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城戸朱理のブログ: 柳美里さんとのハガキ・プロジェクト

2019年11月28日

柳美里さんとのハガキ・プロジェクト



2013年11月から翌年にかけての約半年間、柳美里さんと毎日、葉書を出し合うハガキ・プロジェクトを進めていた。

これは、お互いが抱えていた書き下ろしの進行具合をハガキで報告しあって原稿を書き進めようという企画で、柳さんが提案してくれたものだったのだが、なんと、互いに「なぜ、原稿が書けないのか」という言い訳に終始するという結果に終わってしまった。


目的は果たせなかったものの、互いに百通を超える葉書を書いており、物書きの日常が垣間見えるものになっているので、逆に面白いかも知れない。


その後、2015年3月に柳さんは福島県南相馬に転居されたので、相談して柳さんの鎌倉時代(?)にやり取りした葉書は、鎌倉文学館に寄贈した。



ハガキ・プロジェクトを再開したのは、2015年11月。

目的は例の書き下ろし原稿なのだが、第二次ハガキ・プロジェクトでも、書き下ろしはお互いに進まず、柳さんが新たな小説の構想やストーリーを書き綴ったり、私が書いてみたい詩集のことを書き送ったりと、近況以外にも、葉書だからこそ書ける内容になっていたのが面白かった。

この第二次ハガキ・プロジェクトは、先日、北上の日本現代詩歌文学館に寄贈したが、柳さんは南相馬で書店フルハウスを始める前、私は吉増剛造さんと京都でドキュメンタリー映画「幻を見るひと」の撮影が始まっていたので、お互いにあわただしくも、緊張度の高い時期の記録になったかも知れない。


書き下ろしを終えて、温泉でゲラに手を入れるという当初の目標は、いまだに実現していないが、葉書は残った。

あとは、目的を達成するだけという本末転倒のハガキ・プロジェクトだが、私が今年の3月に花巻の大沢温泉に滞在して新詩集の推敲と清書をしていたところ、柳さんも9月に、再結成した青春五月党の新作の戯曲「ある晴れた日に」を大沢温泉で書き下ろしたそうだから、温泉で仕事するという目標(?)だけは実現したことになる。


本来の目標を達成できる日は、はたして来るのだろうか?
posted by 城戸朱理 at 08:11| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする