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城戸朱理のブログ

2017年06月17日

バンビ、怒りの鉄拳???

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居間から奇声が聞こえてきた。

「あちゃ! あちゃ!」

バンビことパンクな彼女である。

「あちゃ! バシッ!
あちゃ! ビシッ!」

今度は効果音まで入っている。

「あちゃーーっ!!!」


覗いてみたら、バンビがペコちゃんのように舌を出して、ブルース・リーの真似をしていた。


完全に私の失策である。

バンビがブルース・リーの映画を見たことがないというので、Amazon Videoで「燃えよドラゴン」を見せたのが、運の尽き。

ブルース・リーのカンフーに興奮したバンビは、ほかの出演作を次々に購入し、毎日、ブルース・リー映画を見ては真似するようになってしまったのである――


「スターウォーズ/ローグ・ワン」を見たあとは「ジェダイ騎士 バンビ・ケノービ」になってしまったし、
「たそがれ清兵衛」を始めとする時代劇にハマったときは、「子供剣士・鹿千代」になってしまったが、今度は――


「ブルース・リーの中国名は李小龍だからね、
李小鹿でバンビ・リー、
李狂小鹿でマッド・バンビ・リー!!!」
・・・

「あちょぉーーっ!」
・・・・・・


毎日、奇声に悩まされることになってしまった。

そればかりではない。

「あちゃ! あちゃ!
あっ!」
???

「腕がつったよ!」
!!!

「痛いよ〜、痛いよ〜」
・・・・・・

無茶をするからである。

パンクだから仕方がないが、いいのだろうか、これで?
posted by 城戸朱理 at 20:38| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月16日

変わらないことの凄さ



かつて、オーソン・ウェルズは、好きな映画監督を3人あげてくれという質問に対して、次のように答えたという。


「ジョン・フォード、ジョン・フォード、ジョン・フォード」


私はオーソン・ウェルズも、ジョン・フォードも好きなので、この答えには痺れたが、奇妙なことを連想した。

それは、白洲次郎の英国留学以来の親友、ロビンのことである。

彼は、後に七世ストラッフォード伯爵になるのだが、いつも同じ服を着ていたことを白洲正子さんが書いている。

同じと言っても着替えなかったわけではない。

ロンドンのサヴィル・ロウのテーラーで、同じ生地、同じ型で一週間分のスーツを仕立てていたのだという。

「ジョン・フォード」と繰り返すように、毎日、同じスタイルだったことになるが、おそらくは、白洲次郎も顧客だったヘンリー・プールで仕立てたスーツではないだろうか。

同じスーツ、同じシャツとネクタイを揃え、いつも同じ格好をしていたというのだから、それが英国貴族流なのかと驚いたことがあった。

着回しなどという庶民的な発想とは無縁のあたりが、やはり貴族的だが、ロンドンではラウンジ・スーツはベーシックでも、シャツは派手なストライプが好まれる傾向がある。

サヴィル・ロウ仕立てのスーツなら、シャツはジャーミン・ストリートのターンブル&アッサーを合わせたのだろうが、七世ストラッフォード伯爵は、どんなシャツとネクタイを選んでいたのだろうか。


オーソン・ウェルズとジョン・フォードから話が飛んでしまったが、ストラッフォード伯爵のスタイルには、変わらないことの凄みを感じたし、「保守」とは、そういう姿勢なのだと思う。
posted by 城戸朱理 at 18:59| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月15日

田野倉康一・広瀬大志・高貝弘也・城戸朱理による連詩



毎回、テーマを決めて、4人で展開してきた連詩は、「萩原朔太郎」をテーマとする10篇目が完成したところで、小休止。

全10篇をプリントアウトしたものを全員に送り、各自、校正中だが、そのうちの2篇が「現代詩手帖」7月号に掲載される予定である。


この連詩は、4人で一連を書き、四連で構成されるものが多いが、2人で一連、あるいは1人で一連を担当したものもあり、毎回、交替でテーマを出題するので、脳髄に他者が入り込んでくるような刺激がある。


全員が顔合わせをして再開する予定だが、年内に、あと10篇の完成を目指したい。
posted by 城戸朱理 at 09:27| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

京都風の玉子サンドを作ってみたら

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京都は、朝食はパンという人が90%を超えるほどパン好きで洋食好き。

その京都ならではのサンドイッチが、分厚いオムレツをはさんだ玉子サンドだ。


もともとは惜しまれつつ閉店した洋食屋コロナの人気メニューだったが、コロナのレシピを受け継いだ喫茶マドラグ、姉妹店の喫茶ガボールでも、さらには祇園の切通し進々堂でも人気メニューになっているし、創業70年のパン屋、志津屋の「ふんわりオムレツサンド」のように、パン屋にもある。


日曜日のこと、ふと思い立って、京都風の玉子サンドを作ってみることにした。

まずは、玉子4個でオムレツを作る。

ふんわりと仕上げるためにマヨネーズを加え、京都風だから牛乳ではなく出汁で伸ばしてみた。


パンにバターとマヨネーズ、さらにマスタードを塗っていたら、バンビことパンクな彼女が、キッチンにやってきた。


「それは何かな!?」

オムレツだよ。

「どうやったら、そんなに分厚くて、ふわふわのオムレツが出来るのかな!?」

バンビは、それが京都風玉子サンドになると知って、目を丸くしている。


玉子サンドが出来たので、フルーツにアルファルファのサラダ、そしてフライドチキンを並べて、昼食。


「んふ!
とっても美味しいね!
お弁当に持っていくから作ってあげて!」

今回は、初めてだったから、やや焼きすぎたが、次はもっと上手に作れるだろう。

玉子サンドだけだとさびしいから、ハンバーグサンドにサラダも付けようかと考えていたら――

「今日の夜は、どんな美味しいものを作ってもらえるのかな?」
・・・・・・


なんと、バンビは夕飯まで、私に作ってもらおうとしているではないか!

パンクなだけに油断大敵、さらなる注意が必要である。
posted by 城戸朱理 at 08:09| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月14日

メイド・イン・オキュパイド・ジャパン

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第二次世界大戦後、1945年から1952年まで、日本はアメリカの占領下にあったわけだが、1947年から52年までの5年間、日本からの輸出品には「Made in Occupied Japan」(占領下の日本製)と入れることが義務付けられていた。

ほとんどがアメリカ向けの輸出品だったが、この「オキュパイド・ジャパン」ものは、製造期間が5年間だけだったこともあって、アメリカではコレクティブ・アイテムとなっており、日本でもコレクターが少なくない。


私が、このオキュパイド・ジャパンの存在を知ったのは、1980年代のことで、下北沢や西荻窪あたりのアンティークショップでは、よく見かけたものだった。


私はコレクターではないので、オキュパイド・ジャパンものを集めようとは思わなかったが、当時、買ったものが、いくつかが手元にある。


最初のカップは、西荻窪のアンティークショップで3客あったものを求め、後に骨董市で見つけて、6客組みにしたもの。

デミタスカップのサイズで、ぐい呑みにも使えるが、本来の用途は分からない。

エッグスタンドかと思ったのだが、玉子を入れると安定しないので、やはりカップなのだろう。

絵付けは雑で手早く、戦後の混乱期を偲ばせる。


次の6枚組みの皿のほうは、精巧な出来で、ケーキ皿に適寸。

やはり、西荻窪で求めたものだが、これはバンビことパンクな彼女のお気に入りである。


最後の直径30cm近い大皿は、阿佐ヶ谷のアンティークショップで山積みになっていたもの。

銅版転写による印判手だが、ムラがあり、一枚ずつ確認して、発色のいいものを2枚選んだのを思い出す。

2羽の鳥と柳を配したパターンは、中国の悲恋物語に由来するもので、「ブルー・ウィロー」と呼ばれる。

18世紀なかばにイギリスで生まれ、19世紀の西欧におけるシノアズリーの流行によって、世界に広まった。

イラストレーターの安西水丸さんは、「ブルー・ウィロー」のコレクターとしても有名だったが、コレクターも少なくない。

今でも、食器の定番としてイギリスのバーレイ社などが製造しているが、たしかに魅力的な図柄だし、料理の和洋を問わないところがいい。

仕切りがあるので、朝食用のプレートとして、しばらく愛用したものだった。


日本が貧しかった時代に作られたオキュパイド・ジャパンものは、一生懸命、西洋的なものを作ろうとしているところがあって、切なくも、いとおしい。


ただ、わが家では、もう使うことがないので、気に入ってくれる友人がいたら、プレゼントしようと思っている。
posted by 城戸朱理 at 11:26| 骨董・工芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月13日

手巻き寿司の翌日は

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手巻き寿司のために刺身をサクで買うと、どうしても余ってしまうので、バンビことパンクな彼女が残った尾長鯛を翌日のために、昆布締めにしてくれた。


そして、翌日。

私は一年中、豆腐ばかり食べているが、この時季は、トウモロコシか枝豆、それに水茄子があれば、何もいらない。

トウモロコシと水茄子で晩酌を始めたら、バンビがイクラとイチジクを出してくれた。

イチジクには蜂蜜を加えたマスカルポーネチーズが添えられていたが、これは白ワインと相性がよさそうだ。

そして、次にバンビが用意したのが、お造りである。


「初段宮ざわですよ〜」
!!!

京都の「ごだん宮ざわ」の真似をして、工夫してみたらしい。

ちなみに「ごだん宮ざわ」の「ごだん」は漢字で書くと「後段」で、茶事のあとの気楽な宴会の指すが、バンビは「後段」を武道の「五段」にかけて「初段」にしたわけである。


甘海老にはオレンジを添え、柳美里さんからもらった鉢植えの山椒の葉を散らし、尾長鯛の昆布締めで生ウニを巻いて、ネギが散らしてある。

それに根ワサビと、出汁で割った土佐醤油。

たしかに、「ごだん宮ざわ」風である。


「宮澤さんに比べたら、初段じゃなくて、八級くらいかな」とバンビ。


本職の料理と家庭料理を比較すべきではないが、冷酒が進むお造りだった。
posted by 城戸朱理 at 15:19| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月12日

週末は手巻き寿司を

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金曜日にフェリス女学院大学で講義を終えたあとは、藤沢の小田急デパ地下で食材を買い物してから帰宅するので、週末は、私が料理することが多い。

作るものを決めてから買い物するわけではないので、何があるかを見てから献立を考えるのだが、見事な鹿児島産の尾長鯛とインドまぐろがあったので、久しぶりに手巻き寿司をすることにした。


酢飯を作っていたら、バンビが帰ってきて、「やったね! 今日は手巻き寿司だよ!」と喜んでいる。


果物はイチゴとメロン。

インゲンのお浸しを添え、バンビが好きなスパークリングワインを開けて、手巻き寿司が始まった。


取り揃えたネタは尾長鯛にインドまぐろ、北海道産生ウニにイクラと甘海老、そしてタラコとキュウリで、バンビが根ワサビを鮫皮ですり下ろす。


タラコとキュウリを一緒に巻いたり、尾長鯛にウニを添えてみたり、手巻き寿司だと、アレンジを試せるのも楽しい。

おまけに、調理と言っても酢飯を作って、刺身を引くだけだから、手間がかからないのもいい。
posted by 城戸朱理 at 10:18| 美味しい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

いかれバンビの悪だくみ???

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バンビことパンクな彼女は、紅茶党。

もともと、コーヒーはあまり飲まなかったのだが、最近、なぜか、コーヒーにハマり、あちこちから豆を取り寄せては、毎朝、ハンドドリップで淹れるようになった。

おかげで、美味しいコーヒーには不自由しなくなったのだが、コーヒーだけではなく、ひと晩かけて水出しした冷茶も、毎日、冷蔵庫に入っている。

ありがたいことだと思っていたら、冷蔵庫の脇に「冷茶制作」なるリストがマグネットでとめてあるのを見つけた。

作った日には、○が付いているのだが、余白には130円×116本=15080円という謎の計算が!?


「手作りだから、1本、130円として、このリストが埋まったら、15080円のお小遣いを城戸さんにもらおうという計画なんだよ!」
!!!!!!


なんと、バンビは冷茶を私に売りつけて、お小遣いをせしめようとしていたのである!!!


「ペットボトルは買わなくて済むし、美味しいお茶は飲めるし、バンビくんはお小遣いを貰えるし、一石三鳥というものなんだあ!」
・・・・・・


そう言われると、そんな気もするが、騙されてはいけない。

たんにお小遣いをゲットすべく、あの手この手を考えているだけなのだから。


パンクなだけに油断大敵、さらなる注意が必要である。
posted by 城戸朱理 at 13:47| エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

詩の容器

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フランスのロディアのメモ帳をよく携帯している。

耐水ペーパーだから、雨にも強く、旅行のときは欠かせない。

ミシン目があって切り離せるのも便利だが、逆に、せっかくのメモが散逸してしまうこともある。

そこで、書きとめた詩のメモを、蓋付きのガラス瓶に入れておくことにした。

この戦前のガラス瓶は、京都、寺町の古家具を主に扱うクラフト・キャンディ・ジョイで見つけたもので、吹きガラスだけに気泡が入り、味わい深い。

ここに詩のメモを投げ込んでいくと、ガラス容器じたいが、書物とは違った詩の器になっていくようでもある。


そこで、ふと思い出したのが、子供のころの憧れだった「おもちゃの缶詰め」のこと。

そう、森永チョコボールを買って、金のくちばしなら1枚で、銀のくちばしなら5枚でもらえた、あの「おもちゃの缶詰め」である。

もらった人と会ったことがないので、どんなおもちゃが入っていたのかは分からないが、おもちゃが缶詰めになっているというところが、子供には魅力で、憧れの的だった。

人間には袋であれ、缶であれ、箱であれ、何かしらの容器に入ったものに惹かれる習性があるのかも知れない。

マルセル・デュシャンの代表作のミニチュアを詰めたトランクは、ボックス・アートの先駆的作品だが、その制作をジョセフ・コーネルも手伝っている。

コーネルもまた、ひたすら箱のなかに世界を作ろうとしたアーティストだった。


「詩のガラス瓶」は、別に作品ではなく、あくまでも詩作のための準備だが、それでも、ボックス・アートと同じような欲求が潜んでいるのだろうか。
posted by 城戸朱理 at 18:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月08日

岡晋吾の天平窯〜使い勝手がよすぎて困るもの?

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佐賀県の唐津で、初期伊万里と見紛う器を焼いている陶芸家が、天平窯の岡晋吾。

私は、2015年に鹿児島で開催された国民文化祭に出演したあと、天平窯を訪ねてみたが、京都は「ごだん宮ざわ」の宮澤政人さんも、窯に行ったことがあるそうだ。

それだけ、器好きに注目されているということなのだろうが、ここのところ、東京のデパートやギャラリーでも個展が、たびたび開催されている。


最初の写真は、銀座のギャラリーおかりやで6月14日〜19日に開催される「岡晋吾陶展 日本のかたちを求め」の案内状。

染付に白磁、李朝の鶏龍山を模した片口と、いずれも魅力的で、使ってみたくなる。

さらに、天平窯は酒器もいい。


実際、天平窯を訪ねたときに求めた色絵の小皿や染付皿、生がけの釉だまりが美しい白磁皿は、和洋を問わず料理が映えるし、サイズもいいものだから、食卓に並ばぬ日がないほどだ。

民芸運動を代表する陶芸家、河井寛次郎は、物を買う基準を娘に問われ、「誠実、簡素、健全、自由」と答えたそうだが、岡晋吾さんの器も、そうした条件を満たしているのだと思う。

ほかにも器はたくさんあるのに、使い勝手がいいものだから、バンビことパンクな彼女も、つい天平窯の皿に手が伸びてしまうらしい。


「でも、ほかにもいい器がたくさんあるんだから、岡晋吾さんのお皿ばかりじゃなくて、ほかのも使わないとね!」とバンビが言い始めた。


まったく、その通りである。

食卓に変化をつけるべく、北大路魯山人の絵志野皿や木の葉皿、織部の向付けなど、数点を桐箱から出して食器棚に移し、ふだん使いできるようにしたのだが、それでも天平窯の皿の出番は多い。


今度の個展も、時間があったら行きたいと思っているが、新作を求めたら、また、そればかり使うようになってしまうのだろうか?
posted by 城戸朱理 at 11:00| 骨董・工芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする