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城戸朱理のブログ: 美味しい話

2017年04月17日

高柳克弘・神野紗希さんと「ごだん宮ざわ」へ、その2

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お造りは、有機栽培の藁で焙った初鰹。

器は、古唐津の向付だが、お造りを向付に盛りつけるという自由な発想は、宮澤政人さんならでは。


焼き物は、太刀魚の塩焼きで、皮目に細かく包丁が入り、焼き加減は、これ以上はなしという見事さだった。

器は、古染付の羅漢図皿である。


さらに、みがき胡麻、吉野葛に昆布を練り上げた、名物の焼き胡麻豆腐が出て、おしのぎは、自家製カラスミをたっぷりとすりおろした手打ち蕎麦。

焼き胡麻豆腐とカラスミ蕎麦は、じき宮ざわ、ごだん宮ざわの定番である。


揚げ物は、アブラメとコシアブラだった。

関東では「アイナメ」と呼ぶが、京都では、東北と同じく「アブラメ」と呼ぶ。

私も子供のころ、よく海で釣ったものだった。

山菜の女王と呼ばれるコシアブラは、昔、その樹脂を取って塗料として使ったとこらから、そう呼ばれるようになったそうだ。

脂が乗ったアブラメは、山菜とよく合う。
posted by 城戸朱理 at 13:54| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高柳克弘・神野紗希さんと「ごだん宮ざわ」へ、その1

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高柳克弘さん、神野紗希さんの四季の吟行も、今回ですべて撮り終えることができた。

打ち上げの席は、いつものように、ごだん宮ざわである。

神野さんは、今回、京都に着いた日の昼に、御両親を還暦祝いで、ごだん宮ざわにお連れしたそうだ。


まずは、煎米茶。

染付の小碗は初見だが、加藤静充さんだろうか。


古伊万里の蓋物で出された先付けは、帆立の酒煮、トマトの玉締め、黄身酢がけ。

トマトの酸味だけを引き出した茶碗蒸しで、あらかじめトマトと聞いていなければ、何なのか分からなかったかも知れない。

目が覚めるような酸味を黄身酢が包み込む。


螺鈿の見事なお椀は、本ミル貝とアスパラで、軽く焙ったミル貝の甘みが素晴らしい。


話が弾み、酒も進む。
posted by 城戸朱理 at 13:53| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

迷走するロケ弁当?

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高柳克弘・神野紗希篇のディレクターは、赤塚敏史さん。

井上春生監督は、プロデューサーに専念した。

井上監督は、昼食のお弁当を、JR伊勢丹の老舗弁当売場に買いに行くので、アシスタント・プロデューサーのバンビことパンクな彼女について来て欲しいと言う。

しかし、プロデューサーとアシスタント・プロデューサーのふたりが現場から欠けるのは、問題である。

私が井上監督と一緒に行こうとしたら、「プロデューサーと企画・監修者のふたりがいなくなるほうが問題だよ!」とバンビ。

たしかに、何か問題が発生したときに備えて、私か井上監督のどちらかは現場にいたほうがいい。

しかし、ロケ弁当で、こんなに揉める現場って何なんだろう?


結局、井上監督とバンビが、お弁当を調達に行き、はつだの和牛焼肉弁当やなだ万のお弁当を買って帰ってきた。

私と赤塚敏史ディレクター、ヘアメイクの立花美香さんは、せっせと味噌汁作り。

よく考えると、それも奇妙な眺めである。


カメラを始めとするテクニカルスタッフは、全員、迷わず焼肉弁当を選ぶ。

重い機材を担いで動き回り、体力を使うだけに、やはり焼肉なのだろう。


高柳さんは、なだ万のお弁当、私は京料亭・わらびの里のお弁当を選んだ。

選んだというよりは、最後に残ったものにしただけなのだが。


出演者とスタッフに対する井上監督の配慮はありがたいが、プロデューサーが、お弁当の手配に走るという不思議な現場である。


もっとも、3年前には水原紫苑さんのために、その年だけ予約販売した「ごだん宮ざわ」の花見弁当を、プランナーの私が受け取りに走ったこともあるのだが。


いささかヘンな現場だが、出演者やスタッフに喜んでもらえるように、余計な手間もかけるのが、井上春生流である。
posted by 城戸朱理 at 08:04| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月16日

鰻の江戸川で

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鞍馬寺も下鴨神社も、あまりに寒かったので、いったんホテルに戻って、暖を取った。

冬に寒いのは当たり前だが、京都は春や秋でも、かなり冷え込むことがある。


夕食は、花遊小路の鰻屋、江戸川を予約した。

高柳克弘さんは浜松生まれで鰻好き、神野紗希さんも、お祝い事があると家族で鰻屋に行ったというくらいだから、一度は鰻屋にと思ったからである。


江戸川では、鰻のさまざまな部位を串焼きで食べさせてくれるので、ビールで乾杯して、レバー、肝、ヒレ、くりから、あかばら、しろばらと、串焼きをひと通り頼む。

ニラをヒレで巻いたものや、塩で食べる串焼きなど、蒲焼きとは違う趣きがあって、鰻串で飲むのは、実に楽しい。


さらに白焼きで日本酒。

春寒なので、熱燗が染みる。


最後は、鰻丼と肝吸い。

江戸川という店名から分かるように、この店は、蒸してから焼く江戸前仕立て。

タレも辛めで、酒に合う。
posted by 城戸朱理 at 09:08| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鞍馬寺門前で昼食

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三千院ロケのときの古民家レストラン・わっぱ堂での昼食に懲りたのか、この日の昼食は予約をせず、鞍馬寺の門前の店に入った。

生湯葉がお勧めというので、高柳克弘さんは生湯葉定食。

鹿と猪の串カツがメニューにあったので、ひと皿ずつもらう。


私は、かやく御飯定食にした。

川魚に胡麻豆腐、生湯葉、切り干し大根が付き、かやく御飯も上品な仕上がり。

やはり、ロケ中の昼食は、これくらいがちょうどいい。
posted by 城戸朱理 at 08:27| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月15日

御所南の肉専科はふう

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水原紫苑さんの撮影は、井上春生監督のラテン的なランチのチョイスにもかかわらず、ほぼ予定通りに終わった。

桜の季節だけに、京都は物凄い混雑で、道も渋滞しているから、車だと時間が読めない。

バンビことパンクな彼女の提案で、最寄り駅までロケバスで送ってもらい、地下鉄で京都駅へ。

水原さんは、昼食がボリュームがあったので、夕食のお弁当はいらないとのことだったが、ゲストを手ぶらで返すわけにはいかない。

翌日でも食べられるように、日持ちする吉野の柿の葉寿司を渡して、お見送りした。


バンビといったん糸屋ホテルに戻って小憩。

明日からは、高柳克弘・神野紗希夫妻の撮影で、御夫妻は、すでに京都入りされている。

しかも、一歳になったばかりの純くん同伴なので、撮影中に純くんの世話をするため、紗希さんの御両親が愛媛から来て下さった。


一家5人が、ひと部屋で泊まれるように、バンビが手配したのは、12名まで宿泊可能なシャトレーイン京都の8畳・8畳・6畳の3部屋がつながった22畳の和室である。


神野さんをシャトレーイン京都まで迎えに行き、御所南の肉専科はふうへ。

今回、夕食を何にするかは、あらかじめ、高柳さん、神野さんと相談して決めたのだが、神野さんの「お肉がいいですね」というリクエストで、初日は、和牛ステーキとビフカツで有名な肉専科はふうを選んだ。

「鷹」の句会に参加していた高柳さんも、遅れて合流し、まずはビールで乾杯。


料理は牛スネ肉の叉焼から始まり、真鯛のカルパッチョ、白味噌仕立てのポタージュと続く。

東京とは比較にならないほど京都人は牛肉好きで、ステーキ屋、焼肉屋が多いが、カツもトンカツではなく、ビフカツが主流である。

メニューを見て、検討した結果、和牛ヒレステーキとビフカツを頼んで、取り分けることにした。

赤ワインを飲みながら、待つことしばし。


登場したステーキとビフカツは、サシが少ない赤身で、箸で切れるほど柔らかく、噛むと、肉汁がじわりと広がる。

ステーキには、胡麻だれ、ポン酢、ニンニク醤油と3種のタレが添えられていたが、塩だけで十分に美味い。


お店は、満席だったが、人気があるのも当然だろう。


純くんが生まれてから、外食する機会がなかったという高柳・神野夫妻と、京都で再会できたのは何よりだった。
posted by 城戸朱理 at 07:40| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月14日

井上春生監督の誤算、その1

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大原の三千院では、水原紫苑さんが、山門をくぐるまでの道行きを撮影し、昼食の時間になった。


ロケの前に、井上春生監督が、「紫苑さんのために、よさそうな店を予約しました!
古民家で京野菜の料理を出してくれるんです!」と熱く語っていたのだが、それが「わっぱ堂」。

大原の寂光院の近く、山あいに建つ築130年の古民家で、無農薬の有機野菜とお米を使った料理を供してくれるのだという。

店主自ら、野菜を生産・販売しているそうだから、農業とレストランが直結していることになる。


あまり改装が入っていない店内は、まさに古民家。


まずは、前菜に5種類の野菜料理が出た。

聖護院大根と金時人参にお揚げを炊いたものなど、出汁も見事で、「美味しい」という声が女性陣から挙がる。

続いて、春キャベツのグラタン。

白味噌を使った和風のグラタンで、これも春キャベツの美味しさが際立つ。

ここまでは、よかった。

続いて、岩魚のカルパッチョ。

岩魚のお造りは、私も初めてだが、癖がなく、もっちりした身は、絶品。

たっぷり添えられた野菜と梅酢の酸味が効いたソースも素晴らしかった。

しかし、時間の制約があるロケの昼食にしては、品数が多すぎないか?
posted by 城戸朱理 at 08:05| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

井上春生監督の誤算、その2

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それが次のひと品で決定的になった。

石窯で焼いた高菜と九条ネギのピザである。

薄手のクリスピーな生地で、これも美味しかったが、終わりが見えない。

さすがに井上春生監督も焦り始め、厨房に早く出してくれるよう、お願いしに行った。


そして、ひと抱えもあるような尺皿で供されたのが、炭火で、じっくりと焼き上げた地鶏と芹の入っただし巻き玉子に春野菜の天ぷら。

素材も料理も素晴らしいが、ほとんど和食のフルコースである。

本来なら、白ワインをボトルでもらって(?)、2時間ほどかけて、ゆっくりといただく料理だろう。

早め早めに出してもらったが、当然、時間は押してくる。


ようやく、御飯になったのだが、これが焼きお握りの野菜餡かけで、時間がないのを忘れてしまうほど美味しい。

完全に井上監督の誤算である。

しかし、御飯で終わりではなかった。

デザートは、アイスクリームにショウガで香りをつけたカラメルをかけたもの。

アイスクリームも自家製なのだろうか、実に濃厚で、ショウガのカラメルも効いている。

「お腹がいっぱいで、眠くなってきたよ!
これで、お昼寝できたら最高だね!」とバンビことパンクな彼女。


たしかに、美味しかったが、ロケ途中の昼食がこれで、いいのだろうか?
posted by 城戸朱理 at 08:05| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月13日

水原紫苑さんと「ごだん宮ざわ」へ、その2

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「城戸さん、宮澤さんの料理をいただいていたら、肩凝りが消えました!」と井上春生監督。

そういえば、初めて「ごだん宮ざわ」に来たときも、井上監督は扁頭痛が消えたことがあったっけ。

吉増剛造さんを初めて、ごだん宮ざわにお連れしたときも「お薬のような料理だねえ」とおっしゃっていたが、宮澤さんの料理には、ヒーリング効果があるのかも知れない。


燗をつけてもらったら、明の染付けの瓢徳利が出た。

私は、自宅では備前や唐津など土物の徳利を使っているが、この徳利は、わずかに首が傾ぎ、いかにも酒席にふさわしい姿で、磁器の徳利も悪くないと思った。


焼物は、サワラの塩焼き。

身はぎりぎりの加熱で、ふうわりと、皮目はよく焙ってぱりぱりに仕上げられている。

たんなる焼魚が、こんなに美味しいというだけでも驚くが、水原紫苑さんも感嘆の声を挙げていた。

バンビことパンクな彼女は、珍しい雲型の器を気に入っていたが、これは明代に龍泉窯で焼かれた青磁で、七官青磁と呼ばれるものである。

たしか、宮澤さんが上京したおりに、日本橋の骨董屋で求めたものだったはず。


続いて、蕗の薹を練り込んだ焼き胡麻豆腐。

焼き胡麻豆腐は、「じき宮ざわ」が開店したときからの名物だが、宮澤政人さんにとって二軒目の店となる「ごだん宮ざわ」になってから、季節の野菜を練り込み、素晴らしい風味が味わえるようになった。


おしのぎは、自家製カラスミをたっぷりとすりおろした手打ち蕎麦。

カラスミが李朝初期の白磁皿に映える。

水原紫苑さんが喜ばれていたが、水原さん、カラスミがお好きらしい。


揚物は太刀魚の天ぷらで、新タマネギのお浸しが添えられている。

太刀魚はもちろん、甘酢で和えた新タマネギも好評だった。

器は、初見の楽焼きだったが、これは楽十二代弘入だろうか。

料理に気を取られて、確認しなかったのが情けない。
posted by 城戸朱理 at 10:22| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

水原紫苑さんと「ごだん宮ざわ」へ、その1

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撮影は順調に進み、糸屋ホテルに戻って小憩。

夕食は、水原紫苑さんのために「ごだん宮ざわ」を予約した。


まずは、楽九代了入の赤楽筒で煎米茶が出て、先付けは、贅沢にも蒸しアワビ。

ウルイと叩きワラビがあしらわれている。

アワビは、なんとも柔らかく、豊かな味わいだったが、丹波産とのこと。

器は明末清初の古染付だが、これは、昨秋に、宮澤政人さんが行きつけの骨董屋さんで撮影したとき、宮澤さんが一目惚れして買われた絵替わり羅漢図の五客のうちのひとつ。

私が教えたら、「気づかなかった!」と井上春生監督が喜ぶ。


華やかな秀衝塗りのお椀は、鯛とウルイ、百合根のすり流しで、みんな、目を閉じて味わっていた。


お造りは、無農薬の藁で、軽く焙ったシビマグロと北海道産塩水ウニ。

山口県安岡産の地ネギとミョウガがあしらわれている。

マグロのなかでも、もっとも珍重される黒マグロは、本マグロとも呼ばれるが、出世魚で、京都で好まれる幼魚がヨコワ、さらにメジマグロ、チュウボウマグロ、100kg以上になるとシビマグロと呼び名が変わる。

マグロの旨みを藁の香りが包み、みんなから歓声が挙がった。

器は李朝初期の刷毛目鉢。

聞くと、出会うたびに求め、今では刷毛目鉢は4客あるそうだ。
posted by 城戸朱理 at 10:21| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月12日

昼食のお弁当

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今回のロケでは、井上春生監督がディレクター、高柳克弘・神野紗希篇のディレクターをつとめる赤塚敏史さんが、制作に回った。


井上監督の指示で、赤塚さんが、昼食のお弁当を調達してきたのだが、なんとJR伊勢丹の老舗弁当売り場に行ったものだから、吉兆や下鴨茶寮、二傳など、ロケ弁当とは思えない老舗料亭のお弁当が並んだ。

井上監督の水原紫苑さんへの配慮なのだろう。


アシスタント・プロデューサーとして参加しているバンビことパンクな彼女の発案で、ロケ弁当のときにはインスタント味噌汁を準備するようになったが、肌寒い日には、これが嬉しい。
posted by 城戸朱理 at 08:15| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月11日

春のごだん宮ざわ、その3

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別の日本酒を頼んだら、今度は李朝の刷毛目徳利で出た。

白泥がたっぷりとかかり、粉引の風格がある。

初見だったので、尋ねたところ、宮澤政人さんが懇意にしている骨董屋さんが、お店で使って味をつけてくれと置いていったものなのだとか。

刷毛目や粉引は、使うほどに白泥に酒が染み、味わいを増すので、賢いやり方だと感心してしまった。


土鍋で炊き上げた御飯は、まずは煮えばなをひと口。

おかわりをすると、煮えたお米が、蒸らされて次第に御飯に変わっていくのが分かる。

漬物も白味噌で炊いたじゃこも美味しい。


水菓子は、甘みの強い佐用姫みかん、イチゴは佐賀ほのか、さらに加賀産のキウイ。

最中をいただくと、宮澤さんが、お薄を点ててくれる。

茶碗は、春の野を描いた尾形乾山だった。

蓋付きで、本来は煮物などを盛る食器として作られたものだが、春の替え茶碗にふさわしい。


花冷えが続くが、春の味覚をいただいて、気持ちが解れていくようだった。
posted by 城戸朱理 at 11:07| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

春のごだん宮ざわ、その2

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名物の焼き胡麻豆腐は、蕗の薹を練り込み、蕗の薹の天ぷらを添えてあって、ほのかな苦みが後を引く。

日本酒は、京都の加藤静充さんの初期伊万里写しの徳利で出たが、本歌と見紛う出来である。


揚げ物は、とろけるようなノドグロとタラの芽の天ぷらで、甘酢で和えた新タマネギのお浸しも美味しかった。

器は、古染付の羅漢図皿。


さらに、菜の花、フルーツトマト、アスパラの黄身酢がけにタコとウドが出て、天ぷらのあとの箸休めになった。


おしのぎは、蒸し上げたばかりの餅米に大きく切った自家製カラスミを乗せた定番の飯蒸しで、もう何も言うことはない。


最後の料理は、熊肉と芹の小鍋立てで、熊から、ほっこりといい出汁が出るのは驚くばかりである。
posted by 城戸朱理 at 11:07| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

春のごだん宮ざわ、その1

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夕食は行きつけの「ごだん宮ざわ」に予約しておいた。

カウンター8席、個室5席という小体な店だが、ミシュラン・ガイドを始めとして、雑誌などメディア露出が著しく増えたため、予約が取りにくくなったのは、喜ばしくも悩ましい。

この日は、御家族とおぼしき中国の観光客6人連れがカウンターを埋め、私はいちばん右端の席に座った。


目の前には本阿弥光悦のお軸に尾形乾山の香炉。

いちばん好きな席である。


まずは、福井の早瀬浦を一献。

先付けは、軽く焙った本ミル貝にコゴミとフキの土佐酢がけ。

まさに春の味覚で、器は明末清初に中国、景徳鎮で焼かれた初見の古染付輪線文皿である。

この日の器使いは、古染付が中心だった。


お椀は、筍とハマグリにワカメで、山椒が香り立つ。

続くお造りも古染付の網手文皿。

無農薬の藁で焙った初鰹に石鯛、北海道産の塩水ウニに、山口県安岡特産の地ネギとミョウガをあしらい、吉野葛でとろみをつけた土佐醤油が添えられている。

たんなるお造りを超えた創作料理で、御主人の宮澤政人さんならではの工夫が嬉しい。


焼き物は、金目鯛の若狭焼き。

若狭焼きは、醤油と酒を合わせて、掛け回したものだが、金目鯛によく合っていた。


器は、尾形乾山の銹絵角皿で、これも初めて見る器である。
posted by 城戸朱理 at 11:06| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

新幹線の車中で

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4月6日(木)。

品川駅から東海道新幹線に乗った。


吉増剛造さんが、東京駅では「深川めし」、横浜駅なら崎陽軒の「焼売弁当」を買うとおっしゃっていたのを思い出し、品川駅で「深川めし」を選んだ。


あさりの出汁の炊き込み御飯に穴子とハゼの甘露煮が乗ったお弁当だが、深川飯は、もともとは深川の漁師料理。

あさりを炊き込んだものとあさりとネギの味噌仕立ての汁を御飯にかける二種類があるが、小鍋立てにすると酒の当てにもよい。


駅弁の「深川めし」は、吉増さんが「ちょうどいい」とおっしゃっていたように、量的にも軽めで、たしかに、ちょうどよかった。
posted by 城戸朱理 at 17:27| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月08日

うこぎのほろほろ

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「うこぎのほろほろ」は、岩手の郷土料理。

生垣などにも使われるうこぎの新芽を摘んで、さっと茹で、みじん切りにした鬼グルミ、大根の味噌漬けを混ぜ、これを炊きたての御飯にのせて食べる。

盛岡だと、八百屋でもうこぎの新芽が売られているが、ほろ苦いうこぎと濃厚なクルミの旨みに味噌漬けがアクセントになる春の味覚だ。

とはいえ、小学校の低学年のときに食べたのが最後だったかも知れない。


「うこぎのほろほろ」は、その名の通り、クルミも味噌漬けもほろほろになるまで細かくみじん切りにするのがコツ。

塩味は、味噌漬けの量で調整する。


『聞き書き 岩手の食事』(農文協)によると、岩手では、戦前まで「美味しい」という意味で「クルミの味がする」と言ったそうだ。

昔は、不足しがちだった脂肪分を多く含んでいるからだろうが、石川啄木や宮澤賢治も「うこぎのほろほろ」を食べたのではないだろうか。

子供のころ、母に言われて、うこぎの新芽を夢中で積んだのも懐かしい。


鎌倉では、うこぎは目にしないし、八百屋で売っているはずもないが、うこぎの新芽をセロリの葉で代用できると聞いて、試しに作ってみた。


セロリの葉を洗って、さっと茹でてから水に放ち、細かく刻む。

さらに、バンビことパンクな彼女が取り寄せたクルミを刻み、やはりバンビが盛岡で買った3年物の大根の味噌漬けを刻んで混ぜた。

セロリ特有の香りはあるが、うこぎに似たほろ苦さもあって、たしかに「うこぎのほろほろ」に近い。


バンビに試食させたところ、「これは美味しい! 何なのかな?」と好評だった。

セロリの葉は、野菜屑のフォンを取ってミネストローネを作るときや、夏野菜の煮込み、カポナータを作るときしか使わないが、こうして「セロリの葉のほろほろ」を作ると美味しいうえに、無駄にならない。

これからも、セロリを買ったときは作ることにしよう。
posted by 城戸朱理 at 17:34| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

ホタルイカと空豆のオリーブオイル炒めとミスティカンツァ を仕込んで

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コッコ・バンを仕込む間に、ホタルイカと空豆のオリーブオイル炒めを作った。


オリーブオイルでみじん切りにしたニンニクとアンチョビを炒め、アンチョビが溶けたところでホタルイカと、茹でて皮を剥いた空豆を加える。

これは、昨年も作ったが、澁澤龍子さんが気に入られていたので、今年もメニューに加えた。

もう一品は、ミスティカンツァ。

ミスティカンツァとは、イタリア中部で、さまざまな野草を混ぜたものを言う。

日本の春の七草のようなもので、サラダで食べることが多いが、今回は、ニンニクと鷹の爪をオリーブオイルで炒め、キャベツ、小松菜、アスパラガス、蕗の薹を炒め煮にした。

軽く塩・胡椒で調味するのだが、これを薄切りのバゲットにのせ、アンチョビをひと切れのせて食すると、ワインに合うのだ。

家庭料理というものは、どの国であっても完成されたレシピがあるものだと、しみじみ思う。


澁澤龍彦邸でのパーティーは、龍子さんの好みに合わせて、赤ワインに合うものを作るようにしている。
posted by 城戸朱理 at 09:59| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コッコ・バン(鶏の赤ワイン煮)を仕込む

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澁澤龍彦邸での春のパーティーのために、コッコ・バン(鶏の赤ワイン煮)を仕込んだ。

コッコ・バンは、フランスのポピュラーな家庭料理で、家によって味つけが違う。

その意味では、フランスの家庭の味ということになるが、私のレシピは、ごく単純。


骨付きの鶏腿肉に塩・胡椒してバターで焼き色をつける。

かたわらで、タマネギのみじん切りを透明になるまで炒め、鶏腿肉、小麦粉、赤ワイン1本を加えて、ワインが3分の1になるまで煮込む。

そこに水とローリエを加えて、さらに煮込み、塩で調味して完成。

最後に炒めたエリンギを入れた。


アシスタントは、バンビことパンクな彼女である。

バンビに、ストックしてあるワインから、1本選ぶように言ったら――


「この汚いラベルのワインを使ったら、どうかな?」
・・・

それは、1982年と89年のヴィンテージワインではないか!

「じゃあ、この地味なラベルの新しいワインにするよ!」


バンビが手にしたワインを見たら、ジュヴレイ・シャンベルタン2013だった!?

これも、煮込み料理に使うワインではないのは言うまでもない。


もし、バンビに任せたら、このワインを使われたかも知れない。

パンクだから仕方がないが、より厳重な警戒が必要である。
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2017年03月26日

忍者アイス!?

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クルベル・キャンのカウンターに座ったら、バーテンダーの馬場さんが、氷をナイフで削っていた。


1996年に「IBA 世界カクテルコンクール」で日本人初の世界チャンピオンとなり、その名を轟かせたバーテンダー、岸久(きし・ひさし)さんの創案になるダイアモンド・アイスである。

岸さんは、日本バーテンダー協会の会長をされており、お店は銀座の並木通りにある「スタア・バー」。

私は、旧友の数寄屋橋BIRD LAND店主、和田利弘さんに連れていってもらったことがある。


ダイアモンド・アイスは、ブリリアントカットのように面取りした氷で、お酒を注ぐと見えなくなるため、忍者アイスとも呼ばれる。

たいへんな手間がかかるので誰にでも出すわけではなく、客が選んだ酒と飲み方に合わせて使うらしい。


バンビことパンクな彼女が、シングルモルトを頼んだら、馬場さんがスペイサイドのシングルモルトを忍者アイスに注いでくれた。

しかも、固く凍っているので、少し室温になじませてからスコッチを注ぐという念の入れ方で、いきなり常温の酒を注ぐと氷が割れてしまうのだそうだ。


日本のバーテンダーの細心さや緻密さは、世界的に有名で、海外から修行に来る人も少なくないが、馬場さんを見ていても、それは納得できる。

バンビは、丁寧な仕事ぶりに「癒されるね!」と感嘆していたが、男前な仕事ぶりを見ているのは、実に気持ちがいい。
posted by 城戸朱理 at 15:01| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クルベル・キャンで

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3月24日(金)。

バンビことパンクな彼女が、更新したパスポートを横浜に取りに行っている間に、髪を切ろうと思ったのだが、いつもカットをお願いしているユアーズは、予約が取れず、鎌倉駅西口のたらば書房を覗いて、気になる新刊3冊を購入。

明日は友人の結婚式と披露の宴がある。

やはり、散髪くらいしておこうと思って、東急ストア内のイレブン・カットでカットしてもらった。

ここは、QBハウスの美容室版。

理容師と美容師は、別の資格で、カットの基本も違えば、美容師は剃刀を当てることが出来ないといった違いもあるそうだ。

QBハウスは、10分で散髪してくれるが、イレブン・カットは、11分。

ユアーズで、いつものようにカットとヘッドスパを頼むと1時間半くらいかかるが、イレブン・カットなら、シャンプーを追加しても20分。

時間がないときは、やはり便利だ。


バンビとは、6時にクルベル・キャンで待ち合わせ、久しぶりに軽く飲むことにした。


頼んだのは、真鯛のカルパッチョにスタッフド・マッシュルームの石窯グリル。

マッシュルームには、叩いた黒オリーブとアンチョビが詰められている。

私は、ジントニック、バンビはジンリッキーから始めたが、続いてプロセッコをグラスでもらって、ミラノ風カツレツを。

カツレツは、私も作ることがあるが、中まで火が通らなくてもいいように、ステーキ用の牛肉を使うのがもっぱらで、それに赤ワインを煮詰めたソースを添える。

クルベル・キャンのミラノ風カツレツは、薄く叩いた鶏肉を使っており、ビールや白ワインと相性がいい。


最後はスコッチにかえて、パスタは、ホタルイカと春キャベツのスパゲッティを。

春キャベツの甘みをホタルイカの濃厚な旨みが包み、素敵な春の味覚で、バンビが大いに喜んでいた。


最近、藤沢周氏が顔を出さないそうだが、藤沢さんは、忙しいうえに、引越ししたばかりだから余裕がないのだろう。

そういう私も、久しぶりで、クルベル・キャンに寄ると、必ずのように誰かがいた頃が、今になると懐かしい。
posted by 城戸朱理 at 12:34| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする