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城戸朱理のブログ

2017年10月07日

創立45周年、大駱駝艦・天賦典式「超人」

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鎌倉では朝晩は冷えるものの日中の最高気温は25〜26℃の日が続いていたが、10月4日は最高気温も20℃ほど。

この日を境に、鎌倉は秋に染まった。


「映画芸術」に寄稿したアキ・カウリスマキ監督「希望のかなた」レビューのゲラをチェックし、あれこれと連絡事項を処理していたのだが、薄手のカットソーだと寒さを感じるほどである。


5日は、大駱駝艦創立45周年の「擬人」に続く天賦典式「超人」を見るべく、再び三軒茶屋へ。

今年初めて、秋冬物のスーツを着たものだから、余計に秋の気分になる。

光沢のある黒のヒューゴ・ボスにしたのだが、スーツもシーズンによって好みが変わり、着用頻度も変わるのは、我ながら不思議なことのひとつだ。

気に入った服は頻繁に着るので、傷むのが早い。

結果、捨てるしかなくなって、着る気にならない洋服ばかりが残ると野村喜和夫さんが言っていたことがあるが、たしかにそういうところがあるかも知れない。


公演は7時半からなので、バンビことパンクな彼女のリクエストで、紀伊国屋でお弁当を調達して車中で夕食を取る。


大駱駝艦の新船洋子プロデューサーの誕生日だったので、ハロウィーン仕様のカボチャ入り花籠を買って、世田谷パブリックシアターへ。


舞台美術は「擬人」と同じで、ステージには、人間が入れるサイズのガラスの長方体6個がV字型に設置され、中央には世界を支配するように電脳樹が聳える。

この舞台装置は「ゲージツ家クマさん」こと篠原勝之さんによるものだが、篠原さん自身も村松卓矢扮するフランケンシュタインを従えたマッドサイエンティスト役で出演する。


「擬人」は演劇的な要素が強すぎたので、どう展開するかと思ったのだが、「超人」は、これぞ麿赤兒、これぞ大駱駝艦という、圧巻のステージだった。


それは、意味に還元しえない肉体の饗宴とでも言えるだろうか。

棺桶に入って登場する4人の舞踏手に、別の4人の舞踏手が絡む場面など、人間とは棺桶に生けられた肉体だと言わんばかりで、笑いを誘う。


大駱駝艦の舞踏手は、体幹を重力に引かれつつ、空間に鋳抜かれたかのようだが、それでも我妻恵美子を始めとする女性舞踏手には、猫科の野生獣のようなしなやかさがあり、男性舞踏手との対比が際立つ。

研ぎ澄まされた肉体で不気味に蠢き、伸縮し続けた田村一行も、素晴らしかった。


フランケンシュタインと擬人たちが引く大八車に乗って、麿赤兒が登場するのは、なんと1時間を超えてから。

全出演者を従えて、踊る麿赤兒は、たったひとりで、ステージを大スペクタクルに変えてしまった。


ホールには喝采が渦巻いたが、それも当然だろう。


昨年、発表された天賦典式「パラダイス」は、出張と重なって見ることが出来なかったが、「擬人」「超人」と二本の新作を立て続けに見て、渇きが癒された気分だった。


楽屋の麿赤兒さんに挨拶し、篠原勝之さんも一緒に記念撮影をしてから、興奮を抱えたまま、渋谷から湘南新宿ラインで帰途に就き、バンビの提案でクルベル・キャンに寄ってから帰宅した。
posted by 城戸朱理 at 13:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月06日

《Project Ararat》不在証明

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【Mt.Ararat】
アララット山。トルコ東端、アルメニア、イラン国境に近い成層火山。
大アララット山は5133メートル、小アララット山は3925メートル。アルメニア人にとっては、民族を象徴する聖山とされ、その名は、アッシリア帝国に対抗した王国ウラルトゥに由来するものだという。
『旧約聖書』のノアの方舟が漂着したところとして知られているが、その意味では、アララット山とは、たどりつくべき大地の別名なのだとも言えるだろう。




友人に「来春はやめてもう本統の百姓になります」と書き送った宮澤賢治は、大正15年(1926)に花巻農学校を退職し、父親が建てた宮澤家の別邸に移った。

そこで賢治は、自ら土地を開墾して、畑や花壇を作るのだが、この別邸を「羅須地人協会」と名づけ、無料で肥料設計の相談に乗るとともに、農業や肥料の講習やレコードコンサートを催した。

賢治が畑仕事に出ているときには、羅須地人協会に「下ノ畑ニ居リマス」という木札が掛けられていたという。



【Project Ararat 不在証明】


宮澤賢治「羅須地人協会」の木札の複製

限定6部

任意の方に郵送します。

受け取った方は、ひととき、木札を眺め、その場に不在のものに思いを馳せて下さい。
posted by 城戸朱理 at 17:22| イベント告知など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テレコムスタッフで試写

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10月3日は、奇妙に蒸し暑い日だったが、青山のテレコムスタッフで会議と試写があった。

4時半にテレコムスタッフに到着し、まずは伊藤憲ディレクターから今年度分コンテンツの進行予定を聞く。

さらに寺島高幸プロデューサーと著作権の問題を話し合い、続けて平田潤子ディレクターとEdgeの次回作について打ち合わせた。


6時に広瀬大志くんが到着。

2001年に、Edgeはスタートしたが、出演者が試写に立ち会うのは、初めてである。

ディレクターの望月一扶さんもEdgeを手がけるのは初めてだし、しかも内容は初のドラマ仕立てと、今回は初めて尽くしのプログラムになった。


大志くんと寺島さんが名刺交換をしていたが、取締役同士の名刺交換かと思うと、これもドラマっぽい。


本編は45分。


望月さんは、アメリカのエミー賞を受賞しているだけに、映像は美しく、しかも広瀬大志の詩的世界に迫るものになっている。

私は、旧友の大志くんの番組だけに、ところどころで笑いをこらえられなかったが、Edgeの幅を広げる番組になったと思う。


平田潤子さんがプロデューサーをつとめたが、ドラマ仕立てだけに、役者のみならず、スタジオ代も必要ならば、美術・衣装・メイクと経費が大変なので、苦労したことだろう。

しかも、なぜか今回は予告編まで出来ているではないか。

Edgeで予告編を作ったのも初めてだが、いったい何が起こっているのやら、もはや企画・監修者の私にも見当がつかない世界に突入してしまったようだ。

これも広瀬大志のモダン・ホラー・ポエトリーが、なせる技なのだろうか?


試写のあとは表参道の居酒屋で打ち上げとなり、歓談。


私は終電で鎌倉に帰った。
posted by 城戸朱理 at 11:32| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月05日

Edge広瀬大志篇、予告編解禁!

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Edge、92本目のコンテンツとなる「浄夜 詩人・広瀬大志のアレゴリーとして」が完成間近で、予告編がEdge公式ホームページにアップされた。


なんと今回は、Edge初となるドラマ仕立てのドキュメンタリー。


ディレクターは、これまた、Edgeを初めて手がけるテレコムスタッフの望月一扶さん。

望月さんは、2009年にNHKの「星新一ショートショート」で、アメリカの第37回国際エミー賞コメディ部門グランプリを受賞されているベテランである。


広瀬大志の不穏な詩的世界に紛れ込む小説家コバヤシを演じるのは、園子温監督「恋の罪」でデビューした小林竜樹さん。

そこに謎の女アワイが絡む。


アワイを演じるのは、河瀬直美監督「火垂」に主演してブエノスアイレス映画祭主演女優賞を受賞して以来、映画やテレビ、CMで活躍している中村優子さん。

なんと中村さんは、『現代詩文庫 広瀬大志詩集』を自分で買って、ディレクターが要求したわけでもないのに、劇中の広瀬詩を全部、暗記して撮影に臨まれたという。

ダイワハウスのCMで竹野内豊と、森永製菓のCMで西島秀俊と共演している売れっ子の中村優子さんが、なぜ、Edge広瀬大志篇に出演して下さったのだろうと思ったら、なんと中村さんは詩をよく読まれていて、Edgeのイベントに来て下さったこともあるそうだ。


さらに亡霊のように、大駱駝艦の舞踏手だった向雲太郎が、広瀬詩を即興で踊る。

もちろん、広瀬大志その人も登場するが、私は試写を見て、あまりに凝った映像に卒倒しそうになった。


放送は10月21日、21時から。

SKYPerfecTV!ベターライフチャンネル/529ch

無料アプリIVYで、スマートフォンでも試聴可能。


公式ホームページは、下記から。



http://edgeofart.jp/



詩のモダンホラーが、ついに映像化されてしまった――

戦慄の世界に、ようこそ。
posted by 城戸朱理 at 10:30| Edge | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月04日

是枝開新作展@hino gallery

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大駱駝艦のスペクタクルな天賦典式のあとは、新富町のヒノ・ギャラリーに向かった。

元神奈川県立近代美術館の主任学芸員、現在は武蔵野美術大学教授の是枝開(これえだ・ひらく)さんの新作展のオープニング・レセプションに出席するためである。


会場にたどり着いてみると、ギャラリーの外で煙草を吸いながら、是枝さんが作家の島田雅彦さんと談笑していた。

島田さんが一年間、ニューヨークで暮らしていたとき、是枝さんはコロンビア大学に留学していて知り合ったそうだから、もう四半世紀の付き合いだという。

島田さんとは、神奈川新聞の文芸コンクール授賞式でお会いして以来だが、相変わらずスタイリッシュである。


是枝さんの作品は、偶然、訪れた鹿児島市立美術館で見たのが最初で、浮世絵を分解し色彩に還元したかのような作品に、バンビことパンクな彼女も感嘆していたが、ようやく待望の新作展である。


静物を描いているとは聞いていたが、作風は一気に変わり、モティーフは植物。

植物園で動画を撮影して、そこから静止画を切り取り、キャンバスに転写したそうだが、鮮やかな色彩が目に飛び込んでくるものの、しばらく見つめていると、光そのものが主題なのが見えてくる。

作品は、2〜6点の組み絵になっており、一点欲しいと思いながら、絞り切ることが出来なかった。


平塚美術館館長代理の土方明司さんとしばらく話したのだが、会場には、画家と是枝さんのゼミ生の姿が目立つ。

田野倉康一くんも現れ、丹念に作品を見ていた。


ゼミ生は、女子学生が多かったので、是枝さんに聞いたら、今や美大の学生は8割が女性という時代だというではないか。

私が出講している女子美術大学なら女子学生しかいないのが当たり前だが、まさか武蔵野美大や多摩美大まで、そういう状態になっているとは知らなかった。



打ち上げは、近所の中華料理店で。
posted by 城戸朱理 at 12:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月03日

創立45周年、大駱駝艦・天賦典式「擬人」

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9月31日。

バンビことパンクな彼女が、ひと晩休んで回復し、校正の仕事を無事に終えたので、予定通り、三軒茶屋の世田谷パブリックシアターに大駱駝艦・天賦典式「擬人」を見に行くことができた。


バンビはパスタを食べていたが、私は朝から何も口にせず、三軒茶屋に向かうことになったので、大船軒の鱒寿司を買ってグリーン車に乗る。


今年は、大駱駝艦創立45周年。

天賦典式も「擬人」と「超人」の二本立てである。


「擬人」は、AIの支配下でサイボーグ化した人類の物語。

われらが麿赤兒は、終わり近くになってから、棺桶に入って登場。

棺桶ごと転がり、棺桶をかぶって、わずかに立ったりしたが、不動の舞踏家の面目躍如というところ。

麿さんがいちばん動いたのは、なんとアンコールのときだった。


終演後、ロビーで写真家の今道子さんを見かけて、声をかけたら、今さんは、猫の写真で知られる武田花さんと一緒だった。

武田花さんも木村伊兵衛賞を受賞されているが、御両親は作家、武田泰淳と随筆家、武田百合子である。


さらに、「しゅりあん!」と声をかけられたので、振り返ってみたら平松洋子さんではないか!

しかも、娘さんの麻ちゃんも。

麻ちゃんと最後に会ったのは、まだ中学生のころだったから、驚いたが、「大人になりました」と麻ちゃん。

絵を描いて、個展も開いているそうだが、麻ちゃんが私に気づいたらしい。


かくして、世田谷パブリックシアターで、30年来の旧友と再会することになったのだった。
posted by 城戸朱理 at 14:44| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月02日

《Project Ararat》 終わりなき投企へ



【Mt.Ararat】
アララット山。トルコ東端、アルメニア、イラン国境に近い成層火山。
大アララット山は5133メートル、小アララット山は3925メートル。アルメニア人にとっては、民族を象徴する聖山とされ、その名は、アッシリア帝国に対抗した王国ウラルトゥに由来するものだという。
『旧約聖書』のノアの方舟が漂着したところとして知られているが、その意味では、アララット山とは、たどりつくべき大地の別名なのだとも言えるだろう。




上記のような趣意書とともに、私がシルクスクリーンでプリントしたカードを始めとして、中国奥地のココ・ノール(青海湖)湖畔で拾った小石や西脇順三郎の名篇「秋」に登場する「黄色い外国製の鉛筆」など、さまざまなオブジェを任意の方に送るプロジェクトを始めたのは、2006年のことだった。

私はそれを「プロジェクト・アララット」と名づけたのだが、そのプロジェクトは、詩の始まる場所を掌から確認し直すための「小さな仕事」であるとともに、同時に「手仕事」からしか始まりえない詩想を形にするための「小さな試み」でもあったのだろう。


この「小さな仕事」は、その小ささゆえに、制作に時間がかかるため、少なからぬ未完のプロジェクトを残すことになったのだが、同時に、私の内発的な欲求に根ざした試みなので、期限というものもない。


この自由こそを前提にして、私は、再びプロジェクト・アララットを始めてみようと思う。

決して、終わることのない試みとして。
posted by 城戸朱理 at 10:41| イベント告知など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バンビ、失速!?

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「ぶっ倒れるまで、やるぞう!」


バンビことパンクな彼女が気勢を挙げている。

連日、3時間睡眠で、校正の仕事やホテルの手配、さらには京都での「幻を見るひと」特別試写フライヤーのチェックなどに専念しているのである。

パンクだから、遊びも仕事も無意味に激しいのだった。


そんなとき、吉増剛造さんから、バンビ宛てにFAXが入った。

「番尾さま」と書いてあるぞ。


「そ。
剛造先生はアメリカから帰ってきたばかりで、お疲れなんだよ。

空港から電話があったんだけど、弱猫足になっちゃった〜っておっしゃってたよ!」


猫足(びょうそく)は、吉増さんの俳号である。

ちなみに、吉増さん「バンビの俳号はそのまま、番尾でいいよ」とおっしゃったものだから、番尾も俳号ということになる。


バンビが、吉増さんの希望される京都のホテルを、支配人に直接お願いして予約を入れたので、そのお礼のFAXだった。

いつもの糸屋ホテルだが、吉増さんは「新しい詩が一行でも二行でも書けるといいなあ」とおっしゃっていたそうだ。

糸屋ホテルだとデスクが広いので仕事が出来ると吉増さんは大いに気に入られていたが、旅先でも詩を書こうという姿勢が素晴らしいではないか。


吉増さんは、『オシリス、石ノ神』あたりを境に、旅をすることで詩を書いてきたわけだし、旅上での未知なるものとの出会いが、言葉を立ち上げてきたと言ってもいい。


京都に4回、ご一緒したおかげで、吉増さんが新幹線の車中でも、旅先のホテルでも、つねに創作と向かい合っている姿を目の当たりにしたが、これは吉増さんに固有の方法であって、詩の書き方は詩人ひとりひとり、違うものなのだと言うしかない。


旅先ではなく自宅だが、私も一行でも二行でも新しい詩を書くべくデスクに向かい、2篇の新作の草稿を書き上げた。


そして、バンビは翌日も元気に出かけていったのだが――

夕方、LINEで連絡が入った。


「ぞくぞくするよ〜
帰って、まず熱いお風呂に入るよ!
わかしてあげてね!」
!!!


無理が祟って、風邪をひいたらしい。

ぶっ倒れるまでやると言っても、本当に倒れたのではどうしようもないが、パンクだから仕方がない。


風邪薬は食後の服用なので、バンビがお風呂に入っている間に、グレープフルーツに桃と葡萄を用意し、ベーコン入りのチャウダーとハンバーグと御飯をテーブルに並べた。

「んふ。こんなに食べられないよ」と言いながら、バンビはぺろっと完食。


そのまま寝てしまったのだが、7時から翌朝まで眠ったおかげで、風邪は悪化せず、ほぼ回復。

事なきを得たのだが、やはり人間は倒れるまで遊んだり、倒れるまで仕事をするべきではない。
posted by 城戸朱理 at 09:51| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

「山口啓介/加納光於 往復書簡の周辺で」@鎌倉ドゥローイング・ギャラリー

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鎌倉に帰って、まずは「映画芸術」のためにアキ・カウリスマキ監督の新作「希望のかなた」のレビューを執筆した。

これは「ル・アーヴルの靴みがき」に続く「難民三部作」の第二作で、今回はフィンランドが舞台。

カウリスマキならではの笑いをちりばめながら、難民の現実を描く。

小津安二郎を尊敬して止まないカウリスマキだけに、映像は静かで、熱を持たないような北欧の光が美しい。


フィンランドは、白夜の国。

夏ならば、深夜まで日は沈まず、23時でも子供たちが公園で遊んでいたりする。

冬になると、太陽が出るのはわずか3時間、雪と闇に閉ざされるだけに、人々は一年分の陽光を夏のうちに浴びようとしているかのようだ。

それだけに、光に対する感覚が違うのだろう。


バンビことパンクな彼女は、京都での吉増剛造さんのドキュメンタリー映画「幻を見るひと」特別試写のフライヤーや10月のロケの準備のため、連日、午前4時までPCに向かい、3時間睡眠の日々が続いている。

私も雑事に追われ、何やら落ち着かない。


そんななか、9月24日は、鎌倉ドゥローイングギャラリーに「山口啓介/加納光於 往復書簡の周辺で」を見に行った。

これは、ふたりの画家が手紙を交わしながら、ドゥローイングを生成させていくという試みで、作風はまったく違うものの、不思議な共鳴が生まれている。

バンビは山口さんの阿修羅のような多面体の猫と人間の肖像画に惹かれ、私は加納さんのドゥローイングで欲しいものがあったのだが、なんとその一点だけが非売品だった。

ギャラリーには往復書簡も展示されていたが、絵が生まれる瞬間に立ち会うかのようで、興奮を禁じえない。

20代、30代の若者の間で、ひそかに文通がブームになっているというNHKのニュースがあったが、手書きの手紙は、やはりアウラがある。


両面に往復書簡を印刷したA全サイズ(594×8041mm)の見事なポスターをいただいて、ギャラリーを後に、海まで散歩。


秋鮭や秋刀魚など、食材を買い物してから、山本餃子に寄り、久保田潤さんと、飲みつつ美術談義に熱中した。
posted by 城戸朱理 at 11:58| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月30日

福島の円盤餃子、照井

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福島名物、円盤餃子。

とりわけ、福島駅前にある照井という店は、いつも行列が出来ている人気店だ。

飯塚温泉に本店があり、福島市内でも3店舗を展開しているそうだが、和合亮一氏によると、行ってみたら餃子が売り切れていたり、餃子はあるものの御飯が売り切れだったりと、和合家とは相性が悪い店なのだとか。

バンビことパンクな彼女も、2回行って、2回とも入れなかったそうだ。


今回も昼に行こうとしたら、1時間以上待たなければならないと言われて、一度は断念したが、6時4分の新幹線しか取れなかったので、開店前から並んで、5時の開店とともに入店できた。



地元客は、餃子に御飯をもらって食事している人、餃子で飲んでいる人とさまざまだが、ラーメンを頼んでいる人も多い。

バンビと相談して、味玉・チャーシュー・メンマの三点盛りを頼んで、ビールを飲みつつ、円盤餃子を待つことにした。

円盤餃子はひと皿22個で、1300円。

皮はクリスピーで、餡は少なめの軽い餃子である。

照井の先代店主が、太平洋戦争中に中国で味わった餃子を、試行錯誤のすえに再現したものだというが、中国では焼き餃子は食べないので、日本人向けにアレンジしたのだろう。

餡は、通常の餃子の三分の一くらいしか入っておらず、食事というよりはビールの当てにつまむのが似合う、おやつ感覚の餃子だった。

ワンタン入りの若芽スープも頼んでみたが、スープがしっかりしていて、ラーメンを頼む人が多いのも納得。


餃子は餃子に変わりないのだが、円盤型に置かれただけで、名物になってしまうあたりが面白い。
posted by 城戸朱理 at 09:24| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする