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城戸朱理のブログ

2018年08月10日

「みなみのかぜ」第4号

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熊本大地震をきっかけに、熊本にゆかりのある詩人たちが集う「みなみのかぜ」の第4号が刊行された。


参加同人は、村上由起子・麻田あつき・菊石朋・清水らくは・津留清美・平川綾真智・広瀬大志・豆塚エリ。


だが、必ずしも被災地の現状や悲嘆が語られているわけではない。

むしろ、大震災という日常の亀裂を見つめることで、非日常を生きるために紡がれた言葉なのではないだろうか。



村上由起子「再会」の第一連を紹介しておこう。


偽りの建造物が次々と
建てられてゆく
それを命じたのは私で
突き崩すのもまた私
全てが無になるまで
導かれてここに在る
打ち上げられたこの身を
怖れがふたたび包む時



「打ち上げられたこの身を」といった一行に、実は依るべない存在の本質が露出する。


平川綾真智による破天荒な作品「おつかい郵便」や力作評論「瀧村鴉樹と音声詩の越境」も読み応えがあった。


「みなみのかぜ」が運んでくるもの、それは危機に隣り合わせた私たちの生の息吹にほかならない。
posted by 城戸朱理 at 08:49| 詩誌・詩集評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

葬儀のアポリア



義父の四十九日を8月3日に執り行うことになった。

義父は自分の葬儀などの希望をノートに書き残しておいてくれたので、葬儀は義父の実家が四百年ほど檀家になっているお寺にお願いしたのだが、自分は無神論者なので、葬儀のあとはいっさい何もしなくていいと義父は書き残していた。

しかし、葬儀をした以上は仮位牌がある。

本来ならば、四十九日の法要で仮位牌から本位牌に御霊を移さなければならない。


義母が迷っていたので、家族だけで四十九日を営み、私がお経を読むことにした。

幸いなことに、仏教を研究する課程で、般若心経や真言は暗記しているし、僧侶の友人もいる。

石田瑞穂くんが真言宗智山派の智山勤行式を送ってくれたし、四十九日に詠む真言宗のお経を友人に教えてもらって、四十九日に臨んだ。



高齢化の影響で、葬儀は小規模・低予算化が進んでいるそうだが、その背景には葬儀社の不透明な価格設定や高すぎる料金に対する遺族の不満がある。

2012年に消費者庁が調査に乗り出してから、行政による葬儀社への警告は活発になったが、パックプランをうたいながら、さまざまなオプションで追加料金が発生するケースが多く、まだまだ不透明なところも多いらしい。

遺族はかなしむ余裕さえないというのが現実で、何のための葬儀か分からなくなる。
posted by 城戸朱理 at 08:45| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする