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城戸朱理のブログ: 左右左(さゆうさ)@横浜能楽堂

2017年09月05日

左右左(さゆうさ)@横浜能楽堂

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太陽堂で昼食を取ったあとは、バンビことパンクな彼女と横浜に向かった。

桜木町駅で降り、横浜能楽堂へ。


この日は、横浜能楽堂本舞台でダンスを踊るという異例の試みがあった。


演出・振付は、ルカ・ヴェジェッティ。

踊るのは、笠井叡、中村恩恵、鈴木ユキオ、そして2歳半で初舞台を勤め、能学子方として注目を集める長山凛三。


音楽監督・小鼓は、大倉流十六世宗家、大倉源次郎、能菅は、藤田流十一世宗家、藤田六郎兵衛。
お二人は、ともに人間国宝である。


ルカ・ヴェジェッティは、友人のドナルド・キーンから「翁」と「羽衣」を新たなダンスの枠組みとして示されたそうだ。

「翁」は「能にして能にあらず」と言われるほど神聖視される曲だが、翁、千歳(せんざい)、三番叟(さんばそう)の三人がそれぞれ別々に舞うだけで、戯曲的な構成をまったく持たない。

いわば神事としての能楽であり、今回は翁を笠井叡が、千歳を鈴木ユキオが、三番叟を長山凛三が演じた。

それに対して、お能のなかでも、もっとも広く知られる「羽衣」は、戯曲的構成を持つ演目である。

能は五番立てで分類するが、「羽衣」は髷物・女能の三番目物。

しかも、三番目物のなかで、「羽衣」は、シテが幽霊ではなく、物語が夜ではない唯一の曲になる。

「羽衣」のシテである天人を、中村恩恵が舞った。


能舞台という制約のなかで、能楽を踏まえたダンスという試みは、予想できないダイナミズムを持ち、新たなパラダイムを創造することに成功していたと思う。


笠井叡さんが、能舞台で踊る日が来るとは想像したこともなかったが、その神事的な性格を考えると、これほど似つかわしいことはないのかも知れない。


今回は、文芸評論家の富岡幸一郎夫妻とともに招待していただいたのだが、富岡さんもいささか興奮気味だった。

ちなみに、タイトルの「左右左」は、能の連続的な舞い、その動きを言うものである。


「左右左」は、横浜能楽堂とニューヨークのジャパン・ソサエティの共同制作作品で、10月には、ニューヨークで北米初演が予定されているそうだ。


舞台のあとは、レセプションに参加させてもらう。

ビールにワイン、ピンチョスやキッシュが並び、少し、興奮を冷ますことができた。
posted by 城戸朱理 at 10:18| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする