サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jp のロゴ
城戸朱理のブログ

2018年07月31日

ナタリア・ドーンさんを迎えて

IMG_4098.JPGIMG_4147.JPGIMG_4105.JPGIMG_4107.JPG



7月14日は女子美大学院での講義を終えると、そのまま立川に向かい、ワシントンホテルにチェックインし、翌日からの撮影に立ち会う。


オックスフォード大学大学院で、日本文化を研究しているナタリア・ドーンさんを迎えてのロケである。

撮影は、井上春生監督が手際よく進めてくれたので、15日午前中と17日で済んだ。


ヘアメイクは春の京都ロケにも付き合ってくれた花井麻衣さんだが、ナタリアの衣装は自前。

日本留学中は「an・an」でモデルもしていたナタリアは私服もお洒落である。


関係者が集ってのナタリア歓迎会は15日の夜に焼肉・暖家で。

ナタリアの好物はカルビで、ひとりで牛角に行くこともあるという。


オフの日は、代官山のTSUTAYAに行ったり、歌舞伎座に歌舞伎を見に行っていたというのだから面白い。


17日は酷暑のなかでの撮影となったが、ナタリアは笑顔で乗り気ってくれた。
posted by 城戸朱理 at 10:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月30日

クルベル・キャンで暑気払い

IMG_4074.JPGIMG_4078.JPGIMG_4081.JPGIMG_4083.JPGIMG_4086.JPG



京都から戻った翌日、7月13日は、フェリスでの講義を終え、打ち合わせのために急いで帰宅した。

バンビことパンクな彼女が御成通りのハンドドリップ・コーヒーの店、グッド・グッディーズでアイスコーヒーを調達し、打ち合わせ場所に向かったのだが、とにかく、暑い。



打ち合わせが終わってから、暑気払いすべくクルベル・キャンに寄った。


ハートランドの生を一気飲みしてから、ジントニックを頼む。

バンビはジンリッキー、さらに、ここのところシェリー酒に凝っているバーテンダーの馬場淳也さんににシェリーを注文。


料理は鶏白レバーのクロスティーニとホワイトアスパラの石窯グリルを。

さらに芝海老のペペロンチーノをもらった。


暑いときには、シンプルなペペロンチーノが食べたくなるが、バンビの好物である。
posted by 城戸朱理 at 11:19| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

吉増剛造『火の刺繍』(響文社)

Effect_20180727_175624.jpgIMG_3843(1).JPGEffect_20180727_175646.jpg



「枕にでもして。
そうでなきゃ、そのへんに放っておいて」


吉増剛造さんから、お電話をいただいたので、「幻を見るひと」がモントリオール国際映画祭のコンペティション部門に選ばれたことをお知らせして、吉増さんの新刊『火の刺繍』のお礼を言ったとき、吉増さんがおっしゃった言葉である。


総ページ数は1240を超え、辞書のように分厚い。


2008年から2017年にかけての吉増さんの詩とエッセイ、対談を集成する書物だが、毎年の吉増さんの肖像写真がモノクロで挟み込まれており、凝った造りになっている。


普通ならば、書物というものは、詩集、評論集、随筆集、対談集といったように内容にそってまとめられるものだが、吉増さんの場合は、もはや吉増剛造の本としか呼びようがない。


ここでは、書物という概念が変容し、起承転結のない時間性が書物という形態を取ったようにも思われるが、吉増剛造における時間意識と時間性は、新たな吉増論の主題たりうるのではないだろうか。



『火の刺繍』が届けられてから、しばらく机上に置いていたのだが、本来ならば本に挟まれているはずの献呈札が、後日、別に送られてきた。

しかも、本の版型より大きい和紙なので、折らないと挟むことができない。


何もかもが型破りな書物である。
posted by 城戸朱理 at 10:56| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

映画「幻を見るひと」、13番目の国際映画祭に正式招待!

IMG_3969.JPG



カナダのモントリオール国際映画祭に続いて、「幻を見るひと」が、ベネズエラのプエルトラクルスで開催される五大陸国際映画祭のドキュメンタリー・コンペティション部門に選出された。


これが13番目の国際映画祭の正式招待となるが、チリのサウス・フィルム・アーツ・アカデミー・フェスティバルに続いて、南米ではふたつめの国際映画祭となる。


京都で吉増剛造さんが幻視した水脈が、波紋のように世界に広がりつつあるかのようだ。



モントリオール国際映画祭側では監督と出演者の渡航を希望しているが、吉増さんは渋谷の松濤美術館での吉増剛造展を控えており、井上春生監督ひとりがカナダに行ってレッドカーペットを歩くことになる。

井上監督は、元AKB48、SDN48の野呂佳代を主演に迎えた新作映画「ハッピーメール」の公開を控え、別件のドイツロケも続いているため、多忙をきわめているが、モントリオールからドイツに飛ぶことになりそうだ。


写真のポスターは、ローレル9個の段階のものなので、さらに4つを追加しなければならないが、どう配置したらいいのか、頭を悩ますところである。
posted by 城戸朱理 at 08:47| Edge | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月29日

京都の町中華、マルシン飯店

IMG_4058.JPGIMG_4051.JPGIMG_4054.JPGIMG_4064.JPG



京都の最高気温は36℃に達し、とにかく暑かったが、災害レベルの酷暑が始まっていたのだろう。

7月12日は鎌倉に帰るだけだったが、いつものように錦市場で買い物する気も起こらない。


トランクを宅急便で送り出し、糸屋ホテルをチェックアウトして、バンビことパンクな彼女と東大路三条のマルシン飯店で昼食を取ることにした。


まずはバンビお気に入りの熟成豚肉餃子とビール。

餃子は胡椒と酢でいただく。



「やっぱり美味しい餃子だね!」



食事はワンタン麺と天津飯を取り分けることにした。


ワンタン麺は淡白で、高齢者にも優しい味。

出汁が見事な餡掛けに、ふわふわの玉子が泳ぐような名物の天津飯は、やはり美味い。


今回の京都では朝食抜きで過ごしただけに、完食できるかと思ったのだが、あまりの暑さに参っていたのだろう、ワンタン麺は残してしまった。



会計を済ませて、外に出ると、意識まで蒸発してしまいそうな猛暑である。


岡山、広島、愛媛に甚大な被害をおよぼした6日の豪雨で、京都の桂川も氾濫寸前だったそうだが、鴨川は清流に戻っていた。
posted by 城戸朱理 at 17:17| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

祇園サンボアで

IMG_4047.JPG



寿司割烹なか一の数軒先が、作家、山口瞳が愛したことでも知られる京都きっての老舗バー、祇園サンボア。


久しぶりに暖簾をくぐったら、なか一でカウンターにいたアメリカの青年が先客だった。

彼が頼んでいたのは、山崎や響、イチローズモルトなどのジャパニーズ・ウィスキー。


近年、ジャパニーズ・ウィスキーは世界的な人気で、サントリーが100本限定で売り出した山崎50年は、100万という値段にも関わらず、あっという間に完売し、今や1000万円を超えるプレミアがついている。


私とバンビことパンクな彼女も、山崎のソーダ割りを頼み、英語が得意なバンビが、青年と話して通訳していたら、女将さんに感謝され、祇園祭のちまきをいただいた。

祇園祭のちまきは食べ物ではなく、笹でできた厄除けのお守りで、33基の山鉾によってご利益が違うのだとか。

いちばん人気は、くじ取らずで先頭を切って順行する長刀鉾のちまきで、バンビがいただいたのも長刀鉾のちまきである。



アメリカの青年がバーボンをもっと置いて欲しいと言ったら、若いバーテンダーが出してきたのが写真のヴァン・ウィンクル。

青年は興奮していたが、これも100万円以上のプレミアがついている幻のバーボンである。
posted by 城戸朱理 at 13:54| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

祇園の寿司割烹、なか一で、その4

IMG_4036.JPGIMG_4040.JPGIMG_4042.JPGIMG_4044.JPGIMG_4045.JPG



握りは、皮を湯引きしたた松皮造りの鯛、なんとも肉厚な鯖寿司と続き、さらに煮上がりの穴子、生の鳥貝が出たものだから、バンビことパンクな彼女は、大喜び。


最後の玉子焼きも白身や芝海老を練り込んだ江戸前の仕事だった。



江戸前寿司と懐石料理の寿司割烹というジャンルを創始したなか一は、古清水を始めとする器使いも素晴らしく、カウンター席に移ってからは、北大路魯山人の徳利で春鹿を出してくれた。
posted by 城戸朱理 at 11:56| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

祇園の寿司割烹、なか一で、その3

IMG_4024.JPGIMG_4026.JPGIMG_4028.JPGIMG_4030.JPGIMG_4034.JPG



「毛蟹どす。うふふふふ」と女将さん。

蟹身に蟹味噌、出汁のジュレと黄身酢があしらわれ、蟹身が驚くほど甘い。


「うふふふふだって。酒好きと見抜かれたようだよ!」


バンビことパンクな彼女は御満悦である。


さらに鮎の塩焼きとなると、酒を追加するしかない。


カウンター席が空いたので、席を移し、いよいよお寿司になった。

まずは鱧寿司、そして生ウニ、スルメイカ。


シャリが小振りで、酒の当てになる握りである。
posted by 城戸朱理 at 11:36| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

祇園の寿司割烹、なか一で、その2

IMG_4010.JPGIMG_4013.JPGIMG_4016.JPGIMG_4022.JPGIMG_3999.JPG



次の料理は、京都の夏の味覚、鱧の焼き霜。

二杯酢とわさびでいただく。


それからお造りが出たので、どうやら鱧までが先付けだったらしい。

お造りは、鯛に鳥貝、そして見事な大トロである。


「鳥貝が、ものすごく甘いよ!
鳥貝が、こんなに美味しいなんて知らなかったよ!」


バンビことパンクな彼女が興奮していたが、たしかに生の鳥貝は、加熱した鳥貝とは別物である。


「このまぐろはお肉みたいだね!
さすがに設楽さんおすすめの店だよ!」



そして、鱧に枝豆をすり流した冷たいお碗が出たが、夏ならではの味わい。


さらに細切りのスルメイカに珍味中の珍味、このわたをあしらった箸休めが。

この一品で、春鹿二合は飲める。

これは酒好きと見抜かれたから出たのだろうか?
posted by 城戸朱理 at 11:28| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

祇園の寿司割烹、なか一で、その1

IMG_3994.JPGEffect_20180729_105028.jpgIMG_4002.JPGIMG_4005.JPGIMG_4007.JPG



流響院での撮影は、無事、終了した。


今回は番組を統括するプロデューサーの設楽実氏も京都に来ていたのだが、残念なことに合流できず、かわりに祇園のなか一という寿司割烹を勧めてくれた。


テーブル席しか予約が取れなかったが、タクシーで祇園へ。


なか一は、京都で初めて寿司割烹を始めた店で、先代は、今は無き銀座の名店なか田で修業された方だという。


あまりに暑かったので、まずはビール。


先付けは、涼しげなじゅんさいとトマトのジュレ。

トマトの酸味が心地よい。


さらに先付けがひと品、とうもろこしとサザエの唐揚げである。


そして笹の葉にくるまれた自家製カラスミの蓮根餅包み。

カラスミと聞いて、バンビことパンクな彼女は大興奮。

カラスミには日本酒ということになり、春鹿を頼んだ。


日本酒が来るまで、蓮根餅に手をつけなかったので、女将さんに酒好きと見抜かれたらしく、このあとの展開が面白いことになった。
posted by 城戸朱理 at 11:27| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ロケ弁当でひと騒動?

IMG_3972.JPGIMG_3974.JPG



流響院のロケのとき迷ったのが、ロケ弁当を何にするかだった。


宮澤政人さんほどの料理人とお弟子さんを迎えて、どんな弁当を手配したらいいのだろうか。


「ごだん宮ざわさんに仕出しを頼んだらどうかな?」とアシスタント・プロデューサーのバンビことパンクな彼女。

ごだん宮ざわは仕出しはやっていないし、そもそも御主人の宮澤さん自身が流響院にいるのだから無理である。


流響院にいちばん近いのは南禅寺門前で室町時代から続く瓢亭だが、ロケ中に懐石をいただく時間的余裕はない。


プロデューサー兼任の井上春生監督に相談したらーー



「宮澤さんにお出しするのにふさわしいお弁当はないと思うので、いつもの穂久彩のロケ弁当にしましょう」


なるほど、ロケ弁当だと逆に食べる機会はないだろうから、話の種にはなるかも知れない。


穂久彩は東映撮影所がある太秦にあり、京都ならどこでも配達してくれるロケ弁当の専門店だが、井上監督が手配したのは丹波牛の牛めし。

紙コップにインスタント味噌汁を作った。


ロケ弁当とはいえ、穂久彩のお弁当は丁寧な作りである。
posted by 城戸朱理 at 10:42| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

宮澤政人さんを流響院に迎えて

IMG_3976.JPGIMG_3978.JPGIMG_3980.JPGIMG_3979.JPGIMG_3991.JPG



7月11日は、宮澤政人さんを南禅寺別荘群の真澄寺別院・流響院に迎えてCS放送の番組「H(アッシュ)」の撮影をした。


午前中は「近代庭園の祖」七代目小川治兵衛による池泉回遊式庭園で、昼食のあとは、数寄屋造りの母屋で撮影をしたのだが、宮澤さんから貴重なお話をうかがうことができた。


宮澤さんは若いときから表千家のお茶を習われているが、じき宮ざわ、ごだん宮ざわのスタッフも全員、お茶を習うことになっているそうで、茶の湯と料理の深い関わりを意識されているのが素晴らしい。

宮澤さんが流響院の茶室で、お茶を喫するシーンを撮影したのだが、正座する姿も端正だった。


茶碗は朽葉色の古唐津を持参し、私がお茶を点てたが、はたして、宮澤さんの意にかなうものだったか、どうかは分からない。
posted by 城戸朱理 at 10:26| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月28日

夏のごだん宮ざわで、その3

IMG_3953.JPGEffect_20180728_145011.jpgIMG_3960.JPGIMG_3961.JPGIMG_3965.JPG



緑釉の蓋物は、紀州徳川家のお庭焼きである偕楽園窯も手がけた楽十代、旦入の作で、冷たい炊き合わせの涼感を増す。

さらに、じゅんさいが出て料理は終わり、土鍋で炊き上げた御飯が出たのだが、飯碗は開店以来使われていた丹波立杭ではなく、明末清初の古染付けだった。

宮澤さんがカラスミを切って出してくれたのが嬉しい。



以前は水菓子、お菓子と別に供されたが、最近は木地盆にまとめてヌガーグラッセを始めとした菓子が出る。


お薄は、古染付けで。


明日の撮影をお願いして、ごだん宮ざわを後にしたのだが、井上春生監督は、さらにどこかに飲みに行ったようだ。
posted by 城戸朱理 at 17:06| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏のごだん宮ざわで、その2

DSC_1265.JPGIMG_3943.JPGIMG_3945.JPGIMG_3947.JPGIMG_3950.JPG



お造りは、まぐろに塩昆布、紫蘇で、夏にふさわしくまぐろをさっぱりと食すことができる。

ここで日本酒にかえた。



焼き物は、琵琶鱒の山椒味噌焼き。

琵琶鱒は琵琶湖だけに生息する固有種の淡水魚だが、雨の魚という別名がある。

これは、大雨の日に川を上って産卵するからなのだとか。


器は桃山の志野で、珍しいアワビ皿である。



次なる焼き物は、名物の焼き胡麻豆腐で、とうもろこしを練り込み、素揚げしたとうもろこしが添えらていた。


そして、おしのぎは、李朝の白磁皿に自家製のカラスミをたっぷりとすりおろしたカラスミ蕎麦。

これは何度いただいても、実にいいものだ。


揚げ物はカマスにヤングコーンで、枝豆のすり流しに黒糖ときび酢を合わせ、揚げ物もさわやかにいただけた。

味わい深い漆器は、川俣博さんの作だったろうか。
posted by 城戸朱理 at 16:48| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏のごだん宮ざわで、その1

IMG_3932.JPGIMG_3933.JPGIMG_3936.JPGIMG_3938.JPGIMG_3940.JPG



7月10日の夜は、翌日のロケを前に、出演して下さる宮澤政人さんへの御挨拶もかねて、井上春生監督とごだん宮ざわで待ち合わせた。


千利休のお軸を前にする席につき、まずはヴェネツィアンガラスのグラスで冷たい煎米茶をいただく。

宮澤さんが手ずから注いでくれる食前酒は島根の出雲富士。

根来杯は、北大路魯山人の漆器を手がけた村瀬治兵衛の作だった。


先付けは、さざえとグレープフルーツにフルーツトマトの土佐酢餡かけ。

ごだん宮ざわでは、甘海老に蜜柑やグレープフルーツを合わせたお料理をいただいたことがあるが、柑橘類と海鮮の取り合わせが、いつも見事だ。


魯山人の意匠による村瀬治兵衛の日月椀で供されたのは、稚鮎と白瓜のお碗で、吸い地に焼いた稚鮎の香りが移り、なんとも優しい。
posted by 城戸朱理 at 16:01| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

是枝裕和監督「万引き家族」を見る

IMG_3902.JPGIMG_3911.JPGIMG_3928.JPGIMG_3925.JPG



京都は祇園祭の真最中。

四条通りでも、鉾を立てる作業が始まり、観光客が写真を撮るために立ち止まっている。


龍鳳で昼食を取ってから、新京極のMOVIX京都で是枝裕和監督の「万引き家族」を見ることにした。


カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、話題になっているだけに、客席は、それなりに埋まっていたが、「家族」を描き続けてきた是枝監督の到達点というべき作品である。


まず、これまでの是枝作品を特徴づけてきた映像美が変容しているのが、何よりも意外だった。

画面には必ず何らかの夾雑物が映り混み、決して心地よいものではない。

構図も、あえて黄金比を外したような不安定さがあって、そうしたすべてが物語の伏線になっているかのようだ。


そして、どこか落ち着かない映像のなかで、アップになる人物だけが美しい。


実際、これだけの役者が揃った邦画も珍しいのではないだろうか。

樹木希林の存在感、リリー・フランキーの耐えられないほどの情けなさ、松岡茉優の危うさ、ふたりの子役、城桧吏、佐々木みゆも素晴らしいし、安藤サクラに至っては絶句するしかなかった。

カンヌの審査委員長をつとめたケイト・ブランシェットも安藤サクラの演技を絶賛していたが、警察の取調室で彼女が涙をぬぐうシーンなどには度肝を抜かれた。



安藤サクラは、父親が奥田瑛二、姉が映画監督の安藤桃子という映画一家に生まれたが、祖父が法務大臣をつとめた犬養健、曾祖父が首相在任中に五・一五事件で暗殺された犬養毅という家系であり、今や名実ともに日本を代表する女優のひとりだろう。



1970年代にスタジオ・システムが崩壊して以来、日本映画の製作の現場の状況は、ひたすら貧しくなっていった。

一昨年のこと、園子温監督がSNSで「低予算映画なんかこの世からなくなれだ」とツイートして話題になった。

園子温監督によると、アメリカや中国の学生の自主製作でも平均制作費が一億以上なのに対して、日本では商業映画の制作費でさえ、5000万円以下。

あまりに賃金が安いため、若い人材が育たず、園子温監督にしてからがノーギャラの映画さえあったそうだ。


日本の商業映画のあらかたが制作費3000〜5000円の低予算映画だが、映画評論家の町山智浩氏によると、アメコミ原作の映画「デッドプール」の製作費はハリウッドの超大作のおよそ四分の一だが、それでも60億円。

10分作るのに6億円がかかっており、「マッドマックス 怒りのデスロード」ともなると3分あたり約4億で、邦画の予算では「マッドマックス」が1分も作れないことになる。


もちろん、低予算でもいい映画はあるが、スタッフやキャストに負担をかけることになり、メインキャストが1ヶ月拘束でギャラが1万円ということさえあるそうだ。


そうした邦画の貧しさのなかで、是枝監督が貧しさを主題とした作品でカンヌのパルム・ドールを受賞したことは、象徴的なことかも知れない。
posted by 城戸朱理 at 14:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

京都の町中華、龍鳳

IMG_3918.JPGIMG_3923.JPGIMG_3919.JPG



7月10日は、夜の打ち合わせまで余裕があったので、京都を散策し、昼食は新京極の町中華、龍鳳へ。


昨年の11月に初めて訪れ、餃子に酢豚、名物の辛子入りそばを頼んで大いに気に入ったが、京都の町中華の源流とされる鳳舞の流れを継ぐ店である。

京都の町中華は、鶏ガラのみならず、昆布出汁を使うのが特徴と聞いたが、たしかに東京の町中華とは違って、脂ぎったところがない。


前回、常連とおぼしき20代の女性が、ひとりで炸鶏(鶏の天ぷら)と炒飯を頼んで完食していたので、バンビことパンクな彼女と相談し、春巻に炸鶏、それに炒飯を頼んでみた。


春巻は揚げたものではなく、鉄鍋で焼いたのか、皮が柔らかく、筍の食感が生きている。


炸鶏、炒飯ともに脂っぽさを感じないだけに食が進む。

スープは別オーダーで、玉子・野菜・もやし・肉・白菜の5種類があったので玉子スープを頼んだ。

玉子スープは200円、炒飯は550円 、炸鶏は700円と、京都の町中華はコストパフォーマンスが高い。
posted by 城戸朱理 at 07:56| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月27日

柳小路の「そば 酒 まつもと」、その2

IMG_3880.JPGIMG_3882.JPGIMG_3888.JPGIMG_3893.JPGIMG_3896.JPG



まつもとではポテトサラダも、山芋に海苔とわさび、マヨネーズのかわりにヨーグルトを使っており、日本酒の当て以外の何物でもない。


ふうわりと柔らかい鴨ロースは絶品で、濁り酒が合う。


バンビのリクエストでバイ貝旨煮、さらにとろけるような豚なんこつ煮込みを頼み、日本酒をしこまた飲んで、締めは鴨汁蕎麦。

鴨汁蕎麦は鴨ロースが売り切れると作れないらしく、初めてありつくことができた。

東京の鴨南蛮よりは辛口で、これまた酒が欲しくなる蕎麦である。


酒好きの友人と再訪したい店だ。
posted by 城戸朱理 at 12:12| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

柳小路の「そば 酒 まつもと」、その1

IMG_3884.JPGIMG_3866.JPGIMG_3871.JPGIMG_3874.JPGIMG_3876.JPG



京都の常宿、糸屋ホテルにチェックインして荷物をほどき、早めの夕食を柳小路の「そば 酒 まつもと」で取ることにした。


江戸時代、蕎麦が茹で上がるのを待つ間に飲む酒を「蕎麦前」と呼んだが、まつもとは、まさに蕎麦前の店。

肴も酒を呼ぶものばかりである。



バンビことパンクな彼女と相談して、まずは大阪の秋鹿と愛知の長珍を選び、肴はキュウリのしらす和え、ほうれん草の白和え、鳥わさを頼む。


甘さを抑えた白和え、大山地鶏の胸肉に根わさびが効いた鳥わさと、酒が進む。
posted by 城戸朱理 at 12:10| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

崎陽軒のシウマイ弁当

IMG_3851.JPGIMG_3856.JPGIMG_3861.JPG



7月6日、7日と大学の講義をして週明けの9日(月)は、撮影に立ち会うべく、京都に向った。



「ピカチュウをいっぱい捕まえるぞう!」


バンビことパンクな彼女が気勢を挙げていたが、ポケモンGOで、夏期限定の麦わら帽子にサングラスのピカチュウが出没しているらしい。



今回は新横浜から新幹線に乗ることにしたので、お弁当は崎陽軒のシウマイ弁当にした。

出来立てだったので、まだ温かい。


吉増剛造さんも横浜ではシウマイ弁当を買うとおっしゃっていたが、1日に2万食以上、日本でいちばん売れている駅弁であり、ファンも多い。


シウマイ5個に鶏唐揚げ、筍煮に、鮪の照り焼き、かまぼこ、甘い玉子焼き、あんずに切り昆布と千切り生姜、黒胡麻を散らした俵型のごはんと、シウマイを主役にした幕の内弁当だが、この取肴の配分が絶妙なのだ。


昨年は、二日間だけ店舗限定で、筍煮を4倍に増量した「ドリーミング筍シウマイ弁当」(筍煮、シウマイ3個、かまぼこ、玉子焼き、昆布&生姜)、鶏唐揚げ好きのために「忍法唐揚げの術シウマイ弁当」(唐揚げ5個、シウマイ1個、あとはシウマイ弁当と同じ)が発売されたが、要するにいつものおかずの配分を変えただけで話題になるのも、シウマイ弁当の完成度の高さを語るものなのだろう。


バンビも久々のシウマイ弁当を喜んで食べていたが、何やらシャカシャカと規則正しい音がする。

何かと思ったら、キャリーバッグに入れられた犬が、バッグの底をせっせと穴堀りしている音だった。
posted by 城戸朱理 at 11:25| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする