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城戸朱理のブログ: 美味しい話

2017年12月12日

蟹三昧のたくらみ?

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現代詩花椿賞贈賞式のあとは、鳥取県・岡山県のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」で買い物して帰宅した。


せいこ蟹4杯と雄のずわい蟹、そして蟹の甲羅に詰めた蟹飯に蟹味噌である。

せいこ蟹は北陸のものと思っていたが、鳥取でも獲れるらしい。



もうひとつ面白かったのが「鳥取砂丘 砂たまご」。

これは和紙にくるんだ玉子を熱した鳥取砂丘の砂で加熱したもので、黄身が栗のようにホクホクしている。

土地ごとにさまざまな名産があるものだと感心したが、さらに翌日にはバンビことパンクな彼女が注文したブラウンクラブのやたらと大きな蟹爪が届いた。


バンビは蟹三昧の週末にしようとたくらんでいたのである。


ここのところ、フロリダ名産のストーンクラブを見かけないので、バンビは似たものを探して、ブラウンクラブを見つけたらしい。


ストーンクラブと同じように木槌で割って、食卓に出したのだが、蟹肉は緻密で、溶かしバターによく合う。


ブラウンクラブはイチョウガニの一種だというからダンジネスクラブの仲間のようだ。

イギリスで、よく食されているようだが、ストーンクラブに比べると安価である。



たくらみ通り蟹三昧になったものだから、バンビはご機嫌である。



「世界の蟹から、という番組を作ったらどうかな?」
・・・・・・



テレコムスタッフの長寿番組「世界の車窓から」のパクりだが、どこにも通りそうもない企画である。

自分もついていって、蟹を食べ歩こうという魂胆なのは間違いない。


パンクだから仕方がないが、いよいよ注意が必要である。
posted by 城戸朱理 at 10:42| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月09日

風凛の天ぷら

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風凛が天丼を再開したので、バンビことパンクな彼女と昼食を食べに行くことにした。


風凛は鎌倉駅ビルの2階にあるので、観光客相手の店かと思いきや、さにあらず。

地魚と地野菜を使う居酒屋で、地元の客が多い。



かつては本店に隣接してカウンターのみの天丼の専門店「点天」もやっていたが、リニューアルに当たってカウンターも新設、天丼も再開したので、バンビは楽しみにしていたのである。


メニューには、上天丼と特別天丼の二種類があったので、バンビは上天丼、私は特別天丼を頼んだ。


上天丼は、海老二本に野菜が茄子、サツマイモ、蓮根、ブロッコリー、さらに玉子の天ぷらが乗っている。

特別天丼は、それに穴子が入るのだが、この穴子が異様に大きい。



「橋を渡したみたいだね!」とバンビ。


たしかにインパクトはあるが、あまりに大きいのでバンビにお裾分けすることにした。


お腹を空かせたバンビは「やっぱり美味しいね!」と、夢中で天丼を食べている。



お昼はランチの客で賑わっているが、昼から開いている鎌倉唯一の居酒屋である。
posted by 城戸朱理 at 08:23| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月06日

クスクスを作る

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ビストロ・オランジュの仔羊肉と野菜の煮込みのクスクスが美味しかったので、久しぶりに作ってみることにした。


世界最小のパスタ、クスクスは北アフリカから中東にかけて常食されているが、フランスやイタリアでもポピュラーで、フランスに留学経験のある人には懐かしい味になるらしい。


アルジェリアではクスクスは「食べ物」を意味する「タアム」と呼ばれている。

日本人が炊いたお米を「御飯」と呼び、食事自体も「御飯」と呼ぶようなものだろうか。


アルジェリアはフランスの植民地だったので、フランスでクスクスが一般化したのもうなずける話だが、本来はイスラム圏の食べ物だから、豚肉以外の羊や牛、鶏などを煮込んだスープをかけて食するものだという。



クスクスは同量のお湯を注いで蒸らし、オリーブオイルで和える。

オリーブオイルでニンニクとクミンシードを炒め、ラム肉、タマネギ、パブリカ、ズッキーニに人参をトマトで煮込んだ。


ちなみにクスクスは、オリーブオイルで和える地域とバターで和える地域があるそうだ。



クスクスに欠かせないのはハリッサという唐辛子のペーストだが、これはバンビことパンクな彼女が見つけてきてくれた。


そして、バンビが言うには「クスクスは非常食にいいんじゃないかな? お米だと炊かなければならないけど、クスクスならお湯さえあれば食べられるよ!」。


たしかに。お米やパスタ、ラーメンなどは煮なければならないが、クスクスは、お湯で蒸らすだけで食べられる。


非常食にもいいかも知れない。

もちろん、非常食は役に立たないほうが、ありがたいのは言うまでもないのだが。
posted by 城戸朱理 at 10:44| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月02日

ビストロにたどり着いて

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夕方、バンビことパンクな彼女と若宮大路を散歩していたら、バンビが俳句をひねり出した。




「ものすごくおなかがすいたこけしかな」

!!!


「んふ。
もうれつにおなかがすいてきたよ!」




では、軽く何かを食べようということになったのだが、パンダバルも舵屋も定休日。


鎌倉は月曜定休という店が多いが、火曜日が定休日という店も増えていたらしい。



結局、バンビの提案で、御成通りのビストロ・オランジュで、ワインを飲むことにした。



まずは、スパークリングワインで乾杯し、シャルキュトリーを頼む。


内容は、湘南豚の自家製ロースハム、鶏レバーのムース、フォアグラが惜しげもなくごろごろ入ったパテ・ド・カンパーニュ、さらに藤沢産生ハムと充実している。


以前、試して美味しかった秋刀魚のコンフィがメニューあったので、これもオーダーした。


低温の油でじっくりと火を通した丸ごと一尾の秋刀魚は、アンティーブを枕に盛り付けられ、ディジョンのマスタードと粗塩が添えられている。



「この秋刀魚にはビールだね!」とバンビが言うので、エビスを注文したのだが、たしかに秋刀魚にはビールがよく合う。


あまりに合うので、秋刀魚のコンフィを、さらにひと皿、追加した。




赤ワインに替えて、最後は仔羊肉と鎌倉野菜のクスクスを。


クスクスは、デュラム小麦で作られたパスタの一種だが、唐辛子のペースト、ハリッサの爽快な辛さが後を引く。


私などはハリッサなしのクスクスは物足りないが、市販されているのはめったに見かけない。


とはいえ、ニンニクと香草があれば、家庭でも簡単に作れるのだが。



仔羊肉と鎌倉野菜がたっぷりと入った煮込みもボリュームがあって、食べ応えがある。




軽く飲んで、帰宅してから私がしつらえたクラムチャウダーやハンバーグで夕食にするつもりだったのだが、
頼みすぎたらしく、バンビはお腹がいっぱいになったしまったので、帰宅するなり寝てしまった。



パンクだから仕方がないが、いいのだろうか、これで?
posted by 城戸朱理 at 08:53| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月30日

またもや、せいこ蟹

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11月24日(土)、バンビことパンクな彼女が東京に出かけたので、自宅で郵便物を整理していたら、クール宅急便が届いた。


何かと思ったら、またもや、せいこ蟹ではないか!



バンビが「にゃふ〜ん!」と言いながら、ひそかに注文していたらしい。


帰りは遅くなるとのことだったので、せいこ蟹8杯を解体して、すぐに食べられるようにした。



柿を剥いてハモンセラーノを添え、豆腐と大根の千六本を小鍋立てにしていたら、バンビが帰ってきたのだが、解体ずみの蟹を見て喜んでいる。



「今日も蟹祭だよ!」



何でも祭にしてしまうのは、パンクの特徴である。


先に書いたように、せいこ蟹は、雌のズワイガニだが、雄の松葉蟹などに比べると、かなり小さい。

雌は抱卵と産卵が始まると成長が止まるためだが、その分、解体には手間がかかる。


しかし、内子と外子が味わえるわけだから、これ以上何かを望むのは贅沢というものだろう。


かくして、またもやスパークリングワインを開け、「海の宝石箱」せいこ蟹を堪能したのだった。



「今年中にもう一回は、せいこ蟹を食べたいところだね!」
・・・・・・



せいこ蟹は、たしかに素晴らしい冬の味覚だが、そんなに何度も食べるものではないだろう。


パンクだから仕方がないが、注意が必要である。
posted by 城戸朱理 at 14:49| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月28日

荻窪のもつやきカッパ

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「お話は何度も聞いたけど、行ったことないから、
バンビくんを荻窪のカッパに連れていってあげて!」



バンビことパンクな彼女が騒ぎ出した。



「連れてってあげてよ〜」



荻窪のカッパは、もつ焼きの専門店。


なぜ、何度も話に出たかというと、焼き鳥屋としては、初めてミシュラン・ガイドで星を獲得した銀座バードランド店主、和田利弘さんが、新しい弟子を勉強のために必ず連れていく店が二軒あって、そのうちの一軒が、カッパなのだ。


ちなみに、もう一軒は京橋の伊勢廣。

伊勢廣は、創業大正10年(1921)、高級焼き鳥店の先駆けとなった老舗だが、カッパはまったく逆で、ひと串100円という廉価店。


扱うのは豚のもつ焼きだが、鮮度がいいうえに、丁寧な下処理をしているのだろう、これがもつなら、ほかの店で出しているのは何なんだと思えるほどで、癖になる。



私は、最初、和田さんに連れていってもらったのだが、荻窪に住んでいたころは、ふらりと飲みに行ったものだった。



バンビが騒ぐので、高円寺に行く前に、荻窪まで足を伸ばし、久しぶりにカッパを訪ねた。


雰囲は昔と変わらないが、御主人は引退し、今は若い息子さんが焼き台に立っている。


焼き物はタレか塩で頼むのだが、五香粉が香るタレは健在で、まず、レバーにヒモやトロといった白もつを頼んだのだが、タレのせいか、老酒と相性がいい。


バンビは、物凄く気に入ったらしく、次々に追加注文をしている。




「53本くらいは食べれちゃうね!」



いくら何でも、50本は食べ過ぎだが、3本という端数は何だろう?


パンクだから、意味不明なのだった。



カッパは、酔客入店禁止、しかもビール以外の酒は三杯までという決まりがあるので、泥酔する客はいない。


みんな、軽く飲みながら、十数本の串を食べては立ち去っていく。



中野と吉祥寺にも、系列店があるそうだが、テレコムスタッフの寺島高幸社長や宮内文雄撮影監督も気に入りそうな店だ。



そして、翌日。




「もつ焼きが食べたいね〜

今日もカッパに行くのは、どうかな?」



バンビは、すっかり気に入ったようだが、ふらりと立ち寄るならともかく、もつ焼きを食べるためだけだとしたら、荻窪はあまりに遠いーー
posted by 城戸朱理 at 03:00| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月26日

牡蠣フライの季節

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イベント前に食事をするべく、久しぶりに鎌倉駅西口の勝烈庵へ。

カツレツの専門店なのに、棟方志功の作品が飾られた店内は、いつも年配のお客さんが目につく。


バンビことパンクな彼女に言わせると「年を取っても食べられるトンカツ」ということになるが、この店の揚げ物は、軽やかで、もたれることがない。



バンビは大好物の牡蠣フライを、私は若鳥フライ定食に牡蠣フライ2個を追加。

若鳥フライをふた切れ、バンビに上げる。


バンビは、別オーダーのタルタルソースも注文して、牡蠣フライをソースとタルタルソースで。

私は、牡蠣フライに塩で、ビールを飲んだ。


勝烈庵は、パン粉もマヨネーズもソースも自家製だが、何種類ものフルーツを使ったソースが素晴らしい。
posted by 城戸朱理 at 09:28| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月25日

神楽坂で蕎麦屋酒、その2

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ビールのあとは、菊正宗に燗を付けてもらう。

寒かっただけに、燗酒が染み渡るかのようだ。


殻牡蠣と蕎麦屋酒には欠かせない玉子焼きをもらって、盃を傾けたのだが、飲みすぎると公演に集中できなくなるので、加減が難しい。

さらに、そばがきを頼んだのだが、これも実にいい酒の当てになる。


江戸時代には、蕎麦が茹で上がるのを待ちながら、飲む酒を「蕎麦前」と呼んだが、開場の時間が近づいてきたので、この日は、蕎麦なしの蕎麦前になった。
posted by 城戸朱理 at 14:29| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

神楽坂で蕎麦屋酒、その1

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「BUTOUプロジェクト 」昼の公演は13時からだったのに、なぜか勝手に15時からと思い込み、のんびりと赤城神社の福井物産展を見たりしていた私とバンビことパンクな彼女は、
結局、17時からの公演を見るしかなくなったので、昼の公演を見た遠藤朋之氏を誘って、時間まで蕎麦屋で飲むことにした。



入ったのは浅野屋という店だが、なかなかの雰囲気。


一階、カウンター席後ろの壁面には、同じ書家の手になる作品が三点飾られていたのだが、そのうちの一点が、なんと鮎川信夫「橋上の人」だった。


鮎川さんの詩と、こんなふうに出会うのは、意外性がある。



遠藤くんとバンビは、すでに公演を見ているので、当然、話題はステージのことになるのだが、それにしても遠藤くんも、よくダンス公演に足を運ぶようになった。

ある意味では、舞踏とは肉体による文学という要素も孕んでいるので、そこに遠藤くんは反応したのかも知れない。

この問題に関しては、いずれ詳述したいと思っている。



とりあえず、ビールを頼んだら、お通しは、蕎麦のゼリー寄せ。

珍しいメニューだが、トッピングの蕎麦の実の食感が楽しい。


この店の名物は、馬肉のさくらしゃぶしゃぶのようだから、馬刺盛り合わせを頼んでみたのだが、これが口のなかで、じわりとほどけるような、いい馬刺だった。
posted by 城戸朱理 at 14:22| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月22日

せいこ蟹、到来

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北陸の冬の味覚、せいこ蟹。


これは、雌のズワイガニのことで、小振りながら、内子と外子を持ち、味わいは濃厚、福井では香箱蟹とも呼ばれる。


資源保護のため、漁期は11月6日から1月10日と限られており、今年は解禁されて間もない10日に、京都の「ごだん宮ざわ」でいただくことが出来た。


ところが――


せいこ蟹の美味しさに目覚めたバンビことパンクな彼女は、ひそかに、せいこ蟹を現地に注文していたのである!


かくして、17日に、せいこ蟹五杯が到着。


バンビはフランス産のスパークリングワイン2本を準備し、さらに冷凍してあった中村屋のアワビステーキグラタンまで出して、夜に備えているではないか。



あくなき好奇心と旺盛な食欲で、世界中の美味という美味を食べ尽くした作家、開高健も、「日本海の蒸したての蟹」を最上の美味に数えており、その開高健が、せいこ蟹に寄せた文章がある。




丹念にほぐしていくと、赤くてモチモチしたのや、白くてベロベロしたのや、
暗赤色の卵や、緑いろの味噌や、なおあれがあり、なおこれがある。

(『地球はグラスのふちを回る』)




戦後屈指の美文家だけに、官能的なまでの描写だが、北陸の蟹に魅せられた開高健は、毎年、冬になると蟹を食べるために福井に旅したそうだ。


田村隆一もまた、北陸の蟹に魅せられたひとり。

『素晴らしき新世界』にさりげなく書かれているのだが、田村さんは越前ガニが、お好きだったようだ。



さて、せいこ蟹である。

解体して、戦前の瀬戸の白磁角大皿にどさりと盛り付ける。

身の甘さに驚き、蟹味噌の濃厚さに唸り、オレンジ色の内子と茶色の外子の歯応えを楽しみ、まさに「なおあれがあり、なおこれがある」とは至言。


バンビは、目が三日月型になっている。

これは、美味しいものを食べているときのバンビの特徴なのだった。
posted by 城戸朱理 at 11:17| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月21日

隠れ家のようなバーで

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もう一軒行くことになり、福與伸二さんが連れていってくれたのは、銀座七丁目のバー・ネプラスウルトラだった。

こんなバーがあるのは、まったく知らなかったが、会員制だから当然だろう。


階段を地下に降り、福與さんが会員カードをかざして扉を開けると、そこは重厚な調度の空間が広がっている。


この店は、1970年代を中心にしたヴィンテージのウィスキーとブランデーのコレクションが充実しており、福與さんのセレクトで、ブレンデットとシングルモルトを頼んだ。


こうなると、話題はウィスキーのことになる。

福與さんによると、1960年代のウィスキーは、第二次世界大戦中に仕込まれたものが多く、
混乱期だけに仕事が粗いそうで、むしろ、戦後に仕込まれたウィスキーのほうが安定しているのだそうだ。


今や、世界的な評価を誇るジャパニーズ・ウィスキーだが、やはりアイラ島のオイリーなシングルモルトなどに比べると、淡白なところがある。

それが、日本のウィスキーなのだろうし、和食にも合う所以だろうか。


写真は、左から徳山喜雄さん、福與伸二さん、小川英晴さん。

小川さんが取り持ってくれたご縁だが、私にとっては贅沢な時間だった。


しかも、ここでも福與さんに御馳走になってしまったので、次回は私がお招きしなくては。
posted by 城戸朱理 at 12:45| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

それでも飲みに行く?

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京都にいるとき、詩人の小川英晴さんから、お誘いがあった。


サントリーのチーフブレンダー、福與伸二さんが上京されるので、飲み会が催されることになったのだという。


迷った。


大いに迷った。


なぜかというと、身体を冷やしたのか、京都から戻った日に、風邪をひいてしまったのである。


しかし、メンバーは、国学院大学の教授でジャーナリストの徳山喜雄さんに小川さん、そして福與さんである。


しかも、福與さんが行きつけにしている店に行くとなると、風邪くらいで断るわけにはいかないではないか。


かくして、懲りない私は、京都から戻った翌日、13日に、ふらふらしながら銀座に向かったのだった。

まったく、困った人である。



待ち合わせは、銀座の菜庵。

資生堂に近いビルの三階にある隠れ家のような店で、たどり着けるか不安だったが、意外と簡単に見つかったのでホッとする。


この店は、日本酒以外は、サントリーのみ。

まずは、プレミアムモルツで乾杯し、しばし、ウィスキー談義が続く。


「家庭料理みたいなものしか出せませんが」と女将さんは言うが、
鰹の叩き、締め鯖から始まった料理は、工夫が凝らされ、ウィスキーの水割りによく合った。


「こういうときは、角の水割りが合いますね」と福與さん。


ウィスキーの水割りやハイボールは、日本風の飲み方になったことを思わず納得してしまったが、
このメンバーだと、話題も酒から音楽、美術、そして政治と何でもありで、時がたつのも忘れるほどだった。
posted by 城戸朱理 at 12:18| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月18日

夕食がロケ弁当?

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それにしても、よく歩いた4日間だった。


京都でなければ、こんなには歩き回らなかったかも知れない。


ごだん宮ざわ、平野屋と、2日続けて素晴らしい料理をいただいたので、今回は老舗料亭の弁当ではなく、私は、ロケ弁当の専門店、穂久彩の「京都太秦名物 ロケ弁当」を、バンビことパンクな彼女は吉野の柿の葉寿司を購入した。



京都は、映画やテレビのロケが多い。

穂久彩は、京都市内であれば、どこでも配達してくれるロケ弁当の専門店だが、去年あたりから、京都駅でも見かけるようになった。


大学卒業後、太秦の東映撮影所に就職した井上春生監督には、なじみ深い弁当らしく、ときどき食べたくなると言っていたっけ。



新幹線の車中では、地ビールを飲みながら、読書。


帰宅してから、出汁仕立ての湯豆腐を作って、お弁当を開いた。


塩鯖、鶏の唐揚げ、鰻と、定番の取り肴だが、出汁巻き玉子と梅の生麩をあしらった炊き合わせが、京都らしい。


この弁当、ロケの途中に何度も食べたが、私も、たまに食べたくなるようになった。


近年、雑誌などでロケ弁当の特集が組まれ、テレビ局がどこにお弁当を注文しているか、どんな内容なのかが紹介されたりしているが、穂久彩のお弁当は、多彩なうえ、上品な味である。
posted by 城戸朱理 at 09:36| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

京都の町中華〜マルシン飯店再訪

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11月12日は、帰るだけなので気持ちが軽い。

荷物をトランクにパッキングして、宅急便で送り出し、糸屋ホテルをチェックアウトした。


身軽になったので、バンビことパンクな彼女と、烏丸松原から四条、さらに錦市場で買い物をして、祇園へと散策する。


鍵善良房で干菓子を買ったり、知恩院前の一澤信三郎帆布を覗いたりしながら、歩き回っていたら、お昼どき。


バンビが「また、マルシン飯店で餃子を食べたいね!」と言うので、東大路を上り、マルシン飯店に行った。


マルシン飯店は、店の外で何組か待っている人が並んでいるほどの繁盛ぶりである。



待つことしばし、席が空いたので、メニューをじっくり読んでみた。


まずは、バンビのリクエストの熟成豚肉の餃子を頼んで、ビール。

店のお勧め通り、たっぷりの胡椒に酢をかけたものに、普通の餃子のタレを用意する。



「やっぱり、美味しいね!
近所にあったら、毎日、通っちゃうなあ!」



バンビはよほど気に行ったらしいが、たしかに熟成した豚肉だけに癖がなく、実に軽い食感である。


さらに、天津飯があれだけ美味しいということは、スープが美味しいということだから、ラーメンも美味しいに違いないというバンビの意見で、チャーシュー麺を、さらに、蟹玉と炒飯を頼んでみた。


ふたりだと多すぎるが、汁物以外は残しても包んでもらえるから、中華は楽である。


チャーシュー麺は、昔懐かしい中華そばといった風情、蟹玉も普通の甘酢餡掛けで、天津飯ほどのインパクトはない。


やはり、マルシン飯店では熟成肉餃子と天津飯を頼むのが正解らしい。


常連客は、八宝菜に天津飯とか、驚くほどボリュームがある豚肉の天ぷらに五目ラーメンとか、思い思いのものを頼んでいる。


いかにも町中華の眺めで、それがまた楽しい。


京都で町中華に入ったのは、今回が初めて、レパートリーが広がったものだから、バンビも喜んでいたのだが――



「んふう〜。
お腹がぽんぽんだよ〜。
ぽんぽんで苦しいよ〜」



食べ過ぎて、お腹が「ぽんぽん」になってしまったのである。


パンクだから仕方がないが、いいのだろうか、これで?
posted by 城戸朱理 at 09:33| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月17日

洋食になった糸屋ホテルの朝食

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糸屋ホテルの朝食が変わった。


以前は、具沢山の味噌汁を中心に、焼魚と出汁巻玉子に日替りの小鉢という和食だったが、今年の5月から洋食に。


今回もオランダからの団体客が宿泊していたが、ロビーでもエレベーターでも、日本語を聞くことがなかった。

海外からの宿泊客が増えたので、食事も洋風にしたのだろう。


今回の4泊5日の京都滞在では、朝食抜きで動いていたのだが、最後の日に、新メニューの洋食を試すことができた。



メニューは、サンドイッチなど4種類。



バンビことパンクな彼女は、ハムにトマトとチーズを挟んだパニーニ、
私は、エッグベネディクトを選ぶ。


ニューヨークの朝食の定番、エッグベネディクトは、イングリッシュマフィンにベーコンとポーチドエッグを乗せ、
オランデーズソースをあしらったもので、ニューヨークのレストランだと、玉子料理に分類されるのが面白い。

オランデーズソースはマヨネーズに似ているが、マヨネーズが卵黄・油・酢で作るのに対して、卵黄にバター、レモン果汁を混ぜて乳化させたもので、魚料理にも合う。

玉子を切ると黄身が流れ出す。



洋食になっても丁寧な仕事ぶりで、さらに添えられた野菜が驚くほど美味しい。


グリーンサラダのドレッシングも良かったし、軽くマリネした赤タマネギや人参、
ソテーした茸やポテトと、適度なボリュームで、
バンビも「サンドイッチは具沢山だし、野菜も美味しいね!」と喜んでいたほど。



洋食になっても、プチホテルならではの、神経が行き届いた朝食だった。
posted by 城戸朱理 at 09:35| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鮎茶屋 平野屋で、その2

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平野屋では、春は筍と山菜、初夏から秋までは鮎、秋が深まると松茸、冬はぼたん鍋と献立が変わるが、今回は、嬉しいことに、この季節には珍しくも子持ち鮎の塩焼きが出た。


中居さんは「珍しく捕れました。最後の子持ち鮎です」と言っていたが、鮎の塩焼きほど酒に合うものはない。



そして、いよいよバンビ待望のぼたん鍋である。

今年初めてのぼたん鍋なそうだから、運よく終いの鮎と走りの猪肉に出会ったことになる。


出汁を張った土鍋に猪肉と菊菜、白菜、京芋や蕪、ささがきの牛蒡に人参、椎茸や榎茸を入れ、煮立つのを待つ。


野菜は大皿に山盛りで供されるので、凄い量である。



ぼたん鍋は、醤油、柚子、好みで味醂を入れた大根おろしでいただくのだが、猪肉はいくら煮ても固くならないし、肉からも出汁が出て、出汁を吸った野菜、とりわけ蕪の旨さたるや、蕪とは思えないほど。


あれだけ大量にあった野菜もバンビとふたりで、ほぼ食べ尽くし、それから御飯とお餅を入れた雑炊となるのだが、
雑炊を食べていると、牡丹鍋が目当てだったのが、それとも鍋のあとの雑炊が目当てだったのか、分からなくなるほど旨い。


バンビも大満足で、目が三日月型になっている。

これは美味しいものを食べているときのバンビの特徴なのだった。


最後に水菓子をいただいて食事は終わり、小憩してから、タクシーを呼んでもらった。



女将さんや中居さんに見送られて、ホテルに戻ったのだが、来年は、鮎の塩焼き、鮎のお粥に鮎飯が美味しい季節に再訪したいものだ。
posted by 城戸朱理 at 09:00| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鮎茶屋 平野屋で、その1

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夕食は、愛宕神社の一の鳥居のたもとで400年続く鮎茶屋・平野屋を予約した。


平野屋は、かつては、保津川の清流で捕れた鮎を提供する鮎問屋を営んでいたが、やがて鮎料理も出すようになったという老舗で、白洲正子さんも通った店である。



一昨年の8月に鮎尽くしの料理をいただいて感嘆、昨年の12月には熊肉、さらに猪肉のぼたん鍋を食べて、またもや感動したが、
ごだん宮ざわの宮澤政人さんも、「あれが料理というものだと思うんです」と平野屋さんを賞賛していた。

宮澤さんは、家族と行って感銘を受け、さらにお弟子さんを連れていったという。



バンビことパンクな彼女は、ぼたん鍋が食べられるので興奮している。


たしかに、平野屋の料理には、自然の力がみなぎっており、それをそのまま身体に取り入れるようなところがある。



最初に供されるのは、お茶と愛宕名物、志んこ団子。

素朴な米粉の団子で、ねじれた形は愛宕山の九十九折(つづらおり)の坂道を模したもの。

きな粉と黒糖がまぶされた志んこ団子は、バンビの大好物である。


それから山菜が出る。

真ん中の見慣れない茎状のものは虎杖(いたどり)で、利尿効果があるため生薬にも利用されるが、独特の風味と歯応えは癖になる美味しさ。

蕗の薹味噌も、素晴らしく風味がいい。



そして、鯉の洗いが出たところで、熱燗を頼んだ。


清流で育った鯉は癖がなく、酢味噌も絶品。


これは、昨年も不思議に思ったのだが、老舗の和食屋には珍しくも、なぜか、ツマがキャベツの千切りである。

十四代目になる女将さんに尋ねたら、鯉の洗いに必ずキャベツをリクエストする常連さんがいて、それ以来、定着したらしい。


たしかに、キャベツを鯉で巻いて、酢味噌に付けて食べると、面白い食感になる。
posted by 城戸朱理 at 08:53| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

江戸川で鰻を

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結局、どの店も満席で、たどり着いたのは花遊小路の江戸川だった。

新京極からわずかに外れただけで、嘘のような静けさになる。



鰻の串焼きをひと通り焼いてもらって、ビールで喉を潤した。


串焼きは、レバー、くりから、しろばら、肝焼き、ひれ、かぶとである。


レバーは肝から半月状のレバーだけを串に打ったもので、山椒塩に辛子。

くりからは背の部分でタレで、しろばらは腹身を塩焼きにしてワサビでいただく。

ひれはニラを鰻のひれで巻いたもので、なぜか鰻の旨みが凝縮している。


ちなみに、写真はレバー・くりから・しろばら・ひれの四本。



肝吸いをふたつに、鰻丼はひとつだけ頼んでバンビとシェアしたのだが、静かな店でようやく落ち着くことが出来た。
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2017年11月16日

秋のごだん宮ざわで、その4

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料理が終わって、土鍋で炊き上げた御飯が出た。

まずは煮えばなをひと口。

煮えたお米が、次第に御飯になっていく過程を楽しめる。


いつもなら、とうに満腹で、御飯が食べられなくなるバンビも、歩き回ってから、さらにゆっくりお風呂に入って、お腹を空かせるという作戦が図に当たり、三膳もおかわりしていた。

自家製の糠漬けに白味噌で炊いたじゃこも美味しい。



水菓子は梨のジュースという新機軸。

繊細なグラスは、宮澤さんが、9月にバルセロナに行ったときに求めたものだという。



最中をいただき、お薄を点ててもらったが、この茶碗も初見。

尾形乾山だが、本来は蓋物で、蓋も見せてくれた。



さらに、初見の乾山の銹絵四方筒向付けを見かけたので、宮澤さんに尋ねたら、なんと絵替わり十客を求めたというではないか。


高級外車に匹敵する値なのは間違いないが、宮澤さんは「どうしましょう」と笑っている。



料理の味だけではなく、器と料理の姿を追求し続ける姿勢が、素晴らしい。
posted by 城戸朱理 at 12:42| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

秋のごだん宮ざわで、その3

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揚げ物は、琵琶湖のワカサギと蓮根。


「この器は初めて見るね」とバンビが言っていたが、尾形乾山の銹絵角皿、勢いのいい書き銘は紛れもなく鳴滝時代の作である。



北大路魯山人の備前割山椒で出されたのは、柿なます。

甘海老と蜜柑に千切りにした柿が盛られ、いい箸休めになった。



そして、おしのぎは、蒸し上げたばかりの餅米に、自家製カラスミを乗せた飯蒸しである

「おかわりしたいね!」とバンビが言っていたが、まったく同感。

井上春生監督は、目を閉じて味わっていたっけ。

初見の器は、その色調から古九谷かと思ったが、南京赤絵とのこと。


小鍋立ては、幻の魚、クエと白菜だった。


クエは対馬沖で揚がった1kg大のものだという。

昆布を強めに引いた出汁も素晴らしいが、クエの旨みたるや、幻の名に値する。
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