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城戸朱理のブログ: ロンドン土産のウィリアム・ブレイク

2019年11月11日

ロンドン土産のウィリアム・ブレイク

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ロンドンのテイト・モダンで大規模なウィリアム・ブレイク展が開催されている。

ブレイクが職業的彫版師として残した作品を中心とする展覧会だが、私も渡英を考えたものの、スケジュール的に無理だった。

ブレイクの版画作品じたいは、1990年に東京の国立西洋美術館で開催された大規模なブレイク展で全容を把握しているし、「図書新聞」に展評も寄稿しているので、あきらめはつく。


ところがーー

ここのところ、映画にハマっている若い友人が、なんとドノバン・マーシュ監督の「ハンターキラー 潜航せよ」に出演していたトビー・スティーブンスの舞台を観るために渡英し、出待ちしてトビーその人と会ったばかりか、手紙を手渡ししてサインをもらい、ツーショットまで撮るという快挙(?)を成し遂げ、帰ってきた。

しかも舞台がない日は、彼女は美術館巡りをしていたらしい。

うらやましいことに、ブレイク展にも行って、お土産を送ってくれた。


『SONGS of INNOCENCE and of EXPERIENCE』、
ブレイクの版画がカラーで印刷された『無垢の歌』『経験の歌』のテイト・モダンによる復刻本で、三方、金の何とも美しい本である。


私の学生時代からの詩友、高貝弘也くんは「若い人も復刻版をもっと買うべきだ」と言っていたが、広瀬大志くんも、よく古書店で復刻版を買っている。

造本も含めて、書物の時代性を感じることは、テクストのより深い理解につながるところがある。



私はブレイクを読むときには、もっぱら1913年刊のオックスフォード大学版を使っているが、この時点ではテクスト・クリチックが完璧ではなかったため、いざ部分的にでも訳してみようと思ったら、別の版も参照しなければならない。

しかし、不便でも古い書物をひもといていると、立ち上がってくる幻影と、ひととき戯れるような気分になる。

復刻版にも、それに通じる感覚がある。


ブレイクに関しては、ひそかに続けている仕事があるのだが、いずれ形にしたいものだ。
posted by 城戸朱理 at 14:30| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする