サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jp のロゴ
城戸朱理のブログ: ウンガレッティとエリオット

2005年09月14日

ウンガレッティとエリオット

ウンガレッティとエリオットには、思いがけない共通点がある。
ともに20世紀初頭のパリに学び、
哲学者、ベルグソンの講義を聞いて、大きな影響を受けていること。
(ベルグソンの影響からエリオットは、博士課程を文学から哲学に変更しているほどである。
しかし、その影響はエリオットに関しては、永続的なものではなかったが。)
また、フランス象徴主義の影響から、意識的な詩作を始めていることである。
しかし、興味深いことに、エリオットは、フランス象徴主義の詩人たちのうちで、
ジュール・ラフォルグの影響をもっとも強く受けたのに対して、
ウンガレッティは、マラルメとの出会いが決定的なものであって、
ラフォルグからは、まったく影響を受けなかったという。
そのことが、ウンガレッティをエルメティズモの詩人たちのなかで、特別な存在にしたことを思うと、
ひとりの詩人の生成には、やはり運命的なものがあると言わざるをえない。
「パリのアフリカ人」を自称したウンガレッティは、
アポリネールやブルトンらと交友したが、
モジリアーニやキリコらの画家とも深い交わりを持った。
誰もが、若く貧しい時代だったという。
そのことは、後代から見ると、輝かしい伝説なわけだが、
その現場を生きているときには、希望以外の何も手にはないような
苦しみの季節にほかならないのだと思う。



posted by 城戸朱理 at 01:13| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする