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城戸朱理のブログ: 狩野探幽の雲龍図の下で@妙心寺

2016年01月29日

狩野探幽の雲龍図の下で@妙心寺

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1月21日。

起きてみたら、京都も雪だった。

午前4時に起きて、シャワーを浴び、6時にホテルを出発して、右京区花園の妙心寺に向かう。

開基は花園上皇、開山は大燈国師の高弟、関山慧玄。

1342年に開かれたが、日本にある臨済宗寺院の過半を妙心寺派が占めることからも分かるように、塔頭が建ち並ぶ大寺で、京都では「西の御所」とも呼ばれている。


ロケの目的地は、妙心寺法堂(はっとう)、ふだんは非公開の法堂には、狩野派の祖、狩野探幽の雲龍図がある。

この天井画の下で、吉増剛造さんに書き下ろしの新作「惑星に水の樹が立つ」を朗読してもらうシーンは、春夏秋冬と撮ってきた今回のドキュメンタリーのクライマックスになる。

なるはずだったのだが――


発端は夏に訪れた貴船神社。

京都の水神の境内を巡りながら、吉増さんが「惑星に水の樹が立つ、という詩が書けるかも知れないなあ」と呟いた。

私と井上春生監督は、最終回の冬篇のためにその詩篇の執筆を吉増さんにお願いしたのだった。

ところが――


「やばいなあ。詩が書けてないぞ」
!!!

「新幹線に乗っているとき、このまま夜逃げしようかと思ったんだけど」と吉増さん。

「構いません。編集で何とかしますから」と井上監督。

「それでね、関ヶ原に来たあたりで雪になってね、
そうしたら、書けたの、詩が」
・・・・・・


結局、詩篇「惑星に水の樹が立つ」は完成していたのだった!


徳川幕府の御用絵師として数々の傑作をものにした狩野探幽が、8年をかけて描いたという法堂天井鏡板の雲龍図は、「八方にらみの龍」とも呼ばれ、どこから見ても龍と目が合う。

その下を巡りながら、吉増さんの独白が続く。

最後に朗読のシーンを撮影したのだが、鬼気迫るものがあった。



滅多にない機会だから、立ったり座ったり、果ては寝転がったりして、1時間以上、雲龍図を鑑賞したのだが、圧倒されているうちに、雲龍図に吸い込まれて、自分まで雲に乗っているような心持ちになった。
posted by 城戸朱理 at 10:08| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする