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城戸朱理のブログ

2018年08月31日

国際映画祭のトロフィー、その2

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メジャー映画サイト、IMDbが主催するイタリアのオニロス・フィルム・アワードで「幻を見るひと」は、同映画祭のグランプリとなるオニロス金賞と伝記映画部門最優秀賞をダブル受賞したが、井上春生監督が、私の分までトロフィーを手配してくれた。

ピナックル・フィルム・アワードに続くふたつ目の国際映画祭のトロフィーである。


井上監督が調べたところ、オニロス・フィルム・アワードでは、過去に伝記映画部門というものはなかったそうだから、賞自体が「幻を見るひと」のために新設された可能性がある。


トロフィーは、アカデミー賞のオスカーに、ちょっと似ている気がしないでもない。

オスカーが、万歳をして星を掲げているようではないか。


言うまでもなく、映画はあくまでも監督の作品であり、私は黒子なのだが、トロフィーを手にすると、「幻を見るひと」が海外で評価されたことが実感できて感慨深いものがある。


それにしても、わが家に国際映画祭のトロフィーがあるということは、いまだに不思議な気がする。

賞状ではなく、トロフィーというところが、ちょっと嬉しい。

トロフィーではなく金メダルとかでも嬉しいかも知れない。(←何か勘違いしている。。。)
posted by 城戸朱理 at 14:46| Edge | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月30日

「幻を見るひと」の15番目の国際映画祭ファイナリスト決定!

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井上春生監督が、モントリオールから帰国したその日に、「幻を見るひと」の15番目となる国際映画祭の正式招待が決まった。

アメリカはロサンゼルスで開催されるダヴィンチ国際映画祭で、コンペティション部門のファイナリスト。

この映画祭は、年内に授賞作を決め、来年5月にスクリーニングされることになる。


国際映画祭も15になると、さすがに覚えられない。

吉増剛造さんが、京都で新たな言葉を紡ぐドキュメンタリー映画「幻を見るひと」のこれまでの国際映画祭正式招待と受賞をまとめると下記のようになる。

いずれもコンペティション部門での選出である。




【2018年3月】

[アイルランド・ダブリン]
シルクロード国際映画祭 ( ワールドプレミア)



【5月】

[アメリカ・ニューヨーク]
ニューヨークシティ・インディペンデント映画祭(U.S.Aプレミア)



【6月】

[イスラエル・アフーラ]
ニア・ナザレス映画祭(中東プレミア)

[ ギリシア・クレタ島]
イェラペトラ国際映画祭

[イタリア・アオスタ]
オニロス・フィルム・アワード
(オニロス金賞・伝記映画部門最優秀賞)


【7月】

[インド・プネー]
ブッダ国際映画祭(アジアプレミア)

[スペイン・マドリッド]
マドリッド・アジア国際映画祭

[アメリカ・ハリウッド]
ピナックル・フィルム・アワード
(ドキュメンタリー長編部門プラチナ賞)

[ チリ・ランカグア]
サウス・フィルム・アンド・アーツ・アカデミー・フェスティバル


【8月】


[アメリカ・アルバカーキ]
マインドフィールド映画祭アルバカーキ
(最優秀監督賞・ドキュメンタリー長編部門プラチナ賞)

[ベネズエラ・プエルトラクルス]
五大陸国際映画祭
(ドキュメンタリー長編部門最優秀賞)

[カナダ・モントリオール]
モントリオール世界映画祭



【9月】

[ アメリカ・ロサンゼルス]
ロイヤルウルフ・フィルム・アワード
(最優秀監督賞・ドキュメンタリー長編部門最優秀賞)

[アルメニア・イェルヴァン]
ソーズ国際映画祭



【2019年5月】

[アメリカ・ロサンゼルス]
ダヴィンチ国際映画祭



本音を言うと、もうよく分からない(笑)。

すべては井上春生監督の業績だが、企画した身としては、日々寄せられる早く見たいという声に応えるべく、日本公開の準備をしているところである。

劇場も内定しているので、来月には詳細をお伝えできると思う。
posted by 城戸朱理 at 11:18| Edge | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

誕生日を鎌倉の老舗バー、マイクスで

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打ち合わせを終えて、帰宅してから、まずはシャワーを浴びて小憩。

この酷暑では、外出すること自体がためらわれる。


しかし、夕方には再び鎌倉の小町通りへ。


バンビことパンクな彼女が、お母さんの誕生日をお祝いすべく老舗バー、マイクスに予約を入れたのである。


最近、「LEON」を始めとして雑誌の取材が増えているマイクさんは、86歳にして現役。

カクテル、ブルドックを考案した伝説のバーテンダーである。


バンビはマイクさんのローストビーフが大好物なので、お母さんにも食べてもらおうと思ったのだろう。



まずはブルドックで乾杯し、お母さんの誕生日を祝う。


オーダーしたのは、オムレツとローストビーフ。



オムレツは塩か醤油、ケチャップのいずれかを選ぶのだが、玉子の味がいちばんよく分かるマイクさんお勧めの醤油で。

焦げ目ひとつなく、なかはとろとろのオムレツである。


ローストビーフは、裏メニューのパン付きにしてもらった。

軽く焙ったバゲットにマヨネーズと辛子を塗って、レタスとローストビーフを乗せ、オープンサンドにするのだが、お母さんもマイクさんのローストビーフの美味しさに驚いていた。

和牛A4等級シンタマトモサンカクを塩・胡椒せず素焼きにしたローストビーフは、やはり絶品だ。


さらに手羽先の漬け焼きをひとり2本ずつ焼いてもらい、自家製のレーズンバターを追加してカクテルをおかわりする。


お母さんはタクシーで帰宅したが、バンビと私は、さらに飲み続けていたところ、ドイツから帰国した前田幸康先生が登場。

ドイツのフライブルグのオーケストラで主席チェリストをつとめ、日本では指揮者としても活動されている前田先生は、
加賀百万石の前田侯爵家の末裔で、鎌倉とドイツを行き来して暮らしておられるが、ヨーロッパのクラシック音楽のあれこれをうかがうことができて、楽しい時間だった。
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2018年08月29日

ビストロ・オランジュで打ち合わせ

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東日本大震災の記憶を伝える一助となるように企画したCS放送の新番組「故郷を生きる」の打ち合わせのために歌人の武田穂佳さんが鎌倉まで来てくれた。

8月26日(日)のことである。

私も選考にたずさわっている岩手日報随筆賞は、20歳以下の奨励賞という枠があるのだが、当時、高校3年生だった工藤玲音さんが、奨励賞ではなく、最優秀賞を受賞されたのが7年前のこと。

工藤さんは、その後、歌人として活躍されているが、その3年後に優秀賞を受賞されたのが武田穂佳さんだった。

さらに武田さんは、大学進学と同時に18歳9か月で短歌研究新人賞を受賞、寺山修司の最年少記録を塗りかえた。


今回の「故郷を生きる」は、工藤さん、武田さんのおふたりを迎えて撮影することになる。

しかもマッド・バンビこと小野田桂子がプロデューサー、さらに長年、CMディレクターとして経験を積んできた久保田潤さんをディレクターに起用するという新機軸。

もちろん、井上春生さんのサポートなしには無理な企画だが、今のところ、バンビが作ったロケ・スケジュールは完璧である。


武田さん、久保田さんと鎌倉駅西口のたらば書房で待ち合わせ、ビストロ・オランジュへ。

ランチを取りながら、打ち合わせをした。


考えてみると、ビストロ・オランジュにはときどき来ているが、ランチは初めてである。


ランチメニューから、武田さんは羊肉と鎌倉野菜のクスクス、久保田さんはスペアリブの煮込みを、私は鮮魚のポアレを選んだ。


前菜は安納芋の冷製スープにフォアグラ入りパテ・ド・カンパーニュ、藤沢産生ハムに湘南野菜のサラダ。

冷製スープがしみじみと美味しい。


ブリのポアレは、なんと冬瓜の冷たいスープに乗って供された。

ライムや香菜をあしらったエスニック風の仕立てで、夏仕様である。


デセールは桃のクレームダンジェ。

フランスはアンジェ地方のスイーツだが、フロマージュブランを使ったチーズケーキである。



打ち合わせが終わり、武田さんは友人と待ち合わせて、海へ。

私とバンビは、あまりに暑かったので、紀伊國屋で買い物をして、まっすぐ帰宅した。
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2018年08月28日

身軽になっていくと



この10数年というもの、さまざまな仕事で、年間80から100泊をホテルで過ごすような日々が続いた。

ようやく落ち着いたのは昨年からで、今年は今のところ46泊だから、最終的には60泊以内で済むだろう。


さすがに、トランクにパッキングするのも早くなり、国内でも海外でも10分から15分で終わるようになった。

旅に必要なものは、ふだんからまとめてあるし、バンビことパンクな彼女は、目的別にチェックリストを作ってパッキングしていくので、忘れ物もない。

飛行機の座席が狭いのは致し方ないが、移動するのは苦ではないし、日常から非日常への扉は、どこにでもある。


ただ、どこかに何泊かして戻ると、荷物の整理や洗濯などで翌日は終わってしまう。

その意味では、一週間、7泊8日の旅は、9日間の時間を要することになる。


海外だとバスタブがなくシャワーだけのホテルも少なくないし、仕事で動くときは、ゆっくりお風呂に浸かる余裕がないことのほうが多い。


だから、帰宅して何より嬉しいのは、肩までお湯に浸かることができることだが、
旅を重ねるにつれ、少しずつ身軽になっていくところがあって、それはもっぱら気持ちの問題なのだが、そうした変化を楽しめるようになった。


ここから、何かがまた始まるのだろう。
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シャツより軽いジャケット

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この酷暑でも、仕事となると、スーツはともかく、ジャケットが必要になることがある。

京都に持っていったのは、裏地など副資材をいっさい省いた、シャツより軽いジャケット。

先月、仕事で東京に滞在していたとき、ISETANのEMPORIO ARMANIで、ジャケットの内側にかけてあるブルーグレイのリネンのショーツと一緒に購入したものである。



アルマーニは今年から、アルマーニ・コレツィオーニとアルマーニ・ジーンズをEMPORIO ARMANIに統合し、コレクションラインのGIORGIO ARMANI、セカンドラインのEMPORIO ARMANI、ファストファッションのARMANI EXCHANGEの3ラインにまとめたので、
かつてのアルマーニ・コレツィオーニの売場はEMPORIO ARMANIに、アルマーニ・ジーンズの売場はARMANI EXCHANGEにかわった。


私としては、それを確認するだけでよかったのだが、バンビことパンクな彼女が「たまには自分のものを買うといいんじゃない?」と言うので、いちばん涼しそうなジャケットと短パンを選んだのだった。


日々、やらなければならないことが山積しているので、私もバンビも買い物を目的に出かけることは、まったくと言っていいほどない。

京都に行ったら、四条烏丸の東急ハンズで文具類を、東京に滞在するときはデパートを覗いたり、ヴィヴィアン・ウェストウッドでバンビの買い物をするのだが、このジャケットだけは買っておいてよかったと思う。

たたむと週刊誌よりもかさばらないし、何よりも、この猛暑では少しでも涼感があるほうがありがたい。
posted by 城戸朱理 at 10:26| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月27日

井上春生監督と「幻を見るひと」、第42回モントリオール世界映画祭へ

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現地時間の8月23日に、モントリオール世界映画祭が開幕した。

井上春生監督はオープニング・レセプションに参加、翌日に「幻を見るひと」が上映されたが、映画祭の実行委員まで、その映像美に圧倒され、「どうしたら、こんなに美しく撮れるのか?」と素朴な質問を受けたそうだ。

実は、そこに井上監督と「幻を見るひと」の特長がある。

ふつう、ドキュメンタリーでは、何を撮るかに主眼が置かれ、どう撮るかは、あまり重視されない。

ところが、「幻を見るひと」では、井上監督が、どう撮るかを徹底して意識しており、さらにデジタル的な処理を加えることで、非ドキュメンタリー的な映像が構築されている。

これは、これまで13本の商業映画のみならず、資生堂を始めとするCMも数多く手がけてきた井上監督ならではの、映像詩としてのドキュメンタリー映画の試みということができるだろう。



カナダのケベック州はフランス語圏。

モントリオールはケベックの州都だから、突然、映画祭の事務局からフランス語で電話がかかってきて、井上監督はとまどったりしたらしいが、現地では曽根剛監督と意気投合。

曽根剛氏は監督作品「ゴーストマスク〜傷」がモントリオールに招待されたが、話題の低予算ゾンビ映画「カメラを止めるな!」では、まさに止まらない長回しのカメラを担当されている。


世界12大映画祭に数えられるモントリオール世界映画祭は、観客動員25万人超とベネツィア国際映画祭をしのぐ規模を誇るだけあって、井上監督から送られてきた写真を見ると、交通整理のため警察が出動し、報道陣のカメラも目につく。


「幻を見るひと」が上映されたシネマ・カルチェ・ラタンの劇場は、映画館とは思えぬほど、優雅な内装だった。
posted by 城戸朱理 at 09:37| Edge | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

味噌汁のあれこれ、その2





東京では味噌汁のことを「おみおつけ」とも呼ぶが、これは女房言葉で、漢字で書くと「御御御付」。

なんとも凄い字面だが、本当は御味御付と書くそうで、御味が味噌を、御付が汁を意味するのだそうだ。


味噌汁の具としては、野菜や海藻、豆腐や油揚げが思い浮かぶが、海老や蟹、鮭や鱈を使うこともある。

薩摩汁となると根菜に鶏肉や豚肉を入れるが、これは豚汁と同じで、味噌汁ではあるものの、主菜にもなる。

江戸時代から、納豆の味噌汁も好まれたというが、これは今日では珍しいものになってしまった。


北国だと、秋に川原に大鍋を持ち出して芋煮会なるものをする。

川原で芋の子汁を作るのだが、芋の子汁は豚汁に里芋や茸が入ったものだから、それ自体が主役になるのだろう。

川原で芋の子汁ならば、ビールではなく常温の日本酒が似合うかも知れない。


ただし、個人的には豚汁や芋の子汁は、味噌汁ではなく、別の料理という気がする。

味噌汁の具は、ワカメと豆腐とか大根と油揚げのように、二種類までが私の好みだ。


ちなみに今朝は、ポーチドエッグをお椀に取り、葱の味噌汁を張った。


葱を大きく切った味噌汁は、根深汁と呼ぶが、池波正太郎の「仕掛人・藤枝梅安」では、疲れた梅安が根深汁に胡麻油を数滴落とす場面がある。

吸い口のかわりに胡麻油ということなのだろうが、寒いときには悪くない。
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2018年08月26日

味噌汁のあれこれ



いつもは朝食を食べないが、酷暑が続くので、熱中症対策に軽い朝ごはんを取るようにしている。

小さなおにぎりに味噌汁、それに鮭やたらこ、漬物などの常備菜の簡単な朝食だが、熱中症対策には水分の補給と、発汗で失われるナトリウムを補うために塩分の補給が必須だから、味噌汁はうってつけの献立だろう。



味噌汁は、言うまでもなく、出汁を取って、味噌と実と吸い口の3つだけで作る。

地方色が豊かで、出汁は鰹節と昆布が一般的だが、煮干しも使われるし、九州や四国ならばあごだし(飛び魚)も多い。

アサリやシジミといった貝類や魚のアラを使う場合は、具から出汁が出るので出汁を取る必要がないため、手間がはぶける。


吸い口は、柚子やショウガ、木の芽にミョウガや葱など、風味を加えるために、あとで汁に浮かせるものだが、季節感があっていいものである。



夏は味噌汁も冷製にすることがある。

濃いめの実の入らない味噌汁を小鍋ごと冷やし、冷した焼き茄子に注いで、おろしショウガを吸い口にすると、実にさわやかで、わが家の夏の定番である。

湯がいて小口切りにしたオクラを冷たい味噌汁に浮かべるのもいいし、寄せ豆腐を浮かべ、刻んだ大葉かアサツキを散らすのもいい。


味噌汁は調理時間も短いし、香りが飛ばないように味噌を溶いてから煮立てないようにさえすれば、誰にでも作れる。

そう考えると、味噌という食材の素晴らしさを改めて思うが、夏であれ、冬であれ、ひと椀の味噌汁ほど、ありがたいものはない。
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2018年08月25日

アレン・ギンズバーグのカメラ

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アレン・ギンズバーグは、その晩年に写真展を開催したが、それは紙焼きした写真の下の余白に手書きの言葉を添えたものだった。


ジャーナリズムの世界では、新聞や雑誌に写真を掲載して、何が起こったのか、言葉で説明する手法を「絵解き」と呼ぶ。

写真だけでは、本当は何が起こったのか分からなくても、その写真が何かの事件発生の直前であるとか、事後であるといった記事を読むことで、読者は言葉で納得したことであるのに、写真をその決定的な証拠と思い込んでしまう。

それが、報道の「絵解き」なのだが、ギンズバーグの場合は、まったく違う。

それは写真の説明なのではない。

写真と言葉が一体となって、別の世界が立ち上がっていくのだ。



ギンズバーグの写真はワタリウム美術館の「理由なき反抗」展でも展示されていたが、なかには鏡の前に全裸で立って撮影したセルフ・ポートレートがあった。

当然、そこにはギンズバーグが使っていたカメラも写っているのだが、バンビことパンクな彼女が、写真家だけに機種を確認したらしい。



「ギンズバーグが使っていたカメラは、OLYMPUSだったよ!
バリアをスライドさせるとレンズが出てくるカメラなんだけど、城戸さんが持っているヤツじゃない?」


さっそく出して確認してみたら、まさしくギンズバーグが使っていたOLYMPUS XAだった。

絞りとピントをマニュアルで調整するコンパクトカメラである。

まだ20代だったころ、松尾芭蕉の『奥の細道』をなぞる旅をしたときに使ったりしたカメラだが、30年以上たった今でも使える。


現在のデジタルカメラのように、シャッターを押せば誰にでも写せるというものではないが、フィルムカメラとしては扱いやすく、一時期、愛用したものだった。



「フィルムを入れて、これで漂流物を撮ってみたら、どうかな?」とバンビ。



たしかに、マニュアルのフィルムカメラには、デジタルのようにやり直しが効かないという緊張がある。

しかも現像するまで、どんな写り方をしているのかも分からない。


子供のころ、父が現像をする手伝いをよくしたが、暗室のなかで、印画紙に浮かび上がってくる画像は、新たに世界と出会うような驚きがあった。


このカメラを持って、海辺を歩く日が、いずれ来るのかも知れない。
posted by 城戸朱理 at 10:01| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月24日

京都ロケの靴

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京都駅の八条口に出たとたん、いきなり熱波に襲われた。

鎌倉は暑いといっても最高気温が33℃を記録するていど。

さすがに気温が35℃を超えると、液体を呼吸しているような感覚である。

アスファルトの輻射熱で、実際の気温は40℃超だろうから、お風呂に入っているのと変わらない。


こうなると仕事のとき以外は、ポロシャツと短パンで過ごすしかないし、足元も気楽なものにしたくなる。


ふだんは、今季、よく履いているPRADAのスニーカー。

ロケのときだけは、革靴にしたが、それも20年近く愛用しているGUCCIのアイコン、ビットモカシンで、紐を結ぶ必要がない。


そして、ホテル内ではビーチサンダル。

ついに海でもないのに、ビーチサンダルまで持ち出してしまった。


私が持っている靴でも、もっとも気楽なラインナップだが、こう暑くては、普通の革靴でも履く気にならない。


鎌倉に戻ってから2日ほどは、さわやかな日になったが、またもや猛暑が戻ってきてしまった。

いったい、いつまで、この苛酷な夏は続くのだろうか?
posted by 城戸朱理 at 13:13| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月23日

「幻を見るひと」、アルメニアの国際映画祭に正式招待決定!

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吉増剛造さんが京都で新たな言葉を紡ぐドキュメンタリー映画「幻を見るひと」(井上春生監督)が、アルメニア独立運動の母、Sose Mayrhigの名を関したソーズ国際映画祭に正式招待されることになった。

これが14番目の国際映画祭になる。



井上監督から知らせを受けた私は「アルメニア?」

「トルコの東です」と井上監督。



現在のアルメニア共和国がソ連から独立したのは、1991年。

トルコの東、イラクの北に位置する内陸国だが、苦難の歴史を刻んできた国の独立運動を主導したソーズの名を戴く国際映画祭に正式招待されるとは名誉なことではないか。


アルメニアの首都エレバンは、「ノアの方舟」がたどり着いた地として知られるアララト山を見上げる盆地に位置している。


アララト山は、アルメニア民族にとって象徴的な意味を持つ聖山だが、かなうならアララト山を見上げる国を一度は訪れてみたいものだ。



さらに今週は、北米最大級のモントリオール世界映画祭が始まるが、井上春生監督が渡航、レッドカーペットを歩くことになる。

映画祭は世界中で開催されているが、ドキュメンタリー部門に限ると、2000から3000本の応募があり、そのうち選ばれるのは数本から10本前後。

どの映画祭であっても狭き門だが、そうしたなかにあって「幻を見るひと」は、十分に健闘していると言えるだろう。



国内公開に関しては、近日中に詳細をお知らせできると思う。
posted by 城戸朱理 at 10:02| Edge | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月22日

じき宮ざわで、その3

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温物は、焼いたイチヂクと穴子で、裏漉しした蓮根と山椒の実があしわられ、取り合わせの妙が、美味にまで昇華している。


御飯は、蒸し上げたばかりの餅米に枝豆をあしらい、塩焼きした鮎の身をほぐして、自家製カラスミをすりおろしたもの。

そのあとで土鍋で炊き上げた御飯もいただいたが、水茄子の漬物が嬉しい。


水菓子はワインのゼリーを添えた葡萄尽くし。


お薄がなんとも美味しかった。


京都に行ったら、ごだん宮ざわとじき宮ざわを行き来しているだけで満足してしまいそうだが、次回は夜に訪れてみたいものである。
posted by 城戸朱理 at 09:21| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

じき宮ざわで、その2

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お酒は夏期限定の早瀬浦「スズミサケ」。

私が選んだぐい呑みは、辻村史朗さんの筒盃、バンビが選んだ盃は加藤静允さんの作だった。


胡麻の香りが口中に広がる名物、焼き胡麻豆腐に続いて、もうひと品の焼き物は、10日寝かせたサワラを炭火で焙り、焼き茄子のピューレをかけたもの。

半生の加熱が素晴らしかったが、茄子が柔らかさを加え、松の実がアクセントになっている。



バンビが目を丸くして、写真を撮りまくったのが万願寺とうがらしだった。

深さのあるお皿に、万願寺とうがらしが一本。

蛤を叩いたものを詰めて、炭火でじっくり焼き上げたもので、中には蛤の汁と万願寺とうがらしのエキスがたまっており、かじると口のなかで弾ける。

泉さんは小籠包がお好きなそうで、そこから思いついたそうだが、単純なようで見事な料理になっているのには感嘆した。


宮澤政人さんの料理は素晴らしいが、泉貴友さんの料理も発想が柔軟かつ新鮮で、本当に美味しい。
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じき宮ざわで、その1

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宮澤政人さんが最初に始めた店が、錦の「じき宮ざわ」。

2014年の6月に、「じき宮ざわ」でお料理をいただいて感激したバンビことパンクな彼女が、その年の7月に「ごだん宮ざわ」が開店したという情報を仕入れ、10月にうかがったのが、今に至る宮澤さんとの御縁の始まりだった。


宮澤さんは、「じき宮ざわ」を一番弟子の泉貴友さんに任せて、「ごだん宮ざわ」に立っているが、バンビが泉さんの料理も食べてみたいと言い出したので、京都から帰る前に、「じき宮ざわ」でお昼をいただくことになった。


幸いにも、久しぶりに最高気温が30℃以下のさわやかな日だったので、糸屋ホテルに荷物を預け、錦の「じき宮ざわ」に向かう。


まずはビールをもらって何が出るのかと見ていたら、皮を剥いて炭火で焙ったタコの足を切っている。

タコの独特な風味は皮にあるので、皮を剥いたタコは、これがタコかというくらい上品な味になるが、先付けは、私の予想を裏切る素晴らしいものだった。


なんとスイカの昆布締め(!)に伊勢の麦わらタコ、タコの吸盤も添え、トマトのシャーベットをかけたものだったのである。

トマトの酸味が食欲を刺激するし、スイカにはほのかに昆布の香りが移り、旬の麦わらタコは、甘みに柔らかさが加わって、ただ驚くばかり。

泉さんによると「ストイックなタコ」、つまりは引き締まったタコほど味がいいそうで、いいタコは10匹に1匹しかいないそうだ。


秀衝塗りのお椀は、明石の鱧の葛叩きに冬瓜。

葛が鱧の旨みを封じ込め、吸い地も上品このうえない。



そして、またまた驚かされたのが、お造りである。

泉さんが「ネギトロです」といって出してくれたのは、まぐろ。

二週間寝かせたトロと8日間寝かせたという赤身を、鉢で土佐醤油に和え、アサツキと八代の青海苔を散らして、酢飯のおかゆを添えた「ネギトロ」である。

バンビは「これがネギトロ!?」と仰天していたが、このお造りをネギトロと言ってしまうあたりが素晴らしい。

熟成させたまぐろの旨みが、酒を呼ぶ。

見事なお造りだった。
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夏には鰻?

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昼食のあとはホテルに戻り、シャワーを浴びて小憩。

とりあえず仕事は終わったので、話題の低予算ゾンビ映画「カメラを止めるな!」を見に行こうかと思ったのだが、上映館が遠いので断念。

「カメラを止めるな!」は、帰宅してからどこかで見ることにした。


夕食は、柳小路の「そば 酒 まつもと」を覗いてみたところ、もう売り切れだと言われ、花遊小路の江戸川に行った。


ビールで喉を潤し、日本酒にかえて、鰻の串焼きは、れば、くりから、赤ばら、白ばら、ヒレを頼む。

それに出汁巻き玉子。


ニラを巻いたヒレが、いちばん鰻の風味が強いのは、なぜなんだろう?


締めは、小さい鰻丼と肝吸いをもらった。

御飯を半分にしてもらって、飲みつつ食事をしたのだが、蒲焼きの加減が絶妙で、バンビことパンクな彼女が「美味しい!」と驚いている。


鰻は串焼きだと庶民的だが、蒲焼きになったとたん、別の料理になってしまうのが面白い。
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2018年08月21日

リプトン三条本店でランチ

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昼食を取ろうと東大路のマルシン飯店まで行ってみたら、正午前だというのに、もう行列が出来ているではないか。


この炎天下で、外に並ぶのは生命にかかわるので、バンビことパンクな彼女と相談し、三条大橋を渡って、リプトン本店に行くことにした。


わずかに歩いただけで汗だくになるような酷暑のなか、店にたどり着き、紅茶をポットでもらって、私はハンバーグ、バンビは海老フライとハンバーグの盛り合わせを頼む。


この暑さは、いったい何事なんだろう?


2日前はリプトンの隣のかつくらで、とんかつを食べていたわけだが、三条商店街のあたりは、お店が多いので、昼食には便利だ。
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流響院に写真を撮りに

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8月16日。

前日、宮澤政人さんのインタビューを撮影しているとき、「近代庭園の祖」七代目小川治兵衛が、それまでは日本庭園に使われることのなかった台湾杉や芝生を取り込んで流響院の作庭をしたところにヒントを得て料理を考えたというコメントがあったので、
アシスタント・プロデューサーとスチルを兼任しているバンビことパンクな彼女は、井上春生監督の指示で、流響院の台湾杉を撮影しておくことになった。


ピナックル・フィルム・アワードのトロフィーも井上監督に託されたので、タクシーで岡崎の流響院へ。


最初に川端康成が『古都』を執筆した観月亭から、それから庭に出て、さまざまなアングルで、バンビは台湾杉と芝生を撮影した。


「ミッション・コンプリート!」


もともとミッション・インポッシブルではなかったので、撮影は午前中で終わり、今回のロケの仕事はすべて完了したのだった。
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祇園なか一で、その4

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続いて鯵が出て、さらに生の鱧。

鱧の握りも、生の鱧も初めてだが、淡白なようでいて奥深い味わいがある。

穴子の煮上がりで寿司は終わり、水菓子が出て食事は終わった。



大将と話しながら、しこたま飲んでしまったが、祇園の真ん中に、こんな気さくな店があるのは、ありがたいことである。
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祇園なか一で、その3

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料理が終わり、いよいよ握りである。


「もうお腹がいっぱいになってきたから、握りは五貫くらいでいいよ」とバンビ。


「お勧めを握りましょう」と大将。


まずは、トロから。

そして、嬉しいことに新子が出た。

京都の夏の味覚が、鮎と鱧なら、東京のそれは新子だろう。

新子は小肌の当歳魚だが、寿司ネタで唯一、香物と呼ばれる。

小肌と違って、きわめて高価だが、鼻に抜ける香りは、ほかに類がない。


生うにのあとは、鱧の押し寿司。

これも夏の味わいである。
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