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城戸朱理のブログ: 美味しい話

2017年04月14日

井上春生監督の誤算、その2

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それが次のひと品で決定的になった。

石窯で焼いた高菜と九条ネギのピザである。

薄手のクリスピーな生地で、これも美味しかったが、終わりが見えない。

さすがに井上春生監督も焦り始め、厨房に早く出してくれるよう、お願いしに行った。


そして、ひと抱えもあるような尺皿で供されたのが、炭火で、じっくりと焼き上げた地鶏と芹の入っただし巻き玉子に春野菜の天ぷら。

素材も料理も素晴らしいが、ほとんど和食のフルコースである。

本来なら、白ワインをボトルでもらって(?)、2時間ほどかけて、ゆっくりといただく料理だろう。

早め早めに出してもらったが、当然、時間は押してくる。


ようやく、御飯になったのだが、これが焼きお握りの野菜餡かけで、時間がないのを忘れてしまうほど美味しい。

完全に井上監督の誤算である。

しかし、御飯で終わりではなかった。

デザートは、アイスクリームにショウガで香りをつけたカラメルをかけたもの。

アイスクリームも自家製なのだろうか、実に濃厚で、ショウガのカラメルも効いている。

「お腹がいっぱいで、眠くなってきたよ!
これで、お昼寝できたら最高だね!」とバンビことパンクな彼女。


たしかに、美味しかったが、ロケ途中の昼食がこれで、いいのだろうか?
posted by 城戸朱理 at 08:05| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月13日

水原紫苑さんと「ごだん宮ざわ」へ、その2

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「城戸さん、宮澤さんの料理をいただいていたら、肩凝りが消えました!」と井上春生監督。

そういえば、初めて「ごだん宮ざわ」に来たときも、井上監督は扁頭痛が消えたことがあったっけ。

吉増剛造さんを初めて、ごだん宮ざわにお連れしたときも「お薬のような料理だねえ」とおっしゃっていたが、宮澤さんの料理には、ヒーリング効果があるのかも知れない。


燗をつけてもらったら、明の染付けの瓢徳利が出た。

私は、自宅では備前や唐津など土物の徳利を使っているが、この徳利は、わずかに首が傾ぎ、いかにも酒席にふさわしい姿で、磁器の徳利も悪くないと思った。


焼物は、サワラの塩焼き。

身はぎりぎりの加熱で、ふうわりと、皮目はよく焙ってぱりぱりに仕上げられている。

たんなる焼魚が、こんなに美味しいというだけでも驚くが、水原紫苑さんも感嘆の声を挙げていた。

バンビことパンクな彼女は、珍しい雲型の器を気に入っていたが、これは明代に龍泉窯で焼かれた青磁で、七官青磁と呼ばれるものである。

たしか、宮澤さんが上京したおりに、日本橋の骨董屋で求めたものだったはず。


続いて、蕗の薹を練り込んだ焼き胡麻豆腐。

焼き胡麻豆腐は、「じき宮ざわ」が開店したときからの名物だが、宮澤政人さんにとって二軒目の店となる「ごだん宮ざわ」になってから、季節の野菜を練り込み、素晴らしい風味が味わえるようになった。


おしのぎは、自家製カラスミをたっぷりとすりおろした手打ち蕎麦。

カラスミが李朝初期の白磁皿に映える。

水原紫苑さんが喜ばれていたが、水原さん、カラスミがお好きらしい。


揚物は太刀魚の天ぷらで、新タマネギのお浸しが添えられている。

太刀魚はもちろん、甘酢で和えた新タマネギも好評だった。

器は、初見の楽焼きだったが、これは楽十二代弘入だろうか。

料理に気を取られて、確認しなかったのが情けない。
posted by 城戸朱理 at 10:22| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

水原紫苑さんと「ごだん宮ざわ」へ、その1

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撮影は順調に進み、糸屋ホテルに戻って小憩。

夕食は、水原紫苑さんのために「ごだん宮ざわ」を予約した。


まずは、楽九代了入の赤楽筒で煎米茶が出て、先付けは、贅沢にも蒸しアワビ。

ウルイと叩きワラビがあしらわれている。

アワビは、なんとも柔らかく、豊かな味わいだったが、丹波産とのこと。

器は明末清初の古染付だが、これは、昨秋に、宮澤政人さんが行きつけの骨董屋さんで撮影したとき、宮澤さんが一目惚れして買われた絵替わり羅漢図の五客のうちのひとつ。

私が教えたら、「気づかなかった!」と井上春生監督が喜ぶ。


華やかな秀衝塗りのお椀は、鯛とウルイ、百合根のすり流しで、みんな、目を閉じて味わっていた。


お造りは、無農薬の藁で、軽く焙ったシビマグロと北海道産塩水ウニ。

山口県安岡産の地ネギとミョウガがあしらわれている。

マグロのなかでも、もっとも珍重される黒マグロは、本マグロとも呼ばれるが、出世魚で、京都で好まれる幼魚がヨコワ、さらにメジマグロ、チュウボウマグロ、100kg以上になるとシビマグロと呼び名が変わる。

マグロの旨みを藁の香りが包み、みんなから歓声が挙がった。

器は李朝初期の刷毛目鉢。

聞くと、出会うたびに求め、今では刷毛目鉢は4客あるそうだ。
posted by 城戸朱理 at 10:21| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月12日

昼食のお弁当

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今回のロケでは、井上春生監督がディレクター、高柳克弘・神野紗希篇のディレクターをつとめる赤塚敏史さんが、制作に回った。


井上監督の指示で、赤塚さんが、昼食のお弁当を調達してきたのだが、なんとJR伊勢丹の老舗弁当売り場に行ったものだから、吉兆や下鴨茶寮、二傳など、ロケ弁当とは思えない老舗料亭のお弁当が並んだ。

井上監督の水原紫苑さんへの配慮なのだろう。


アシスタント・プロデューサーとして参加しているバンビことパンクな彼女の発案で、ロケ弁当のときにはインスタント味噌汁を準備するようになったが、肌寒い日には、これが嬉しい。
posted by 城戸朱理 at 08:15| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月11日

春のごだん宮ざわ、その3

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別の日本酒を頼んだら、今度は李朝の刷毛目徳利で出た。

白泥がたっぷりとかかり、粉引の風格がある。

初見だったので、尋ねたところ、宮澤政人さんが懇意にしている骨董屋さんが、お店で使って味をつけてくれと置いていったものなのだとか。

刷毛目や粉引は、使うほどに白泥に酒が染み、味わいを増すので、賢いやり方だと感心してしまった。


土鍋で炊き上げた御飯は、まずは煮えばなをひと口。

おかわりをすると、煮えたお米が、蒸らされて次第に御飯に変わっていくのが分かる。

漬物も白味噌で炊いたじゃこも美味しい。


水菓子は、甘みの強い佐用姫みかん、イチゴは佐賀ほのか、さらに加賀産のキウイ。

最中をいただくと、宮澤さんが、お薄を点ててくれる。

茶碗は、春の野を描いた尾形乾山だった。

蓋付きで、本来は煮物などを盛る食器として作られたものだが、春の替え茶碗にふさわしい。


花冷えが続くが、春の味覚をいただいて、気持ちが解れていくようだった。
posted by 城戸朱理 at 11:07| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

春のごだん宮ざわ、その2

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名物の焼き胡麻豆腐は、蕗の薹を練り込み、蕗の薹の天ぷらを添えてあって、ほのかな苦みが後を引く。

日本酒は、京都の加藤静充さんの初期伊万里写しの徳利で出たが、本歌と見紛う出来である。


揚げ物は、とろけるようなノドグロとタラの芽の天ぷらで、甘酢で和えた新タマネギのお浸しも美味しかった。

器は、古染付の羅漢図皿。


さらに、菜の花、フルーツトマト、アスパラの黄身酢がけにタコとウドが出て、天ぷらのあとの箸休めになった。


おしのぎは、蒸し上げたばかりの餅米に大きく切った自家製カラスミを乗せた定番の飯蒸しで、もう何も言うことはない。


最後の料理は、熊肉と芹の小鍋立てで、熊から、ほっこりといい出汁が出るのは驚くばかりである。
posted by 城戸朱理 at 11:07| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

春のごだん宮ざわ、その1

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夕食は行きつけの「ごだん宮ざわ」に予約しておいた。

カウンター8席、個室5席という小体な店だが、ミシュラン・ガイドを始めとして、雑誌などメディア露出が著しく増えたため、予約が取りにくくなったのは、喜ばしくも悩ましい。

この日は、御家族とおぼしき中国の観光客6人連れがカウンターを埋め、私はいちばん右端の席に座った。


目の前には本阿弥光悦のお軸に尾形乾山の香炉。

いちばん好きな席である。


まずは、福井の早瀬浦を一献。

先付けは、軽く焙った本ミル貝にコゴミとフキの土佐酢がけ。

まさに春の味覚で、器は明末清初に中国、景徳鎮で焼かれた初見の古染付輪線文皿である。

この日の器使いは、古染付が中心だった。


お椀は、筍とハマグリにワカメで、山椒が香り立つ。

続くお造りも古染付の網手文皿。

無農薬の藁で焙った初鰹に石鯛、北海道産の塩水ウニに、山口県安岡特産の地ネギとミョウガをあしらい、吉野葛でとろみをつけた土佐醤油が添えられている。

たんなるお造りを超えた創作料理で、御主人の宮澤政人さんならではの工夫が嬉しい。


焼き物は、金目鯛の若狭焼き。

若狭焼きは、醤油と酒を合わせて、掛け回したものだが、金目鯛によく合っていた。


器は、尾形乾山の銹絵角皿で、これも初めて見る器である。
posted by 城戸朱理 at 11:06| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

新幹線の車中で

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4月6日(木)。

品川駅から東海道新幹線に乗った。


吉増剛造さんが、東京駅では「深川めし」、横浜駅なら崎陽軒の「焼売弁当」を買うとおっしゃっていたのを思い出し、品川駅で「深川めし」を選んだ。


あさりの出汁の炊き込み御飯に穴子とハゼの甘露煮が乗ったお弁当だが、深川飯は、もともとは深川の漁師料理。

あさりを炊き込んだものとあさりとネギの味噌仕立ての汁を御飯にかける二種類があるが、小鍋立てにすると酒の当てにもよい。


駅弁の「深川めし」は、吉増さんが「ちょうどいい」とおっしゃっていたように、量的にも軽めで、たしかに、ちょうどよかった。
posted by 城戸朱理 at 17:27| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月08日

うこぎのほろほろ

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「うこぎのほろほろ」は、岩手の郷土料理。

生垣などにも使われるうこぎの新芽を摘んで、さっと茹で、みじん切りにした鬼グルミ、大根の味噌漬けを混ぜ、これを炊きたての御飯にのせて食べる。

盛岡だと、八百屋でもうこぎの新芽が売られているが、ほろ苦いうこぎと濃厚なクルミの旨みに味噌漬けがアクセントになる春の味覚だ。

とはいえ、小学校の低学年のときに食べたのが最後だったかも知れない。


「うこぎのほろほろ」は、その名の通り、クルミも味噌漬けもほろほろになるまで細かくみじん切りにするのがコツ。

塩味は、味噌漬けの量で調整する。


『聞き書き 岩手の食事』(農文協)によると、岩手では、戦前まで「美味しい」という意味で「クルミの味がする」と言ったそうだ。

昔は、不足しがちだった脂肪分を多く含んでいるからだろうが、石川啄木や宮澤賢治も「うこぎのほろほろ」を食べたのではないだろうか。

子供のころ、母に言われて、うこぎの新芽を夢中で積んだのも懐かしい。


鎌倉では、うこぎは目にしないし、八百屋で売っているはずもないが、うこぎの新芽をセロリの葉で代用できると聞いて、試しに作ってみた。


セロリの葉を洗って、さっと茹でてから水に放ち、細かく刻む。

さらに、バンビことパンクな彼女が取り寄せたクルミを刻み、やはりバンビが盛岡で買った3年物の大根の味噌漬けを刻んで混ぜた。

セロリ特有の香りはあるが、うこぎに似たほろ苦さもあって、たしかに「うこぎのほろほろ」に近い。


バンビに試食させたところ、「これは美味しい! 何なのかな?」と好評だった。

セロリの葉は、野菜屑のフォンを取ってミネストローネを作るときや、夏野菜の煮込み、カポナータを作るときしか使わないが、こうして「セロリの葉のほろほろ」を作ると美味しいうえに、無駄にならない。

これからも、セロリを買ったときは作ることにしよう。
posted by 城戸朱理 at 17:34| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

ホタルイカと空豆のオリーブオイル炒めとミスティカンツァ を仕込んで

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コッコ・バンを仕込む間に、ホタルイカと空豆のオリーブオイル炒めを作った。


オリーブオイルでみじん切りにしたニンニクとアンチョビを炒め、アンチョビが溶けたところでホタルイカと、茹でて皮を剥いた空豆を加える。

これは、昨年も作ったが、澁澤龍子さんが気に入られていたので、今年もメニューに加えた。

もう一品は、ミスティカンツァ。

ミスティカンツァとは、イタリア中部で、さまざまな野草を混ぜたものを言う。

日本の春の七草のようなもので、サラダで食べることが多いが、今回は、ニンニクと鷹の爪をオリーブオイルで炒め、キャベツ、小松菜、アスパラガス、蕗の薹を炒め煮にした。

軽く塩・胡椒で調味するのだが、これを薄切りのバゲットにのせ、アンチョビをひと切れのせて食すると、ワインに合うのだ。

家庭料理というものは、どの国であっても完成されたレシピがあるものだと、しみじみ思う。


澁澤龍彦邸でのパーティーは、龍子さんの好みに合わせて、赤ワインに合うものを作るようにしている。
posted by 城戸朱理 at 09:59| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コッコ・バン(鶏の赤ワイン煮)を仕込む

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澁澤龍彦邸での春のパーティーのために、コッコ・バン(鶏の赤ワイン煮)を仕込んだ。

コッコ・バンは、フランスのポピュラーな家庭料理で、家によって味つけが違う。

その意味では、フランスの家庭の味ということになるが、私のレシピは、ごく単純。


骨付きの鶏腿肉に塩・胡椒してバターで焼き色をつける。

かたわらで、タマネギのみじん切りを透明になるまで炒め、鶏腿肉、小麦粉、赤ワイン1本を加えて、ワインが3分の1になるまで煮込む。

そこに水とローリエを加えて、さらに煮込み、塩で調味して完成。

最後に炒めたエリンギを入れた。


アシスタントは、バンビことパンクな彼女である。

バンビに、ストックしてあるワインから、1本選ぶように言ったら――


「この汚いラベルのワインを使ったら、どうかな?」
・・・

それは、1982年と89年のヴィンテージワインではないか!

「じゃあ、この地味なラベルの新しいワインにするよ!」


バンビが手にしたワインを見たら、ジュヴレイ・シャンベルタン2013だった!?

これも、煮込み料理に使うワインではないのは言うまでもない。


もし、バンビに任せたら、このワインを使われたかも知れない。

パンクだから仕方がないが、より厳重な警戒が必要である。
posted by 城戸朱理 at 09:58| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月26日

忍者アイス!?

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クルベル・キャンのカウンターに座ったら、バーテンダーの馬場さんが、氷をナイフで削っていた。


1996年に「IBA 世界カクテルコンクール」で日本人初の世界チャンピオンとなり、その名を轟かせたバーテンダー、岸久(きし・ひさし)さんの創案になるダイアモンド・アイスである。

岸さんは、日本バーテンダー協会の会長をされており、お店は銀座の並木通りにある「スタア・バー」。

私は、旧友の数寄屋橋BIRD LAND店主、和田利弘さんに連れていってもらったことがある。


ダイアモンド・アイスは、ブリリアントカットのように面取りした氷で、お酒を注ぐと見えなくなるため、忍者アイスとも呼ばれる。

たいへんな手間がかかるので誰にでも出すわけではなく、客が選んだ酒と飲み方に合わせて使うらしい。


バンビことパンクな彼女が、シングルモルトを頼んだら、馬場さんがスペイサイドのシングルモルトを忍者アイスに注いでくれた。

しかも、固く凍っているので、少し室温になじませてからスコッチを注ぐという念の入れ方で、いきなり常温の酒を注ぐと氷が割れてしまうのだそうだ。


日本のバーテンダーの細心さや緻密さは、世界的に有名で、海外から修行に来る人も少なくないが、馬場さんを見ていても、それは納得できる。

バンビは、丁寧な仕事ぶりに「癒されるね!」と感嘆していたが、男前な仕事ぶりを見ているのは、実に気持ちがいい。
posted by 城戸朱理 at 15:01| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クルベル・キャンで

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3月24日(金)。

バンビことパンクな彼女が、更新したパスポートを横浜に取りに行っている間に、髪を切ろうと思ったのだが、いつもカットをお願いしているユアーズは、予約が取れず、鎌倉駅西口のたらば書房を覗いて、気になる新刊3冊を購入。

明日は友人の結婚式と披露の宴がある。

やはり、散髪くらいしておこうと思って、東急ストア内のイレブン・カットでカットしてもらった。

ここは、QBハウスの美容室版。

理容師と美容師は、別の資格で、カットの基本も違えば、美容師は剃刀を当てることが出来ないといった違いもあるそうだ。

QBハウスは、10分で散髪してくれるが、イレブン・カットは、11分。

ユアーズで、いつものようにカットとヘッドスパを頼むと1時間半くらいかかるが、イレブン・カットなら、シャンプーを追加しても20分。

時間がないときは、やはり便利だ。


バンビとは、6時にクルベル・キャンで待ち合わせ、久しぶりに軽く飲むことにした。


頼んだのは、真鯛のカルパッチョにスタッフド・マッシュルームの石窯グリル。

マッシュルームには、叩いた黒オリーブとアンチョビが詰められている。

私は、ジントニック、バンビはジンリッキーから始めたが、続いてプロセッコをグラスでもらって、ミラノ風カツレツを。

カツレツは、私も作ることがあるが、中まで火が通らなくてもいいように、ステーキ用の牛肉を使うのがもっぱらで、それに赤ワインを煮詰めたソースを添える。

クルベル・キャンのミラノ風カツレツは、薄く叩いた鶏肉を使っており、ビールや白ワインと相性がいい。


最後はスコッチにかえて、パスタは、ホタルイカと春キャベツのスパゲッティを。

春キャベツの甘みをホタルイカの濃厚な旨みが包み、素敵な春の味覚で、バンビが大いに喜んでいた。


最近、藤沢周氏が顔を出さないそうだが、藤沢さんは、忙しいうえに、引越ししたばかりだから余裕がないのだろう。

そういう私も、久しぶりで、クルベル・キャンに寄ると、必ずのように誰かがいた頃が、今になると懐かしい。
posted by 城戸朱理 at 12:34| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月24日

盛岡土産の食材で

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休日の昼食は、横澤パンのトーストにクラムチャウダー、佐助豚のハムステーキに目玉焼きと、盛岡で買ってきたパンとハムを使ったものだった。

私が10代のころから、実家の朝食は横澤パンだったが、かつては、ホテルへの卸だけで小売りはしていなかったので、父親が車で製造所まで買いに行ったものだった。

まるで、バゲットが四角いイングリッシュ・ブレッドになったような食パンで、どっしりとした小麦の味わいがある。


午後は、あれこれ所用を済まし、入浴して、湯豆腐とイカ納豆で晩酌を始めたのだが、バンビことパンクな彼女が、昼食に続いて、盛岡の食材を使った料理を食卓に並べ始めた。


海宝漬・中村屋のアワビステーキ・グラタンと、佐助豚のベーコンとリンゴのソテー、ネギトロである。

このうち、アワビとベーコンが盛岡土産。

中村屋のアワビステーキ・グラタンは、三陸産のエゾアワビを使っており、バンビの大好物、
ベーコンにリンゴを合わせたのはバンビの独創で、リンゴには黒糖を、全体に黒胡椒を挽いてある。

先日、私がノルマンディーの郷土料理、豚肉とリンゴのクリーム煮を作ったので、リンゴを合わせてみようと思ったらしい。

ネギトロは、昨年末に招待してもらった四谷の茶懐石「木挽町 大野」風に、叩いたマグロにネギと海苔が添えられていた。

料理が和洋折衷なので、私は日本酒、バンビはシャンパンを。


「盛岡には、どうして美味しいものばかりあるのかな?」


バンビは、よくそう言うが、以前、盛岡に取材に行ったエッセイストの平松洋子さんも、同じことを言っていたっけ。


盛岡のみならず、日本は、どこに行っても、その土地ならではの特産や料理がある。

それも、旅の楽しみのひとつだろう。
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2017年03月19日

洋野菜が珍しかったころ



母から聞いた戦前の話である。

新しいもの好きの母の兄、つまり私にとっての伯父が、見たことのない野菜の苗を植え、大きな青唐辛子のような実がなったそうだ。

茄子の味噌炒めを作っているとき、姉(伯母)に、あの大きな青唐辛子を入れてみようと言われ、伯母と母は、大きな青唐辛子のような実を「辛そうだね」と言い合いながら、刻んで、茄子の味噌炒めに入れたらしい。

さぞや辛いに違いないと、食べてみたら、これが、まったく辛くない。

この野菜が、ピーマンだったそうな。


今なら当たり前の洋野菜も、初めてのときは、こんなふうに珍妙かつ愉快な話になってしまうのが、面白い。


このピーマンを植えた伯父は、徴兵されて、戦後、シベリアに抑留されたが、奇跡的に生還し、長寿をまっとうした。


宮澤賢治と親交があった森荘巳池の『森荘巳池ノート』を読んでいたら、賢治は、ハイカラな人で、
「花畑、花園ですか、それを造ることは、詩を作ることよりも、ずっとおもしろいことは、おもしろいのですがねえ」と語り、
ドイツやイギリスから種を買って、花を育てていたという。

同様に、大正9年(1920)ごろからトマトやセロリ、パセリなどの洋野菜も栽培していたそうだが、家族には「西洋くさくて、食えない」と不評だったそうだ。

この「西洋くさい」という言い方が愉快だが、森荘巳池も賢治にトマトを勧められたとき、当時、トマトは人肉の味がするという俗説があったそうで、おっかなびっくり口にしたことを述懐している。

賢治はトマトの薄皮を剥き、塩をぱらぱらと振って、食べていたそうだ。

宮澤賢治とトマト、これも不思議な取り合わせである。


森荘巳池の実家は八百屋を営んでいたが、当時、普通に食べられていた野菜は、人参、大根、ゴボウにネギくらいのものだったという。
posted by 城戸朱理 at 14:03| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月16日

吉田屋のこぼれイクラサーモンハラス焼き弁当

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3月12日(日)は、バンビことパンクな彼女が、新宿のオリンパスギャラリーで開催されている東日本大震災復興支援写真展「空でつながる」に出品作家として在廊するため、ひと足早く帰途に着いた。

私は、中村屋のアワビステーキやワイン漬けのイクラ、アワビの肝のバターライス、佐助豚など、お土産を買ってから、盛岡駅へ。


みどりの窓口で、新幹線を早い便に変更し、昼食に駅弁を選んだ。

八戸の吉田屋の「こぼれイクラサーモンハラス焼き弁当」である。

吉田屋は創業明治25年、東北の駅弁の老舗だが、東日本では珍しく、鯖と紅鮭の押し寿司の「八戸小唄弁当」が名物で、両親が好きだったのを思い出す。

関西とは違って、押し寿司自体が珍しかったからだろう。

吉野から手作りの柿の葉寿司を両親に送ったときも喜ばれたが、押し寿司には江戸前の握りとは違って、本来の寿司が持っていた練れた味わいがある。


「こぼれイクラサーモンハラス焼き弁当」は、国産のサーモンのハラスに三陸産イクラを散らしたお弁当で、シンプルだが、素材を生かした駅弁だった。
posted by 城戸朱理 at 10:39| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

食道園で元祖・盛岡冷麺を

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さすがに盛岡は、寒い。

ホテルに戻って、暖を取り、翌日の「3・11いわて文化復興支援フォーラム」のディスカッション「震災と詩歌」の資料をまとめた。


夕食は何がいいか、バンビことパンクな彼女に聞いたら――


「食道園で、焼肉と冷麺がいいよ!」


食道園はホテルの目の前だから、寒いなかを歩かなくて済む。


というわけで、バンビと食道園へ。


まずは、ビールを頼み、カルビと上カルビにキムチを注文する。

カルビを前にして御機嫌のバンビは、さっそく佐藤桃花嬢のポーズを真似していた。


食道園では、カルビとロースは生玉子につけて食べるのだが、これはバンビのお気に入りである。


「どうして、盛岡は、こんなに美味しいものばかりあるのかな!」


たしかに食材は豊富だが、バンビ好みのものが多いのだろう。


ビールのあとはマッコリを頼み、締めに冷麺を。

食道園では、盛岡冷麺ではなく、平壌冷麺と呼ぶのだが、牛骨でとったスープが味わい深い。


私が初めて食道園の冷麺を食べたのは、中学生のときだが、当時は今のように辛さを選べなかったので、火が吹けるのではないかと思うほど辛かったが、それでも美味しく思ったものだった。

今では、別辛と言って、キムチを別の小鉢に出してもらって、好みの辛さに調節できるので、初めての人でも食べやすいのではないだろうか。
posted by 城戸朱理 at 07:43| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

白龍のじゃじゃ麺

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3月10日(金)は、あわただしかった。

バンビことパンクな彼女とホテルで朝食を取ってから、午前中は部屋で仕事に励む。

バンビは校正、私は、岩手日報の投稿欄の選評2回分を書き上げてから、「詩とファンタジー」の選評を書く。

午後1時に、急ぎの仕事を終え、それから入浴。


着替えて、遅い昼食を取ることにした。


「さあ、じゃじゃ麺を食べるぞう!」とバンビが意気込んでいたので、パルクアベニュー・カワトク地下の白龍(パイロン)へ。


盛岡のじゃじゃ麺は、平打ちのうどんに干し椎茸ベースの肉味噌、好みでおろしショウガ、おろしニンニク、ラー油に酢を混ぜてから食する。

なぜか、バンビは盛岡冷麺と並んで、このじゃじゃ麺が好きなのだ。


ただし、白龍のじゃじゃ麺は異様に盛りが多いので、ふたりとも小盛りを頼む。


じゃじゃ麺を食べ終えたら、目の前の玉子を割り入れて、お皿を出すと玉子スープになって戻ってくる。

これがチータンタン。

「やっぱり、美味しいね!」


バンビは喜んでいたが、病みつきになる人が多いのは、肉味噌の完成度が高いからだろう。
posted by 城戸朱理 at 07:40| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月13日

ヌッフ・デュ・パプで、就職&誕生日祝い

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夜は、フェリス女学院大学の卒業生で、岩手放送に就職が決まった佐藤桃花さんと待ち合わせ、就職祝いをすることに。

佐藤さんは、島村輝教授のゼミで、卒論は宮澤賢治。

岩手県では、そのうち、テレビで彼女の顔が見られることだろう。


お店は、映画館通りのヌッフ・デュ・パプにした。

支店が東京の六本木にもあるが、ここは、岩手の食材を生かした料理が美味しいし、ワインの品揃えも素晴らしいダイニング・バーである。


まずは、地ビール、ベアレンで乾杯。

殻付の生牡蠣、シャルキュトリー、カボチャのクリームソースのたかきびのニョッキ、佐助豚のホルモン焼きを頼む。

シャルキュトリーは、ホロホロ鳥のハムやパテ・ド・カンパーニュ、白金豚のハムに岩手清流鶏レバーのムースなど、自家製の加工品が並び、ワインに合う。


佐藤さんが、「実は、今日、私の誕生日なんです」と言うので、スパークリングワインをボトルでもらって、再び乾杯。


バンビことパンクな彼女と、佐藤さんの就職活動のことや東日本大震災のときのことなどを聞きながら、ゆっくりと食事をした。


佐藤さんの「お肉がいいです」というリクエストで、メインは白金豚の骨付きロースのグリルと岩手短角牛の稀少部位ミスジのステーキを頼み、フレッシュ・トリュフを追加したカルボナーラを注文。

赤ワインをボトルで追加したが、会話が楽しいと、飲んでも酔わないものだ。


佐藤さんは、白金豚の美味しさに感銘を受けていたが、たしかに、緻密で味わい深い肉と口のなかで溶けるような癖のない脂身は、やはり素晴らしい。


デザートは、名物のチョモランマとクレーマ・カタラーナを。

佐藤さんは、チョモランマに驚いていたが、これは、アイスクリームを積み上げてクレープをかぶせ、雪に見立てた生クリームに、焼きバナナを配した名物デザートである。

さすがに3人前は多すぎたかと思ったが、そこは女子がいるだけに、登頂に成功した(?)。


佐藤さんのように、自分の夢を実現していくしっかりした若者と話していると気持ちがいい。

バンビも感心していたほどである。
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東京駅で駅弁を選んで

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3月9日(木)は、バンビことパンクな彼女と東京駅へ。

新幹線に乗る前に、駅弁売り場を覗いて、お弁当を選ぶ。

今や、日本各地の駅弁が売られているので、迷うほどだが、私は、宮川本廛の鰻弁当を、バンビは、鳥取のかに寿司と国技館やきとりを選んだ。


宮川本廛は、創業明治26年(1893)。

百年以上続く老舗の弁当が普通に売られているのだから、日本の駅弁文化も来るところまで来た感がある。


幕の内風に取肴を吹き寄せにしたお弁当は、京都の伊勢丹の老舗弁当売り場で扱っているものにはかなわないので、最近は、東京では、鰻や深川飯、柿の葉寿司のように、単品のお弁当を選ぶようになった。

バンビのかに寿司は、かに身で御飯が見えないほどで、なかなか贅沢。

国技館やきとりは、冷めても美味しいので、焼鳥好きのバンビは、喜んでいたが、国技館というところがいい。
posted by 城戸朱理 at 14:14| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする