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城戸朱理のブログ

2018年02月06日

シャツを新調して

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2月5日は、かまくら春秋社の伊藤玄二郎代表に呼ばれて、若宮大路のかまくら春秋社に出向いた。

会議の内容は「詩とファンタジー」の今後と、吉増剛造さんも期待しているイベントのこと。

「吉増さんに発破をかけられたので」と伊藤さんもやる気になっている。


伊藤さんは海外に出かけるたびに必ず万年筆を購入し、20本ほどのコレクションがあるという。

見せてもらう約束をしたので楽しみだ。



会議が終わってから久しぶりにMaker's Shirt 鎌倉本店を覗いてみたところ、創業25周年を記念してフェアをやっていた。

「鎌倉シャツ」の愛称で親しまれているMaker's Shirt鎌倉は、鎌倉本店の一店舗から始まって、今や東京のみならず、ニューヨークにも支店がある。

私も愛用しているが、今回は初めて見る200番手のシャツがあった。

シャツ地の番手は糸の太さを表し、番手が高いほど糸は細くなるので、生地はなめらかになって光沢を帯び、シルクの風合いに近づいていく。


一般に売られているシャツは80〜100番手ていど。

ちなみに「世界最高のカミチュリア」と呼ばれ、クラシコ・イタリアを代表するルイジ・ボレッリのシャツは140番手あたりの生地が多い。


鎌倉シャツでは奇跡のような300番手のシャツもあって、私もビスポークで仕立てたことがあるが、200番手でも高級品である。

前立ても胸ポケットもないイタリアのドレスシャツ仕様。


痛んだシャツを2枚処分したので、ワイドスプレッドとセミワイドスプレッドのカラーの2枚を購入することにした。

200番手なのに良心的な価格で、ニューヨーク店も
好評らしいが当然だろう。


私の場合、ドレスシャツは、スーツに合わせて買ったジョルジオ・アルマーニがもっとも多く、1ダースほど。

ほかにはルイジ・ボレッリとエルメスが各半ダースあるが、夏物のリネンも合わせると鎌倉シャツがいちばん多いかも知れない。
posted by 城戸朱理 at 13:11| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月05日

手書き原稿の逆説



PCの普及で、データ入稿が当たり前になったものだから、不思議な逆説が生じた。

文学館から手書き原稿を求められると、作家も詩人も、すでに印刷された自著を見ながら、原稿用紙に書き写すしかない。

中世の修道士のようではないか。


2012年に鎌倉文学館で開催された「カマクラから創る 藤沢周・城戸朱理・柳美里・大道珠貴」展のとき、
藤沢さんと柳さんは、赤字が入ったゲラ刷りを出品されていたが、凄い量の書き込みで、作家の体温が感じられた。

ここまで行くと、手書き原稿は必要ないとも思ったが、原稿はデータ、やり取りはメールという時代になって、文学館の学芸員は、将来、展示するものがなくなってしまうのではないかという危惧を抱いているという。



私の場合も、原稿用紙に手書きするのは、詩と400字詰め原稿用紙10枚以上の長めの批評だけだから、今年になってから手書きしたのは「表現者クライテリオン」に寄せたT.S.エリオット論20枚と『現代詩文庫 和合亮一詩集』の解説12枚のみ。

160篇に達した書き下ろし詩篇は、これから推敲しながら手書きすることになる。


それ以外の原稿は、すべてデータ入稿しているが、北海道の東川町の小田憲嗣東海大名誉教授の世界的な椅子コレクションを紹介する
『椅子』に寄稿したエッセイは、東川町に完成予定の新図書館で展示するべく、手書き原稿もという依頼だった。

さらに富山市が刊行する『富山の置き薬と日本の健康』に寄せたエッセイも、刊行後、富山市の図書館で展示するために、手書き原稿を求められている。

そうなると、データ入稿した原稿をプリントアウトして、それを見ながら原稿用紙に手書きすることになる。

逆説としかいいようがないが、奇妙なことになったものだ。


万年筆の最良のメンテナンスは使うことだから、手書きが増えること自体は歓迎だが、だったら最初から手書きすれば良かったと思いながら、原稿用紙を広げている。
posted by 城戸朱理 at 09:19| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月04日

稲村ヶ崎の町中華、偕楽

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山越えをして稲村ヶ崎にたどり着いたのは、午後2時。

朝から何も食べていないバンビことパンクな彼女が、空腹のあまりふらふらしてきた。


「んふ〜、お腹が空いたよう〜」


ところが、鎌倉駅や長谷駅周辺とは違って、稲村ヶ崎駅周辺には、ほとんど飲食店がない。

例外は田村隆一さんも愛した海ぞいのイタリアン、ロンディーノだが、ロンディーノに入ったら最後、飲まないわけにはいかない。


稲村ヶ崎駅近くにあるのは、トンカツ屋と中華の偕楽のみ。

トンカツ屋は休みだったので、中華にするしかない。


店に入ってみたら、近所の御夫婦や老人が食事をしている。

メニューを見ると、中華のみならず、蕎麦や定食まであって、開店から半世紀以上という地元飯の店だった。



バンビと相談して、餃子にチャーシューワンタン麺と炒飯を頼んで、取り分けることにした。


餃子はもちもちした皮で、野菜の多い餡と独特の味。

シンプルな炒飯も、バンビがあっという間に半分食べてしまった。


麺のスープはゲンコツに鶏ガラと野菜だろうか、素材の甘みを引き出していて、大振りで柔らかいチューシューにもバンビは喜んでいた。


「んふ!
どれも美味しいね!」


本当にお腹が空いているときには、町中華ほど、ありがたいものはない。


ところで、50年以上、営業しているとなると、田村隆一さんが稲村ヶ崎に暮らしていたころは、この店しかなかった可能性が高い。

田村さんも、偕楽で食事をしたり、出前を取ることがあったのではないだろうか。

田村さんの稲村ヶ崎時代のエッセイを読み直してみようと思った。
posted by 城戸朱理 at 13:41| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

初めての道を通って

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2月3日は、節分。

この日は吉増剛造さんからの電話で目覚めた。

吉増さんは、LAから戻られたばかり。

LAからお葉書をいただいていたが、「幻を見るひと」のダブリンでのワールドプレミアの件である。


俳誌「鬣」の書評ゲラを戻し、「岩手日報」の投稿作品の選考をしていたら、バンビことパンクな彼女が起きてきたので、散歩に行くことにした。



「家から極楽寺まで25分で行ける近道があるんだよ!
案内してあげるね!」



「素敵な道案内」バンビには何度も騙されているが、笛田から極楽寺に抜ける道を歩いてみることに。


坂道が続くが、民家のなかに畑が広がっていたり、廃屋があったりと初めての道は面白い。

観光客が来るところではないので、なんとも、のどかな気配が漂っている。



極楽寺に下っていくと、月影地蔵があった。

このあたりは、『十六夜日記』で知られる阿仏尼が住んだ月影ヶ谷(つきかげがやつ)。

境内には元禄、文久、宝歴と江戸時代の石仏が並んでいる。



その先には導地蔵。

民家にしか見えないが、極楽寺の開山、忍性が文永4年(1267)に運慶作の地蔵尊を安置したのが始まりと伝られている。

運慶の地蔵尊は、兵火で焼失し、現在の地蔵尊像は室町時代の作であるという。


TVドラマ「最後から二番目の恋」のエンディングで、小泉今日子が休んでいたのが導地蔵だった。



極楽寺では梅が咲いていた。


稲村ヶ崎で昼食を取り、海辺で漂流物を探した。
posted by 城戸朱理 at 12:34| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月03日

緩やかな執筆の日々




爆発的な状態は過ぎたものの、いまだに詩を一篇も書かない日はない。

起きて、すぐに書くこともあれば、その日の仕事を終えてから書くこともある。


それにしても富山市が刊行する『富山の置き薬と日本の健康』に寄稿するエッセイは、何を書いていいのか迷った。

若い人たちなら、もう「富山の置き薬」と言われても分からないだろう。

このエッセイを書き終えてから、来年度の京都を舞台とするCS放送番組の企画書を書いて、さらに詩を書いていたら、燃え尽きてしまった。


2月2日は、午前中に詩をニ篇書いてから、小憩していたところ、第5回芝不器男俳句新人賞応募作の分厚い束が届いた。

芝不器男俳句新人賞は下読みなしで、選考委員が全応募作に目を通して、討議のすえに候補作30前後を選び、最終的には公開審査で授賞作が選ばれる。

これから、一万数千句を読み続ける日が続くことになる。


午後には『現代詩文庫 和合亮一詩集』解説12枚を一気に書き上げた。

思潮社にFAXしてから、晩酌したのだが、今度は燃え尽きるどころか、燃え上がったままで、つい飲み過ぎてしまった。
posted by 城戸朱理 at 19:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月02日

ビストロ・オランジュで飲み放題?

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「ビストロ・オランジュでスパークリング・ワイン飲み放題をやっているんだよ!」


バンビことパンクな彼女が騒ぎ出した。


「1000円で一時間飲み放題!」


それは、行かなくては。


お店で待ち合わせて、さっそくスパークリング・ワインを頼んだ。


まずは、シャルキュトリー。

フォアグラがごろごろと入ったパテ・ド・カンパーニュに湘南豚の自家製ハム、藤沢産生ハムに鶏レバーのムースと、これだけで、しばらく飲んでいられる。


「城戸さんは何杯くらい飲むのかな?
バンビは8杯は飲むよ!」

バンビもお酒は強いが、ちっちゃいから、そんなに飲めるはずはないのである。


マッシュポテトに乗ったタラの白子のムニエルは、中はふんわりと柔らかく、外はパン粉でカリッと焼き上げられていて、焦がしバターのソースがよく合うものだから、ワインが進む。


肉料理は、ウズラのグリエを頼んだ。

ウズラの風味は、他に似たものがないほど独特で、バンビは驚いている。


「こんな香りのお肉は、ほかにないね!
とっても美味しいんじゃない!」


ここで飲み放題は時間切れになったので、30分延長してもらう。


最後の料理は、バスク地方の家庭料理、アショア・ド・ブフ。

「アショア」はバスク語で「細かく刻んだもの」という意味で、牛肉や羊肉の挽き肉をタマネギやパブリカ、ニンニクなどと炒め、ワインで煮たもの。

それにブフ(御飯)が添えられ、好みでライムやアリッサ(トウガラシのペースト)を加える。


結局、バンビはスパークリングワインを6杯、私は8杯飲んで、御機嫌に。


それから、私の足かけ7年もの連載書評の担当だった徳間書店の加々見正史氏と元徳間で加々見さんの先輩、今はバンビの同僚のお二人が小町通りの奈加川で飲んでいるのが分かり、クルベル・キャンで合流することにした。
posted by 城戸朱理 at 12:46| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

詩作と食生活の関係



12月8日から書き始めた詩篇が100篇を超えるころは、さすがに異様な疲れを感じるようになった。


とりわけ、詩作の前後に批評やエッセイを書いたり、打ち合わせをしたりすると、さらに疲労感が深まって、最後には頭が真っ白になってしまう。

右脳と左脳がフル稼働して、脳全体が疲れた感じと言えばいいだろうか。



それと同時に奇妙な変化が起こった。

どうやら身体が、肉類、とりわけ牛肉を欲しているようなのだ。

買い物に行っても、ついステーキ肉を選んでしまうし、外食するときでも牛肉を選んでしまう。

驚いたのはバンビことパンクな彼女である。


「いつもお豆腐しか食べない城戸さんが、牛肉を食べたくなるんだから、ビックリしちゃうね!
きっと、脳が牛肉を欲しがっているんだよ!」


バンビは自分もステーキやら何やらを食べられるので喜んでいるが、執筆のみならず、バンビを連れて歩き回っているせいもあるのかも知れない。



そういえば、私が鬱病になったとき、鬱病の先輩の柳美里さんから牛肉を勧められたものだった。

鬱状態になると、脳内の神経伝達物質、セロトニンが欠乏することが知られている。

セロトニンは精神を安定される働きがあるが、その原料となるのが必須アミノ酸のトリプトファンで、牛肉に多く含まれているのだ。


また、牛肉の含まれる必須アミノ酸、フェニルアラニンやチロシンからノルアドレナリン、さらにはドーパミンが作られるので、こうした神経伝達物質が、詩作に酷使した脳には必用になるのかも知れない。


本当のところ、何が起こっているのかは分からないが、一時的なものだとしても嗜好が変化したのは事実である。

詩作が鎮静化するにつれて、食卓には、また湯豆腐や鰯のつみれ鍋が並ぶ日が戻ってきたが、バンビは今でも、私のためと称して、よく牛肉を買ってくる。

本当は自分が食べたいのは言うまでもない。

パンクだから仕方がないが、いいだろうか、これで?
posted by 城戸朱理 at 17:50| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月31日

書籍化されたリレー連載

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新聞や雑誌には、リレー連載というものがある。

あるテーマにそって、筆者を変えながら続く連載だが、数人の書き手が担当することもあれば、次々と違う筆者でリレーすることもあって、書き手ごとの着眼点の違いが際立つのが面白い。


そうしたリレー連載は、ときおり書籍化されることがある。


先週、届いた『わたしの「もったいない語」辞典』(中公文庫)も、そんな一冊。

これは「読売新聞」金曜夕刊の「にほんご」欄に2013年4月から2016年7月まで掲載されたリレー連載。

各自が「消えてしまうには惜しい言葉」を選んで、想いを綴るというもので、目次を確認すると、「名画座」(鶴田浩司)とか、「活字」(岡崎武志)とか、「フィルム」(手塚眞)、「文士」(富岡幸一郎)といったように、この人ならこれだろうなと思わせる「もったいない語」が並んでいる。

私が選んだ言葉は「研ぐ」。

こうしてまとまってみると、昭和から今に至る日本語の変遷が見えてきて、なかなかに愉しい。

「縁側」(関悦史)、「逢瀬」(佐藤文香)と注目の俳人が執筆しているのも嬉しいが、150人もの執筆者がいるのに、詩人が少ないのは、ちょっと残念だ。



ついでに、もう一冊、リレー連載から生まれた本を紹介しておこう。

『日曜日の随想2009』(日本経済新聞出版社、2010)
である。

こちらは「日本経済新聞」日曜日朝刊文化面に掲載された一年間の「日曜随想」をまとめたもので、執筆者は思い思いのテーマを選んで書くことになっていた。

私は、その3年前のインドとミャンマーの旅のことを織り込みながら、鎌倉の大仏のことを書いたのだが、今になると懐かしい。

執筆者は、48人。

『わたしの「もったいない語」辞典』に比べると、文学者が中心で、永井路子、盛田隆二、多和田葉子、川上弘美、島田雅彦、片岡義男といった小説家から、
俳人、歌人、吉増剛造、荒川洋治、建畠晢、平田俊子、小池昌代、アーサー・ビナードと詩人の執筆者も多い。
posted by 城戸朱理 at 09:54| 城戸朱理の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月30日

英国のヴィンテージ

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打ち合わせを終えて、立川を散歩しているときに、アンティーク・ショップを見つけた。

店名は、ガジェット・モード。


入ってみたら、イギリスから輸入した1940〜70年代のアウトドアグッズや雑貨を扱う店だった。


アンティークとは、百年以上たったものを言うので、ヴィンテージの店ということになる。


バンビことパンクな彼女は、イギリス文学を専攻したので、英国製と聞いて、興味津々。


最近、小さな秤や専用の温度計まで用意して、コーヒーのハンドドリップに凝っているバンビは、小さな耐熱ガラスの器が気に入ったらしい。


ファイアーキングのものだが、アメリカに対抗して、イギリスでは独自の器が作られたのだという。

ちなみにバンビによると、コーヒー10gで140ccを抽出するのが目安なのだとか。

バンビが目をつけたカップは、そば猪口を小さくしたような器型だが、たしかに140ccのコーヒーにはちょうどいい。

ミルクガラスにブルーの色どりも爽やかである。


もうひとつ、バンビが気に入ったのは、可愛いデザインのクリーマーで、これはベルギー製。

こうした器は、ソースを入れたり、ドレッシングを入れたりと汎用性が高い。


結局、バンビが気に入った3点を購入することにした。



ガジェット・モードは、キャンプ用品を始めとして、なかなか面白い品揃えの店である。

機会があったら、また覗いてみたいものだ。
posted by 城戸朱理 at 09:21| 骨董・工芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月29日

書き下ろし詩篇、150篇に



昨年の12月8日から書き始めた詩篇は、12月27日に100篇に達し、一段落したつもりでいたのだが、その後も沸き上がるままに書き止めた草稿が増え続け、1月28日には150篇を超えた。


カウントはしていないが、おそらく総行数は、4000行を超えているのではないだろうか。

もちろん、草稿なので破棄するものもあるだろうし、改稿するものもあるだろうが、これだけ集中して詩作と向かい合えたことに自分でも驚いている。


この草稿群は『火山系』『水都』『白鳥伝説』三冊の新詩集を構成するものとなるのだが、私さえ気づかぬうちに別の新詩集が始まっているのかも知れない。


2月からは、構想している長詩の書き下ろしを始めるとともに、鉄を打つように三冊の詩集の形を作っていきたいと思っている。
posted by 城戸朱理 at 08:21| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする