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城戸朱理のブログ: 美味しい話

2017年03月05日

久保田潤個展打ち上げは、ビストロ・オランジェで

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久保田潤さんの個展初日には、北海道から駆けつけてくれた友人もいた。

打ち上げには、10人が参加することになったのだが、鎌倉には、この人数が入れる店は、ほとんどない。

バンビことパンクな彼女が電話したところ、ビストロ・オランジェに席が空いていたので、江ノ電で鎌倉駅に戻った。


まずは、ビールで乾杯し、結局、アラカルトで頼むことに。

注文を任されたので、メニューを読み、スパークリングワインのボトルを3本頼んでから、まずはシャルキュトリーを。

チーズと並んで、ワインには欠かせないシャルキュトリーは、食肉加工品の総称で、自家製のハムや生ハム、フォアグラ入りのパテ・ド・カンパーニュ、鶏レバーのムースが盛り合わせになっている。


サラダは、リヨン風を頼んだのだが、上に乗っているのは、赤ワインで煮たポーチドエッグ。

「これは何だろう?」と騒ぎになったか、割ってみたら、紛れもなく、玉子だった(笑)。

リ・ド・ヴォーのポワレは、フランス産トランペット茸入りのクリーム仕立てで、美味しかった。

ここで赤ワインのボトル3本を追加。


食事は、羊肉と野菜のクスクスを。


最小のパスタ、クスクスに、ストゥブの小鍋で供される羊肉と野菜とスープをかけ、ハリッサ(唐辛子ベースのペースト)を添えて食べるのだが、こればかりは、やはり羊の風味が合う。

羊肉も柔らかく、みんなに好評だった。


ビールで乾杯してから、ワインがボトル6本。

会計をお願いしてみたら、ひとり4060円。

ひとり4000円ていどという私のミッションは成功したが、この店でなければ無理だろうな。
posted by 城戸朱理 at 08:12| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月03日

神田きくかわの鰻

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出光美術館で古唐津展を見たあとは、帝劇ビル地下の神田きくかわの支店に、みんなで行くことに。


昭和22年創業で、神田本店は、何度か行ったことがあるが、お重に入りきらないほどの鰻の大きさに驚いたものだった。

なにせ、お重の蓋を取ると、そのままだとお重からはみ出る鰻の尾が折り畳まれているほどなのだから。


鰻はふうわりと柔らかく仕上げられ、タレには、レンゲの蜂蜜を使っているそうだが、むしろ辛めで切れがいい。


まずはビールで乾杯し、鰻の腹身、肝焼きの串をもらい、冷や奴、玉子焼き、たこ酢、さらに鰻の白焼きを頼んで、菊正宗に燗をつけてもらう。


久保田潤さんは、画家ならではの視点で、絵唐津の線の魅力を語っていたのが印象深い。

石田瑞穂くんは、最近、十三代中里太郎右衛門作のぐい呑みを、唐津の人間国宝の作としては破格の安値で掘り出したそうだ。


出光美術館の会場には、小林秀雄と青山二郎が日本橋の骨董屋、壺中居で器を手にしている写真のパネルが展示されていたが、昭和の文学者と古唐津の関係に光を当てた展示に、みんな、感銘を受けていた。

小林秀雄が壺中居で手にしていたのは、絵唐津のぐい呑みである。


そして、鰻で飲みながら、なぜか話題は、すき焼きに。

瑞穂くんは、学生時代、友人とよく小津安二郎監督が得意だったカレーすき焼きをしたそうな。

カレーすき焼きは、小津安二郎監督が、高田高悟とともに茅ヶ崎館にこもってシナリオを書いているときに、来客にふるまったことで知られているが、煮詰まったすき焼きにカレー粉を加えたものだというから、見当がつかない。

傑作だったのは、遠藤朋之くんのすき焼きで、なんと遠藤家では、すき焼きと言えば、トマトとバジルに牛肉とわりしたを入れたトマトすき焼きなのだという。


そうこうするうちに、鰻重が来たが、久保田さんとバンビことパンクな彼女は、折り詰めにしてもらって持ち帰ったのだった。
posted by 城戸朱理 at 11:25| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月26日

ビストロ・オランジェで、お手軽フレンチ

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壽福寺から海蔵寺を回った、この日の散歩は2時間。

これくらいだと、ちょうどいい。


バンビことパンクな彼女と相談し、夕食は、ローライ同盟の打ち上げでもおなじみ、御成通りのビストロ・オランジェで取ることにした。

以前は、ル・ポアン・ウェストという店名で、御成通りのもっと先で営業していたのだが、鎌倉駅の近くに移転してから店も広くなり、予約なしでも入れるのが嬉しい。

ル・ポアン・ウェスト時代には、柳美里さん一家と会食したこともあった。


入店してみたら、開店2周年のサービスで、なんとスパークリングワインが、1000円で1時間飲み放題。

さっそく、バンビとスパークリングワインを頼んで、メニューを読む。


この日は、まずプロヴァンス風烏賊のラタトゥイユとアンディーブ・アラ・フランドル(フランドル地方のジャガイモとアンディーブとブルーチーズのグラタン)から。

バゲットとバターも頼んだが、私はスパークリングワインを飲むのに専念(?)。


さらに、リ・ド・ヴォーのムニエルを。

リ・ド・ヴォーは、仔牛の胸腺で、成長するにつれて無くなるため、ホワイトヴィール(ミルクだけで育った仔牛)からしか取れない稀少部位で、フレンチには欠かせない食材である。

黒トリュフのソースでいただくのだが、バンビは、リ・ド・ヴォーのふわりと柔らかく、口のなかにさらりとした脂が広がる食感を喜んでいた。

たしかに、似たようなものが思いつかない食感である。


メインは、ブルターニュ風仔羊のローストを頼む。

スパークリングワインの飲み放題が時間切れになったので、赤ワインをグラスでもらったのだが、これが、まったりしたフルボディで、とても良かった。

銘柄を聞かなかったのが悔やまれる。


ビストロ・オランジェの会計は、チェーン店の居酒屋と変わらないので、気楽に立ち寄れるのがありがたい。
posted by 城戸朱理 at 11:03| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

夕食は、クルベル・キャンで

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御成町法律事務所で打ち合わせを終えたあと、実に久しぶりに、立ち呑みヒグラシ文庫に立ち寄り、鯖の燻製を頼んで、モルツの生を飲んだ。

この何年か、鎌倉で飲む機会も、外食する機会も激減しているので、ようやく普通の暮らしが戻ってきたような気分になる。

こうしてみると、小林秀雄の、自分の生活なんて誰かにやらされているようなものだという発言も、真実のように思えてくる。

自分の意思だけで何とかなることの、なんと少ないことか。


夕食は、バンビことパンクな彼女のリクエストで、クルベル・キャンへ。


ジントニックを飲みながら、バンビの到着を待って、ジャガイモのフリット、生牡蠣に真鯛のカルパッチョを頼む。

アンチョビが香るフリットは、ビールにもワインにも合うし、姫路産の生牡蠣は、バンビが目を丸くするほどクリーミィで美味しい。

バンビは、プロセッコを頼んだが、生牡蠣とスパークリングワインの相性の良さは言うまでもないので、私もプロセッコを貰うことにした。


真鯛は、2日ほど寝かせたものだろうか、旨みが凝縮した感じで、つい、これで鯛茶漬けをしたら美味いだろうなと思ってしまう。


肉料理は、やはりバンビのリクエストで、ミラノ風カツレツを。

叩いて薄くのばした鶏肉のカツレツで、クルベル・キャンの定番だが、スナック感覚だから、飲みながらつまむのにうってつけである。


パスタは、岩海苔と芝海老のクリームスパゲッティにした。

和風の食材をクリーム仕立てにするのだから意外だが、これが実によく合う。


バンビによると、滝沢シェフの料理は、最近、ますます美味しくなっているとのことだが、私もそう思う。

最後は、シングルモルト。


鎌倉に住み、鎌倉で飲むという、当たり前の日々が、今年は、帰ってくるのではないだろうか。
posted by 城戸朱理 at 12:40| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月11日

ぬか漬けを作ると

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急逝した日本画家の瓜南直子さんは、ぬか漬けを作っていたので、飲み屋で会ったときに、よく分けてくれたものだった。

キュウリや茄子はもちろん、セロリやゆで卵が絶品で、ゆで卵のぬか漬けが酒の当てになるのを教えてもらったっけ。

すると、ある日のこと。

バンビことパンクな彼女が、ぬか床を作って、ぬか漬けを作り始めたのである!


「鹿千代にござりまする。」
・・・

また、鹿千代になっている。

「ぬか床を作って、ぬか漬けを漬けてみました」

自家製のぬか漬けが食べられるとは、ありがたい。

だが、今の季節はともかく、夏にぬか床をキープするのは大変である。

一日一回は、手でかき混ぜなければならないし、出張のときはどうするのだろう?


「糠之丞は、旅にも連れて参ります」

糠之丞(ぬかのじょう)???

「ぬか床の名前でござりまする」
・・・・・・


北村一輝主演で人気を博し、映画化までされたTVドラマ「猫侍」に登場する白猫の名前が、「玉之丞」。

どうやら、そこから取ったらしい。

普通、ぬか床に名前などつけないが、そういえば、瓜南さんもぬか床に「春駒」という名前を付けていたような。


まあ、名前があろうがなかろうが、自家製のぬか漬けがいつもあるのは悪くないので、今回はよしとしよう。

ところで、井上春生監督に試写の時間は伝えたのだろうか。


「酉の刻暮れ六つ前と伝えましてござりまする」
・・・・・・


時刻まで江戸時代の太陰暦になってしまった――

パンクだから仕方ないが、いいのだろうか、これで?
posted by 城戸朱理 at 10:43| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月06日

散歩のあとは、「天ぷら ひろみ」で

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バンビことパンクな彼女が「材木座だから、すぐだよ!」と言うものだから、そのつもりで出かけたのだが、気づくと、家を出てから3時間も歩き回ることになってしまった。

またもや、「素敵な道案内」バンビに騙されたのである!


さすがに、お腹が空いたので、バンビと相談して、小町通りの「天ぷら ひろみ」で、夕食がてら飲むことにした。


小林秀雄や永井龍雄、澁澤龍彦ら鎌倉文士に、小津安二郎監督が通った鎌倉の老舗である。


私は、天ぷら定食の「日和」、バンビは、穴子天丼を頼み、当てに生ウニとずわい蟹の磯辺揚げをもらう。

酒は、菊正宗純米を熱燗で。


「日和」は、海老、キス、蟹、帆立に、いんげん、椎茸、ししとう。

これに御飯と赤だしが付く。


穴子天丼は、穴子と海老、ヤングコーン、いんげん、椎茸、ししとうがのっている。

生ウニとずわい蟹の磯辺揚げは、酒によく合うが、海老の頭と穴子の骨せんべいも、酒にはうってつけである。


「あっという間に食べちゃうなあ!
ゆっくり食べよう!」とバンビ。


歩き回ったあとだけに、天ぷらが、ことのほか美味い。


結局、飲んだのは、ビールを1杯と菊正宗3合だけ。

脚がだるくなるまで歩き回ると、逆に呑めなくなるらしい。


帰宅してから、天狗舞山廃純米を、少しだけ呑み足した。
posted by 城戸朱理 at 11:02| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月03日

自宅で、アフタヌーン・ティー

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日曜日のこと。

前日、3時間近く歩き回ったせいか、バンビことパンクな彼女が、なかなか起きてこなかった。

ときどき、「ちゅんちゅん」とスズメの鳴き真似をしているので、起きたかと思うと、やはり寝ているのである。

スズメになった夢でも見ているのだろうか?


バンビが起きるのを待って、昼食に英国風フィンガー・サンドイッチを作ることにした。

キューカンバー(キュウリ)とレバーペーストの2種類である。


キューカンバー・サンドイッチは、パンにバターと、片面にマスタード、片面にマヨネーズを塗り、薄切りのキュウリをはさむ。

さらにバターを塗ったパンの片面にレバーペーストを伸ばし、片面に建長寺の蜂蜜を塗って、合わせると出来上がり。

ラップして、重しをかけ、落ち着いたら、耳を落として、細長く切る。


サンドイッチが出来たあたりで、ようやくバンビが起きてきた。


「あ! サンドイッチを作ってもらえたようだよ!」


もう、お昼を回っていたので、フィンガー・サンドイッチとケーキで、アフタヌーン・ティーの用意をする。


ケーキは、いただきものの東京會舘のカラフルでクラシックなケーキ。

これにスコーンがあれば、完璧なのだが。


バンビは、ポットで紅茶を淹れ、さっそく、サンドイッチを食べ始めた。


レバーペーストのサンドイッチを食べると「美味しいね!」と喜び、次はキュウリ、またレバーペーストと、交互に食べている。


「交互に食べるのがいいんだなあ!」とバンビ。


たしかに、濃厚なレバーペーストと、あっさりしたキュウリは、交互に食べるとバランスがいい。


すると、今度は緑茶を淹れて、「フルーツ餅も食べようよ!」と言い出した。

大阪の友人が送ってくれた吹田の松竹堂のフルーツ餅は、初めて食べたが、イチゴやミカン、メロンなど生の果物を入れたお餅で、果物を上品な白餡でくるみ、お餅はふわふわと柔らかい。

果物の酸味と白餡にお餅の控え目な甘みが、よく合う。


「デザートに最高だね!」とバンビが喜んでいた。
posted by 城戸朱理 at 13:33| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月02日

町の中華、大船なら

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去年、「ブルータス」誌で「町の中華」が特集されたときは、何やら感慨深いものがあった。

「ブルータス」は、1990年代前半に、私もフリーランスのエディター&ライターとして仕事をさせてもらったが、当時ならば、こんな特集はありえなかった。

メディアにも、地に足がついた企画が求められているということなのだろう。


鎌倉で掲載されているのは、このブログでも紹介したことがある「あしなや」のサンマー麺。

神奈川の地ラーメン、サンマー麺は、横浜発祥、野菜の餡掛け麺である。


東京の下町のように、朝から開いている居酒屋がないかぎり、日中から酒を飲もうと思ったら、蕎麦屋か中華しかない。

その意味では、町の中華は、食堂のみならず、飲み屋の機能も合わせ持った有難い存在である。


ちなみに、町の中華は、鎌倉なら「あしなや」、北鎌倉なら「大陸」。

大陸は、日本画家の瓜南直子さんが晩年、ひいきにしていたっけ。

そして、瓜南さん、洋画家の伴清一郎さんと一緒に行ったときは、海老の塩炒めやキクラゲと玉子炒めで飲んだが、瓜南さんが、ケチャップ味のチキンライスを気に入っていたのが、面白かった。


そして、大船なら石狩亭だろう。


常楽寺を訪ねたあと、バンビことパンクな彼女が、


「石狩亭で餃子でビールはどうかな?
たくさん歩いたから、きっとビールが美味しいよ!」


と言い出したので、私も激しく賛成し、石狩亭で飲むことにした。

まずは、餃子とレバニラ炒め。

ニンニクががつんと効いた石狩亭の餃子は、、ビールと相性がいい。


「3時間近く歩いたから、餃子をひとりで3枚くらい食べられるね!」とバンビ。


たしかに、ビールはうまかったが、寒いなかを歩き回ったあとだけに、顔が火照り、バンビも私も思ったより食べられない。

食事に炒飯とコーンスープを頼んでシェアしたのだが、かなり残してしまった。

だが、石狩亭は汁物以外は残しても持ち帰りできるので無駄がない。

ころも町の中華の良さだろう。
posted by 城戸朱理 at 11:37| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月27日

鰻のつるや

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「かまくら春秋」対談のあとは、伊藤玄二郎代表に由比ヶ浜通りの「つるや」に連れていっていただいた。

もう何年も、私は来客があるときしか行けないが、柳美里さんも鎌倉に住んでいたころ、、つるやから出前を取っていたっけ。


創業1929年の老舗で、かつては川端康成、小林秀雄、立原正秋ら、鎌倉文士が通った店でもある。


この店は、注文を受けてから鰻を捌くので、予約しておかないと、1時間近く待つことになる。

私が初めて、つるやを訪れたのは、もう30年ほど前になるが、そのときは、お新香でビールを飲みながら、1時間近く待ったものだった。


甘味を抑え、ふうわりと焼き上げられた蒲焼きは、実に酒に合うので、吉増剛造さんも気に入られている一軒だ。
posted by 城戸朱理 at 14:44| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月24日

福島名物、円盤餃子

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去年の夏、ロケで福島に行ったとき食べた円盤餃子。

一個はひと口サイズで、井上春生監督と、すぐに、もうひと皿、追加したっけ。

夜、iPhoneで去年の写真を確認していたら出くわしたのだが、餃子でビールをしたくなった。
posted by 城戸朱理 at 22:52| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

向田邦子の牛乳スープ

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『向田邦子の手料理』を読み直し、牛乳スープなるレシピを見つけたので作ってみた。


骨付きの鶏腿肉を使うのだが、手羽元で代用する。

まず、バターで鶏肉に焼き色を付け、ジャガイモも炒めて、ひたひたの水で煮る。

火が通ったら、牛乳を加え、なじむまで煮て、仕上げに黒胡椒を。

調味は塩だけで、水で煮る段階で加えると鶏肉にも味が入る。

私は、水のかわりに鶏ササミをローリエ・白胡椒5粒・塩で煮て、ササミのハムを作ったときのスープを使った。


バターの風味と黒胡椒の香りを生かすために、鶏とジャガイモのみというところが、向田さんらしい。


バンビことパンクな彼女が、活帆立のカルパッチョと茸の炒め物を作り、牛乳スープを出して、晩酌を始めたのだが、この牛乳スープ、シンプルなのにこっくりとしたコクがある。


「美味しい!」とバンビは喜び、「生麺を入れて、牛乳ラーメンにしても、きっと美味しいよ!」と言い出した。

見た目は、豚骨ラーメン風になるだろうが、実は牛乳というのが面白い。


向田邦子は、大きなプロ用のずんどう鍋で、いつも、たっぷりスープを仕込んでいたそうだ。

執筆中に小腹が空いたときや、お酒のあとに、寒い日にはスープでおじやを作ることもあったという。
posted by 城戸朱理 at 13:04| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月06日

ル・マンジュ・トゥーの料理本とピエンロー鍋

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ミシュラン・ガイドで10年連続、二つ星を獲得している神楽坂のフレンチ、谷昇シェフのル・マンジュ・トゥー。

どこで知ったのか、バンビことパンクな彼女が、ル・マンジュ・トゥーの料理本2冊を買ってきた。

『フレンチのきほん、完全レシピ』と『ル・マンジュ・トゥーのまかないレシピ』である。


私も和洋中エスニックと、料理は何でもするが、これだけ使える料理本は、めったにない。

とりわけ、後者はフレンチ・レストランのスタッフが、ふだん何を食べているかを覗き見する楽しさもある。

さすがにプロフェッショナル、醤油ラーメンでさえ、オーブンで焼いた鶏ガラを4時間煮出して、スープを取るところから始まるのだが、家庭で簡単に作れるレシピもたくさん載っている。


真っ先に試してみたのは、劇作家の妹尾河童さんが著書で紹介し、有名になったピエンロー鍋である。

これは干し椎茸の戻し汁で、椎茸と白菜の芯を柔らかくなるまで煮てから、鶏もも肉、豚バラ肉を加え、さらに胡麻油と白菜の葉、春雨を入れて仕上げる鍋料理。

レシピは、白菜ひと株、鶏もも肉500g、豚バラ薄切り肉500gと豪快で、塩・胡麻油・ラー油を鍋のスープで溶いた汁につけて食する。

レシピ通りだと多すぎるので、半量で作ってみたのだが、それでも土鍋には入らないので、無水鍋を使った。

単純だが滋味深く、スープが絶品なので、締めの雑炊も美味しい。


『ル・マンジュ・トゥーのまかないレシピ』は、オムライス、カレーから、鯖の味噌煮、ちらし寿司、フランスの家庭料理まで多彩な内容、『フレンチのきほん、完全レシピ』もフライパンひとつで作る丸鶏のローストチキンやローストビーフと家庭でも手軽に試せるレシピが多い。

今年は、このル・マンジュ・トゥーの2冊の料理本のレシピを順番に試してみよう。

ページをめくりながら、そう呟いたら――


「そうしてあげて!」
!?

バンビことパンクな彼女が騒ぎ出したのである。

「美味しいものをたくさん作って、食べさせてあげて!」
・・・・・・


パンクだから仕方がないが、いいのだろうか、これで?
posted by 城戸朱理 at 13:00| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月02日

御雑煮

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12月24日のミッシェル・ナカジマのクリスマスディナーから、28日昼の神田まつやでの蕎麦屋酒、夜の「木挽町 大野」の懐石料理まで、あまりにさまざまなものを年末にいただいたので、お節を準備する気にならない。

バンビことパンクな彼女と相談して、お節なしのお正月を迎えることにして、大晦日に紀伊国屋と東急ストアを回り、買い物をした。


特大の活毛蟹や数の子、イクラにスモークサーモン、刺身はマグロと甘海老など、酒の肴になるものばかりを買い揃えて、新年を迎える。


今年のお雑煮は、私の担当。

出汁を取って、酒・醤油で調味し、その出汁で、まず、京人参と生梅麩を別々に煮る。

鶏肉は、出汁に味醂を加えて炒り煮に。

焼き餅、鶏肉、人参に出汁を張り、梅麩と三つ葉を散らした。

イクラと蒸しウニを添えた、三陸風のお雑煮である。


毛蟹を茹で、朝から獺祭純米大吟醸と真澄の純米で、新年を祝ったのだが、年が明けるという感覚は、やはり大切だと思う。

新年、そして元旦。

年が改まるのは、シュルレアリスムの「白紙還元」に似て、悪くない。
posted by 城戸朱理 at 10:25| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月30日

茶懐石「木挽町 大野」で、その2

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続いて、松葉蟹とチンゲン菜のお浸し。

これも、昆布のみの薄味の出汁。


落花生がひとつ入っただけの小吸い物も、同様の出汁で、落花生の味が、見事に引き出されていた。

それにしても、徹底した引き算の料理である。


八寸は、ブロッコリーとカラスミ。

八寸としては破格だが、「木挽町 大野」では自家栽培の野菜を使っているのだとか。


香の物は白菜と人参が出て、おこげの湯斗は懐石の定番。


水菓子がイチゴ、最後がお汁粉だった。

ふと見たら、バンビがイチゴをお汁粉に乗せているではないか!?

「マッドバンビのお汁粉・ア・ラ・苺大福だよ!」
・・・・・・

これは、これで美味しそうだ(笑)。


食後は、茶室に席を移して、お薄をいただく。

裏千家のお点前だった。


四谷の喧騒の一本裏通りでの茶懐石。

時間の流れが、変わっていく。
posted by 城戸朱理 at 11:42| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

茶懐石「木挽町 大野」で、その1

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面白い店があるからと、一日にひと組の客しか取らない茶懐石の店「木挽町 大野」に招いていただいた。

バンビことパンクな彼女も一緒に招待していただいたので、バンビは喜び、「とっても茶懐石な子!」と訳の分からないことを言っている。


場所は四谷の路地で、隠れ家的な店である。


最初に向付が、いきなり本マグロの叩きだったのには意表を突かれた。

ミョウガに葱とワサビ、海苔が添えられ、御飯に百合根の味噌汁。

本来の茶懐石なら、御飯はひと口だけだが、おひつが置かれ、自由におかわりできる。

この御飯、玄米を八分づきの自家精米したものだろうが、尋常ではない旨さ。

本マグロは、カマトロの反対側、背の首の部位で、適度に脂が乗り、御飯が、より美味しくなる。

木挽町の料亭に生まれたという御主人は、御自身が好むマグロを使われることが多いと聞いた。


お椀は、甘鯛のかぶら蒸しで、驚いたのは出汁である。

鰹節を使わず、かすかに風味が聞こえるだけの澄んだ出汁は、引き出し昆布で取ったものだろうか。


焼物は、かますの塩焼き。


強肴が、小芋の田楽と鴨治部煮で、薄味のお椀、細工をしない焼魚に続いて、味のしっかりした料理を置くという配慮が嬉しかった。
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2016年12月28日

クリスマス・プレゼントが届いて

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クリスマス・ディナーが終わると、次は正月という気分になってしまうが、クリスマス当日に、バンビことパンクな彼女が、「今日、城戸さんにクリスマス・プレゼントが届くよ!」と言い出した。

バンビが手配してくれたプレゼントは、モエ・エ・シャンドンとリーデルのクリスタルのシャンパングラス2客。

これで、クリスマスに乾杯しようと考えたらしい。

そして、夕方、バンビはサンタピカチュウを探しがてら、買い物に。

クリスマス、25日も6時を回ると、クリスマスの食材は、すべてセールになる。

バンビは、それを狙って、紀伊国屋で、野菜のテリーヌ、トリュフ風味のフォアグラ・メダイヨン、ボンレスハム、オマール海老のテルミドールに、丸鶏まで捕獲して(?)帰ってきた。


さあ、お家でシャンパンを開けて、クリスマス・パーティーだよ!」


バンビは茸のソテーとサラダを作り、買ってきた惣菜を並べたのだが、たしかに、それだけでパーティーのような賑やかさになる。


丸鶏を調理するのは、私の仕事。

今回は、お腹にバターライスを詰めてローストした。

ちなみに、クリスマスには鶏料理というのは日本だけの慣習で、欧米の人には奇異に映るらしい。

丸鶏のローストを盛った皿は、10年ほど前に、福岡で高橋睦郎さんに連れていってもらった蘇鐵という骨董屋で求めた戦前の白磁オーバル皿。

大正から昭和初期の瀬戸産だろう。

丸鶏や英国風のフィンガーサンドイッチをたくさん作ったときにしか登場しないが、大皿は存在感があるので、豊かな気分になる。
posted by 城戸朱理 at 09:37| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月25日

ミッシェル・ナカジマのクリスマスディナー、その3

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ボルドーの赤ワインを追加して、いつものように、デセールの前にフロマージュをもらう。

私はシェーブル、バンビはロックフォール。

添えられたトリュフの香り高い蜂蜜が、チーズをさらに味わい深いものにしてくれる。


アヴァン・デセールは赤い実のフルーツのスープ仕立て、ヨーグルトのソルベ添え。

ベリーの酸味に目が覚めるようだった。

そして、グラン・デセールは、ママレードを敷いたチョコレートのフィアンティーヌとババロア。

柑橘類の酸味と濃厚なチョコレートのハーモニーが、癖になる。


コーヒーはダブル・エスプレッソを頼み、シュトレーンは包んでもらって、持ち帰ることにした。


クリスマスディナーは7時から、なんと3時間半。

去年までは、シャラン産の鴨やランド産アワビに栗に茸など、フランスから取り寄せた食材をふんだんに使っていたが、今年は鯨やゴボウに芽ネギなと、日本の食材に挑戦していたのが印象に残る。


最後に、恒例の中嶋シェフとバンビの記念撮影をして、帰途に着いたのだが、今年からクリスマスのランチも始めたらしい。

メニューもディナーとは若干、違うらしいから、来年は、ランチにも行ってみよう。
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ミッシェル・ナカジマのクリスマスディナー、その2

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魚料理は、鬼怒川産ヤシオマスのムニエルで、岩手産牡蠣のソース・ヴェルモット。

ふっくらとした牡蠣とヤシオマスの加熱が絶妙で、牡蠣のエキスが風味が加わったヴェルモットとバターのソースがまた、素晴らしかった。


メインの肉料理は、木の子を詰めたウズラのロースト、赤ワインソース、
山形牛サーロインのグリル、トリュフソースをひと皿ずつもらって、シェアする。


マッシュルームを詰めた軽やかなウズラと、どっしりとした牛サーロインを赤ワインを飲みながら、交互に試して、バンビは御機嫌だった。
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ミッシェル・ナカジマのクリスマス・ディナー、その1

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中嶋秀之シェフが奥様とふたりで、ミッシェル・ナカジマを開店したのは11年前。

翌年からクリスマス・ディナーを始めたので、私とバンビことパンクな彼女は、この10年間、毎年、欠かさずクリスマスの特別メニューを予約していることになる。


なにせ、バンビことパンクな彼女が、11月あたりから、「今年のミッシェルさんは、どんなメニューかな?」と楽しみにしているので、予約しないわけにはいかない。

クリスマスにかこつけた、わが家の年中行事のようなものだろうか。

2011年のミシュラン・ガイドで、鎌倉のフレンチとしては唯一、星を獲得したときのクリスマスディナーは、ひときわ華やかだった。


まずは、シャンパンの原型となったブランケット・ド・リムーをボトルでもらう。

アミューズは、青ネギの寒天寄せに備前の生クラゲ、パブリカ、クスクスをあしらったもの。

かすかに酸味があるサボテンのジュースのドレッシングで、生クラゲの食感が楽しい。


前菜ひと皿目は、グリルした鰻を詰めたフォアグラのメダイヨンで、エキゾチックなチャツネとヘーゼルナッツのメレンゲの粉が添えられている。

ひと皿目から、バンビは大興奮。


ふた皿目の前菜が、ナガス鯨のトマト煮込みとほうれん草のニョッキで、芽ネギが添えらている。

中嶋シェフが鯨を使うのは初めてで、しかもゴボウの香りが。

これは筋がなく柔らかい兵庫県日高町の在来種、赤崎ゴボウと聞いたが、ショウガではなく、ゴボウで鯨の癖を消すとは、さすがである。

おまけに――お皿が黒い。

ミッシェル・ナカジマは、内装もテーブルクロスもお皿も、すべて白で、料理だけが色どりだったのだが。

「シェフが黒いお皿を使ってみたいと言うので、今年、揃えたんです」とマダム。

白づくめの店内で、黒いお皿と鯨が、新鮮だった。


そして、最後の前菜が、バースニップのフォンダンとオマール海老のコンソメゼリー、赤海老のマリネとアブルーガキャビア添え。

バースニップは、セリ科の二年草で、見た目は白い人参のようだが、甘みが驚くほど強い。

それが、濃厚なオマール海老のジュレと一緒になると、口のなかで凝縮された旨みが溶け出すようで、バンビが目を丸くする。

マリネしてある赤海老もキャビアも素晴らしい。

「おかわりしたいね!」とバンビ。


前菜だけで、フルコースをいただいたような満足感がある。
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2016年12月14日

神保町の揚子江菜館で

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ホテル・モントレ半蔵門は、チェックアウトが12時なので、朝はゆっくり出来る。

コーヒーを買ってきて、くつろぎ、12時に神保町に向かった。


昼食は、バンビことパンクな彼女と相談して、揚子江菜館で。

創業明治39年(1909)と、「本の街」、神保町界隈では、もっとも古い中華料理店であり、冷やし中華発祥の店としても知られている。

ちなみに、揚子江菜館の元祖冷やし中華は、富士山型に盛り付けられた「五色涼拌麺」というメニューで、昭和8年に始まったらしい。


老舗だけに、池波正太郎さんも通ったが、吉岡実さんもひいきにしていた。

吉岡さんは「チャーシュー麺が食べたくなったら、ここにくるんだ」と言っていたっけ。


バンビも朝食を食べていないので、まずは蟹味噌豆腐をもらい、それから上海大ワンタンと酸辛湯麺をシェアすることに。

焼売は、ランチタイムのセットメニューで、普通の倍はある。

挽き肉ではなく、粗く叩いた肉を使い、肉汁とネギの甘さが口のなかで弾ける、揚子江菜館の名物である。


味は、どれも優しく、上品で、吉岡さんにチャーシュー麺を御馳走になったときにも、そう思ったのを思い出した。

酸辛湯麺も、辛さはそれほどではない。


この季節でも、ひとり、本を読みながら、冷やし中華を食べている御婦人がいたり、昼食を取りに来た近所にお住まいの御夫婦がいたりして、いかにも地元に溶け込んでいる店という感じがする。

そういう店は、いい店である。
posted by 城戸朱理 at 09:02| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする