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城戸朱理のブログ: 吉増剛造『詩の傍らで』が到達したところとは

2015年12月08日

吉増剛造『詩の傍らで』が到達したところとは

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移動の車中で、吉増さんから思いがけない言葉を聞くことになった。

吉増さんの『詩の傍らで』は、原稿用紙に細かい線を引いて小さな升目を作り、吉本隆明の著作を米粒ほどの文字で書き移しては、
そこに吉増さんの元に届いた葉書を貼り込んだり、メモを貼り込んだりしたうえで、インクを垂らしたり、破いたりしたものだが、
時間性をたたえた紙のオブジェのような、この試行は、春に醍醐寺で撮影したときには、608枚目になっていた。


一枚の制作には、平均して4日かかるらしいが、今回、吉増さんがお持ちになられたのは、647枚目だった。

そして、これが『詩の傍らで』の最後の一葉になるのだという。


なぜ、647枚目なのか。

それは、時が満ちたからというしかない。


吉増さんは最後の一枚を、楽しみながら少しずつ書き進めているようで、着手してから、すでに10日がたっているのに、まだ完成していなかった。

ともあれ、東日本大震災の半年後から始められた『詩の傍らで』は、ついに完結しつつある。


流響院でも作業は続けられたが、吉増さんは、吉本さんの言葉を平仮名と片仮名に開いて、惜しむように、少しずつ書き写していた。
posted by 城戸朱理 at 09:14| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする