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城戸朱理のブログ: 美味しい話

2016年12月13日

久しぶりに勝烈庵へ

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バンビことパンクな彼女は、楽しみにしていたのである。
銀座に行く前に、久しぶりに勝烈庵に寄るのを。


「思わず、微笑んじゃうなあ!」

バンビが注文したのは、冬季限定の牡蠣フライ定食。

「んふ!」

どうしたんだろう?

「牡蠣フライを前にして、照れているんだよ!」
・・・・・・

意味不明だが、喜んでいるらしい。

勝烈庵の牡蠣は宮城産で、驚くほど大粒である。

バンビは、まず塩で、さらにポン酢、ソースと、味を変えて楽しんでいる。


私は、いちばん軽い若鶏フライ定食を。

本当ならば、「静の舞」なるロースカツが最高なのだが、これだと、やや重いのだ。


勝烈庵は、パン粉もソースもマヨネーズも自家製で、カラッと揚がっているので、決してもたれることがない。

そのせいか、年輩のお客さんが目立つ。


牡蠣フライの時期には、バンビを連れて、必ず寄るようにしているが、次は、泳いだあとに「静の舞」を食べに行こう。
posted by 城戸朱理 at 13:45| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月11日

京都土産と勢子蟹

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京都で最後に訪れるのは、錦市場。

帰宅してから、食事の準備に手間がかからないように、食材などを買って帰るのが、わが家のならわしになっている。


買うのは、一夜干しのぐじ(甘鯛)、浜焼きの鯖で、さらに冨美屋でうどんやお好み焼きを手配するのが定番。

三木鶏卵の出汁巻玉子やお茶漬け用のぶぶ鰻(鰻の佃煮)を買うことも多い。

夏ならば、鮎の塩焼きと水茄子の漬物あたり。


今回は、冨美屋で、うどんちりに柚子鍋、海老天うどん、カレーうどんをそれぞれ2個に、お好み焼きをミックス、ねぎ焼き、海老天など3種類を選んで、送ってもらった。

冨美屋のうどんやお好み焼きは、すべての具材がセットされているので、包丁いらずで調理が出来るため、時間がないときに重宝する。

ちなみに、うどんちりなら、出汁とうどん玉、お餅のほかに、下茹でした鶏肉と海老、生麩に竹輪や三つ葉に九条ネギなどが入っている。

調理時間は、温めるだけだから10分たらず。


夕食はうどんすきにしようと思っていたら、バンビことパンクな彼女からLINEで連絡が。

「紀伊国屋に生の勢子蟹がいるよ!」

勢子蟹は、内子と外子、2種類の卵を抱えた雌のずわい蟹で、香箱蟹とも呼ぶ。

解禁は11月6日で、漁期は年内だから、この時季にしか食べられない。

「蟹さんを捕獲したよ!」

バンビが勢子蟹を買って勢いよく帰ってきたので、すぐに茹で、バンビがお風呂に入っている間に、食べやすいように解体した。

かくして、勢子蟹とうどんすきの夕食となったのだが、寒い時期のうどんすきは、本当に身体が暖まる。


そして、バンビはというと――

「勢子蟹が、甘くて美味しいね!
じき食べられなくなるから、毎日、食べるといいんじゃないかな?」
・・・・・・

勢子蟹は、金沢や福井から京都で珍重されるが、「ごだん宮ざわ」でいただき、さらに新保智子さんが産地から送って下さってから、バンビは、すっかり気に入ってしまったらしい。

しかし、いくら気に入ったとはいえ、毎日、食べるものではないと思うのだが。


パンクなだけに油断大敵、毎日、勢子蟹を買ってこないように、厳重な警戒が必要である。
posted by 城戸朱理 at 08:20| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月10日

穂久彩の「太秦ロケ弁当」

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京都は太秦(うずまさ)に東映撮影所があるし、テレビのロケも多いため、ロケ弁当を扱う店も多い。

とくに穂久彩(ほくさい)は、数がまとまれば、京都府内のどこにでも配達してくれるので、ここ数年、ずいぶんお世話になっている。


穂久彩の名物といえば、その名も「太秦ロケ弁当」という名のロケ弁当。

これは、ある大物俳優が、自分の好みのおかずを少しずつ盛り合わせてもらったもので、鯖の塩焼きに鶏の唐揚げ、小さな鰻に出汁巻玉子、それに炊き合わせとひじきが入ったお弁当である。


今回は、流響院での撮影のときの昼食が、穂久彩の弁当だったのだが、丹波牛しぐれ弁当、きつね丼二段弁当各5個ずつのほかに、なぜか、「太秦ロケ弁当」が、ふたつ混じっていた。

手配したのは、プロデューサー兼任の井上春生監督である。


「自分が食べたくなったんです、ロケ弁」と井上監督。


太秦の東映撮影所に就職し、20代を京都で過ごした井上監督にとって「太秦ロケ弁当」は、懐かしいものなのだろう。


私は、きつね丼二段弁当をいただいたが、よくある揚げ物ばかりのロケ弁当とは違って、川端康成の『古都』にも登場する豆腐の名店、嵯峨の森嘉の油揚げを九条ネギと炊いたきつね丼、炊き合わせには梅生麩をあしらい、麩饅頭まで添えられている細やかさは、やはり京都ならでは。

それに比べると、「太秦ロケ弁当」のほうが、ボリュームがある。


去年あたりまで、穂久彩の弁当は、実際にロケ先で注文しなければお目にかかれなかったのだが、メディアで話題になったのか、今回は京都駅のコンビニでも、駅構内の弁当売り場でも、なんと「太秦ロケ弁当」が売られていた。

私もつい買ってしまったが、この弁当、狭いロケバスのなかで食べるのが、本当は似合っているような気がしないでもない。
posted by 城戸朱理 at 09:11| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月08日

柳小路の「そば 酒 まつもと」、その2

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蕎麦屋の定番、鳥わさは、大山地鶏の胸肉を使っており、五味が揃った酒にも負けないほど味がしっかりしている。


鴨ロースは、鴨胸肉の抱き身の脂身に細かく包丁を入れて適度に脂を落とし、火入れも絶妙で、ふんわりと柔らかい。

ジャック・ボーリーがシェフだった時代の銀座ロオジェの鴨料理を思い出すような見事さなのに、値段はきわめて良心的で、バンビは「こんな店が鎌倉にあったら、毎日、通っちゃうね!」と興奮していたが、それも当然だろう。

追加した日本酒は、「日置桜 強竹」と「奥鹿」。


鴨南蛮蕎麦も試してみたかったが、初回だけに、蕎麦の味と香りがダイレクトに味わえる盛り蕎麦を頼んだ。

蕎麦は、やや粗くひかれているように見えるが、喉ごしがよく、香りもよく、関西風の出汁と相まって、これまた酒によく合った。

本当に日参したいような店である。
posted by 城戸朱理 at 07:43| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

柳小路の「そば 酒 まつもと」、その1

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新京極の花遊小路の先、風情ある柳小路に「そば 酒 まつもと」がある。


「店名からして凄いよ!
〈そば 酒 まつもと〉だもん!
絶対、飲んべえの店だよ!」


数年前から「美味しい料理で、美味しい日本酒をちゅーっと飲む」のに目覚めたバンビことパンクな彼女が、以前から気にしていた店だが、これが素晴らしかった。


日本酒も肴も充実していて、期待を裏切らない。

最初にもらった燗酒は、「へのへのもへじ」に「東郷」。

どちらも米のどっしりした味わいがあるが、バンビは「東郷」のほうが気に入ったようで、「The日本酒という感じだね!」と感嘆していた。


肴は、まず「鯛しおから 海苔 わさび」と「山芋のポテトサラダ 海苔 わさび」を。

「鯛しおから」は、いわゆる塩辛ではなく、刺身を塩で軽く締めたものだろうか。

これに、下ろし立ての根わさびをのせ、海苔で巻いていただくのだが、日本酒に実によく合う。

ポテトサラダも、ジャガイモではなく山芋、マヨネーズではなくチーズでコクを出した逸品で、海苔とわさびの風味が、これまた酒を呼ぶではないか。


酒もよければ、肴もいい。

まさに、酒好きのための蕎麦屋である。
posted by 城戸朱理 at 07:41| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月07日

平野屋でぼたん鍋を、その2

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この日は、お客さんが少なかったのか、女将さんが、付きっきりで給仕をしてくれた。

女将さんも十四代目、十五代目となる若女将とともに店を切り盛りしているそうだ。


ぼたん鍋の前に、鹿肉のしゃぶしゃぶが食べられると聞いていたのだが――


「今日は鹿が獲れなかったので、熊の肉を」と女将さん。


黄金色の出汁で煮る熊肉は、煮込むほどに脂がとろりと柔らかくなっていく。

獣臭さはまったくなく、ほっこりと暖かい、いい匂いが広がる。

似たものが思いつかないような味わいである。

バンビことパンクな彼女は、熊と聞いただけで大喜び。


「熊肉を食べたら、獰猛になっちゃうなあ!」


ならなくていいのである。


続いて、ぼたん鍋を。

これだけ脂身が多いのに、煮ても出汁に脂が浮いてこない。

わずかに、ごくごく細かい脂の粒が、出汁の表面で光るだけなのは、実に不思議な眺めだった。

猪肉も、まったく癖がなく、いい香りで驚いたが、「批評の神様」小林秀雄は、いい猪はドングリを食べて育つので臭みなんかないと言っていたのを思い出した。

熊肉ばかりか猪肉からもダシが出て、野菜も美味しくなっていく。

とりわけ、出汁を吸った蕪の美味しさは格別だった。


京都人といえば、牛肉好きという印象があるが、女将さんが若いころ、奥嵯峨で、肉といえば、かしわ(鶏)かぼたん(猪)ばかり、
1970年の大阪万博のとき、初めてケンタッキー・フライドチキンを食べた女将さんは、同じ鶏なのに、普段食べている「かしわ」とは違って、柔らかいのに驚いたそうだ。


家庭料理でも猪というのは、土地柄なのだろうが、やはり面白い。


ぼたん鍋は、最後に丸餅と御飯を入れて雑炊にするのだが、熊と猪、そして野菜の旨みを吸った御飯の美味しさは絶品で、バンビも目を丸くしていた。


雑炊のあとは水菓子をいただき、食事は終わったのだが、奥嵯峨の山のなかで食べるぼたん鍋は、実にいいもので、この鍋をきっかけに、バンビは鍋料理に目覚めることになった。
posted by 城戸朱理 at 10:17| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

平野屋でぼたん鍋を、その1

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京都、嵯峨の愛宕神社は火伏せの神として古くから参拝客が絶えないが、その一の鳥居のたもとで400年続く鮎茶屋・平野屋。

8月に訪れて、鮎尽くしの料理をいただいたが、冬は猪肉のぼたん鍋が名物と聞いていたので、再訪することにした。


江戸時代初期に建てられた母屋のたたずまいは、実に趣きがある。

夏と同じ個室に案内され、まずは名物の志んこ団子とお茶が出る。
黒糖ときな粉をまぶした素朴な米粉のお団子だが、ねじれた形は、愛宕山の九十九折(つづらおり)の坂道を模したものだという。


バンビことパンクな彼女は喜んで撮影開始。


ビールをもらって、山菜の盛り合わせをいただいたのだが、中央の山菜が何か分からない。

聞けば、スカンポとのこと。

スカンポが、こんなに美味しいものだとは知らなかった。


お造りは、鯉の洗いで、癖がなく、噛むほどに自然な甘みが広がる。

燗酒を頼んで、清流の鯉をいただいた。
posted by 城戸朱理 at 10:15| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月06日

江戸川で鰻を

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京都ロケも無事に終了、打ち上げの夕食は、あらかじめ石田瑞穂・みう夫妻と相談して、鰻に決めた。

本当は、う桶で有名な祇園の「う」という店に行ってみたかったのだが、予約が取れず、花遊小路の江戸川に予約を入れる。

「う」は鰻屋としては京都で唯一、ミシュラン・ガイドで星を獲得しているので、かなり前に予約しなければならないようだ。

宮澤政人さんの「じき宮ざわ」も「ごだん宮ざわ」も、ミシュランで星を獲得しているだけではなく、女性誌などの露出が増え、予約が取りにくくなっている。

いい店が繁盛するのは嬉しいかぎりだが、予約が取りにくくなるのが困るところである。


江戸川は、肝焼きはもちろん、肝のレバーだけとか、カシラやクリカラ、ヒレなど、鰻のさまざまな部位を串焼きで供してくれるので、酒飲みには嬉しい


「鰻って無駄になるところがないんですね」とみうさん。


石田瑞穂くんの地元、浦和は江戸時代から鰻が名産なので、鰻談義に花が咲いた。


まずは、三葉のお浸しと山芋の千切り、それに白焼きをもらって、ビールで乾杯する。

串焼きをひと通り頼み、締めは鰻丼を。


撮影が終わったあとの、燗酒はひときわ美味い。
posted by 城戸朱理 at 17:32| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ごだん宮ざわで、その3

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炊き合わせは、うずら団子に京人参、京菊菜、そして聖護院大根と、うずらの旨みを吸った京野菜の饗宴。

蓋物の織部に炊き合わせが映える。


土鍋で炊き上げた御飯を楽しみ、水菓子はリンゴ飴にリンゴのシャーベット。

最中のあと、お抹茶をいただいたのだが、私には、昨日、蒸しアワビをいただいたあと、ぐい呑みに使わせてもらった、李朝初期の刷毛目の小服で、瑞穂くんには、桃山の古唐津皮鯨の小服茶碗で点ててくれた。

横を見ると、みうさんとバンビことパンクな彼女には、尾形乾山の茶碗が出ている。

こうした器使いも、宮澤さんならでは。

心地よい緊張がある。
posted by 城戸朱理 at 07:29| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ごだん宮ざわで、その2

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定番の焼き胡麻豆腐は、銀杏を練り込み、煮帆立があしらわれている。


おしのぎは、これまた定番の自家製カラスミの手打ち蕎麦。

カラスミ蕎麦は、李朝の白磁皿で供されることが多い。


そして、揚げ物が、また絶品だった。

穴子とごぼうの天ぷらは、穴子と同じ柔らかさになるまで煮たごぼうを煮穴子で巻いて揚げたもので、穴子とごぼうが一体となって、口のなかで溶け、ごぼうが穴子の土臭さを消して、香り立つ。

たしかに穴子とごぼうにほかならないのに、穴子とごぼうとは思えないような一品。

インカの夜明けは、−1℃で2年追熟させたジャガイモだが、サツマイモより甘く、これは、あえて丸ごと、40分もかけて揚げるのだとか。

とにかく、この天ぷらには絶句したが、石田瑞穂くんも衝撃を受けていた。

料理が凄すぎて、錆びた鉄を思わせる前衛的な器の作者や由来を聞き忘れたほどである。


本来ならば、このコースのおしのぎは、カラスミ蕎麦だけなのだが、前夜、いただいた新カラスミの飯蒸しが素晴らしかったので、宮澤さんにお願いして追加する。

本当は、こんなことをしてはいけないのだが、みんな喜んでくれたので、やはり良かったと思う。
posted by 城戸朱理 at 00:53| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ごだん宮ざわで、その1

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無事、初日の撮影を終え、明日の打ち合わせもかねて、夕食は、みんなで、ごだん宮ざわに繰り出した。


南明堂で古器について、あれこれ語り合ったあとだけに、宮澤政人さんの器使いが、より深く理解できるようになった気がする。


まずは煎米茶が出て、群馬の浅間山を一献。

先付けは、新イクラの玉締め、新イクラを敷き詰めた冷たい茶碗蒸しである。


輪島塗のお椀は、豆腐と白子のすり流し。

鱈の白子の癖を見事に消した上品で豊かな味わいに、みんな感嘆。

お作りは、伊勢産キハダマグロのネギトロだった。

細かく刻まれたネギが、普通のネギトロとは違う食感を生み、酒を誘う。

驚いたのは、器で、虫喰いもあるので明末清初の古染付とばかり思ったら、なんと坂井咲子さんという女性作家の新陶だというではないか。

坂井咲子さんは、白洲正子さんと親交があった倣古の第一人者、加藤清允さんの知遇を得て、京都紫竹で作陶しているそうだが、昨今の京都の陶芸界は、彼女の話題で持ちきりらしい。

とにかく、あまりに見事に古染付を再現しているので、舌を巻いた。


焼物は、鰆の塩焼き。
「鰆は、春にもお出ししましたが、今が旬なので、塩焼きにしました」と宮澤さん。


写真を撮る前に、箸をつけてしまったが、皮目はよく焙って、こんがりと、身はふうわりと焼き上げられた宮澤さんの焼魚は、本当に素晴らしい。

吸坂手雲鶴文の皿は、加藤清允さんの作である。
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2016年12月04日

冬のごだん宮ざわで、その4

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もう食べられないと思っても、ごだん宮ざわの土鍋で炊き上げた御飯が出ると、やはり食べてしまう。

自家製の漬物も、白味噌で炊いたじゃこも美味しい。


テレコムスタッフの平田潤子ディレクターは、ごだん宮ざわで食事をしたとき、料理でお腹がいっぱいなのに、やはり御飯が美味しくて三膳食べてしまい、椅子から立つことが出来なかったそうだが、気持ちは分かる(笑)。


水菓子は、林檎飴に林檎のシャーベット。

尾形乾山の土器皿で、最中が出て、お薄をいただく。

宮澤さんが点ててくれる抹茶は、実に美味しい。

おかわりを頼む御婦人もいるそうだが、やはり、それは失礼というものだろう。
posted by 城戸朱理 at 13:22| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

冬のごだん宮ざわで、その3

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おしのぎは、南京赤絵の角皿で、定番、自家製カラスミの飯蒸し。

何度、食べても素晴らしいが、カラスミは仕込んだばかりの新カラスミだけに、新たな感動がある。


さらに贅沢な蒸しアワビは、李朝初期の見事な刷毛目小碗で。

小服の寸法だが、白泥をたっぷり含んだ刷毛目の勢いも、伝世の味わいもよく、アワビを食べてから、盃として使わせてもらった。


また、初見の塗り椀が出たが、これは北大路魯山人の漆器を手がけた山中漆器の四代辻石斎の作。

料理は、これまた贅沢に松葉蟹と京菊菜である。

結局、燗を追加し、この日は、ひとりで五合を飲んだ。
posted by 城戸朱理 at 13:11| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

冬のごだん宮ざわで、その1

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糸屋ホテルにチェックインして、宅急便で送り出したトランクの荷物を解き、入浴してから、夕方まで原稿執筆。


それから、今回の撮影でお世話になる「ごだん宮ざわ」に手土産を持っていった。

手土産に選んだのは、鎌倉、こ寿々(こすず)のわらび餅である。


さて、ごだん宮ざわ。

お軸は、季節にふさわしく本阿弥光悦の消息で、口切りの茶事への礼状だった。


店主の宮澤政人さんからの一献は、宮城の献。

料理は、加藤清允の白磁皿に盛られた北寄貝と茄子の先付けから始まる。

続いて、初見の根来椀が。

江戸時代のものだろうが、小振りでフォルムが美しい。

聞けば、北大路魯山人の星岡茶寮で支配人をつとめ、井伏鱒二の『珍品堂主人』のモデルにもなった秦秀雄旧蔵の品だという。

そして、肝心の料理は、揚げた生麩とすっぽんである。

こっくりと濃厚で、そのくせ柔らかく、すっぽんは、やはりこのうえなく美味しい。


お造りは、安乗ふぐ(志摩の天然とらふぐ)で、細かく刻んだ白菜の芯と和えられており、食感が楽しかった。

紅葉皿は魯山人作と思ったら、口縁に虫食いがある。

「魯山人が写しを作ってますよね」と宮澤さん。

魯山人が写した明末清初の古染付の本歌だった。
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冬のごだん宮ざわで、その2

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焼物は、ごだん宮ざわでは珍しい牛肉が出た。

いちぼの山椒醤油で、ピューレした下仁田ネギがかけられている。

宮澤さんは、宮崎牛の処女牛が手に入ったときだけ、牛肉を献立に入れるのだとか。

火入れは、限りなくレアに近いミディアム・レア。

刺激的な山椒醤油と柔らかい香りの下仁田ネギが、牛肉の旨みをさらに引き立てる。

器は、尾形乾山の松絵角皿だが、自分の器に牛肉が盛りつけられる日が来るとは乾山も想像したことがなかったに違いない。


次の焼物は、焼き銀杏胡麻豆腐。

器に土佐醤油を刷毛で塗ってから、銀杏を練り込んだ焼き胡麻豆腐を盛り、煮帆立があしらわれている。

さらに銀杏の餡も。

ほのかな苦みが、濃厚な胡麻豆腐によく合っていた。


北大路魯山人の備前割山椒で出されたのは、柿なますで、甘海老、岡ひじき、みかん、菊が入っている。

甘海老は柑橘類に合うし、岡ひじきの食感、菊の苦みと多彩な口福のひと品。


さらに魯山人の木の葉皿で、金目鯛と半生のこのこの天ぷらが。

金目鯛の美味しさは言うまでもないが、このこの天ぷらは、これだけで、いくらでも飲んでいられそうで、参った。
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2016年12月02日

新幹線の車中で

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11月28日は、京都に向かった。

今年、5回目の京都だが、ホテルは常宿の糸屋ホテル、行きつけの店もあるし、バンビことパンクな彼女に言わせると「旅にいくというよりは、京都に帰るという感じだね!」ということらしい。

たしかに、ここ数年、年間ひと月以上を京都で過ごしているが、私にとっては、やはり訪れるところであり、特別な街である。


今回は、品川から東海道新幹線に乗ったのだが、駅構内に小さな三省堂書店のブースがあるので、車中の読書のために新刊3冊を購入。

そのうちの一冊が、伊集院静選・日本ペンクラブ編『うなぎと日本人』(角川文庫)だったせいもあって、車中の昼食に小田原は東華軒の「うな重」を買ってしまった。


本当は、吉増剛造さんが、お気に入りの「深川飯」を買うつもりだったのだが。

ちなみに、吉増さんは東京駅なら、アサリの炊き込み御飯に煮穴子が乗った「深川飯」、横浜駅なら崎陽軒の「焼売弁当」が定番なのだとか。


鰻は、焼き上がりをいただくのが一番だが、『うなぎと日本人』を読みながら食べる鰻重は、冷めていても趣きがあるものだった。
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2016年11月25日

川崎の四川料理・松の樹、その2

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春巻ももらったが、これも当たり前に美味しい。

「あれこれ食べてみたいから、つい追加で頼んでしまって、なかなか前菜と点心の先に行けないね」と久保田さん。

たしかに、前菜と点心だけで、紹興酒2本が空いてしまった。


スープのかわりには、五目おこげを。

さらに、油醤貴蟹(渡り蟹の中国味噌炒め)と黒酢の酢豚。


3本目の紹興酒も空いたので、締めは、土鍋焼き四川麻婆豆腐を。

柑橘系の香り高い四川省産山椒と唐辛子を使った麻婆豆腐は、とにかく辛いが、旨みがしっかりある。

ただし、御飯と一緒ではないと、食べられないほどの辛さだった。


仕事帰りのひとり客も次々と訪れては、担々麺などを頼んでいる。

それだけ地元に溶け込んでいるのだろう。


しかし、中華料理は、4人以上で行ったほうが、あれこれ試せるので楽しい。

さらに、久保田さんと理央ちゃんの婚姻届けの保証人を頼まれたので、忘れがたい夜になった。
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川崎の四川料理・松の樹、その1

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画家の久保田潤さんと山本餃子の山本理央ちゃんと、久しぶりに会食することになった。

バンビことパンクな彼女が理央ちゃんと連絡を取りあって日程調整をしたのだが、お二人からの提案は、なんと川崎の四川料理の店・松の樹。

鎌倉にもいくらでもお店はあるのに、わざわざ川崎の店を選ぶのだから、久保田さんも理央ちゃんも、よほど気に入っているのだろう。

こういうときは、友人の提案に従ったほうがいい。

というわけで、11月23日は、鎌倉駅のホームでバンビと待ち合わせて、川崎へ。

川崎で下車することは滅多にないので、活力ある街の様子に圧倒される。

やたらと目立つのは、中華料理屋に焼肉屋で、牛舌屋も多いらしい。

バンビは、こういう雰囲気が好きなので、「楽しそうな街だね!」と喜んでいる。


目指す松の樹は、川崎駅から5分ほど、繁華街を過ぎたあたりにあった。


久保田さん、理央ちゃんとビールで乾杯し、まずは近況報告。

お二人のお勧めを中心に、まずは前菜と点心を頼む。


最初は海老ニラ蒸し餃子。

次に雲白肉、これは蒸した豚肉を薄切りにして、薬味ソースをかけたものだが、花のような香りで、ピーラーで薄くそいだキュウリがよく合う。

焼売も、挽き肉ではなく、肉を叩いて餡を作っており、食感が格別だった。

黄ニラ炒めも、高い火力で一気に炒めたもので、理想的。


巷の中華料理は、化学調味料を大量に使う店が多いが、松の樹は、化学調味料は使わず、素材の味が聞こえる優しい味付けで、それなのに、四川料理だから、山椒や唐辛子が効いている。


久保田さんお勧めの樟茶鴨(四川式鴨の香り揚げ)は、脂の乗った鴨をスモークしたものだろうが、やはり見事だった。
posted by 城戸朱理 at 10:27| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月22日

焼肉ハウス・暖家

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初のソロ公演と誕生日をお祝いすべく、予約したのは立川の焼肉ハウス、暖家(だんけ)。

以前、鯨井謙太郎(正しくは良扁に邑)、定方まこと両氏と行ったことがあるのだが、肉質が良く、後々まで鯨井くんが「あの肉!」と記憶を反復していた店である。


笠井叡さんの天使館は国分寺にあるため、天使館のメンバーは、国分寺周辺に住んでいる人が多い。

鯨井くんとは、一昨年など、ほぼ月に一度のペースで飲んでいたが、鎌倉でなければ、国分寺か立川で会うことが多かった。


待ち合わせは、7時。

まず鯨井くんと野口泉さんが現れ、少し遅れて定方まことさんも合流した。

泉さんは、オイリュトミストらしく、シュタイナーを読んで、体調を整えるために、2か月、菜食にしていたので、肉を食べるのは久しぶりだという。



ナムルとキムチを頼み、まずはビールで乾杯。

暖家は、黒毛和牛の専門店だが、最初に和牛A5等級の6種盛り合わせを頼んだ。

これは特上のカルビやロース、ミスジにハラミやタンが盛り合わせになったもの。

さらに、モツ4種盛りをタレと塩でひと皿ずつ。


「灰のオホカミ」制作の裏話を聞きながら、バンビと私が焼き方を担当し、順番に焼いていく。


「謙太郎くんは、具体的な指示ではなく、夢みたいなことばかり言うんで困りました」と笑いながら、泉さん。

すると、定方さん、「それで、泉さんはスタッフみんなに、謙太郎くんの夢をかなえてやって下さいって、お願いしてたよね」。


夢を形にする、そんなふうにして、「灰のオホカミ」は立ち上がっていったらしい。


焼肉は、みるみるなくなっていく。

これだけサシが入った肉なのに、脂がもたれず、ふだんは焼肉を数切れしか食べない私でも、珍しく食が進んだ。


さらに、A4等級のカルビ、ヒレ、ミスジの盛り合わせ2皿を追加、目の前で次々と肉が消えていくのを見ているのは、痛快である。


最後はコムタンなど好みのスープと御飯をもらって締めたのだが、楽しい夜だった。
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2016年11月21日

鏡花の極醤油ラーメン

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バンビことパンクな彼女は、鏡花のラーメンを食べたことがないので、お昼に連れていった。

ラーメン王、石神秀幸が「日本で五指に入るラーメン職人」と絶賛した有名店だが、バンビはまず、店内の様子に驚いている。

まるで、バーのように暗い店内は、夜の山家の雰囲気。

泉鏡花『高野聖』に魅せられた店主が、鏡花の小説世界を意識したのだという。

目指すは、幽玄。

こんなラーメン屋は、鏡花だけだろう。

客席ごとに小さなランプがあり、ラーメンを照らすようになっている。


頼んだのは、極醤油ラーメン。

一杯、1000円と、ラーメンにしては割高だが、5種類の醤油と味醂を合わせたタレと鶏を主体とした奥行きのある柔らかなスープ、
小麦の香りが口のなかに広がる国産小麦の平打ち麺に三元豚のチャーシュー、味付け玉子と、尋常ではない完成度。


麺をひと口食べたバンビが「美味しい!」と目を丸くしていた。
posted by 城戸朱理 at 07:58| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする