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城戸朱理のブログ: 貧困と自炊

2020年01月26日

貧困と自炊



自炊できるのは経済的に余裕がある人で、食材は高いうえに、貧困層には調理をする時間的余裕もないという主張が、SNSで、自炊か外食かという論争を巻き起こした。

旧来であれば、自炊したほうが節約になるというのが常識だったが、今や、そんな簡単な話ではなくなったようだ。


先日、同じような話を内モンゴルから来て、日本で仕事をしている青年から聞いた。

阿斯汗(アスハル)さんという名前からモンゴルの方と推測はできたが、モンゴル自治区の出身なので、国籍は中国。

御実家は内モンゴルの大都市で、物価が上がり続け、自炊するよりもウーバーイーツのようなデリバリーで食事をするほうが安上がりなのだという。

中国の発展は、予想を超えたものがあって、今や、内モンゴルの都市でも、スマートフォンで注文すると、コーラ1本から何でも宅配される時代なのだとか。

買い物のためには、誰も外出しなくなったというのだから、日本よりも未来的である。



中国の場合は、経済成長でインフレが続いているため、給与が増える以上に物価が上がっており、自炊より宅配のほうが安くつくようになってしまったわけだが、日本では、デフレから脱却できず、賃金が下がり続けているため、同じようなことが起こってしまったということになる。

好景気の中国と不況下の日本で、まったく逆の理由で同じようなことが起こるのだから、皮肉としか言いようがない。

飲食店の原価率は、25〜30%だから、食材を買って自分で調理するほうが外食するよりは安くなるはずだが、ひとり分を作るとなるとロスが大きいし、何よりも調理する時間がないというのが、日本の低所得世帯の現実なのだろう。


若者の貧困と格差社会が社会問題になってから、10年以上がたった。

しかし、問題は解決するどころか、さらに深刻なものになっている。

自炊さえ贅沢になりかねない労働環境が、当たり前のはずはない。


消費税の増税によって、日本はリーマン・ショック以上の不況に陥りつつある。

オリンピックの特需が終わったとき、この国はさらに沈没していくことになるのだろうか。
posted by 城戸朱理 at 22:20| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする