

鎌倉のアンティークショップは、住宅街のなかにひっそりと営業している店が多く、知らないとたどり着けない。
2018年に表参道から移転した「artique kamakura」も、そんな一軒。
大正時代に建てられたお屋敷がそのままアンティーク・ショップになっているのだが、立ち入り禁止の私道にあるので、偶然、通りかかることもない。
由比ヶ浜からの海風が入る古民家は、それ自体が見物だが、扱っているのはフランスで買いつけたアンティーク。
純和風の屋敷にフランスの古物が調和しているのは不思議な気もするが、それも古物に滞留する時間が共鳴しているからなのだろう。
店内は広く、さまざまなアンティークが並ぶ。
バンビことパンクな彼女は、写真家だけに60年ほど前の手札サイズの小さな家族アルバムに見入っていた。
私が選んだのは、透明感のある明るいグリーンが美しい南仏のお皿とリヨンで仕入れたという綺麗なブルーのリネン。
お皿は50年ほど前のものらしいから、アンティークではなくブロカント、リネンはそんなに古いものではないと思うが、麻の質感も発色も素晴らしい。
バンビお気に入りのアルバムといっしょに求めたのだが、いつもの散歩コースに、こんなお店ができたのは実にありがたい。
いずれ、古物好きの友人と訪れてみたいものだ。