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城戸朱理のブログ: 吉増さんの執筆作法

2016年01月31日

吉増さんの執筆作法

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吉増さんが「詩の傍らで」を制作したり、執筆されたりするときの道具立ては、写真のようなものである。


「机は小さいほうがいいよ」と吉増さん。


たしかに御自宅の書斎でも小さな文机を使われている。

文机だと、周囲に資料を広げられるというのが、その理由。

また、吉増さんのお祖母さんがお花をされていたので、この写真の文机と同じ二月堂は、子供のころから馴染みがあったそうだ。

二月堂は小さな座卓だが、東大寺の二月堂の食堂(じきどう)で使われたのが、その名の由来。

正しくは二月堂食堂机(にがつどうじきどうき)と呼ぶ。


わが家にも二月堂がひとつあるが、これは田村隆一さん(吉増さん、マリリアさん御夫妻の仲人でもある!)が稲村ヶ崎に住んでいたころ使われていたもので、いずれは鎌倉文学館に寄贈しようと思っている。


吉増さんは机に向かうと、まず、お香を焚き、キャンドルに火を灯す。

原稿用紙は満寿屋製。

長期乾燥の中性紙の原稿用紙で、私も使っているが、東京だと売っているところが少なく、東京で暮らしていたときは、銀座の伊東屋まで買いに行ったものだった。

ちなみに鎌倉だと、駅東口の島森書店でも扱っている。


吉増さんは、煙草を止めてから、ライターを持つこともなくなって、火と遊ぶことが出来なくなったので、かわりにお香とキャンドルで火遊びをするようになったのだとか。


ICレコーダーは2台もち歩かれていたが、ご自身の朗読や酒席の会話まで録音して、あとで聞かれている。


意外なほど、文房具がお好きで、原稿用紙の上のカラフルなマーカーは、京都に来てから無印良品で求められたもの。

ちょっとした空き時間にも、文具を見たりしておられるのだなと感心してしまった。


2枚目の写真のように、いつも多種多様な筆記具を持ち歩かれている。


音楽をかけ、ときには誰かの朗読を聞きながら、執筆されることも多いそうで、その意味では、光と香りと音を座辺に、五感を開いて机に向かうのが、吉増さんの作法のようだ。
posted by 城戸朱理 at 08:03| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする