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城戸朱理のブログ: 美味しい話

2020年01月13日

再び、ごだん宮ざわで、その2

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名物の焼き胡麻豆腐は、ゴボウを練り込み、煮穴子が入ったもの。

これは季節によって変わるので、じきに蕗の薹を練り込んだ胡麻豆腐が出てくることだろう。


器は、かつては古九谷の一手とされた吸坂手だが、今では古伊万里古九谷様式の吸坂手ということになるのだろうか。



さっぱりとした赤なまこのおろし和えは、赤なまこが信じられないほど柔らかい。

赤楽の向付けは、楽家七代、長入の作。


続いて、尾形乾山の銹絵長皿で、百合根を添えた松葉蟹のフライが出た。

明末の染付け、祥瑞(しょんずい)の自家製ウスターソースをたっぷりとからめていただく。


自家製カラスミを大振りに切って、蒸し上げたばかりの餅米に乗せた飯蒸しは、何度いただいてもいいものだ。

器は明時代の南京赤絵。


そして、明末清初の古染付けで、甲羅を使った松葉蟹の蟹釜。


手をかけた料理が、柚子釜、蟹釜と簡単な呼び名で出されるのが楽しい。
posted by 城戸朱理 at 12:59| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

再び、ごだん宮ざわで、その1

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宮澤政人さんの一軒目の店「じき宮ざわ」は開店するやいなや、すぐに予約至難の人気店になったが、2014年7月14日に二軒目の「ごだん宮ざわ」を立ち上げた。


私とバンビことパンクな家内が「じき宮ざわ」に行ったのは、2014年6月5日で、酒を呼ぶ見事な料理に感心したところ、バンビが「ごだん宮ざわ」開店のニュースを仕入れてきたものだから、ぜひ、行ってみようということになり、井上春生監督と一緒に訪れたのが、2014年10月3日のこと。

端整でありながら、創意工夫と驚きのある料理に感銘を受け、同年の11月に京都を再訪したおりには、4日間で3回、予約を入れた。


それ以降、機会があるたびに訪れ、機会がなければ、「ごだん宮ざわ」目当てでプライベートでも出かけるほど惚れ込んだが、今回、1月9日の訪問で39回目となる。


我ながら呆れるが、「ごだん宮ざわ」に惚れ込んだのは私ばかりではない。

俳人の高柳克弘、神野紗希夫妻をお連れしたら、神野さんが御両親を招待していたし、吉増剛造さんは、昨秋にマリリアさんと一緒に行って、マリリアさんも大いに感銘を受け、 今年の誕生日にも予約を入れたそうだ。



さて、今回も煎米茶から始まって、先付けは伊勢海老と蕪の餡かけの柚子釜。

柚子が香り立ち、伊勢海老はもちろん、出汁を吸った蕪が、なんとも美味しい。

器は尾形乾山の銹絵角皿である。



菱形に金箔を置いた華やかな秀衡塗りのお椀は、甘鯛と湯葉に生キクラゲで、淡い出汁が甘鯛の味を引き立てる。



お造りは安乗産のヒラメで、内側から光を発するような透明感のあるヒラメは、塩とウニ醤油でいただく。

京都でウニというと、淡路産か天草産が多いが、これは青森の大間産で、味が濃い。

初見の割山椒は、なんと野々村仁清、今年の正月が使い始めになるそうだ。


私の場合、ビールで始めて、お造りが出るところで日本酒にかえる。



桃山時代の本歌の絵志野で供された焼き物は、金目鯛の傘焼き。

脂が乗って、とろけるような金目鯛は実に美味いし、酒に合う。
posted by 城戸朱理 at 12:58| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月12日

祇園、餃子の歩兵

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1月7日、京都は冷たい雨が降っていた。


この日は、ホテルで和合亮一氏に出演してもらった「故郷を生きる」石巻篇のナレーション原稿を書いた。

井上春生監督がラッシュ表も書き起こしもない状態で繋いだ仮編集の映像をPCで確認しながら、訂正箇所をチェックしつつ、私の口述をバンビことパンクなディレクターが書き留めていく。

昼食は糸屋ホテル並びの近江ちゃんぽんで簡単に済ませたのだが、バンビはスープが味わい深いので感心していた。


夕方までかかって作業を終えたのだが、京都まで来て、仕事をしているのが情けない。


夕食は祇園の巽神社に近い餃子の歩兵に行った。


歩兵は以前から海外からの観光客に人気だったが、ミシュランのビブグルマンに選ばれたせいか、開店前から行列が出来ている。


飲み物は、当然ビール。


まずは、肉味噌もやし、壺きゅうり、ポテトサラダを頼んで、餃子が焼き上がるのを待つ。


歩兵の餃子は普通の半分ほどのひと口サイズで、ニンニクとニラを使った餃子としょうが餃子の二種類。

しょうが餃子は味噌ダレで食べる。


薄い皮はパリッと焼かれ、口のなかで餡がはじけるような餃子は、実に旨いし、ビールにこよなく合う。


鶏としょうがのスープと御飯もひとつもらったが、御飯はなくてもよかったかも知れない。
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2020年01月11日

新年のごだん宮ざわで、その3

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箸休めに有明の一番海苔を出汁でさっと炊いたものが出た。

お店で干したという海苔も添えられていたが、こんな海苔は口にしたことがない。

赤楽の筒は、楽の四代一入の作で、ぐい呑みによさそうだったので、これで飲ませてもらうことにした。


炊き合わせは、叩いたウズラに聖護院大根、堀川ゴボウ、菊菜、京人参。

器は、輪島塗の作家、鎌田克慈の作で、乾漆による花のような美しいフォルム。なんとも料理が映える。


客ひと組ごとに土鍋で炊き上げられるご飯も、「ごだん宮ざわ」の楽しみのひとつなのだが、もう、そんなには食べられない。

それでも、煮えばなをひと口いただいてから、煮えたお米が蒸れて御飯にかわっていく二膳目、三膳目までいただいた。

自家製の漬け物も白味噌で炊いたじゃこも美味しいし、宮澤さんがカラスミを切ってくれたので、本当なら、もっといただきたいところなのだが。

とは言っても、盛りは軽いので、三膳目までで家庭の軽く一膳くらいの量である。



甘味は、黒豆のブランマンジェに蜜柑、最中、寒氷などの盛り合わせ。


最後にお薄をいただいたが、お茶碗は、なんと野々村仁清の三玄院天目。

この茶碗のことは、別にアップしよう。


一年ぶりの宮澤政人さんの料理は、いよいよ素晴らしかったが、宮澤さんを始めとしてお店のみなさんに「3日後もお待ちしております」と挨拶された。

わずか4泊の京都滞在なのに、2回、予約を入れたのである。
posted by 城戸朱理 at 00:09| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新年のごだん宮ざわで、その2

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お造りは、カンパチ。

10kgはあるカンパチを一週間寝かせ、旨みが増したところで、無農薬の藁で背だけを軽く焙ったもので、刻んだ安来ネギとネギ、わさびと一緒にいただく。

吉野葛でとろみをつけた土佐醤油と相まって、いわゆるお造りを超えたひと皿としか言いようがない。

ちなみに「ごだん宮ざわ」では、食材と炊いたとか、焼いたといった調理法だけを言って、料理が供されるが、聞くと詳しく教えてくれる。

器は見事な絵志野で、信じがたいことに、桃山時代の本歌である。



尾形乾山の銹絵長皿の焼き物は、まながつおの味噌漬け。

焼き加減も見事なら、庖丁の仕事も生きている。



「ごだん宮ざわ」名物、焼き胡麻豆腐は、ゴボウを練り込み、炊いた穴子を入れて、山椒の実が風味を高める。

以前、同じ柔らかさになるように穴子とゴボウを炊いて、ゴボウを穴子でくるんだ天ぷらをいただいたことがあるが、ゴボウと穴子は相性がいいらしく、胡麻、ゴボウ、山椒と香りの饗宴も素晴らしい。

器は尾形乾山のオランダ写しだが、見込みの絵付けは日本ならではの沢潟(おもだか)で、乾山の独創となっている。



おしのぎは、手打ち蕎麦に、たっぷりカラスミをすりおろした定番のカラスミ蕎麦。

嬉しいことに、自家製カラスミは初物である。

今回は北大路魯山人の備前で供された。



揚げ物はハマグリと蓮根のフライで、5日かけて仕込んだ自家製ソースをたっぷりとからめていただくのだが、このソース、素材のフルーツが香り立ち、スパイスが効いた逸品で、バンビことパンクな彼女はソースまで飲み干していた。


まるで北欧のモダンデザインを思わせる角鉢は、江戸時代の京和蘭陀、これも尾形乾山である。
posted by 城戸朱理 at 00:08| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新年のごだん宮ざわで、その1

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京都の常宿、糸屋ホテルにチェックインして荷物を解き、予約した6時に「ごだん宮ざわ」に入店した。


2014年の開店以来、京都に来るたびに寄らせてもらっているが、4年間で30回を超えるほど通っていたのに、去年は京都に行ったのが1月の一度きりだったので、なんと一年ぶりの「ごだん宮ざわ」である。


バンビことパンクな彼女は、京都に着くや否や3時間以上歩き回り、ホテルで足湯をして、お腹を空かせ、たっぷり食べようという計画を実行。

パンクだから、こういう努力は惜しまないのである。


宮澤政人さんも相変わらずの男ぶりで、スタッフのみなさんも気持ちがいい。


まずは明末清初に中国の景徳鎮で焼かれた古染付で、いつものように煎米茶が出る。

宮澤さん手ずからの一献は、伏見の稼ぎ頭。

アルコールは普通の日本酒の半分ほどで、酸味が強く独特の風味が食前にふさわしい。


やはり古染付で出された先付けは、クエのかぶら蒸し。

脂が乗って身は引き締まったクエを、ふうわりとしたかぶらが包み、滋味深い出汁が何とも言えない。

「そう、この味だ」と思ったが、バンビも「しみじみと美味しいね」と静かに味わっている。


ビールは繊細なバカラのグラスで出されるが、空気が乾燥しているからか、冬のビールは格別に美味い。

もっとも夏は夏でビールが格別に美味いと言っている人間の言うことを信じる必要はないのだが。



新年にふさわしい、梅にウグイスの蒔絵椀は、白味噌仕立てで、車海老に海老芋、菜の花の白味噌仕立て。

白味噌のお椀は、風荒き板東から来た人間には、いかにも京都という感じがして嬉しいものだ。
posted by 城戸朱理 at 00:06| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月10日

新幹線で朝食兼昼食を

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1月6日。

前日に着替えなどをパッキングしたトランクを宅急便で送り出しておいたので身軽に動ける。

品川発の新幹線で京都へ。

夜は「ごだん宮ざわ」に予約を入れてあるので、早めに昼食を済ませることにして、品川のエキュートで老舗洋食屋、グリルつばめのハンブルグステーキ弁当とトマトのファルシーを選んだ。


富士山が見えてきたあたりでお弁当を広げ、早めの朝食兼昼食。

バンビことパンクな彼女は、車中でも校正の仕事を続けていた。


京都着は12時過ぎ。

まだチェックインはできないので、糸屋ホテルに荷物を預け、四条の東急ハンズを覗いてから、錦天満宮にお詣りし、錦市場を散策。

錦市場はすっかり様変わりしてしまって、インバウンド目当ての立ち食い店ばかりになり、「京の台所」と呼ばれた、かつての趣はない。

鎌倉の小町通りも同じようなものだが、この5年ほどで日本の街並みは、ずいぶん変わってしまったような気がする。
posted by 城戸朱理 at 16:40| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月09日

澁澤龍彦邸でシュクメルリを作る

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1月2日の澁澤龍彦邸新年会では、人数が15人と増えてしまったので、メニューを再考し、澁澤邸に着いてから、シュクメルリとスパゲッティ・カルボナーラを作ることにした。

グルジア(ジョージア)料理のシュクメルリを自宅で作るときは、ル・クルーゼの白のソースパンを使い、そのまま食卓に出すが、15人となるとソースパンでは間に合わない。


結局、家からビタクラフトのいちばん大きなフライパンを持ち出して調理することにした。

このフライパンは、神楽坂のフレンチ、ル・マンジュ・トゥーのレシピを試してみたくて、盛岡で買ったものだが、まさか、こんなふうに役立つ日が来るとは思わなかった。


まずは、ニンニクふた房分(ふた片にあらず!)をひたすら潰し、バターで香りが出るまで炒め、鶏もも肉4枚をひと口大に切って、焼き色をつける。

あとは、ひたひたの牛乳で煮るだけなのだが、生クリームを加えるとさらに濃厚に、サワークリームを加えると複雑さが増す。

鶏肉に火が通ったら、塩・胡椒で調味すれば出来上がり、これだけだと、せっかくのソースが無駄になるので、ソースを吸ったバゲットを楽しめるように軽く焙ったバゲットを差し、彩りにブロッコリーを散らした。

増量するなら、茹でたジャガイモを追加してもよかったかも知れない。

次回はそうしてみよう。



使う材料は鶏肉、ニンニク、バター、牛乳と普通に家庭にあるものばかりで、見た目より簡単な料理だが、こっくりと濃厚で、後を引く味になる。


パーティーでも好評だったが、料理ばかりしていないで、今年は本来の仕事に専念したいものである。
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2020年01月06日

正月のストーンクラブ

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2日の澁澤龍彦邸での新年会が終わり、ようやく正月の気分にひたることができたのは、3日のことだった。


数の子やいくら、黒豆や栗の渋皮煮など、おせち気分になるものを盛り合わせ、お造りは、まぐろの中とろにイカ、志津川産のタコを出して、お屠蘇で新年を祝う。

昼から呑んでいてもいいのだから、お正月というものは、なんともいいものだ。

お雑煮は鶏と小松菜。

それに鮭と根菜で大阪風の粕汁を仕立て、これにも餅を入れて、お雑煮にしてみたのだが、悪くない。


夜は、バンビことパンクな彼女がお正月用にストーンクラブ(石蟹)を取り寄せていたので、溶かしバターとレモンを添え、山形牛のステーキを焼いて、サラダを作り、スパークリングを開ける。


新年会のために作った赤ピーマンのムースもあるし、牛すね肉とプラムの赤ワイン煮も仕込んであるので、調理の手間はさしてかからない。


バンビが編集の仕事に忙殺されたせいもあって、何やら、あわただしい年末年始となったが、この日ばかりはくつろぐことができた。
posted by 城戸朱理 at 16:34| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月03日

今年のお雑煮

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大晦日のうちに、鶏もも肉を炒め煮にし、小松菜を下茹でして、出汁を取り、お雑煮の用意をしておいた。


今年は私が作ることにしたが、焼いた角餅に鶏肉と小松菜だけの東京風のお雑煮にした。

三つ葉を散らし、柚子を吸い口にしたが、戦前の東京のお雑煮は、鶏と青菜、もしくは青菜だけというものだったらしい。


戦後の女性ライターの草分けと言われ、白洲正子さんと親交があった三宅菊子さんは外掘り通りの外は、もう東京都下と思っている生粋の東京っ子だったが、東京のお雑煮は鶏と青菜、人参さえ余計というのが持論だった。

吉田健一は、東京のお雑煮は青菜だけと語っている。



「お正月の雑煮というのは場所によって作り方がかり違うようで、その中には話だけ聞いていると雑煮ではなく凡そ色々なものが入った一種のごった煮ではないかと思うのがある。そして一体に東京のよりも餅の他に入れるものが多いらしいが、これは東京のが餅以外には菜っ葉位しか入らないのであるからそれよりも具が少ない雑煮はあり得ないとも考えられる。併しこの東京の雑煮はこれで旨い。(中略)正月の食べものは何かあればある程新年が芽出たく感じられるものであっても雑煮はこの東京の簡単で新鮮なのが湯気を立てているのに限ると前から考えている。尤も誰でも自分が生まれて育った所の仕来たりに執着するものであるから本当は各種の雑煮を食べ比べでもしなければ確かなことは言えない訳である。
併しそれをしたいとも思わない位東京の雑煮のちゃんと作ったのは旨いものである」
(「東京の雑煮」、『舌鼓ところどころ/私の食物誌』、中公文庫)



吉田健一の父は、言うまでもなく吉田茂首相だから、吉田家が貧しくて青菜だけの雑煮だったはずはなく、それがかつての東京の雑煮だったのだろう。


私の実家では、お正月は鶏肉、青菜、人参などの東京と同じような雑煮と小豆餅が並んでいたが、甘い小豆餅が正月に欠かせないのは東北地方の慣わしで、三賀日を過ぎると青菜だけの雑煮を作ることがあった。

これは父が好んでいたが、大根おろしや納豆を添えて、からみ餅にして食べたものだった。


もっとも雑煮なのだから、雑炊と同じく、どんな具材でもいいわけで、地域差もあれば家庭ごとの違いもある。

違うほうが面白いし、一年中売っているにもかかわらず、正月に食べる雑煮の餅が、いちばん旨いような気がする。
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2019年12月31日

半年、料理をしてみたら

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12月27日、バンビことパンクな彼女は助っ人を頼まれた編集の仕事で、なんと古巣の出版社で徹夜。

帰宅できたのは28日の朝で、数時間だけ寝て、渋谷の麗郷に向かったので、完全な睡眠不足である。

私も付き合って起きていたので、ひたすら眠い。

家に戻って軽く晩酌したが、すぐに休んだ。



29日、バンビはさすがに起きられず、私がいつものように昼食の用意をした。


お昼はビトーク(煮込みハンバーグ)にリボリータ。

ほかに、マッシュルームや舞茸などをニンニクとオリーブオイルで炒め、パブリカのトマト煮を並べた。

リボリータは、固くなったパンをありあわせの野菜と白インゲンで煮込んだトスカーナ地方の郷土料理だが、セロリを入れると風味がよくなるので、私は必ずセロリを使うようにしている。

この日はタマネギ・セロリ・人参・キャベツに白インゲンを煮込んだ。


ハンバーグを焼いてドミグラスソースで煮込んでいたらバンビがやってきた。


「何を作ってくれてるのかな?」


煮込みハンバーグを見つけたバンビ、「お昼なのに夕飯みたいだなあ!」と喜んでいる。




夜はバンビが毛蟹を解体してくれたので、シャンドンを開けた。

スパークリングにはフルーツが合うのでイチゴとメロンを並べる。

京都産の本しめじをバター焼きにして、私はヤリイカの刺身で晩酌を始めた。

昼に作ったリボリータも残っていたので、調理の手間はかからない。


毛蟹は久しぶりだが、蟹のなかでも味が濃く、蟹味噌も磯の香が強いので、実に酒を呼ぶ珍味である。


お昼のハンバーグもひとつ残っていたのだが、バンビが食べてしまった。


7月から、わが家では私が食事の用意をしているので、もう半年の間、御飯を作っていることになる。

ますます手早くなったが、来年は違うことに時間を使いたいものだ。
posted by 城戸朱理 at 13:42| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月30日

スペイン料理、サン・パウ2018、その3

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肉料理「カルメン」はイベリコ豚のプルーマで、サフランが香り立ち、洋梨とひよこ豆が添えられている。

肉はイベリコ豚一頭から300gしか取れない首の付け根のホセリトで、こんな豚肉があってはいけないという禁断の濃厚さ。

なるほど、カルメンという名もうなずける。


「ワーグナー」はリセウ劇場の絵のようなチーズのプレートで、チーズはマッシモレイシロ、ラズベリーソースにパブリカのジャム、焦がしレモンが風味を添える。


デザート「オペラ」は、アーモンドのケーキ、エスプレッソのゼリー、チョコレート、アーモンドミルクのソルベなどが織り成す五線譜のようなひと皿。


プティフルール「仔豚」は、シェフが豚肉屋からキャリアをスタートし、豚が幸運を運んでくれたことから、この形になったのだそうだ。

スペイン料理といわれてもイメージできなかったが、いずれも複雑に声部が響き合うような、視覚と味覚の驚きにあふれるコースだった。
posted by 城戸朱理 at 14:42| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スペイン料理、サン・パウ2018、その2

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まずは「リセウ劇場」。

これがアミューズなのだが、リセウ劇場の客席をかたどったひと皿で、オリアイゴに塩漬けの真鱈、カルキニョーリ。


前菜「カイロの鵞鳥」は、鴨のクロケッタに味噌でマリネしたフォアグラで、ピスタチオとヨーグルトのソース。

これはモーツァルトの未完成のオペラを料理で表現したものだという。


次の前菜は「三人のテノール」。

これは三大テノールの出身地、モデナ、マドリッド、バルセロナにちなんだ食材を使ったイカのサンドイッチ。


「ノルマ風パスタ」は、オペラ「ノルマ」にちなんだひと皿で、見た目にはパスタとは思えない。

茄子と紫蘇、コンテチーズをパスタでくるみ、まぐろ節のブロスをかけて供された。


魚料理「オペラ」は、カサゴとオマール海老、コウイカの煮込みで、カタロニアの郷土料理だという。
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スペイン料理、サン・パウ2018、その1

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今年最後の外食となったのは渋谷の麗郷だったが、2018年、平成最後の年末の外食となったのが、スペイン料理だった。

京都の「ごだん宮ざわ」の宮澤政人さんが、毎年、休みを取ってスペインに行くほどスペイン料理に惚れ込み、高く評価していたものだから、友人とスペイン料理に行ってみようということになったのである。



友人が選んだのは、カタルーニャを代表する、ミシュラン三ツ星の女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダのサン・パウ、その東京店。

訪れたのは12月28日、東京店もミシュランで二ツ星を獲得している名店だが、実にイマジネーション豊かで、創造性に満ちた料理だった。


ちなみに、『ミシュラン・ガイド』は参考にすることはあるが、私にとっては、それ以上ではない。

それはさておき、サン・パウは、扉を開けるとウェイティング・ルームで、正面にはガラス張りのワイン・セーラーがある。


2階に案内され、テーブルにつくと、メニューが置いてあった。

季節のメニューのテーマは「オペラ」。

カルメ・ルスカイェーダの次のようなメッセージも。


「オペラとガストロノミーには どんな共通点があるのでしょうか? 全部においてです。(中略)どちらも 新たに創られながら、ステージごとに生まれては消えていく はかない舞台です。二つの叙情的で美食的な作品は それぞれ別の表現ですが、どちらも同じようにゲストへの〈感動〉という結末を迎えます。それでは 幕を開けましょう! 」。


料理のすべてにオペラにちなんだ名前がつけられ、バンビことパンクな彼女は圧倒されていたが、三ツ星シェフの自信を目の当たりにする感じが楽しい。


カヴァで乾杯して、幕は上がった。
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渋谷、麗郷で、その3

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店内の壁に張り出された季節物のメニューを見ていたら上海蟹があった。上海蟹となると、頼まないわけにはいかない。

活きたままの上海蟹を紹興酒とタレに漬け込んだ「酔っぱらい蟹」である。

鯨井くんは初めての上海蟹とのこと、蟹身は刺身の感覚、蟹味噌は生ウニからいっさいの癖を除いたような珍味中の珍味で、口のなかで溶ける。


私にとっても今年、初めての上海蟹だが、おかげで、昼から本腰を入れて飲み始めることになってしまった。

鎌倉に戻ったのは、17時ごろだろうか。
posted by 城戸朱理 at 13:46| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

渋谷、麗郷で、その2

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青菜炒めと黄ニラ炒めは、強い火力で一気に炒めた専門店ならではの仕上がり。


白海老蒸しは、ぷりぷりとした食感で、しかも味わい深い。


打ち合わせも無事に終わり、10年物の紹興酒をボトルでもらう。


「渋谷にこんな美味しい店があるのは知りませんでした」と鯨井くんは言っていたが、麗郷の台湾料理には興奮がある。


豚肉のかたまりが入ったチマキも名物。

変わり種はカエル料理、この日は唐揚げを頼んだが、癖がなく、言われなければカエルとは分からないだろう。
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渋谷、麗郷で、その1

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天使館の鯨井謙太郒氏は、奥山ばらば氏と共演した「阿吽山水」公演によって、2018年に第50回舞踏批評家協会新人賞を受賞、今年はソウルのダンス・フェスティバルに招待、再演されたが、私もソウルまで観に行った。

さらに2019年には宮城県芸術選奨・舞踏部門新人賞を受賞、各部門の受賞者による作品展「芸術銀河」(2020年1月20日から26日まで)が開催されることになった。

この作品展では、鯨井くんのほぼ全公演の写真を撮ってきたバンビことパンクなフォトグラファーの写真も展示することになり、12月28日に、打ち合わせを渋谷の麗郷ですることにした。


麗郷は昭和30年(1955)創業、東京でも、もっとも古い台湾料理店ではないだろうか。

私が初めて行ったのは、30年以上前になるが、去年から、ときどき寄るようになった。


高校生のときから通っているという初老の御夫婦に教えてもらったのが、肉員(バーワン)。

ぷるぷるとした得体の知れないこの料理は、肉や筍と茸の餡を米粉でくるんで蒸し上げたもので、実に旨いし、食感が楽しい。


常連が必ず頼んでいるのが、ニンニクが効いたシジミと焼きビーフン。

シジミのタレをビーフンにかけて食する。


ビールで乾杯して、打ち合わせに入った。
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2019年12月27日

ミッシェル・ナカジマのクリスマス・ディナー2019、その4

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アヴァン・デセールは、マンゴージュレ、ヨーグルトソースで、肉料理のあとだけに酸味が心地よい。


グラン・デセールは、ラズベリーとチョコレートのルーロ、濃縮ミルクアイス添え。

カカオの苦みとラズベリーの酸味が一体となったロールケーキに、ミルクを濃縮したようなアイスがよく合う。


最後にダブルエスプレッソと自家製シュトレーン。


会計を済ますと、恒例の撮影会である。

中嶋秀之シェフ、マダム、バンビにソムリエ、スタッフと。


毎年、やっているものだから中嶋シェフが待っていてくれるのも面白い。


帰宅するなり、バンビは「お腹がぽんぽんだよ〜。また、来年も連れていってあげてね!」と言って、パタッと寝てしまった。
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ミッシェル・ナカジマのクリスマス・ディナー2019、その3

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前菜だけでフルコースをいただいたような満足感があるが、主菜はこれから。


魚料理はイトヨリのヴァプール、ブイヤベース仕立て。

甲殻類を使わず魚のアラと野菜だけで取った濃厚な魚のスープ、フュメ・ド・ポアソンに、蒸したイトヨリ、牡蠣に海老、ムール貝が浮かんでいる。

フュメ・ド・ポアソンは食べるスープといった濃厚な重さがあり、スープと一緒に魚介類をいただく感じで、ブイヤベースとはまったく違う逸品だった。




口直しはシードルのグラニテ。



肉料理は、鴨か牛を選ぶのだが、ひと皿ずつお願いして取り分けた。


鴨胸肉のロースト、グリオットチェリー風味は、コーヒーで煮たゴボウが添えられ、甘みのない加熱用のグリオットチェリーが鴨肉の奥深い味わいを引き出す。


和牛A5等級、仙台牛イチボのロースト、赤ワインソース、茸のピューレはカボチャのニョッキが添えられ、茸の風味が牛肉の旨みを引き立てる。


どちらも素晴らしかったが、鴨胸肉のほうが私の好みだった。


赤ワインがまだあるので、デセールの前にフロマージュをいただくことに。

選んだのは、シェーブル、モンドール、ロックフォール。香り高いレザーウッドの蜂蜜が添えられており、チーズとワインで過ごす至福の時間である。
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ミッシェル・ナカジマのクリスマス・ディナー2019、その2

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クリスマス・ディナーの前菜は3皿。


ひと皿目は、グリルした鰆、下仁田ネギのサラダ、林檎のエクラゼとピューレ。

軽く焙って、スモーキーな香りをまとった鰆に林檎の酸味と甘さが出会う、これまで経験したことのない料理で、バンビが目を丸くしている。


ふた皿目が、フォアグラのポアレなのだが、付け合わせは、なんとビーツのわらび餅、そしてイチゴとビーツのヴィネグレット。

フォアグラには甘みのある果実系のソースが合うが、ビーツとイチゴの風味、さらにわらび餅の食感がフォアグラと一体となって、感嘆符をつけたくなった。


最後の前菜は、カリフラワーのフォンダンと赤海老のマリネ、オマール海老のコンソメゼリー。


「定番ですが」とマダムは言うが、甲殻類の旨みが凝縮したようなひと皿で、カリフラワーのフォンダンが柔らかみを添える。

「おかわりしたいね!」とバンビ。

たしかに、おかわりしたいくらいだが、主菜はこれからである。


ワインリストをもらって、ソムリエと相談しながらポール・ジュブレ・エネ2006年を開けてもらう。

まずは濃厚なベリーの香りに鞣し革のようなアロマが続き、とにかく重く、ひたすら重く、余韻が異様に長い赤ワインである。
posted by 城戸朱理 at 12:59| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする