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城戸朱理のブログ: 令和恐慌は避けられるのか?

2020年03月16日

令和恐慌は避けられるのか?



内閣府は昨年10月から12月の四半期の経済成長率を修正、年率に換算してマイナス7.1%と発表した。

驚くべき数字だが、デフレから抜け出せないままだった日本経済に、昨年10月の消費税増税が、とどめを刺した感がある。

マイナス7.1%というと、約38兆円の損失になる。


OECDの発表によると2019年の日本国民ひとり当たりのGDPはOECD加盟国36カ国中18位で、OECD平均を下回り、イタリアやニュージーランド、韓国とほぼ同水準。

就業者ひとり当たりの労働生産性は21位でトルコやスロベニアとほぼ同じ水準であり、G7のなかでは最下位に転落している。

日本はもはや先進国ではないと指摘する識者がいるが、それは、こうした数字からも確認できる。



さらに、驚くべきデータがある。

税金・年金・健康保険料など国民の負担は、2010年代初頭まで23%ていどだったが、自民党・公明党の連立政権下で上がり続け、2018年の段階で44%に達した。

つまり、私たちは収入の半分弱を税金等で納め、わずか半分強が手元に残るだけになったのだ。


そこに消費税を増税したわけだから、内需がGDPの約6割を占める日本で景気が後退するのは当たり前で、しかも不況に突入しかけたところで、新型コロナウィルスのパンデミックが起こってしまった。


まず問題視されたのは、訪日外国人による旅行消費、インバウンドの落ち込みだが、インバウンド消費は2018年で4兆円を上回っているものの、名目GDPに占める比率は0.8%にすぎない。

インバウンドに特化したホテルやレストランなど観光業にとっては死活問題だが、昨年末四半期の落ち込みがあるだけに、現在の自粛による個人消費の冷え込みは、日本経済を断崖絶壁に追い詰めつつある。


コロナウィルスの終息が見えるまで、個人消費の冷え込みは続くだろうし、その期間が長引けば長引くだけ、中小企業や個人事業主の倒産が増え、失業率は上がることになる。

企業も減収を余儀なくされるし、リーマンショック後の2019年の派遣切りや正社員でも解雇されるケースが増えかねない。


しかもヨーロッパ、中東とパンデミックとなった今、経済の大収縮は日本だけの問題ではない。


通貨の流通量が大きく減り、収入・物価・雇用が大きく減退すると世界恐慌の怖れさえあるわけで、ウィルスとの戦いは生命だけではなく、経済の問題に拡大してしまった。

不況もまた人を殺す。


イギリスのボリス・ジョンソン首相は、イタリアやフランスと違って、学校を休校にせず、国民の6割が感染して集団的免疫を獲得し、パンデミックを鎮静化させるという思い切った方針を打ち出した。

この場合、全英の人口の5%が重症化し、さらに0.4%に当たる27万人が死亡すると予測されているが、封じ込めに失敗したら、それしか方法がないのも事実で、感染者が次第に増えている日本は、はたしてどうなるのか、緊張ばかりが高まる。


リーマンショック後、政府は15.4兆円の国費を投入したが、今回はそれ以上の財政出動と大胆な減税が必要となるだろう。
posted by 城戸朱理 at 13:06| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする