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城戸朱理のブログ: 高橋昭八郎『ペ/ージ論』(思潮社)

2009年05月11日

高橋昭八郎『ペ/ージ論』(思潮社)

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伝説の視覚詩人、高橋昭八郎の
待望の新詩集が刊行された。


高橋昭八郎といえば、わが国の前衛運動の拠点となった、
北園克衛の「VOU」の後期を代表する存在であり、
もっぱら海外でのみ知られてきたその詩業が、
このような形で日本でも
開示されつつあることを喜びたい。


海外でも高い評価を得る「VOU」は、
近年、古書値も高騰しており、
実際に手にすることは難しいが、
西脇順三郎や田村隆一、鮎川信夫ら「荒地」の詩人たちまで、
会員だった時代もあり、
戦後の一時期はモダニズムの拠点でもあったようだ。

そして、前期「VOU」が、寺山修司や白石かずこらの
巨大な才能を輩出したのに対して、
後期「VOU」を代表する高橋昭八郎らは、
北園克衛の詩的精神を継承し、
詩という形式じたいを問いつづけた。

『ペ/ージ論』も、まさに、その成果であり、
「VOU」最後の会員であった奥成達氏による
帯文は、高橋昭八郎の詩業の骨格を
実に見事に語るものと言っていい。

次のようなものである。



ヴィジュアル・ポエット高橋昭八郎の魅力は、
ひとえにその繊細な日本的感性の美しさにある。
北園克衛の後を引き継ぐ「詩の純粋形式への限りない探索」は、
止むことなく続けられ、
過剰な文学的〈意味〉によって遮断されてしまっていた
詩の可能性が、ここに新たに浮かび上がってくる。



高橋昭八郎自身による装丁も素晴らしく、
ラディカルな問いとともに開かれるべき
一冊と言えるだろう。

本書に関しては、機会を見て、
論考を発表したいと考えている。
posted by 城戸朱理 at 09:11| 詩誌・詩集評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする