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城戸朱理のブログ

2019年11月21日

瀬尾幸子『みそ汁はおかずです』(Gakken)

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コンビニで偶然、見かけて立ち読みしてみたら意表を突かれ、つい買ってしまったのが、瀬尾幸子『みそ汁はおかずです』。

帯に踊る「20万部突破」とか「第5回料理レシピ本大賞受賞」といった惹句にひかれたわけではないし、そもそも、そんな賞があることさえ知らなかったが、実にユニークなレシピ本である。



料理研究家の土井善治さんは「一汁一菜」を家庭料理の基本として提案している。

御飯に具沢山の味噌汁、それに漬物なり何なりのおかずが一菜あれば充分だということだが、鎌倉時代の禅寺から始まった「一汁一菜」というスタイルは、たしかに和食の基本であり、忙しい現代人にも向いている。

しかし、実際は現代人の食卓には味噌汁もなくなりかけているそうで、もはや身近なものではなくなりつつあるのかも知れない。


ところが『みそ汁はおかずです』では、まず味噌汁とは「材料を切る・煮る・味噌を溶く」という3行程で出来る簡単な料理であることを強調し、
味噌汁を作るうえで、いちばん手間がかかる出汁も、顆粒出汁でも出汁パックでもよければ、「耐熱容器に鰹節を入れ、熱湯を注いで3分」とか「煮干と昆布を水に浸けひと晩置く」という具合にハードルを下げるところから始まっている。


味噌汁の構成要素は、味噌・出汁・実(具材)・吸い口の四つ。

この本では実と吸い口の取り合わせが実に面白い。

たとえば「じゃがいも+玉ねぎ+バター+カレー粉」「すりじゃがいも+粒コーン+バター」「白菜+鶏もも肉」「ごぼう+牛こま切れ肉+万能ねぎ」「ブロッコリー+魚ボール+長ねぎ」といった具合に、肉や魚、ソーセージなどを具材として使うのが特徴で、吸い口にはバター、オリーブオイル、胡椒やカレー粉など洋風のものも利用する。

漬物やさば缶などを使うレシピもあって、柔軟な発想が楽しい。


私などは味噌汁の実は二種類までと思ってしまうほうだが、たしかに具沢山で「おかず」になる味噌汁のレシピ本である。


私が試してみたのは、今のところ「かぼちゃ+玉ねぎ+バター」と「まいたけ+ランチョンミート+こしょう」というふたつのレシピだけだが、家人には好評だった。


7月以降、毎日の炊事をほとんど私がこなしているので、目についたのだろうが、この本を読むと、要するに冷蔵庫にあるものなら何でも味噌汁の具になることに気づくことになる。
posted by 城戸朱理 at 13:02| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エルメスのトートバッグ

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仕事柄、大量の本や資料、ゲラなどを持ち歩くことが多いので、バッグも容量が大きいトートバッグを使うことが多い。

とりわけ、旅に出るときは、スーツケースを宅急便で手配しておいて、トートバッグひとつで出かけると身軽に動ける。



革製のトートバッグは、いくつか持っているが、10年以上使っているバッグのひとつがエルメスのトートバッグだ。

「タール」というモデルで、20年近く前に買ったもの。

今では廃盤になっている。


素材は雌仔牛の革を使ったヴァシェット・クリスベ・フィヨルド。

革本来の風合いを生かしたマットな表情で、ナチュラルな型押しがされているため、柔らかく、傷つきにくく、耐水性もある。

普段使いするには、容量がやや大きいが、旅行にはうってつけで、今でも愛用している。


エルメスの革製品の凄さは、その素材にある。

動物の「皮」は鞣しの工程を経て「革」になるわけだが、その工程を担うのがタンナーになる。

エルメスは、素材の安定供給のため、世界最高峰のカーフのタンナーとして知られるフランスのデュ・プイ社、アノネイ社を傘下におさめ、良質な革のなかでも、わずか数%という最高の革を調達している。

世界最高の素材を使って、ひとりの職人が全工程を担当、手作業でバッグが作られているため生産数に限りがあり、供給が追いつかない状態になっているが、エルメス以上のレザーバッグは考えらないというのも現実だろう。

欠点はーー値段があまりに高すぎること。

だが、メンテナンスを頼むと新品同様になって戻ってくるし、修理などアフターサービスも完璧なので、そこまで含めた値段ということなのだろう。


レザーバッグの手入れは乾いた布で、から拭きするのが基本で、乾燥してきたらクリームを入れるようにしている。

クリームは、エルメスも使っているサフィール・ノワール。

食品並みの衛生管理のもと、天然素材で作られるサフィールのクリームは、アロマセラピストの資格を持つ家人でも驚くほど香りがいいうえに、革への馴染みもいい。
posted by 城戸朱理 at 12:53| 骨董・工芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする