サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jp のロゴ
城戸朱理のブログ

2017年11月17日

鮎茶屋 平野屋で、その2

IMG_8819.jpgIMG_8825.jpgIMG_8823.jpgIMG_8827.jpgIMG_8833.jpg



平野屋では、春は筍と山菜、初夏から秋までは鮎、秋が深まると松茸、冬はぼたん鍋と献立が変わるが、今回は、嬉しいことに、この季節には珍しくも子持ち鮎の塩焼きが出た。


中居さんは「珍しく捕れました。最後の子持ち鮎です」と言っていたが、鮎の塩焼きほど酒に合うものはない。



そして、いよいよバンビ待望のぼたん鍋である。

今年初めてのぼたん鍋なそうだから、運よく終いの鮎と走りの猪肉に出会ったことになる。


出汁を張った土鍋に猪肉と菊菜、白菜、京芋や蕪、ささがきの牛蒡に人参、椎茸や榎茸を入れ、煮立つのを待つ。


野菜は大皿に山盛りで供されるので、凄い量である。



ぼたん鍋は、醤油、柚子、好みで味醂を入れた大根おろしでいただくのだが、猪肉はいくら煮ても固くならないし、肉からも出汁が出て、出汁を吸った野菜、とりわけ蕪の旨さたるや、蕪とは思えないほど。


あれだけ大量にあった野菜もバンビとふたりで、ほぼ食べ尽くし、それから御飯とお餅を入れた雑炊となるのだが、
雑炊を食べていると、牡丹鍋が目当てだったのが、それとも鍋のあとの雑炊が目当てだったのか、分からなくなるほど旨い。


バンビも大満足で、目が三日月型になっている。

これは美味しいものを食べているときのバンビの特徴なのだった。


最後に水菓子をいただいて食事は終わり、小憩してから、タクシーを呼んでもらった。



女将さんや中居さんに見送られて、ホテルに戻ったのだが、来年は、鮎の塩焼き、鮎のお粥に鮎飯が美味しい季節に再訪したいものだ。
posted by 城戸朱理 at 09:00| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鮎茶屋 平野屋で、その1

IMG_8830.jpgIMG_8810.jpgIMG_8812.jpgIMG_8813.jpgIMG_8816.jpg



夕食は、愛宕神社の一の鳥居のたもとで400年続く鮎茶屋・平野屋を予約した。


平野屋は、かつては、保津川の清流で捕れた鮎を提供する鮎問屋を営んでいたが、やがて鮎料理も出すようになったという老舗で、白洲正子さんも通った店である。



一昨年の8月に鮎尽くしの料理をいただいて感嘆、昨年の12月には熊肉、さらに猪肉のぼたん鍋を食べて、またもや感動したが、
ごだん宮ざわの宮澤政人さんも、「あれが料理というものだと思うんです」と平野屋さんを賞賛していた。

宮澤さんは、家族と行って感銘を受け、さらにお弟子さんを連れていったという。



バンビことパンクな彼女は、ぼたん鍋が食べられるので興奮している。


たしかに、平野屋の料理には、自然の力がみなぎっており、それをそのまま身体に取り入れるようなところがある。



最初に供されるのは、お茶と愛宕名物、志んこ団子。

素朴な米粉の団子で、ねじれた形は愛宕山の九十九折(つづらおり)の坂道を模したもの。

きな粉と黒糖がまぶされた志んこ団子は、バンビの大好物である。


それから山菜が出る。

真ん中の見慣れない茎状のものは虎杖(いたどり)で、利尿効果があるため生薬にも利用されるが、独特の風味と歯応えは癖になる美味しさ。

蕗の薹味噌も、素晴らしく風味がいい。



そして、鯉の洗いが出たところで、熱燗を頼んだ。


清流で育った鯉は癖がなく、酢味噌も絶品。


これは、昨年も不思議に思ったのだが、老舗の和食屋には珍しくも、なぜか、ツマがキャベツの千切りである。

十四代目になる女将さんに尋ねたら、鯉の洗いに必ずキャベツをリクエストする常連さんがいて、それ以来、定着したらしい。


たしかに、キャベツを鯉で巻いて、酢味噌に付けて食べると、面白い食感になる。
posted by 城戸朱理 at 08:53| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

再び、寺町で古書店巡り

IMG_8802.jpgIMG_8805.jpgIMG_88060001.jpg



昼食を終えて寺町を散策、四条から下って三密堂を始めとする古書店を覗いた。


京都の古書店だと当たり前のように江戸時代の和本が積まれているが、これは関東大震災、東京大空襲を経験し、本もまた消われた東京では見られない眺めだろう。


バンビことパンクな彼女が江戸後期のぼろぼろになった和本を買っていたが、読みたかったわけではなく、オブジェとして惹かれたらしい。


古本エッセイでも知られる画家の林哲夫さんも、絵のモティーフとして古書を買われることがあると語っていたが、オブジェとしての本というのも魅力的なテーマだ。


私は、文庫本など11冊を購入。



さらに、古家具や古道具を扱う「CRAFT CANDY JOY」を見てから、ホテルに戻った。
posted by 城戸朱理 at 08:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

寺町の道具屋で見つけたコップ

IMG_2201.jpgIMG_8916.jpg



昨年の2月に、寺町四条を下った「CRAFT CANDY JOY」で見つけたガラスの徳利は、
力を入れたらパリンと澄んだ音を立てて割れてしまうのではないかと思えるほど薄く、
頼りないほど軽く、そのくせ、冷酒を満たすと、すずやかな存在感があって、夏の徳利に愛用した。


今回、出会ったのは、やはりガラス、一見したところ、何の変哲もないコップである。

だが、徳利と違って、こちらは厚手。


照明が暗い店内では気づかなかったが、ガラスは、かすかに緑がかっており、しかも底部は分厚い。

口縁部は乳白色が入っているように見えるが、これは擦れた跡で、水を注ぐと消える。


戦前、昭和初期のものだが、グラスは安定感があるほうがいいし、これでビールを飲んでみたいと思って求めてみた。


以前、鎌倉宮の骨董市で、同じように底が分厚いコップを見つけて、ビール用に愛用していたのだが、割ってしまったので、これは二代目ということになる。

戦前のコップなら、いまだに数千円で求められるので、ビールによさそうなものがあると、つい手が出てしまう。


新たに入手したコップにビールを注いでみると、コップによって、光のさしかたが違うのが面白い。


酒徒のささやかな楽しみである。
posted by 城戸朱理 at 08:47| 骨董・工芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

江戸川で鰻を

IMG_8786.jpgIMG_8787.jpgIMG_8798.jpgIMG_8791.jpgIMG_8797.jpg



結局、どの店も満席で、たどり着いたのは花遊小路の江戸川だった。

新京極からわずかに外れただけで、嘘のような静けさになる。



鰻の串焼きをひと通り焼いてもらって、ビールで喉を潤した。


串焼きは、レバー、くりから、しろばら、肝焼き、ひれ、かぶとである。


レバーは肝から半月状のレバーだけを串に打ったもので、山椒塩に辛子。

くりからは背の部分でタレで、しろばらは腹身を塩焼きにしてワサビでいただく。

ひれはニラを鰻のひれで巻いたもので、なぜか鰻の旨みが凝縮している。


ちなみに、写真はレバー・くりから・しろばら・ひれの四本。



肝吸いをふたつに、鰻丼はひとつだけ頼んでバンビとシェアしたのだが、静かな店でようやく落ち着くことが出来た。
posted by 城戸朱理 at 08:45| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

錦市場へ

IMG_8781.jpgIMG_8777.jpgIMG_8779.jpg



11日は「幻を見るひと」の取材対応のための予備日で、朝日新聞の問い合わせに答えた。


とりあえず、仕事は終わったので、バンビことパンクな彼女と出かけたのは錦市場である。


錦小路手前の八百屋では、カボチャに顔が描かれていたが、バンビによると、日々、増殖しているそうだ。


今回の京都は、中国や韓国からの旅客が少なかったが、かわりに欧米からの観光客が異様に多かった。

錦市場も、山手線の通勤ラッシュのような混み具合で、歩くのもままならない。


自宅用の食材の買い物は明日にすることにして、冨美屋でうどんすきなどを手配し、有次で雪平鍋を買って、脱出した。



どこかで昼食を取ろうと思ったのだが、どの店も満席。

新京極のスタンドも覗いてみたが、やはり、満席だった。



紅葉のピークとなる11月23日前後は、さらに混むのだろう。
posted by 城戸朱理 at 08:43| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月16日

散歩用のバッグ

IMG_8635.jpg



旅先で散歩するときやホテルで食事に行くとき、財布や文庫本、スマートフォンなどを入れる小さなバッグがあると便利だ。

分かっているのに忘れることが多いのは困ったものだが、今回はPRADAのたすき掛けできる小さなショルダーバッグを持参した。



私が旅先での散歩用に使っているのは、このショルダーバッグとエルメスの小さな革製のリュックタイプのサコッシュ・プール・セルというモデルのふたつ。


廃版になったサコッシュ・プール・セルはサイクリング用のバッグをアレンジしたもので、ヴォー(雄仔牛の革)をナチュラルに仕上げたヴォー・バレニアが使われており、夏に似合う。



今回、持参したPRADAは10年以上前に求めたものだが、ナイロンタフタ製なので軽く、
サブバッグにはうってつけで、このバッグに最小限のものだけ入れて出かけると身軽に動ける。



今回、読書用に持ち歩いていた本は文庫化された澁澤龍彦『高丘親王航海記』だが、これは澁澤さんのなかでも、とりわけ好きな作品のひとつだ。
posted by 城戸朱理 at 16:05| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

猿投古窯の盃

IMG_8734.jpgIMG_8744.jpg



ごだん宮ざわでは、ビールをバカラのクリスタル・グラスで出してくれるが、ビールが実に美味しそうに見えるし、実際に美味い。

脚付きのグラスは割りやすいので、自宅では避けるきらいがあるが、これもお店ならではのもてなしであるとともに、器で酒の味が変わるという実例でもあるのだろう。



ごだん宮ざわには酒盃を持参することが多いが、今回は平盃を選んだ。

桐箱から取り出したら、「猿投(さなげ)ですか?」と宮澤政人さん。


愛知県名古屋市東部から大阪市北部に集中する猿投古窯で焼かれた盃である。


猿投古窯は、古墳時代から鎌倉時代初期まで700年にわたって続いたが、発見されたのは1950年代のこと。

それまで、わが国の灰釉による施釉陶器は中世の瀬戸窯、美濃窯が始まりとされていたが、
猿投古窯の発見によって、平安時代には灰釉陶器が焼かれていたことが明らかになった。


轆轤は厳しく、端正なフォルムを持つ。



私が持参した盃は平安後期のものだが、見込みの灰釉が剥楽し日の丸のようになっている。

酒を注ぐと、残った灰釉のガラス質が緑色に輝き、美しい。


宮澤さんは燗酒を古染付けと見紛う加藤静允作、瓢箪徳利で出してくれたが、いかにも土物といった猿投盃と石物の徳利の取り合わせは、いいものだった。
posted by 城戸朱理 at 16:04| 骨董・工芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

秋のごだん宮ざわで、その4

IMG_8766.jpgIMG_8768.jpgIMG_8771.jpgIMG_8772.jpgIMG_8775.jpg



料理が終わって、土鍋で炊き上げた御飯が出た。

まずは煮えばなをひと口。

煮えたお米が、次第に御飯になっていく過程を楽しめる。


いつもなら、とうに満腹で、御飯が食べられなくなるバンビも、歩き回ってから、さらにゆっくりお風呂に入って、お腹を空かせるという作戦が図に当たり、三膳もおかわりしていた。

自家製の糠漬けに白味噌で炊いたじゃこも美味しい。



水菓子は梨のジュースという新機軸。

繊細なグラスは、宮澤さんが、9月にバルセロナに行ったときに求めたものだという。



最中をいただき、お薄を点ててもらったが、この茶碗も初見。

尾形乾山だが、本来は蓋物で、蓋も見せてくれた。



さらに、初見の乾山の銹絵四方筒向付けを見かけたので、宮澤さんに尋ねたら、なんと絵替わり十客を求めたというではないか。


高級外車に匹敵する値なのは間違いないが、宮澤さんは「どうしましょう」と笑っている。



料理の味だけではなく、器と料理の姿を追求し続ける姿勢が、素晴らしい。
posted by 城戸朱理 at 12:42| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

秋のごだん宮ざわで、その3

IMG_8756.jpgIMG_8757.jpgIMG_87600001.jpgIMG_8764.jpg



揚げ物は、琵琶湖のワカサギと蓮根。


「この器は初めて見るね」とバンビが言っていたが、尾形乾山の銹絵角皿、勢いのいい書き銘は紛れもなく鳴滝時代の作である。



北大路魯山人の備前割山椒で出されたのは、柿なます。

甘海老と蜜柑に千切りにした柿が盛られ、いい箸休めになった。



そして、おしのぎは、蒸し上げたばかりの餅米に、自家製カラスミを乗せた飯蒸しである

「おかわりしたいね!」とバンビが言っていたが、まったく同感。

井上春生監督は、目を閉じて味わっていたっけ。

初見の器は、その色調から古九谷かと思ったが、南京赤絵とのこと。


小鍋立ては、幻の魚、クエと白菜だった。


クエは対馬沖で揚がった1kg大のものだという。

昆布を強めに引いた出汁も素晴らしいが、クエの旨みたるや、幻の名に値する。
posted by 城戸朱理 at 12:35| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする