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城戸朱理のブログ: モーツァルトと連詩の関係

2017年02月08日

モーツァルトと連詩の関係



「航海2016」から始まった高貝弘也・広瀬大志・田野倉康一・城戸朱理による連詩は、広瀬出題「謎」、田野倉出題「夷狄」、高貝出題「夢十二夜」の七篇までが、きわめて順調に完成した。

ところが――

八篇目として、私が出題したのは、モーツァルト交響曲第40番ト短調を各自が聞いてから、連詩を試みるというもので、いざ、始めてみたら、全員から「難しい」という声が。

たしかに、音楽に言葉を添わせるのが、こんなに難しいとは思わなかった。

詩もまた、音楽と同じく時間芸術だからだろうか。


モーツァルトの交響曲は、第41番「ジュピター」までの全41曲。

モーツァルトの全626曲を時系列で整理して目録にしたルートビッヒ・フォン・ケッヘルによれば、シンフォニー・ナンバーのないものまで含めると、モーツァルトの交響曲は全49曲で、今では、モーツァルトの作ではないとされているものもある。

そして、そのうち、短調は、第25番k183と第40番k550の2曲だけ。

ともにト短調なので、小ト短調、大ト短調とも呼ばれる。


この2曲、私は特別な思い入れがある。


まだ、私が赤ちゃんでハイハイしていたころ(!)、モーツァルトが好きだった父親がよく聴いていたのが、40番。

父の愛聴盤は、カール・ベーム指揮ベルリンフィルだった。

この演奏、異様にテンポが遅いのが特徴で、「モルト・アレグロ」という指示がある第一楽章など、普通ならば第一ヴァイオリンによる第一主題から始まるようにしか聞こえないのに、ベーム盤だと、第一主題の前にビオラの音が聞こえるほど。


ともあれ、おかげで中学生になって、初めて意識的に40番を聴いたとき、全曲をすでに知っていたのに、自分でも驚いたものだった。

名曲だけに名演も多いが、私にとって、もっとも忘れがたい演奏は、ブルーノ・ワルター指揮ウィーンフィルの1952年のライヴ盤。

カール・シューリヒト指揮パリ・オペラ座管弦楽団の40番もよく聴いたが、1949年、ヴィースバーデンでのウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルの40番も、鬼気迫るものがあった。

ヴィースバーデンのライヴ盤は、20年ほど前にフランスでリリースされたときに、すぐに取り寄せたが、録音は悪いものの、ブラームスの交響曲第4番も、あの奇跡のようなH音で始まるEMI盤と並ぶほど素晴らしい演奏だったように記憶している。

昨年、ターラ・レーベルから、高音質のCDがリリースされたので、ぜひ聴いてみなくては。

25番の感情を切り裂くようなシンコペーションの第一主題も、初めて聴いたときに、ショックを受けたが、こちらは、やはりワルター指揮ウィーンフィルのライヴ盤で聴くことが多い。


難航しながらも、モーツァルトに寄せる八番目の連詩は、第四連に突入。


昨日、私が第四連の最後を書き上げ、ようやく完成したが、全編を見直したとき、はたして、そこにト短調が鳴り響いているか。

怖くもあり、楽しみでもある。
posted by 城戸朱理 at 08:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする