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城戸朱理のブログ: ゴーストタウン化する日本

2017年07月14日

ゴーストタウン化する日本

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鎌倉市の「広報かまくら」7月15日号では「空き家を増やさないために」という特集が組まれている。

鎌倉市の調査によると、鎌倉の空き家と考えられる戸建て住宅は、1108戸。

空き家が放置され老朽化すると、倒壊などの危険を伴うことになる。

今や、空き家対策は、地方公共団体の急務となりつつあると言ってよい。


実際、日本では住む人がいない空き家が増え続けている。

2016年6月の段階で、すでに空き家は820万戸、総住宅数に占める空き家率は13.5%。

野村総研は空き家の有効活用が進まなかった場合、2023年には空き家が1400万戸(空き家率21.1%)となり、
2033年には2170万戸(空き家率30.4%)、なんと住宅の3戸に1戸が空き家になると予測している。


しかも日本は人口減少期に入ったわけだから、現実を直視するなら、もう家を建てる必要はないわけであり、物の価格は需要と供給の関係で決まるわけだから、今後は地価も家の価値も下落するだけなのは、火を見るよりも明らかだろう。


実際、東京を始めとする大都市の一等地を除けば地値は下がり続けており、作家の佐藤洋二郎さんは、ネットで地方都市の中古マンションの価格を調べるのが趣味だとおっしゃっていたが、今や100万を切る物件さえ珍しくないそうだ。

暮らす場所によっては、住まいが新車より安く買える時代が到来したわけだから驚かざるをえない。



そうした状況に、いち早く気づいた坂口恭平は『0円ハウス』(2004)を上梓、「建てない建築家」として出発することになったわけだが、『0円ハウス』は、とあるホームレスに取材し、ホームレスを狩猟と採集によって生きる現代の縄文人としてとらえたところが新鮮だった。

坂口恭平的な発想だと、家はもはや「0円」なのである。


たしかに東京の銀座など、一等地の地価はバブル期以上に高騰しているが、それ以外のエリアでは、土地や家が資産たりえない時代が来ようとしている。


昭和という時代は右肩上がりの成長期で、人口も増え続けたため、親が持ち家であっても、子供は親との同居を望まず、何十年ものローンを組んで家を購入したわけだが、そうした核家族化の結果、家余りの現状が到来したのは当然のことでしかなく、今や昭和的な価値観は完全に過去のものとなった。


空き家が増えた地区は次第にさびれて、ゴーストタウン化していく。

核家族化のはてに広がる、この荒涼たる眺めは、団塊以上の世代には想像も出来なかった未来図なのではないだろうか。
posted by 城戸朱理 at 11:16| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする