私が行きつけにしている京都の「ごだん宮ざわ」の宮澤政人さんは、スペイン料理に魅了され、毎年、スペインに出かけているほどだが、5月末にスペインからシェフを招き「ごだん宮ざわ」で、スペイン料理の宴を催すことになっていた。
私も予約をしていたのだが、コロナ禍でシェフが来日できなくなり、かわりに宮澤さんの一番弟子で「じき宮ざわ」の料理長、泉貴友さんが、フレンチのシェフを呼び、ミシュラン・シェフふたりの競演という企画にかわったのだが、緊急事態宣言のため、こちらも中止に。
残念に思っていたら、バンビことパンクな彼女が「じき宮ざわ」で通販を始めたというので、さっそく注文してみた。
届いたのは、4月22日。
名物の「焼き胡麻豆腐」と、じゃこを白味噌で炊いた「粒味噌ちりめん」、それに「クエの山菜鍋」である。
「クエの山菜鍋」は、「幻の魚」クエに鶏つくね、花山椒を始めとして白子筍、うるい、わらびと盛りだくさん。
特製の出汁を土鍋にあけて、まずは根菜を入れ、あとは好みの具を煮て食するのだが、山椒出汁の香りが部屋に満ち、京都の気分を味わうことができた。
クエの美味しさは言うまでもないが、鶏つくねも素晴らしい。
「クエはひとり四切れだよ!
鶏つくねは、ひとり三個だからね!」
バンビも、久しぶりの京料理に大喜びしている。
次に京都に行けるのは、いつになるか分からないが、自宅で「じき宮ざわ」のお料理をいただけるのはありがたい。
コロナ禍を忘れて、酒を酌むことができた。