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城戸朱理のブログ: 吉増剛造さんの書斎

2015年11月27日

吉増剛造さんの書斎

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吉増剛造さんの書斎は、フローリングのリビングの一角から和室まで。


「昔から川のほとりで、和室にライティングビューロー、それも座り机のライティングビューローを置いた書斎が夢だったから、夢がかなったんだね」と吉増さん。


洋室のデスクは、インク瓶がずらりと並び、アトリエの様相を呈している。

和室の壁面には、進行中の「詩の傍らで」が一面に貼られていたが、一枚の紙が時間をたたえた厚みのあるタブローに変わって波打つかのようで、圧倒的だった。


「詩の傍らで」の壁面の鴨居の上の扁額には思いがけない人の書が。

これは吉増さんのお父さまが所持していたもので、吉増さんが子供のころから見て育った書なのだという。


和室のデスクの前の障子には、フィルムやメモが貼られ、交錯するスクリーンのようでもある。

写真を見れば分かるように、芥川龍之介、ジョナス・メカス、萩原朔太郎、エミリー・ディキンソンらのポートレイトと吉増さんの手書きのメモが二重露光のように重なり合う前で、吉増さんは川端康也について語った。


座り机の上にはスチーム式のアロマポットが蒸気を上げ、お香が焚かれている。


「蒸気と煙と、ふたつあるのがいいんだなあ」


吉増さんは煙草を止めてから、火と遊ぶことがなくなったが、お香を焚くようになって、火の感覚が戻ってきたと語っていた。


エレメンタリーな要素が重なって揺らぎ合う、それが吉増剛造の書斎なのだろう。
posted by 城戸朱理 at 12:27| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする