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城戸朱理のブログ: 東京駅で買える鰻弁当

2017年07月20日

東京駅で買える鰻弁当

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東京駅には、全国の駅弁を扱う売り場があるので、旅の気分が高まるが、だからと言って東北に向かうのに、北陸や信州のお弁当を買うのは何か違う気がする。

結局、最近は、吉増剛造さんもお気に入りの「深川飯」か、東京駅限定「老舗の味 東京弁当」、そうでなければ、鰻弁当のどれかを選ぶようになった。


6月に盛岡に行くときは、「宮川本廛 うなぎ」弁当、今回は、小田原は東華軒の「うな重」にしたのだが、どちらも鰻一匹を使ったお弁当である。

もちろん、お店で焼きたてを食べるのに勝るものはないが、どちらも明治から続く老舗だけに、旅の伴にはうってつけ。

鰻弁当は、ビールや日本酒にも合うところがいい。


鰻は、世界中に棲息しているが、日本人になじみが深いニホンウナギは、いまだに生態がよく分かっていない。

5〜15年を河川で過ごしてから、海に下り、日本から2000km離れたマリワナ諸島近海で産卵するのが分かったのも、近年のこと。

鰻は、海で孵化し、川に登って淡水で過ごし、再び海に戻って産卵するわけだが、こんな謎めいた魚を当たり前に食べていることを考えると不思議な気分になる。


ちなみに『万葉集』の大伴家持の和歌にも、鰻は夏痩せに効果のある滋養食として登場するが、縄文時代の遺跡からも骨が出土しており、古くから食されていたことが分かっている。

ただし、鰻が高級料理となったのは、江戸時代後期に蒸してから焼き上げる調理法が考案されてからで、それまでは、屋台でぶつ切りにした鰻を串焼きにし、たまり醤油や味噌で食べていたというが、これは人足などの労働者しか口にしない下魚だったそうだ。

もっとも、今では高級魚のマグロも、江戸時代には庶民でさえ買ったことを隣近所に知られたくないほど安価きわまりない下魚で、塩マグロの塊を鉈でぶち切って売っていたというのだから、食材の価値というものも時代と調理法によって変化することになる。


私などの世代なら、鯨がその好例だろう。

昭和もなかばまでは、小学校の給食でも定番メニュー、定食屋でいちばん安いメニューといえば鯨カツで、貧しい学生の食欲を満たしたものだったそうだ。

全共闘世代の老人がたによると、若いとき、食べるのは鯨カツ、夢に見るのがトンカツだったそうだから、鯨が高級食材となった今では、考えられないことではある。

ちなみに、鯨でもっとも珍重されるのは尾の身で、獣肉としてはもっとも癖がなく、寿司ネタでも高級食材とされている。
posted by 城戸朱理 at 08:12| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする