サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jp のロゴ
城戸朱理のブログ

2017年08月09日

仙台弁こけし!? その2

IMG_7778.jpg



仙台弁こけしの向こうを張って、バンビことパンクな彼女が、「博多弁こけし」と自称するようになってしまった。

たしかに、バンビは博多弁を話せるが、博多弁こけしと言いながら話すのは仙台弁なのである。


「まぼいっちゃ!」

「はかはかするう!」


「まぼいっちゃ」は「かっこいいね」、「はかはかする」は「ドキドキする」という意味。

私が気に入っているのは、「ぺったらこい」(ひらべったい)である。

しかし、私もバンビも単語と言い回しを10ほど覚えただけなので、かなり出鱈目な仙台弁なのは間違いない。


仙台に行く機会があったら、着ぐるみの仙台弁こけしにも会ってみたいものだと思っていたら、公式ツイッターで仙台弁こけし切手が発売されることを知った。

しかも、仙台の郵便局限定――

これは、欲しい。

どうしても、欲しい。

そこで、仙台在住の富田真人氏にお願いしてみた。

富田さんは快諾して下さり、そして、届いたのである「仙台弁こけし オリジナルフレーム切手 夏だっちゃ!」が!


「はかはかするっちゃ!」とバンビ。

「ぺったらこい!」と私。


「夏だっちゃ!」ということは、これから「秋だっちゃ!」や「冬だっちゃ!」も出るのだろうか?

ともあれ、仙台弁こけし切手で、手紙を出しまくろう(?)。


切手のみならず、富田真人氏が21歳のときに出した詩集『usubakagerou』のコピーが同封されていたのも嬉しい。

この詩集に関しては、別に紹介したい。
posted by 城戸朱理 at 17:35| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月08日

安比高原アイスクリーム、到来!

IMG_77270001.jpg



猛暑にあえいでいたら、北上の豊泉豪さんが、岩手の安比高原アイスクリームを送ってくれた。

バニラ、山ぶどう、コーヒー、チョコチップの4種類。

説明書によると「搾りたての生乳を使用。原料の70%が牛乳のため空気の割合が非常に少なくて、乳固形成分が高い、コクのある固めのアイスクリームです」とのこと。


これが、本当に固い。

冷凍庫から出して、20分ほど置くか、電子レンジに15秒ほどかけるように書いてあったが、要するに、それくらい固いのである。


「んふー!
すごく固いアイスだよ!」


バンビことパンクな彼女も驚いている。

そして、ひと口たべてみて、さらにバンビは驚くことになったのだった。


「んふ!
とっても濃厚で、物凄く美味しいよ!」


新幹線で売られているスジャータのプレミアムアイスクリームも乳脂肪分が高く、空気含有量が低いため、濃厚かつ固いので有名だが、タイプとしては同じである。

歌人の水原紫苑さんも新幹線でスジャータ・プレミアムアイスを食べるのが楽しみと言っていたが、機会があったら、水原さんにも安比高原アイスクリームと比較してもらいたいものだ。


豊泉さん、御馳走さまでした!
posted by 城戸朱理 at 16:10| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月07日

冷涼たる夏か?

IMG_7731.jpg

8月になったら、夏とは思えぬ涼しさ、朝方など肌寒さを覚えるほどである。

昔の人なら飢饉の心配をしたのではないかと思ったら、猛暑が戻ってきてしまった。


ところで、ふと気づいたら、先月はブログを毎日、更新していたようだ。

何のためにこんなことをしているんだと思ったが、のんびりとした温泉の記事やら何を食べたかとか、どうでもいい話がほとんどなので、更新すること自体は難しくない。


もの書きの日常は、本を読んでいるか、原稿を書いているかのどちらかで、実に単調なものだが、座りっぱなしの座業だから、柳美里さんは「こんな身体に悪いことはありませんよね」と言っていたっけ。

ちなみに、8月3日は、まず、田野倉康一・広瀬大志・高貝弘也氏との連詩を書いた。

大志くん出題のテーマは「美術」。

自由な発想を許すテーマだけに、どのパートも読み応えがある。


昼食後は、小憩してから「現代詩手帖」のための鯨井謙太郎(正しくは良扁に邑)によるコレオグラフ「桃」のレビューを執筆。

書き終えてから、かまくら春秋の山本太平さんへ、「夜の鎌倉」企画の取材先候補リストを作製してメールし、「桃」のレビューを見直して、文字量を調整してから編集部にメールした。

夜は、晩酌して読書。

さらにAmazon Videoでクリント・イーストウッド主演「ダーティハリー2」を見る。

「ダーティハリー」は、ドン・シーゲル監督による一作目と、イーストウッド自身がメガホンを取った四作目が傑作だが、テレビ出身のテッド・ポスト監督による「ダーティハリー2」は、中学生のとき、私が初めてロードショーで観たイーストウッドの主演作だった。

今や、監督として、ハリウッド・キングとまで呼ばれるイーストウッドだが、当時はアメリカでもアクション・スターとしか思われておらず、「恐怖のメロディ」や「荒野のストレンジャー」といった監督作品も、いい映画なのに、さして評価されてはいなかったのを思い出す。


当時、ショーン・コネリーの後任として、イーストウッドに007・ジェームズ・ボンド役のオファーがあったそうだが、イーストウッドは、ボンド役はイギリス人俳優が演じるべきだと言って断ったという。

ショーン・コネリーがボンドを演じたのは「007 ダイアモンドは永遠に」(1971)が最後だから、イーストウッドにオファーがあったのは、その翌年あたりだろうか。

「ダーティハリー」の公開が1971年だから、製作者がイーストウッドをボンド役にと思ったのも納得できる。

それを断るあたりもイーストウッドらしいが、イーストウッドが演じる007を見てみたかったと思うのは、私だけではないだろう。
posted by 城戸朱理 at 11:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

桃、到来!

IMG_77220001.jpg



大沢温泉から戻ったら、クール宅急便の不在配達票が。

問い合わせてみたら、すでに送り主に返送されたという。


徳間書店の加々見正史編集長が、桃を送ってくれたのだった。


「あの美味しい桃だよ!」とバンビことパンクな彼女が騒ぎ出したが、加々見さんが、また手配してくれたので、わが家に桃が到来。

加々見さんが送ってくれる静岡の新茶も滋味深いが、桃もまた絶品である。


さっそく、熱湯に20秒漬けてから氷水に放ち、つるんと皮を剥いてから、冷やしてみた。

この時期だと、バンビのために剥いて冷やしてあるグレープフルーツを始めとして、スイカにメロンなどが、いつも冷蔵庫に入っているが、そこに桃が加わったことになる。

食前に食べたり、夜は夜で生ハムを添えて、スパークリングワインを開けたりして、バンビは御機嫌である。


中国でも、日本でも、桃は神話的な色合いを帯びる仙果であり、吉祥文でもあるが、みずみずしくも豊かな果実に、さまざまなイメージが負荷されたのも分かるような気がする。
posted by 城戸朱理 at 07:45| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月06日

仙台弁こけし!? その1

IMG_697800010001.jpgIMG_697600010001.jpgIMG_698200010001.jpgIMG_7728.jpg


「はかはかするう!」

キッチンからバンビことパンクな彼女の声が聞こえてきた。

はかはかしているのである。

「まんずどうもねー」

今度は何かに感謝しているらしい。

「はかはかする」は「ドキドキする」、「まんずどうもねー」は「どうもありがとう」という意味の仙台弁。

なんで、わが家で仙台弁が流行っているかというと、仙台のゆるキャラ、仙台弁こけしのせいである。


最初に発見したのは、ツイッターだった。

「いぎなしなまってるこけしだっちゃ!」

何なんだ、このキャラは!?

「いぎなし」は仙台弁で「とても」という意味らしい。

「仙台弁で宮城の魅力ば伝えっぺす!」


着ぐるみも存在し、仙台の東急ハンズでいづぬづ(一日)店長をしたりもしているが、こけしだから、当然、腕はない。

あまりにケッサクなキャラである。


バンビは、こけし風の髪型にして、生きているこけし=生(なま)こけしになって遊んでいたくらいだから、気に入らないはずがない。

それで、わが家では仙台弁が飛び交うようになったのである。


さらに、バンビが仙台に行ったとき、仙台弁こけしグッズをお土産に買ってきてくれた。


仙台弁こけし手拭い、仙台弁こけしシール付きの仙台弁こけし白石温麺、さらに仙台弁こけしお弁当トートバッグである。

トートバッグには、仙台弁こけし缶バッジを付けて、ヴァージョンアップ(?)している。
posted by 城戸朱理 at 12:47| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月05日

小町通りの舵屋

IMG_7683.jpgIMG_7686.jpgIMG_7689.jpgIMG_7691.jpg



7月27日も、午後から打ち合わせ。

夕方には終わったので、バンビことパンクな彼女と軽く飲んでから帰ることにした。


藤沢周氏が最近、小町の舵屋を贔屓にしているのを思い出し、行ってみたら、ちょうど暖簾を出しているところだった。

藤沢さんのみならず、文芸評論家の新保祐司さん御夫妻も、よくいらっしゃると聞いたが、あっという間に満席になり、予約の電話がひっきりなしに、かかってくるではないか。

知らぬ間に、人気店が出来ていたらしい。


藤沢さんが、魚が美味しいと言っていたので、まずはお刺身の盛り合わせを。

生しらすに地ダコが入っているあたりが、鎌倉らしいところ。

ちなみに小坪のタコは、明石のタコに劣らないほど、風味がよい。

ビールで乾杯したが、お造りには日本酒だろうと、バンビと日本酒を選ぶ。


まぐろ納豆は、海苔で巻いて。

あぶりとりレバーは、100羽に1、2羽の割合でしか取れない白レバーで、これも酒に合う。


水茄子一本漬けに至っては、塔のような盛り付け。


食事もできるので、忙しい新保祐司・智子夫妻が気に入られるのも納得したが、軽く飲むつもりが、日本酒をしっかり飲んでしまったのは、やはり肴のせいだろう。

ちなみに、「魚」という字は、もともとは「うお」と読んだが、酒の肴(さかな)にうってつけなので、「さかな」とも読むようになったそうだから、魚が酒を呼ぶのは日本人の遺伝子に刷り込まれているからに違いない。
posted by 城戸朱理 at 08:35| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月04日

ピザ・ダダで昼食&打ち合わせ

IMG_7677.jpgIMG_7668.jpgIMG_7671.jpgIMG_7675.jpgIMG_7666.jpg



7月26日は、かまくら春秋社で「詩とファンタジー」の選考会だった。

今回は、選考委員のスケジュールが合わず、私と編集部の山本太平さんが先に候補作を選び、2日後に蜂飼耳さん、平岡淳子さんが掲載作を決めることに。

朝から投稿作品をひたすら読み続け、12時過ぎに終了。

山本さんが、予約を入れておいてくれたので、ランチは若宮大路のピザ・ダダで。


ピザがメインだが、どの料理も美味しく、ミシュラン・ガイドでもビブグルマンに選ばれている店である。

48ヵ月熟成の生ハムやサラミをもらって、私はビール、さらにプロセッコと昼から飲んでしまった。

ピザは、アンチョビが効いたアッチューゲとクワトロ・フォルマッジを。

竈で焼き上げるピザは、薪の香りがほのかにして、野趣がある。


食事をしながら、山本さんから話があった新企画「夜の鎌倉」の打ち合わせをした。

実現すれば、実に楽しい連載(?)になるはずなのだが。
posted by 城戸朱理 at 10:58| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

吉増剛造さん企画イベント「剛造 Organic Fukubukuro Orchestra Vol.3 幻を見るひと」



吉増剛造さん自らが企画するイベント「剛造 Organic Fukubukuro Orchestra」の第3回に、私もゲストで出演します。

詳細は下記の通り。


2017年9月8日(金)
19:00〜20:30
会場/恵比寿_NADiff a/p/a/r/t

出演/吉増剛造×マリリア 
ゲスト/城戸朱理

料金/2000円

お土産/吉増剛造“裸のメモ”


当日は、京都の四季を訪ねる吉増さんのドキュメンタリー映画「幻を見るひと」(井上春生監督)の予告編上映のあと、吉増さんと私がトークする予定。

「幻を見るひと」をめぐって、あるいは京都を、さらには東日本大震災以後の詩の言葉をめぐって、今、開かれつつあるものを語り合えたらと思っています。

興味のある方は、ぜひ、恵比寿までお運び下さい。
posted by 城戸朱理 at 07:26| イベント告知など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

久保田潤・理央夫妻と会食〜逗子の満天

IMG_7650.jpgIMG_7654.jpgIMG_7658.jpgIMG_7663.jpgIMG_7657.jpg



8泊9日の旅の荷物の片づけと洗濯が、ようやく終わった7月25日のこと。

久保田潤さんと理央ちゃんから、逗子に魚が美味しい店があるから一緒に行こうと誘われ、バンビことパンクな彼女と鎌倉駅のホームで待ち合わせて、逗子に向かった。


逗子に行くのも久しぶりだが、駅前の魚屋は、鮮度も品揃えも素晴らしい。

手巻き寿司をやるのなら、逗子まで買い物に行ったほうがよさそうだ。


満天という店に着いたら、久保田さんと理央ちゃんは先に到着していた。

満天のご主人は、お父さんが築地の仲買人だったそうで、魚を見る目はたしか。


まずは、胡椒鯛や地ダコ、大帆立などのお刺身盛り合わせとポテトサラダをもらって、ビールで乾杯。


久保田夫妻が最近、見た「メッセージ」から話題は、映画とSFに。

久保田さんも私も、若いころはSFを読み耽った世代だけに、フィリップ・K・ディックやロジャー・ゼラズニィの話で盛り上がった。

焼き物は、クエのカマ。

幻の高級魚だが、私とバンビも2年前に唐津で食べて以来である。

クエと言えば、煮魚と思っていたが、ご主人に勧められ、焼いてもらったところ、これが極上の美味だった。


冷奴と漬物をもらって、飲みつつ語り、締めは、そうめんを。


御覧のように、カボスが浮かび、なんとも涼しげである。


久保田さんは、アレックス・シアラー『ガラスの封筒と海と』(求龍堂)のカバー・表紙・扉の装画を担当したご縁で、求龍堂が個展をしてくれることになったそうだ。

装画も装幀も、実に美しい本である。
posted by 城戸朱理 at 07:24| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月03日

クルベル・キャン、馬場淳也氏、2016年全国バーテンダーズ・コンペティションMVB!

IMG_69290001.jpgIMG_69270001.jpgIMG_6906.jpg



プロフェッショナル・バーテンダーズ機構が主催する昨年の全国バーテンダーズ・コンペティションで、馬場淳也氏が優勝、
MVBとしてインタビューが機関誌「プロフェッショナル・バーテンダー2017」に掲載された。

馬場さんがコンペのために創案したカクテルは、鎌倉の空に昇る太陽をイメージした「ソル・レバンテ」(東の空に昇る太陽)。


馬場さんは、師匠でクルベル・キャンのオーナー・バーテンダーである秋山正治さんから、「氷は冷やすためのものではなく、カクテルの材料」と教わったそうだが、氷の使い方が素晴らしいし、流れるような所作も美しい。


プロフェッショナル・バーテンダーズ機構の仕事が忙しく、最近、店に不在がちの秋山さんにかわって、いつも素晴らしいカクテルを提供してくれる。


馬場さん、遅ればせながら、おめでとうございます!
posted by 城戸朱理 at 09:32| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鎌倉、クルベル・キャン

IMG_7638.jpgIMG_7640.jpgIMG_7643.jpgIMG_7646.jpg



新花巻駅から新幹線で東京へ。

横須賀線で鎌倉が近づくにつれ、湯治気分は薄れ、現実に戻ってきた気分になった。


一週間以上、家を空けていただけに、冷蔵庫には何もない。


バンビことパンクな彼女の提案で、クルベル・キャンに寄って、軽く食事をしていくことにした。


私は、ジントニック、バンビはジンリッキー。


さまざまなコンテストで優勝しているバーテンダー、馬場淳也さんが作るジントニックは、ひときわ美味い。


まずは、ほうぼうのカルパッチョを頼み、さらに鶏肉の石窯ハーブグリルを。

そして、贅沢にフレッシュ・サマー・トリュフを使ったバンビの大好物、スパゲッティ・カルボナーラを頼む。

クルベル・キャンのカウンターに座っていると、落ち着くし、鎌倉に戻った気分になる。

私にとっては、もっとも居心地のいい店のひとつだ。
posted by 城戸朱理 at 09:02| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月02日

御食事処やはぎの夕食、その2

IMG_7629.jpgIMG_7628.jpgIMG_7635.jpg



7月21日、大沢温泉最後の夜は、やはぎで夕食を取った。


私は生ビール、バンビことパンクな彼女はレモンサワーで乾杯。

焼鳥を塩で2本、お刺身盛り合わせに、食事は鰻丼。


戦前ならば、こんな内陸の山あいで、刺身など考えられなかったことだろう。

帆立の鮮度が素晴らしかった。

お造りには日本酒だろうと冷酒を頼んだのだが、温泉と冷酒の取り合わせも至福。


ようやく、湯治の意味が分かったところで、帰らなければならないのは残念だが、またの機会を待ちたい。
posted by 城戸朱理 at 08:17| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

湯治の達人?

IMG_7470.jpgIMG_7545.jpgIMG_74410001.jpgIMG_7437.jpg



温泉なら、何度も行ったことはあるが、一週間の湯治となると初めてだから、当初は原稿を書いたりしようと思っていたのだが、これは間違いだった。

バンビことパンクな彼女も、PCを持ち込み、写真を整理して、DVDに焼いては送り出したり、柳田国男『遠野物語』を読んだりしていたが、自炊部の湯治客は、見事なまでに何もしていない。


いつもパジャマ姿のお婆さん3人組など、温泉に浸かっては、寝ているだけ。

部屋の前を通ると、いつも、3人が布団を並べて目刺しのように横たわっているのだから、これが正しい湯治客かと感心してしまった。

だいたい、浴衣さえ借りず、御食事処やはぎに現れるときさえパジャマ姿なのだから、いつでも寝れるという意思表示をされているような気分になる。

ここまで行けば、湯治の達人だろうが、湯治とは、温泉に浸かる以外は何もしないことなのだろう。


結局、私も本は読んだが、執筆はしなかった。

バンビも後半になって、ようやくそのことに気づき、温泉に入ってはお昼寝するようになったが、これが正しい湯治というもの。


ただし、何もしないという贅沢に慣れるのは難しい。
posted by 城戸朱理 at 08:13| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月01日

御食事処やはぎの昼食、その2

IMG_7618.jpgIMG_76230001.jpgIMG_7621.jpg



7月20日の昼食のとき。

バンビことパンクな彼女は、小海老の天ぷらを散らしたおろし海老天蕎麦を注文。


私は、生ビールと肴のひっつみを頼み、食事を何にするかメニューを見ていたら――


「城戸さんは、カツカレーにしてあげて!」とバンビが言い出した。


前から気になっていたおろし海老天蕎麦を注文したものの、バンビはカツカレーも食べてみたいのである。


まずは、ひっつみの味見をバンビに勧めてみた。

ひっつみは、岩手の郷土料理ですいとんのこと。

大根や人参、ゴボウなどの根菜類が入ったすまし汁に小麦粉のすいとんを入れるのが普通だが、やはぎでは、小麦粉にダッタン蕎麦が練り込まれており、ひっつみよりは、これまた郷土料理の蕎麦はっとに近い。


「んふ!
ちゅるっとして美味しいね!」


バンビは、ひっつみも気に入ったようだ。


カツカレーは、御覧のような大盛り。


ひと口食べてみたら、揚げ立てのトンカツといい、スパイシーなカレーといい、なかなかの出来だったので、バンビに試食を勧めたら――

これまた気に入ったらしく、あっという間に半分近く食べてしまったではないか。


「いっぱい食べちゃった!」


淡白な和食が続いたので、カツカレーが美味しく感じられたのだろうが、御飯そのものが極めつけに美味しいものだから、カレーやトンカツも、より美味しく感じるというところもあるのかも知れない。


ところで、やはぎのみならず、魚菜もそうだったが、このあたりの飲食店は、ポーションが大きい。

朝食の御飯は、たっぷり二膳分はあるし、蕎麦も、東京の二人前近い量。

注文には、注意が必要だ。
posted by 城戸朱理 at 07:06| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

宮澤賢治と大沢温泉

IMG_7499.jpgIMG_7522.jpgIMG_7496.jpgIMG_74810001.jpg



大沢温泉の自炊部・湯治屋では、部屋には扇風機だけ。

クーラーが入っているのは帳場の隣の待ち合いだけである。


戦前の雰囲気をたたえる待ち合いには、宮澤賢治が、浄土真宗の熱心な信徒だった父親に連れられて、花巻仏教会の講習会に来たときの写真が掛けられている。

賢治は、子供のころ、仏教講習会に連れられ、何度も大沢温泉を訪れたそうで、自炊部・湯治屋に泊まったこともあるのだろう。

曲がり橋の上で撮った少年時代の集合写真も残されている。


また、学生時代には、悪ふざけをして、湯を汲み上げる水車を止めてしまい、大騒ぎになったという愉快な逸話も。


後年、花巻農学校の教師をしていたときは、生徒を連れて来たこともあるそうだ。


岩手なら、温泉はいたるところにあるので、宮澤賢治にとっては、大沢温泉も日常のなかにあったのだろう。
posted by 城戸朱理 at 07:05| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

自炊部・湯治屋の共同炊事場

IMG_7624.jpgIMG_7625.jpgIMG_7626.jpg



今回の大沢温泉滞在では、夕食3回を共同炊事場で準備した。

豊泉豪さんが泊まった夜は、佐助豚のしゃぶしゃぶがメイン。

しゃぶしゃぶ用に白菜を刻み、フルーツはメロンとさくらんぼ。

とうもろこしを茹で、佐助豚のソーセージをボイルし、佐助豚のコンフィを温め、シャンパンを開けた。

高橋昭八郎さんの思い出などを語り合いつつ飲んだのだが、忘れがたい一夜である。


自炊部・湯治屋の共同炊事場は、鍋に土鍋、フライパンや食器が完備され、電子レンジやトースターもある。

ガスは、10円を入れると7〜8分使える仕組みになっているが、なんともレトロで面白い。


バンビことパンクな彼女が、包丁やまな板、ゲランドの塩を始めとする調味料まで持ち込んでいたので、調理は手早く済んだ。



面白かったのは、共同炊事場で調理をしていた方々である。

自炊しているのは、男性ばかり。

山男の比率が高く、持ち込んだ食材で、手早く5、6品の料理を作っていたりする。

鰹とタコを引いて、プロとしか思えない見事なお造りを仕立てている人もいれば、自分で栽培した無農薬野菜や糠床まで持ち込んでいる人もいた。

女性はひとりしか見かけなかったが、冷房病で苦しみ、毎年、夏には2、3ヵ月を大沢温泉の湯治屋で過ごしているのだという。

共同炊事場にいると、互いに名前も知らないまま、なぜか話が弾み、顔見知りになってしまうが、これも自炊部ならではと感じ入った。
posted by 城戸朱理 at 07:04| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする