
北鎌倉の侘助店主、菅村睦郎さんは、
私にとっては盛岡一高の先輩に当たるが、
今にして思うと、睦郎さんが鎌倉にいたからこそ、
私は20代から鎌倉によく遊びに来ては、
あちこちの店に連れて行ってもらって、
飲み歩くようになったわけで、
今、鎌倉で暮らしているのも、
睦郎さんがあってこそと言っていい。
その睦郎さんが、盛岡に戻ったときに、
必ず寄るのがラーメンの日光軒だという。
当時は盛岡冷麺もじゃじゃ麺も一般的ではなかったから、
日光軒が睦郎さんにとっては、
懐かしい味ということになるのだろう。
盛岡で行列ができるラーメン屋といえば、たかみ屋だが、
日光軒は、創業53年になる中河と並ぶ老舗で、
場所は知っていたが、実は今まで入ったことがなかった。
盛岡では、醤油ラーメンが基本で、
スープは鶏ガラと今風のものではないのだが、
ラーメンが支那そばと呼ばれた時代を
思い出させるところがあって、
昭和20〜30年代生まれには、
懐かしい味と言えるかも知れない。
今回、初めて日光軒に入り、
チャーシュー麺を頼んでみたのだが、
バラ肉のチャーシューはとろけるようで、
濃い味のスープ、細麺と相性がよく、バランスがいい。
京都の新福菜館のラーメンと通じるものがあるが、
これは、東京よりは、京都で受ける味かも知れない。
そうか、これが睦郎さんにとって、
郷愁をそそられる味なのかと思うと、
何やら楽しい気分になって、
さっそく、睦郎さんに写メールしたら、
「そう、これこれ」という返事が返ってきた。
「これこれ」。懐かしい味には、
それ以上、言葉は必要ないのだろう。
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