区は、次第にさびれて、ゴーストタウン化していく。

核家族化のはてに広がる、この荒涼たる眺めは、団塊以上の世代には想像も出来なかった未来図なのではないだろうか。
posted by 城戸朱理 at 11:16| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月13日

再び、たつみやへ

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9日は、セッションハウスに入る前に昼食を取ることにしたのだが、「また、たつみやに行くのはどうかな?」とバンビことパンクな彼女が言い出した。

2日続けて、同じ店に行こうというのだから、よほど気に入ったのだろう。

私も異存はない。


開店10分前に到着し、暖簾が出るのを待った。


「また来ました」と挨拶し、まずは、ビールと骨せんべい。

メニューにはないが、昨夜、隣のテーブルのお客さんが肝焼きを頼んでいたので、聞いてみたら、「出来ます」とのこと。

出てきた肝焼きを見て、バンビは「もっちりしてるね!」と驚いていたが、この肝焼き、肝ばかりではなく、肝とエリを交互に刺し、ヒレを巻いたもので、鰻の旨みが凝縮しているものだから、こよなく酒に合う。

こんな肝焼きは初めてだが、おそらく、捌いた鰻の数しか肝がないので、メニューにはないのだろう。


バンビが楽しみにしていたのは、絶品の白焼き。


「やっぱり美味しいね!
アイスクリームに乗せたいくらいだよ!」
???


どう考えても鰻の白焼きが、アイスクリームに合うはずはないが、これはどうやら「とろけるようだ」のバンビ流表現らしい。


「剛造先生をお連れしたら、きっと気に入られるよ!」

たしかに。

吉増さんは、鰻がお好きなので、次回の打ち合わせはここにするといいかも知れない。


食事はいちばん軽い鰻丼にしたが、たつみやは御飯の盛りが多めなので、次回からは御飯を少なめで頼むことにしようと話し合った。

要するに、ふたりとも、機会があり次第、また来る気なのである(笑)。
posted by 城戸朱理 at 11:26| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする