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城戸朱理のブログ

2019年11月02日

ライフラインが絶たれると



ノーベル賞を受賞した生物学者の利根川進博士によると、現代の日本人の生活は奴隷50人にかしずかれているようなもので、それを生物の基礎代謝に換算するなら、体重20トンの中型恐竜に相当するそうだ。

たしかに、冷蔵庫や洗濯機、掃除機にエアコンと、私たちの生活は電化され、便利なものになった。


冷蔵庫に炊飯器、電子レンジや食洗機といった家電がなければ、炊事の手間はたいへんなものになるし、洗濯機がなくて、すべて手洗いしなければならないとしたら、私たちの生活は、仕事と家事に追われ、余暇などまるでなくなってしまうことだろう。

しかし、それだけに、地震や台風、豪雨といった天災で停電に見舞われると、暮らし自体が、まったく成り立たなくなる。

断水していなかったとしても、3階以上の建物なら、電動のポンプで屋上のタンクに汲み上げてから各部屋に回す仕組みなので、水道が使えない。

炊事や入浴はもちろん、トイレまで使えなくなる。


現代的な設備の家ほど、災害に弱く、ライフラインが絶たれると不便になってしまうという逆説のなかに、私たちの生活はある。


戦前であれば、都市部を除いて、井戸で水を汲み、薪で煮炊きをしていたわけだから、災害時の復旧は、今より早かったのではないだろうか。


東日本大震災のときは、鎌倉も停電したが、鎌倉は都市ガスではなくプロパンガスなので、ガスは点検のあと、すぐ使えるようになった。

都市ガスだとしたら、配管に損傷がないか点検が必要となるので、ひと月はガスも使えなかっただろう。


地球上の地殻エネルギーの10%が集中する地震大国のうえに、台風や豪雨といった天災に絶え間なく見舞われる日本のような国では、ライフラインをありようも考え直す必要があると思う。
posted by 城戸朱理 at 12:37| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする