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城戸朱理のブログ: 西村我尼吾さんの選考方法

2018年04月19日

西村我尼吾さんの選考方法



2002年に第1回が開催された芝不器男俳句新人賞は、それまでの50歳まで青年、還暦で新人という俳壇のありように風穴を開け、20代、30代の若き俳人の登竜門となった。


芝不器男俳句新人賞の創設と、その後の運営に尽力されてきた西村我尼吾参与は、今回から選考委員に加わられたが、公開選考会で、度肝を抜かれたのは、我尼吾さんの選考方法だった。


公開選考会の前々日にはインドの首脳と会談して帰国されたばかりとおっしゃっていたが、ASEANの国際経済研究所AREAの事務総長として多忙な毎日を送られているにもかかわらず、応募作、全1万4千句すべてを、技術点・芸術点・構成など5点満点で採点し、応募者140人の合計得点を計算されていたのである。


その結果、予選通過作は260点が分岐点になったのが判明。


一位は芝不器男俳句新人賞を受賞された生駒大祐さん、二位は城戸朱理奨励賞を受賞された表健太郎さんで、ともに280点超。

ちなみに我尼吾さんによると、私が選んだ予選通過作の10人は、いずれも270点を超えていたそうだ。

対馬康子さんや中村和弘さんが「俳味」を大切にされるのに対して、齋藤愼爾さんや私が「実験性」を重視するといったように、選考委員によって傾向はあるものの、西村我尼吾委員の採点によって、目に見える形で計量化されると、主観を超えた客観性があるのかも知れないと思わざるをえない。



今回の応募者140人に関しては、全員の評を西村我尼吾さんが公式ホームページにアップされることになっているが、得点も明記してもらうと、次回の応募の目安となるのではないだろうか。


我尼吾さんは、予選通過作すべてにキャッチフレーズまで用意していた。


1番、「放浪の野生児」
14番、「デジャ・ヴュの色の魔術師」
28番、「異界を拓く者」
34番、「抽象の槍を光らせる」
45番、「俳句交響詩」
81番、「残像の旅人」
95番、「自縛の騎士」
100番、「小津安二郎的世界」


このキャッチフレーズは大いに客席を沸かせたが、我尼吾さんの、あふれんばかりの俳句愛に圧倒された一夜だった。
posted by 城戸朱理 at 14:27| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする