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城戸朱理のブログ: もう靴は買わない〜JHON LOBBのダブルモンクストラップ

2019年11月30日

もう靴は買わない〜JHON LOBBのダブルモンクストラップ

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8年前の東日本大震災発生時には首都圏で、およそ10万人の帰宅難民が発生した。


私の知人にも東京から鎌倉の自宅まで徒歩で帰宅した人がいるが、家にたどり着いたときには夜が明けていたそうだ。

ひと晩中、歩き続けていたわけだが、当時、SNSで、やはり徒歩で帰宅した人が、もうローファーで通勤するのは止めると投稿していた。

たしかに靴紐のないローファーのようなスリッポン・シューズは、着脱こそ楽だが、長距離を歩くのには向いていない。


日本では家や座敷に上がるとき、靴を脱がなければならないので、着脱が楽な靴が好まれる傾向があるが、非常時には足に負担をかけることになる。



そもそも、ローファーはスーツに合わせる靴ではない。

スーツにはストレートチップ、プレーントウ、ウィングチップといった紐靴を合わせるのが、欧米ではルールになっているが、紐靴以外で、唯一、スーツと合わせられるのがモンクストラップだ。

モンクストラップは15世紀、スイスの修道士(モンク)が履いていた靴を原型としているが、ストラップが1本のものと2本のものがある。

後者をダブルモンクストラップ・シューズと呼ぶが、こちらは稀代のダンディとして知られる英国王エドワード八世(のちのウィンザー公)の注文を受けたジョン・ロブが、飛行士のアビエイターブーツを元にデザインしたもので、ダブルモンクストラップの原型となった。


ジョン・ロブでは今でもダブルモンクストラップを作っており、モデル名はウィリアムII。

最高級のフルグレイン・レザーを使用し、ラストは9795。

アウトステッチが360度、コバを全周するオールアラウンド・グッドイヤー製法、厚みのあるダブルソールと頑健なカントリーシューズの製法を応用しながらも、手縫いのトウステッチを施しストレートチップ風のデザインにすることで、ドレスシューズの洒脱さも兼ね備えている。

さすがジョン・ロブ、キング・オブ・シューズの名に恥じない。



これは意外なほど知られていないが、紐靴は着脱のたびに紐をゆるめ、結び直すように作られている。

足の親指の爪をはがしかけた旧友が整形外科に行ったところ、医師から靴紐をゆるめずに着脱できる靴はサイズが大きすぎると注意されたそうだが、これは革靴の常識で、余裕があるという理由で大きめのサイズを選ぶと、遊びがあるため足が靴のなかで安定せず、いつも緊張して発汗が増え、靴ずれを起こしやすいばかりか、靴も傷みやすい。

だから、紐靴は紐をほどいて履けるていどの、ややタイトなサイズを選ぶべきなのだが、モンクストラップの場合は、紐をといたり、結び直す必要がない。

ダブルモンクストラップだと、手前のストラップだけ外して履けるので、ローファー並みに着脱が楽なのに、紐靴並みの安定感がある。


今年のような酷暑の夏に、スーツを着なければならないときには、この靴に頼りっぱなしだった。
posted by 城戸朱理 at 12:46| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする